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なろうの出がらし「実は俺、最強でした?」レビュー

実は俺、最強でした? ファンタジー
実は俺、最強でした?
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評価 ★★☆☆☆(20点) 全12話

TVアニメ『実は俺、最強でした?』 第1弾PV !!!2023年7月放送開始!!!

あらすじ 虐めが原因で引きこもりとなっていた主人公は女神に魔法レベル四桁にも及ぶチート魔力を与えられ、王子ラインハルト・オルテアスとして魔法のある世界に転生することとなった引用- Wikipedia

なろうの出がらし

原作は小説家になろうで連載している作品。
監督は直谷たかし、制作はStaple Entertainment

間引き

主人公の前世は引きこもりだ。
引きこもってスマホを見ていたら唐突に死んでしまい、
神様による抽選の結果、転生する存在として選ばれたらしい。
この転生の理由の部分、物語の導入から「ふわっ」としており、
異世界へと転生する。

王の息子として転生するものの、生まれた人間にする魔力測定で
彼の魔力は「2」と表示されており、しかも無属性で
結界魔法しか使えないと診断されてしまう。
彼の両親はそんな彼を「捨てる」決意をし、
捨てられてしまうところから物語が始まる。

本来は彼の魔力は「1002」なのだが、この世界の魔力測定機は
二桁しか表示されないせいで「2」と表示されてしまっている。
来世では悠々自適に引きこもりたいという願いがあったはずなのに、
引きこもるどころか森に捨てられる始まりは、
コミカルに描かれている。

赤子でも彼はチート能力を持っている。
規格外の魔力と、結界術によって彼は出会ったフェンリルに
「魔王の生まれ変わり」と勘違いされ、
そんな中で彼が捨てられたことを知った辺境伯に
拾われるところになるところから物語が始まる。

今のはレベル30以上じゃないと…

辺境伯に拾われた主人公は無事に成長するものの、
周囲は彼を魔力がない、才能がないものとしてみている。
そんな彼を憂いて主人公の父が彼に剣術を教えようとする。

すると彼は「結界術」でまず身体強化をする。
この時点で意味不明だ(苦笑)
赤ん坊の頃に結界術による結界でものをつつんで
色々なものを放り投げてたりしたのだが、これはまだわかる。

しかし、身体能力の強化は意味不明だ。
結界術で自らのコピー人間のようなものを作り出しており、
結界術をもちいた回復魔法のようなものまで使っている。
あまりにも融通が効きすぎる能力だ。
ある意味でなろう原作アニメらしいなんでも在り感ではあるのだが、
ツッコミはさらに続く。

主人公の父が本気で彼に斬りかかろうとするのだが、
彼はあっさりと避けることができる。
すると主人公の父はこんな事を言う

「今のはレベル30以上じゃないと避けられないはずだぞ!?」

意味不明だ(苦笑)
回避力や素早さやなどのステータス的な表現ならまだわかるが、
レベル30以上じゃないと避けられない攻撃という
表現がいまいち伝わりづらく、
この世界の住人がある種のゲーム脳のようになってしまっている。

結界術のチート感、何でも在り感は凄まじく
古代魔法を応用して前世の世界つないで
普通にパソコンのようなものでアニメまで見れている。
色々と頭を抱えてしまう作品だ。

変身!

主人公の願望は引きこることだが、彼の才能故に周囲がそれを許さない。
序盤では自分の力が幼い妹にバレてしまい、
彼女に頼まれて「変身」したうえで正義のヒーローとして
活動していたりもする。

その姿がまた痛々しい、ほぼコードギアスのルルーシュのような
格好で無双の限りを尽くす。
これを面白いと思う人もいるかも知れないが、
私的には痛々しい感じが厳しいところだ。

その後もテンプレ的な性格の悪い貴族が出てきたり、
いきなり出てきた竜が人間になって仲間になったりする。
もう、なろう原作アニメで1億回はみたことがあるような
展開をひたすら繰り返している。

中盤になると学園に入学することになるのだが、
試験で彼のチートが明らかになる辺りも、どこかで見た展開でしか無い。
転生した本物の魔王が学園には存在したり、
色々なキャラクターが増えるものの、
特に面白みが生まれるわけでもない。

ヒロインが増えるのはハーレム的な要素でもあるのだが、
ラブコメ的な面白さや、セクシーシーンが有るわけでもない。
いわゆる日常系的なストーリーなのはわかるが、
そういった面白さが有るわけでもない。

最終回

この作品は1クールのアニメだ、
2023年夏アニメとして放送されたが、
それ以降、2期などの情報は一切ない。
それなのに1クール目の最終話は驚くほど中途半端だ。

異世界に転生し、チート能力を持ってるのに
この世界では精確に測定できずに王と王女に捨てられ、
そこでフェンリルと辺境伯にであい、辺境伯の息子として成長する。

引きこもりたいとは思いつつも、家族を守るためにその力を使い、
妹に自身の力をしられ、密かに正義の味方と活躍しつつも、
成長していき学園に通うことになり、
なんとか退学しようと試みている。

それで話が終わっている。
12話のあとに当たり前のように13話が始まりそうなほど、
1クールにおける「区切り」が一切できておらず、
引きこもりたいと思ってるのに引きこもれない主人公の日常が
淡々と描かれ「え?ここで終わり?」と思うほど中途半端に終わってしまう。

1クール目のラストでは闇の組織的なものの存在が
明らかになって襲ってて主人公に逆恨みをした貴族が
謎の力をつかって魔物になって戦って終わる。
これもどこかで見たことの有る展開でしか無い。

1クール、そんなどこかで見たことの有る展開を
繰り返すだけで終わってしまう作品だった。

総評:前にも同じ作品やってませんでした?

全体的に見て既視感が凄まじい作品だ。
1話の冒頭時点での異世界チートで転生したのに
捨てられてしまうという展開自体は新鮮では有るのだが、
それ以降の展開は多く有るなろう原作アニメで
すでに見たような展開と要素だらけだ。

ところどころあるパロディなのかパロディじゃないのか
よくわからない要素もあり、ヒロインも増えるものの、
増えるだけでハーレム的な面白さが有るわけでもない。

いわゆる日常系的なストーリーにしたいのかもしれないが、
それにしても、なろう的な主人公のイキりは気になるところであり、
作画のクォリティも特筆すべき部分もない。

もう少し先までストーリーが進めば話が色々と動き出すのかもしれないが、
動き出す前に話が終わってしまったような印象だ。
もう少しどうでもいい話を削って、ストーリーを進めるような
ストーリー構成だったら作品全体の印象も違ったかもしれない。

個人的な感想:王女はどうなった

主人公の産みの母である王女が何かを企んでおり、
1度主人公のお仕置きされたがゆえに、復讐を考えているようなのだが、
そんな伏線すらも放置してしまっている。
最終話のラストシーンもそこでぶつ切りするかのように
終わってしまっており、このあたりをもう少し描くことはできなかったのだろうか。

コミカライズでは10巻でており、原作ストックが無いわけでもなさそうだ。
それなのにこのぶつ切り感のあるストーリー構成になっているのは
本当に謎でしか無い。

色々と大人の事情も絡んでいるのかもしれないが、
もう少しストーリー構成をどうにかしてほしかった作品だった。

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  1. 匿名 より:

    原作は3巻で王都を舞台に闇の組織である魔人勢力と、シャル達キャメロットの一大決戦が繰り広げられ、最初のエピソードに区切りをつけるのですが、なぜかアニメ版ではその手前の2巻までで終わっちゃったので、ストーリーの仕込みの途中で中途半端になった感があります。

    3巻以降は主人公であるハルトではなく妹のシャルちゃんの中二病がストーリーを進める原動力になっていて、ハルトは(自分が戦えばあっさり勝てちゃうので)妹を陰ながら適度にサポートすることで、戦いを長引かせつつピンチを演出して、妹を楽しませることに専念するという展開が基本なんですが、アニメ版はそういう原作の独自性が十分伝わる前に終わっちゃったのが残念。

    あと、解説内で主人公を捨てたのが「王女」になってますが「王妃(主人公の母)」の間違いですよ。