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ウホッ!いいアニメ……「山川純一アニメ劇場」レビュー

3.0
山川純一アニメ劇場 セクシー
画像引用元:©山川純一/伊藤文學×スタジオレオ

評価 ★★★☆☆(57点) 全3話

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あらすじ 「くそみそテクニック」はじめ山川純一の代表作品をアニメにてリメイク!ヤマジュンブームの火付け役となった「くそみそテクニック」をはじめ、未だにアツい人気を誇る「男狩り」と「地獄の使者たち」を原作そのまま完全再現し「ウホッ!いいアニメ……」引用- Wikipedia

ウホッ!いいアニメ……

原作は山川純一による漫画作品であり、
アニメは山川純一さんの短編をアニメ化したものとなっている。
監督は佐々木純人、制作はスタジオレオ

くそみそテクニック

くそみそテクニックといえば平成初期から
ネットに触れているようなオタクならば知らない人はいないだろう。
「ウホッ! いい男…」「やらないか」、
そんなセリフが匿名掲示板に溢れかえり、
ニコニコ動画などでも大流行した。

原作自体はいわゆるBL漫画ではあるものの、
そのセリフの面白さ、キャラクターの存在感やキャラクターデザイン、
ストーリー運びの唐突さもあって、
いわゆるネットミームになった作品だ。

原作者がすでに死亡しているなどの噂も流れ、
権利関係なども複雑だったようだが、
2013年あたりに権利関係もクリアとなり、
2024年にアニメになったのが本作品だ。

平成の伝説が令和にアニメとなって蘇る、
もう少し盛り上がっても良さそうなものだが、
アニメ自体は配信限定ということもあり、いまいち
盛り上がりに欠けた印象だ。

なお、配信自体はAnimefestaで行われている、
実質僧侶枠な作品だ(笑)
修正が入ったものなどは現在、Amazonプライムで配信されている。

また、今年、くそみそテクニックだけを
「新・やらないか」というタイトルでアニメ化している。
こちらはクラウドファンディングで制作されており、
Flashアニメっぽさが強くなっている。

ごく一般的な男の子

1話冒頭、主人公である道下正樹が
トイレを探しながら走っている。
原作が1987年、今から37年前の作品ということもあってか
キャラクターデザインは濃い、当時の画風を感じさせる
濃いキャラクターデザインの主人公だけでなく、モブまでも濃い(笑)

無駄にキラキラしたエフェクトなど、どこか少女漫画的でもあり、
そんな雰囲気の中でモノローグによる自己紹介が始まる、
彼は一般的な男の子だ、ただ少し違うのは男に興味があるということ。
そんな彼がトイレのそばでいい男を見つける

「ウホ…いい男」

ネットミームにも鳴ったセリフが次々と飛び出す流れは
思わず笑ってしまい、いい男こと「阿部高和」の
作画にも異様なこだわりがある、筋肉の書き込み、
手の血管や筋にいたるまで異様に書き込まれている。

もちろん、Amazonプライムで配信されているものには修正が入っている。
だが、これがうまいこと「メタファー」のようなものを出すことで
修正が気にならなくなっている。

「阿部高和」がつなぎのチャックを釣り下げる、
そんな彼が「やらないか」と問いかけてくるのだが、
その後に公園の「水道の飲み口」を映し出す(笑)
なんとなく男性のアレを彷彿とさせるモチーフを映し出すことで、
うまいこと全年齢版仕様に仕上げている印象だ。

次々と飛び出す名言の数々、

「よかったのか、ホイホイついてきてしまって。
俺はノンケだって構わず食っちまう男だぜ!」

修正はされているものの「音声」や「音」などは
かなり生々しく、セリフもそのままだ。
Amazonプライムの修正の甘さには驚く、
これが地上波だったら絶対にNGだ、
この作品が地上波で放送されなかったことも納得できる。

内容的には完全にBLというかゲイアニメではあるものの、
聞き慣れたネットミームのせいで
それがギャグにしか見えなくなっている。

ちなみにこの作品は「山川純一アニメ劇場」だ。
くそみそテクニックだけではなく、
全3話のアニメに鳴っている。

くそでかい…

2話ではいきなり大男がみずからの巨大なアレを
男にぶっ刺しているところから始まる

「うははは!悪く思うなよ、恨むならこのでかすぎる◯◯◯を恨みな..」

ともはやどんな始まりなのかわからない独特な
台詞回しで始まる(笑)
モヒカンで巨漢で巨根な男が男を襲う事件が世間では頻発している。
襲うだけではなく、襲われたものは肛門が裂傷し死亡している。

刑事の主人公は事件を追う中で、
犯人が「弟」であることをつきとめてしまう…

普段は優秀にみえるサラリーマンと
モヒカンで筋肉マッチョになる弟の変身ぶりに
笑うしか無く、独特な台詞回しとストーリーの勢いに笑うしか無い。

くそみそテクニックのようにネットミームにはなっていないものの、
2話の「男狩り」でも1話と同じように笑ってしまう。
23cmのアレをもつゆえの男の悩み、兄弟の悲しい運命。

シリアスで真面目なBGMが流れているのに、
弟のケツに拳銃をぶちこんでぶっぱなす兄という展開に
笑いを隠すことが出来ない、朝から大爆笑だ。

くそ戦火

3話では時代は戦争中だ。米軍の捕虜になった二人の兵士、
彼らは同性愛者であり、それを知った米軍に見世物にされ
殺されそうになる、隠し持っていたダイナマイトで彼らは一矢報いる。

男の裸まみれであちらこちらで兵士たちもまぐわっているものの、
かなりシリアスかつなんともいえない後味の残る、
この3話は作品全体に独特の余韻を残すものだ。

この独特な余韻、コメディとシリアスの混同こそが
山川純一という漫画家の魅力だったのかもしれない。

総評:あの伝説のネットミームが蘇る!

全体的に見て山川純一という連載当時はあまり評価されなかったものの、
10年以上の月日が立ち、その独特な言い回しとストーリー運びが
ネットミームとなった。ネットミームになったこともわかるほど、
1度見ると妙に頭に残る台詞回しが癖になる作品だ。

アニメとしてもかなり気合を入れて作られており、
筋肉隆々なキャラクターたちの作画には妥協がなく、
AmazonPrimeで配信されてるものは当然、黒塗りの
規制がされているものの「メタファー」をつかい、
それを欠点に感じさせない工夫がなされている。

1話の伝説、2話のコメディ、3話のシリアス。
この全3話のバランスが非常にちょうどよく、
山川純一という漫画家の魅力を余すことなく感じられた作品だ。

男性同士のセクシーなシーンな非常に多いため、
そういうのが苦手な方やお子様は視聴に注意が必要だが、
あのネットミームで笑ったネット民には
ぜひ見ていただきたい作品だ。

個人的な感想:僧侶枠

くそみそテクニックのアニメ化自体はもう1つ
別の制作会社と監督でされているものの、
そちらはPVを見る限り、クォリティはFLASHアニメレベルで高くない。

もともとは「新やらないか」を作る予定だったスタジオレオが
制作から外れて僧侶枠番の本作品を作っている。
色々とそのあたりも揉めたりなんだりしたようだ。

この作品自体は非常にクォリティも高く、
あのころ笑っていた貴方にぜひおすすめしたい作品だ。

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