評価 ★★★☆☆(50点) 全12話
あらすじ とある中学校の理科室が主な舞台。科学部の部長である女子生徒「上野」は意中の後輩である「田中」に想いを告げるため、彼女自らの発明品を駆使して遠回しに不器用な告白を試みるも、鈍感すぎる田中のせいでいつも失敗してしまう。引用- Wikipedia
マニアックな下ネタは…
原作はヤングアニマルで連載中の漫画作品。
監督は月見里智弘、制作はレスプリ。
1話あたり12分程の短編アニメ。
ではこちら、ろ過した私のおしっこになります。
引用元:© tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
見出して感じるのはどストレートなシモネタだろう。しかもエグい(笑)
主人公である「上野さん」は中3の科学部の部長だ。
そんな彼女が日々、発明し生み出したものを実験している。
話の作り方としては「キテレツ大百科」みたいなノリだ。
第一話の発明品は「ろ過装置」だ。これだけだと普通なのだが、
きちんとろ過されていることを証明するために、
自らの「尿」をろ過し、同じ部の部員であり好意を寄せる相手でもある
「田中」に飲ませようとする。
これは紛れもないラブコメである(笑)
愛の形の伝え方が自らの「ろ過した尿」という異常性癖のような
伝え方ではあるものの、発明品を通して異性に思いを伝えようとしている。
上野さんは可愛い
引用元:© tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
変態的な発想の持ち主の上野さんではあるものの、かわいい。
やや「癖のある」キャラクターデザインであり、
鈍感で反応の薄い田中に対してハイテンションで突っ込む様は、
お世辞にも上品かつ清楚なキャラクターではない。
しかしながら彼女のまっすぐな「思い」を顕にする際は
間違いなくラブコメにおける「ヒロイン」であり、
怒りながらも田中へのほぼセクハラみたいな行為を繰り返し、
自分の予想とは違う田中の反応や予想外の行動で
顔を真赤にして慌てふためく様子が可愛らしさに塊だ。
田中
引用元:© tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
ただ、そんな上野さんに対して田中の反応が薄い。
中学生というそれなりの年齢の男子のはずなのだが、驚くほどに反応が薄い。
流石に「尿」はハードルは高い部分があり、
それに対し田中が冷静に拒否するのはわかるが、
「目の前で女子が全裸になる」という状況でも彼は照れたり恥じらったりしない
驚くほどに反応がうすすぎる。
それ故に上野さんという女子が一人で変態発明というボケをかまし、
それに対して何も反応しない田中に突っ込んでいる。一人漫才だ。
その状況が面白い場合もあるのだが、一人漫才状態で
滑ってしまっている話もある。
本来は彼女の変態的な思いの伝え方に対して、
その「思い」自体には気づかないまでも、変態的な行為に
もう少し戸惑っても良いのでは?と思うほどに無表情でつまらない。
お笑い芸人の漫才自体はすごい面白いのに、
客が誰一人笑っていないような状況だ。
「笑える空気感」というのが作られていない。
たまに彼のセリフや行動が本当にデリカシーが無い場合があり、
見てるこちらが反応に困ってしまう場合もある。
何度も女子の尻を叩いたりする行為は流石に賛否が別れるところだろう。
彼が上野さんが作ったロボットだと言われて初めて納得できるレベルだ。
当たり外れ
引用元:© tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
これはギャグアニメであるがゆえに仕方ない部分もあるのだが、
話によっての当たり外れがでかい。
前述した「田中」のサイコパスじみた言動や行動もそうだが、
面白い話とそうでない話の差が大きい。
1話12分ほどで2話構成になっているがゆえに、
ハズレの話の場合でもサクサクと次の話に変わる良さはあるもののの、
話によっては「え?これで終わり?」という拍子抜けするパターンも有る。
話が進むと新キャラも追加されるが、あくまでもゲストキャラ的なものであり、
メインは3人のキャラクターだ。新キャラも当たり外れが非常に大きく、
1回出るとしばらく出ないキャラも多い。
どちらかというと3人だけの話のほうが当たりな話場合も多く、
「ネタが切れたから新キャラを出した」感じのハズレの話が多い。
話もパターン化しており、はっきり言って飽きやすい。
1話12分、1クールのアニメだが終盤にはすでに「マンネリ感」も
出てしまっている作品だった。
総評:好みは分かれる
引用元:© tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
全体的に見て好き嫌いがはっきりと分かれる作品だ。
上野さんという女子が好きな男子に発明品を理由にセクハラを行う。
この作品の芯自体は悪くないのだが、いわゆる下品な下ネタであり、
こういう下ネタが大丈夫な人でも「尿」や体液などの
ちょっとマニアックな嗜好を含む下ネタは好みが分かれるところだろう。
そんな下ネタに対して常に冷静な「田中」も好みが分かれる。
時折サイコパスじみた行為や言動が見られ、
嫌悪感をいだきかねないキャラクター描写だ。
ただ、驚異的な科学力で生まれる発明品を利用して行われる
ラブコメは面白い話もあるため、色々と惜しい作品だ。
「上野さん」というキャラクターは可愛いのだが、
彼女の魅力の描写もワンパターンナノも残念だ。
話の当たり外れやマンネリ感も気になる所であり、
色々と好みの分かれるくせの強い作品だった。
個人的な感想:うーん
引用元:© tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
個人的にはこの手の下ネタラブコメギャグアニメは好きなジャンルなのだが、
この作品はどうにもピンとこなかった。
決してつまらんわいわけではなく、面白い話は笑えるのに、
色々と気になってしまう部分が多い。
そもそも、この上野さんは「田中」のどこが好きなのだろうか。
それが理解できなかった。
ラブコメにおける根本の部分が理解できなかったというのが
楽しみきれなかったポイントなのかもしれない。
最終話あたりで「好きになったきっかけ」みたいなのが描かれれば
作品全体の印象が変わったかもしれないだけに残念だ。
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