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「月が導く異世界道中」レビュー

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評価 ★☆☆☆☆(20点) 全12話

TVアニメ『月が導く異世界道中』第2弾PV|21年7月7日放送開始

あらすじ 一男二女というごく平凡な五人家族の高校生「深澄真」は、突如として日本から異世界へヒューマン(異世界における一般的な人間とほぼ同意)を救う勇者として召喚される、引用- Wikipedia

なにがしたいの?

原作は小説家になろうで連載中の小説作品。
監督は石平信司、制作はC2C

ベタとは違う?

1話冒頭、主人公が自分のことを揶揄して語る。
異世界ものといえばトラックに跳ねられ転生し、
勇者の力で無双を繰り返し楽しくヒロインとハーレムする、
しかし、彼の場合は違う。勇者などもってのほか、
楽しくヒロインとハーレムなんてもってのほか、自らは不運であると。

普通の異世界転生ものではないということを
視聴者目線で感じさせるのではなく、あえて1話冒頭で語ることで
視聴者の興味をひこうとしているのはわかる。
一体、普通の異世界転生ものとはどう違うのか。

一種のあおりめいた冒頭の主人公の自己紹介のおかげで
この作品に対する期待感をつのらせてくれる

唐突な異世界転生

主人公は「ツクヨミ」によって異世界の女神のもとへ
いきなり預けられる。
主人公の両親は「異世界の人間」らしく、異世界の女神との契約で
大切なものである主人公が女神へと捧げられる。

両親の事情などは一切語られず、どういう契約でそうなったのかも語られない。
主人公もあっさりと事情を飲み込んでおり、
ギャグチックに描かれているからこそ細かいことは気にするなと
いわんばかりのやや強引な展開は引っかかりを生む。

いざ異世界に送られても女神は
「主人公が醜い」という理由で最低限の知識や力しか与えられない。
かなり強引な展開にややついていけない。

最低限の知識や力しか与えられなかったはずなのに、
地球人は異世界では環境が違うせいで力を与えられずとも「超人」らしく、
三日三晩飲まず食わずで歩きつづけても何の問題もなく、
ツクヨミの力はもらってるおかげで
ケルベロスのようなモンスターも一撃だ。
魔法も教えられればあっさりと覚えてしまう。

いわゆる序盤は逆境な立場に置かれて成り上がるような
作品はなろう作品の中にもあるが、
この作品は1話の序盤でそういう設定が用意されたはずなのに
その設定をまるで生かさない、なんのための設定なの?と言いたくなってしまう。

1話冒頭の語りはどこへ行ったと思うほどの1話終盤の展開だ。
無敵と言われる竜な美少女も仲間にしており、
あの語りの意味をまるで感じられない。

なぜか1話のエンディングは「水戸黄門」の主題歌であり、
異世界珍道中の中で水戸黄門のようなことをするのが
この作品の目的なのだろうか?と思いきや
それもまた違う

建国

主人公は「亜空間」に出会った種族を仲間にし取り込んでいく。
簡単に言えば自分だけの国を作るようなものだ。
どこぞの転生したスライムでも似たようなことをやっていたと
一瞬デジャヴしてしまう。

現世でかつて主人公に告白した「長谷川」という少女そっくりな
少女が異世界にもいるが、似ているだけだ。
何をしたいのかまるでわからない。
これで「長谷川」自身が異世界転生してしまっているのならまだしも、
ただそっくりなだけだ。

街で悪事を働いている奴らを懲らしめる的な話はあるものの、
それが別に面白いわけでもなく、
それが話の中心というわけでもなく、「世直し」的な感じも薄い。

むしろ、その世直しの過程で主人公の仲間が暴れまくったせいで
街が崩壊していたりもする。
ギャグ的な雰囲気のためにオチを無理やり付けるための展開の印象だ。
しかも、まともに世直しといえることをしたのは2回くらいだ。

両親の軌跡

一応、異世界出身の両親の軌跡を追うという
ふわっとした目的はあるものの、ふわっとしている。
中盤ではいきなり「商売」を始めるという流れになる。
わけがわからない。

特にお金に困っているわけでもなく、なぜ商売を始めるのかが
イマイチ納得いかない。
両親の軌跡を追うならば拠点を構える必要はないはずだ。
そもそも拠点自体はいつでも移動できる亜空間に街を作っており、
余計に意味がわからない。なにがしたいんだろか。

街づくりに感じても、主人公が特に何もしなくても
どんどんと住人が増えていく。
せめて主人公がなにかして住人が増えていくならストーリーが生まれるが、
なんか気づいたら増えている。なにがしたいんだろうか。

異世界人の両親、建国、世直し、両親の軌跡を追う、女神に捨てられたということ。
いろいろな要素は出てくるが、いろいろな要素が宙ぶらりんのまま
話が進んでいく感じだ。

特に大きなトラブルが起きるわけでもなく、
主人公の強さに匹敵するような敵が現れるわけでもない。
話のテンポはいいものの抑揚が薄く、淡々とした感じが続いてしまう。

掘り下げ不足

唐突に主人公が自らの感情を川柳で読み上げることもあるが、
特にそれが面白いわけでもなく、意味があるわけでもない。
キャラクター数は多いものの掘り下げが甘いキャラも多く、
現世での知り合いに似た冒険者やその妹、仲間にした亜人達と、
出したはいいものの、そのあとのストーリーでの必要性を感じないキャラも多い。

ヒロインの位置に居る2人も主人公が恋愛対象とみなしていないため、
ラブコメ的な展開に進展があるわけでもない。
主人公自身の掘り下げも薄く、話しが進めば進むほど
1話1話の内容も薄くなっていく。
両親の軌跡を追うという話はどこへいったのだろうか。

断片的にこの世界の情報や両親の情報自体は
たまたま手に入るものの、ストーリーが進んでいない感じが強い。
序盤のメインだったはずの世直し要素などすっかりとご無沙汰だ。

唐突

終盤で唐突にシリアスな展開になる。
主人公はストレス解消代わりに「弓」をしていたのだが、
弓を射る過程の最中の集中が一時的な「死」になるらしく、
やればやるほど主人公の魔力が強まってしまう。
特に苦労せずとも強くなる展開のご都合主義には乾いた笑いしか出ない。

そんな主人公が終盤で人間に街を襲われ住民に被害が出てしまう。
ストレス解消がわりの弓がやれなくなったこともあり、
彼は人間に対しての怨みを爆発させて闇落ちする。

急な激怒、急な闇落ち展開についていけず、
この作品全体にただよう「唐突さ」が終盤に極まったような印象だ。
見る側の感情移入法っておけぼりで勝手に主人公が闇落ちする。
そもそも主人公が商売のために村に人間を入れたせいだ。
主人公のせいで犠牲が出ているr。

そうかと思えば急に主人公を異世界に召喚した原因でもある女神が介入してくる。
あまりにも唐突な展開が続きすぎてまるで話についていけない。
唐突に現れたキャラと唐突に戦い、苦戦しながらも勝って終わりだ。

1クールの締めとして、話の区切り方も中途半端であり、
「2期決定」という告知が出ても、最初から決まっていたとしか思えない
中途半端でグダグダなストーリー構成が
作品全体の足を引っ張っているような作品だった。

総評:作品全体が迷子

全体的に、主人公が何をしたいのかが明確になっていないのが最大の問題だ。
両親の軌跡を追うという目的はほとんど進んでおらず、
1話のエンディングで使われたような「水戸黄門」のような世直しは
2回くらいしか行われない。
亜空間に亜人たちの国造りをするというストーリーも勝手に住人が増えていき、
商売をやる理由も薄い。

自分を召喚して見捨てた女神に復讐するわけでもなければ、
元の世界に戻るために奮闘するわけでもない。
キャラクターも出しただけのようなキャラも多く深い掘り下げは行われず、
すべての要素が宙ぶらりんだ。

おれつえーの限りを尽くすわけでもなく、ハーレムになるわけでもない。
魔王を倒すわけでもない、逆境から成り上がるわけでもない。
何がしたいのかがまるでわからない。

作画のクォリティと声優の演技がしっかりしており、
話のテンポ自体はいいからこそ、見れる部分はあったものの、
作品全体としては行き当たりばったりで思いつきの展開を
詰め込んでるだけのような作品に見えてしまった。

2期では「学園都市」とやらにいき、学園に通うようだが
これまたどこかで見たことのある展開でしかなく、
また「目的」がふわふわした2期になりそうな予感しかしない。

この予感が外れてくれることを切に願うのみだ。

個人的な感想:和風

海外受けはかなりしているようだ。
水戸黄門的な時代劇要素や和風な装いが海外受けをしているのかも知れないが、
正直、内容はとっちらかってしまっている。
2期でこのとっちらかり具合を上手く片付ければ1期の評価も
変わる…かもしれない。

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出演声優 花江夏樹, 佐倉綾音, 鬼頭明里

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この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください

  1. 匿名 より:

    私は好きです

  2. 名無し より:

    ほぼ同意する解説です。
    特にこの手の作品によくある性的な行動に対してやたら鈍感系や拒否系の主人公の何処に需要があるのかわからない
    作者が童貞なのか…

  3. にし より:

    原作やコミックを読んだら、また違った感じで『どうしてこうなった』と思う。

  4. より:

    原作のはしょりがヒドくよくわからない感じで話が進んでいく。原作を知っているとなんだこれ?となった。

  5. 藤吉郎 より:

    見れば分かる。

    キャラが生きてて面白い。
    続きに期待、以上。

    • ゲンタ より:

      アニメでは声優を多く出すためにストーリーを短く積めたため重要な所7割ぐらいカットしていたため駄作になったと思う。
      主人公の力が強いのは?
      告白されたそっくりな女の子はどうなってた?
      レンブラントさんは本当は?
      あの呪術者は?
      蜃が主人公から好かれてない理由は?
      何故水戸黄門?
      森鬼の禁術とは?
      最後に戦った彼らは?
      この世界の勇者とは?
      識の存在は?
      せめて、転スラや異世界スマホみたいにゆっくりやればよかった。
      小説よりコミック見てほしい。
      ここまでの話、分かりやすく書いてあるから。
      この作品大好きだから読んでほしい。

  6. 匿名 より:

    原作小説のファンなので、アニメは、挿絵みたいな位置付けで見てます。
    アニメ単体では、駄作ですが、原作ラノベのオマケとしては、まぁ、充分かな。

  7. ゴジラ より:

    とても良い次出るのが待ちどうしい。

  8. トビリシ より:

    いい加減海外受け=二期という誤解を解いてはどうか

    これがやってたクールは配信成績が例年の七割ー六割という超不作クールでこれ自信も大した成績じゃないです

    こういうのは大体配信会社とどういう契約内容結んだがで大体決まってる

  9. えふ より:

    原作ラノベ、原作を元にしたマンガは面白いがアニメは展開が早くて色々端折りすぎる。
    アニメしか見てない人は浅いと思われてもしかたない。
    アニメに不満がある人は、よくわからなかった人は原作、マンガを読むと良いかも。

  10. デスラー より:

    コメント書くか迷ったけど、この記事読んであまりに不快な気持ちになったので…。
    筆者さんとこの作品が合わなかったかだけの話でしょ。合わないと思った時点で見るのを止めればよかっただけ。わざわざディスった記事を配信する理由は何?何かの腹いせなのかと疑うレベル。
    自分的にはかなり好きな作品。原作は未読なので、このまま続きを楽しみに待ちたいと思います。

  11. 匿名 より:

    まあ、感じ方は人それぞれだからなあ。曲がった感じ取り方のやつもいるのだろう。
    深く考えるな、感じろ。その方が世の中楽しいぞ。

  12. 匿名 より:

    小説を読もう。
    小説を読むのが嫌ならコミック読もう。
    アニメ制作会社がどんだけ声優を出したくてアニメを省略したかわかる。
    それ必要だぞって話も消してるから。
    このアニメが嫌ならまず読め。
    そして二期のコメントしよう。

  13. 匿名 より:

    ここは「アニメ」作品の批評ブログなのだから「原作は面白いから読め」等の擁護は筋違いでしょう。
    単独の作品としても面白かった、というのであれば何が優れているかをコメントすればよいのでは?