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「東京ミュウミュウ にゅ〜♡」レビュー

1.0
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評価 ★☆☆☆☆(14点) 全12話

TVアニメ『東京ミュウミュウ にゅ〜♡』第1弾PV

あらすじ ごく普通の女の子・桃宮いちごはある日、憧れていた学園のアイドル・青山雅也とデートをできることに!待ちに待ったデートの日、突然まぶしい光に包まれ、猫が体の中にはいってきて……!?引用- Wikipedia

あなたウザいわ(棒)

本作品は2002年に放送された「東京ミュウミュウ」のリメイク作品。
キャスト、制作陣ともにすべて変更されている。
監督は名取孝浩、制作はゆめ太カンパニー、グラフィニカ

キャスト変更

この手のリメイクアニメはTVアニメ、映画ともに最近と多い。
リメイクする際にキャスト変更は仕方ない部分があるものの、
この作品はそんな中でも、この作品は新人を起用している。

5人のメインキャラのすべてが新人だ。
これはもうわかりやすい「商業主義」による産物だ。
そのキャラクターに合う、合わない、演技力がある、ない。
そういう部分は関係がない。
5人のそれなりに見た目のいい女の子をどこからともなく連れてきて
「Smewthie」というアイドルグループをやらせるためのものだ。

この作品はそんな彼女たちを売り出すために出汁にされたにすぎなない。
あえて20年の月日を経て東京ミュウミュウをリメイクする。
過去作のファンにとっては複雑な感情がつきまとうリメイクというものを
この作品は出汁にしている。

ただ新人感はあるものの、そこまで気にならない人も多い。
主人公である「桃宮 いちご」など聞けるレベルになっており、
最初こそ違和感があるにしろ、見ているうちに慣れてくる部分はあるものの、
一部のキャラの演技は本当にひどい。

特に「藤原 ざくろ」は聞くに堪えないレベルだ。
低い声質自体は悪くないのだが、声の通りが甘く、
鼻声のような感じになってしまっており、
「歌唱」シーン以外の普通の日常会話のシーンでの演技の酷さは、
この作品を見るのを辞めるには十分な理由になってしまっている。

他の4人に比べて突出したひどい演技は聞くに堪えない。
他の4人は最低限、演技をしているが、彼女だけは演技をしていない。
元子役で元アイドル、そういう経歴を買われたのかもしれないが、
無駄に歌うシーンも長く、彼女が喋るたびに作品の雰囲気や
この作品への視聴意欲がグッと下がる

9話では一瞬ではあるが英語で喋るシーンが有るのだが、
日本語で喋るより流暢であり、演技力すら感じられる。
もうずっと英語で喋っていてほしい。

英語での発音は若干高い声の感じで発音している部分もあり、
おそらく大前提として「ざくろ」というクールな女性のキャラの声と
演じている彼女の声質があっていないのだろう。色々と酷な話だ。

設定変更

設定も微妙に変更されている。
リメイク前はメインキャラ達は中学生だったが、
本作では高校生になってる。
そのせいでどこか子供っぽさの残る「いちご」という
主人公のキャラクター設定にやや厳しさを感じるものになってしまっている

他にも1話から細かい展開やキャラの設定が違っており、
過去作を見ている人は違和感を覚ええる部分も多いだろう。
この作品はもともと「少女漫画」原作の作品であり、
20年前の少女漫画的なベタな展開が多い。

主人公には憧れのイケメンの同級生がおり、
そんな彼とデート中に突然キスしてしまって、さぁ大変
と、わかりやすい少女漫画的な展開が描かれている(笑)
20年前ならベタな展開という感じで消化できたが、
流石に20年経ってこのノリをやられると
ベタをこえて「ギャグ」にすら見えてしまうほどの少女漫画感にあふれている

これが深夜アニメではなく朝アニメとして
子供がターゲット層ならまだわかるのだが、
深夜アニメという放送枠で大きなお友だち向けにやるにしては
色々と展開がノリがきついところもある。

展開もかなり唐突だ。
イケメンと絶滅危惧種の動物を見に行ったら、
謎の機械で「猫」のようなものを体に入れられて彼女は
「生物兵器」にされてしまう(笑)

私は「東京ミュウミュウ」を1回みたことがあるくらいで
過去の記憶の中にしまい込んでいたが、
こんなにぶっ飛んだ作品だったのか?と思わず笑ってしまう展開だ。
「ご奉仕するニャン♡」という決めセリフも
今思い返せばかなりギリギだ。

なんの説明もなく生物兵器にされ、
主人公は「エイリアン」と戦うところになる
というところから物語は始まる。

青山くん

序盤や変身シーンの作画のクォリティは悪くないのだが、
中盤くらいから一気に作画がへたれてくる。
2022年に放送されているとは思えないほど作画のクォリティも低く、
「目の大きい」少し前の少女漫画風なキャラデザなだけに、
作画が崩れると目立ちやすい。

1話のキスも唐突だが、3話でも主人公は唐突に
見ず知らずの輩にキスされる。
唐突すぎる展開にギャグアニメのごとく受け入れることはできるが、
ツッコミどころはかなり多い。

特に「青山くん」はやばい。
主人公の「桃宮 いちご」が気になっているイケメンな男子、
序盤こそそういうポジションなのだが、徐々に様子がおかしくなる。
彼女が「ミュウミュウ」としてどこかへいきなり行ってしまえば、
泣きながら怒る、ここまではいい。

彼女のことを好きだという気持ちを自覚しきれないまま、
彼は「猫」が落としたチョーカーを
「いちごには鈴をつけておかなきゃ…勝手にいなくならないように」
とつけてくる(笑)

ここまでなら1億歩譲っていいとする、極めつけに
彼はこんなことまでいってくる。

「いちごは僕の猫なんだから」

やべー男である。
ご奉仕するにゃんという主人公の決めセリフのせいもあるのだが、
もはや、そういうプレイにしか見えない。
主人公が顔を赤くしてそれを受け入れて、
青山くんの猫として「ずっと外さない」と宣言する。

SMが趣味のバカップルを見せられてるような気分になってくる。
ただ、色々と視聴継続が厳しい本作品において、
このやべー男である青山くんと、主人公であるいちごの
恋愛関係が色々な意味で視聴意欲をわかせてくれる。

展開の速さ

もともとのリメイク前の本作は全52話の朝アニメだ。
しかし、リメイクされた本作品は2期が決定しているものの
1期は1クールということもあり、かなり展開が早い。

本来ならあるはずの日常やキャラ同士の関係性や
キャラクターを掘り下げるようなストーリーがざっくりと
省かれてしまっているせいか、
キャラクター同士の関係性が希薄だ。

前作の4クールと言う長さだからこそ成立する
キャラ同士の関係性や敵キャラの多さの問題もあり、
分割2クールという、約半分の尺でやるために
かなり駆け足の展開になってしまっている。

なんで戦ってる…?

そもそも、特に給料もなく
「絶滅危惧種」の遺伝子と適応しているからという理由だけで
少女たちが戦わされている状況も納得できず、
唯一「ざくろ」だけはそれについて疑問を持っているものの、
あっさりとその疑問もなくなる。

彼女たちが「戦う理由」が根本的に無い。
彼女たちに絶滅危惧種の遺伝子を注入したやつらは
バイト代は支払っているものの自分の店で彼女たちを働かせ、
なおかつ「エイリアン」と戦わせている。

それだけならまだいいが、戦い続けていると
遺伝子の侵食が進行してしまい「獣化」してしまう。
エイリアンをすべて倒せば戦う必要がなくなり、
自然と強制注入された遺伝子はなくなるらしいが、
戦いに時間をかければかけるほど人間に戻れなくなるリスクが上がる。

かなり強引な話だ。
本来は子供向けアニメだからこそ、こういうツッコミどころを
「子供向けだから」と飲み込めた部分があるが、
深夜にやってるアニメとしてみると色々とガバガバだ。

一応、彼女たちは正体を隠している。
素顔でほぼ動物コスプレしただけの格好でなぜ
バレないのか?などと突っ込んではいけない。
「いちご」がやむを得ず青山くんの前で変身しても、
なぜかバレないのも突っ込んではいけない(笑)

メインキャラの一人である「みんと」は
家業をつぐための「3年間の留学」をするかどうか悩んでいるのだが、
そもそも「ミュウミュウ」にならなければ
すんなりと留学に行っていただろう。
5人が5人ともプライベートを犠牲にしているような構図に
いまいち飲み込みきれない。

1クールの段階では「私達の戦いはこれからだ」になっているものの、
あまり続きが見たいとは思わないラストだった。

総評:過去作をアイドルの出汁にするな

全体的にみてなんのためのリメイクなのだろうか?と疑問に感じる作品だ。
20年前に人気だった子供向けのアニメ、
そんなアニメをわざわざリメイクし、キャストも一新し、
なおかつ「深夜アニメ」として放送する。

作画のクォリティも変身シーンや決め技など
一部のシーンのクォリティは高いのだが、それ以外のシーンは
作画崩壊寸前のギリギリの部分も多く、
尺の都合でハイテンポにストーリーが進むせいで
キャラクター同士の関係性も希薄なものになってしまっている。

もともとツッコミどころのあるアニメではあったが、
「環境問題」など、子供向けの作品としては重いテーマを扱っている作品だった。
しかし、今作はただ「中の人」を売り出すためだけのアニメだ。

新人の女性たちにろくに演技指導もせずに配役しており、
そのせいでほとんどのキャラの演技が厳しく、
特に「ざくろ」に関しては聞くに堪えないレベルだ。

20年以上も前の作品なだけにキャストの変更は仕方ない部分がある。
しかし、だからといってそこに「アイドル」をねじ込んで良い理由にはならない。
結局、昨今のアイドルアニメブームの中で生まれた
アイドルプラスなにかの作品と同じで、
この作品も東京ミュウミュウという作品を使ってアイドルを
売り出したいだけなんだろうなと感じてしまう作品だった。

本当に残念だ。

個人的な感想:青山くん

20年前にガッツリ見た記憶はないが断片的に
リメイク前の作品をみていたが、
青山くんがこんなにヤバい男だったことをしれたのが
リメイクにおける唯一の利点かもしれない(笑)

設定のガバガバさやツッコミどころなど、
いい意味であのころのアニメのノリは所々で感じるものの、
それが良さにはなっておらず、「ざくろ」の登場あたりから
膝から崩れるような感覚になってしまう作品だった。

2期まで半年ほどの時間があるだけに、
せめて中の人が成長してることを期待したい

「東京ミュウミュウ にゅ〜♡」は面白い?つまらない?

この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください

  1. 青山くん大好き"でした"。 より:

    コメント失礼致します。

    私は20年前の東京ミュウミュウを当時だけでなく、大人になってからも見返していた溺愛勢です。
    今回リメイクということで、東京ミュウミュウにゅーを見ましたが、展開の速さについていけず、特に青山くんの暴れ具合に思わず笑ってしまいました。

    そして、考察ブログを探していたところ主様の記事に辿り着きました。
    耐えて読んでいたのですが、「やべー男である」で我慢できず吹き出してしまいました。
    めちゃくちゃ共感しながら楽しく読ませていただいたので思わずコメントしてしまいました。

    20年前のミュウミュウはうろ覚えとのことなので、是非見返して見てほしいです笑