「最後の召喚師 -The Last Summoner- 1話覚醒」レビュー

評価 ★☆☆☆☆(17点)

「最後の召喚師 -The Last Summoner-」ティザーPV／2023年1月配信開始！

あらすじすべての事物に霊魂が宿り、その霊を召喚できる人間は召喚師と呼ばれている。ごく普通の高校生、アジェ。料理が得意な彼は、ある日自身が作った料理で、うっかり女神を召喚してしまう。引用- Wikipedia

ラーメン作ったら女神が出てきた

原作は中国の漫画作品。
監督は于沺、制作はASK

１話冒頭から長々とナレーションで語られる。
この世界には召喚師というものが昔から存在してたらしいが、
そんな召喚師というものが現代では忘れ去られているというものだ。

特にキャッチーな世界観でもないのに長々とナレーションで語られるのも微妙であり、
その後に流れるOPの曲の雰囲気や
キャラデザの古臭さもあいまって90年代のアニメを見てるかのような気分になる。

そんなOPが終わると主人公は主人公で「ヘッドホン」をつけて
樹の下で寝転んでいる。
色々と古臭いセンス全開に感じられる１話冒頭は
多くの人が見るのをやめただろうなと感じるほどだ。

そんな主人公が自分のことをわざわざ説明してくれる

「俺はアジェ、１６歳。彼女なし。
成績も恋愛も興味ない。寝て食べて学校に行くその繰り返しだ。
特に夢もない。」

もうゾワッと鳥肌すらたちそうなモノローグと、
そんなモノローグにふさわしいクソダサBGMが妙にクセになる。
最近の中国アニメはクォリティがあがってきており、
日本のアニメに負けない作品も増えてきたが、
この作品は４，５年前の低予算中国アニメを彷彿とさせる。

そんな主人公がラーメンを作っていると女神を召喚してしまう。
何を言ってるかわからないと思うが、そうなのだから仕方ない。
ちょっと唐突すぎる展開に一切ついていけず、
この作品で何をやりたいのだろうかと困惑してしまう。

１話はそんな唐突に召喚してしまった女神と
主人公のドタバタコメディが描かれる。
そこに特に面白みがあるわけでもなく、
どこかでみたことのある古臭い展開と、
笑えないドタバタコメディを淡々と見せられてしまう。

この作品が1クールか２クールか、
はたまたそれ以上なのかはわからないが、
１クールのアニメならばかなりグダグダなストーリー構成だ。

作画のクォリティはかなりひどい。
最近の中国アニメの作画のクォリティは高くなってきているが、
この作品は恐ろしく低予算で作られている。
ガタガタの線で描かれたキャラクターはかっこよさや
かわいさなんてものは感じない。

それだけならまだしも、中途半端にCGを使うのが厄介だ。
このガタガタの作画の中に唐突にクォリティがムダに高い
CGが「紅茶」などを描くために使われるため、
画面に統一感が生まれず、違和感が生まれてしまっている。

「エクスアーム」という作品では手書き作画とCGを混同させて
カオスなことになっていたが、この作品は部分的に
そういうことをしてしまっている。
おそらくは予算の問題なのだろう。

１話の段階では女神を召喚してしまい、
自分が召喚士の才能があることに気づいた主人公が、
女神と契約するというだけの話だ。

２話以降、ここから他の召喚士とのいざこざや
メインストーリーが進んでいくのかもしれないが、１話の段階では
色々と厳しさを感じてしまう作品だった。

全体的にみて１話の時点からかつての中国アニメっぽさ前回の作品だ。
日本のアニメで９０年代や００年代に散々見たような内容かつ、
作画のクォリティが悪い。

最近はここまでひどい中国アニメはなかっただけに、
「お久しぶり」という懐かしさはありつつも、これが1クール続くのはきついものがある。

２話以降でキャラクターが増えていき、ストーリーも進んでくれば
面白さも出てくるかもしれないが、１話の時点では色々と厳しく、
かつての中国アニメ特有の「ツッコミどころ」のようなものが
出てくればギャグアニメとして見れる可能性もなくはないものの、
１話の時点ではきついという感想が出てしまう作品だった。

この手の作品は主人公やヒロインの声優がやたら豪華だったりするが、
この作品の主人公も「岡本信彦」さんだ（笑）
今や主役をやることも珍しいくらいのベテランさんが
主人公を演じているのも、この作品のどこか古臭い雰囲気にもつながっている。

かつては１クールに１本くらいに謎の中華アニメがあり、
それはそれで色々と趣があったが、ここ最近はクォリティもあがり
「ロシャオヘイセンキ」のような名作も生まれているだけに、
なんで今さらかつてのような中国アニメが出てきたのか
色々と謎な作品だ。