コメディ

「てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!」レビュー

1.0
コメディ
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評価 ★☆☆☆☆(15点) 全12話

TVアニメ『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』メインPV

あらすじ 「てっぺんグランプリ」の地方予選を突破したヤングワイワイは全国大会に向けて、大阪のタカコ荘に合宿。他の4組のトリオと様々な課題を乗り越えていく。引用- Wikipedia

底辺

本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は高松信司、制作はドライブ

トリオ

この作品はいわゆる「漫才」を扱ったものだ。
「てっぺんグランプリ」というトリオしか参加できない
漫才グランプリがあり、そんなグランプリの突破を目指す
少女たちの物語が描かれている。

そんな漫才を扱ってるからこそ1話冒頭では漫才が繰り広げられている。
しかし、これはあくまで落語で言えば「枕」にすぎない。
オチもなく、漫才から本編が始まり、
描かれているのは少女たちのドタバタ日常アニメだ。

関西人は日常の会話が「漫才」になっているとよくいわれる、
そんな関西を舞台にした作品であり、彼女たちの多くも関西人だからこそ
日常会話の中でボケとツッコミが成立しており、
ハイテンポな会話劇が繰り広げられている。
日常ギャグではあるものの、日常そのものの漫才として描いている作品だ

だが、つまらない。
ギャグに関しては人によって笑える笑えないの好みがあるものの、
ひたすら必死にボケて突っ込んでいる感じが強く、
「漫才」におけるテンポ感もなく、声優さんたちも必死に
テンションを上げて声を大きく叫んでいるような
ボケとツッコミは聞いているだけで疲れてしまう。

例えばこんな会話がある、メインユニットのうちの1つが
駅前で練習をするしないで揉めている、
なぜ駅前で練習したくないのかと聞くと

「うちなかわいいやん?駅前でネタの練習なんてしたら
うち目当てに人が集まって数万数十万になって
神様的なものにまつりあげられてしまう!」

いわゆるボケだ、それに対して

「勝手になったらええがな!神様的なものに!」

と突っ込む。
どうだろうか、笑えるだろうか(汗)

完成された関係性

1話の段階ですでにユニットが完成されており、
それぞれ3人同士の関係性もすでに構築されている。
1話で一応「出会い」や「きっかけ」も描かれているものの、
ダイジェスト的に一気に描かれてしまうため、
メインキャラクターへの思い入れや感情移入がまるで生まれない。

見る側が1話の時点で蚊帳の外になってしまっている。
物語の主軸である「てっぺんグランプリ」も
1話の時点で地方予選を突破してしまっており、
オリジナルアニメの1期の1話のはずなのに、どこか
2期の1話のような物語を途中から見た感じが凄まじい。

キャラクター数も1話からドバドバ出てくる。
彼女たちは「タカコ荘」というところに住んでいるのだが、
5つのユニットが全員同じ場所に住んでいる。
つまり1話の時点で「15人」が同じところに存在している。

場面転換もあまりにも多く、それぞれのユニットの漫才日常会話を
その都度見せられるため、キャラの印象も付きづらく、
誰一人記憶に残らない。
これでソーシャルゲーム原作のアニメならまだわかるが、
別にこの作品はソシャゲ原作ではない。

1話の時点で15人ものキャラを出すのは悪手でしかない。
半分くらいにしてほしいと思うほどキャラで渋滞している。

パロディ

2話以降も一切面白くならない。
1話から同じようなノリで5つのユニットの日常ギャグが描かれるものの、
その会話の脚本のセンスがなく、それを必死にテンションを上げて
声優さんがなんとか盛り上げようとしている。

更にこの手のギャグアニメでやりがちなのが「パロディ」要素だ。
パロディも使い方が良ければ面白いが、使い方が悪ければつまらない。
ギャグと同様に「パロディ」自体もセンスが問われるものだ。
そんなセンスのない作品がパロディをやったところでたかが知れている。

「24」「ウルトラマンセブン」
「ウルトラクイズ」「水戸黄門」etc….

アニメやドラマ、特撮からTVまでありとあらゆるパロディをしている。
キャラクターたちの純粋な会話劇でギャグを作りきれずに、
「パロディ」に逃げている。
特に中盤以降は1話の中でありとあらゆる作品のパロディ要素を
詰め込んでいる感があり、パロディで胸焼けしそうなほどだ。

会話を詰め込み、そこにパロディを詰め込み、キャラを詰め込み、
それを怒涛の勢いで描くことに寄って、
作品のつまらなさをごまかしているような印象だ。

表面的

ストーリーは1話1話交代で各ユニットの話が描かれていく、
その中でキャラの掘り下げがあったりするものの、
最後まで名前は覚えられず、なんとなくの「宇宙人キャラ」や
「茨城キャラ」や「セレブキャラ」などの
表面的な印象しかつかない。

15人というキャラが多すぎるがゆえに
「主軸」となるキャラが居ないため、
オムニバスや群像劇を見ているような気分になる。

会話と会話の間の「間」が無いことも多く、展開も唐突だ。
これが30分アニメではなく15分や5分アニメなら、
このテンションの高さや唐突な展開も気にならなかったかもしれないが、
30分このテンションでやられてしまうと疲労感が生まれる。

漫才日常ギャグ的な部分で割り切ってくれればまだ
楽しめる部分もあると思うのだが、中途半端に
「いい話」につなげたり、「人情噺」につなげるのも厄介であり、
笑うに笑えない上に、オチも弱い話が多い。

カオス

ただ、基本的にギャグアニメとしては色々と致命的だが、
ときおり秀逸な脚本の回がある。
特に「5話」は「ループ」ものが突然始まる。
日常の会話の中で間違った答えをしてしまうとループしてしまう。

なぜループしてしまうのか、ループの条件とは?
どうすればループを抜け出せるのか?と
30分の中で短編小説のようなループもののの面白さを展開しており、
ギャグアニメとしては一切笑いはないものの、
短編SFとしては秀逸なものがある。

ただ、そういう回はあるものの、話の当たり外れは異様に激しく、
当たり1割ハズレ9割のような印象だ。
ギャグアニメの場合は当たり外れや好みの問題もあるものの、
この作品はそれがあまりにも激しい。

「てっぺんグランプリ」もいつまでたっても開催されず、
どうでもいい合宿や、どうでもいいアドリブ学芸会を見せられる。

てっぺんグランプリ

終盤になっていよいよ「てっぺんグランプリ」の本戦が開催される。
そんな本戦の前に「やんぐワイワイ」だけが予選敗退してしまう。
1クールのアニメにありがちな謎シリアス要素が唐突に展開される。
予選敗退の理由もお笑いとはまるで関係ないことであり、強引な展開だ。
そんな中で「敗者復活戦」が開催される。

ただでさえキャラが多いのに、
最終話で各地のどうでもいいキャラがどんどん出てくる。
そんな中で「やんぐワイワイ」が大会当日に大会に間に合わないという
トラブルが発生する、会場にも間に合わず、敗者復活戦敗退と思われていたが…

「電車の中」での日常会話がSNSでなぜか話題になり、
敗者復活戦を勝ち抜く。もはや意味がわからない。
その「会話」が面白ければいいが特に面白みは一切なく、
きちんと会場で「漫才」を行った他のユニットがいたたまれない。

最後の最後まで人笑いもせずに終わった漫才アニメだった。

総評:クスリともしない

全体的に見てかなりきつい作品だ。
15人という多すぎるメインキャラに振り回されたストーリー構成のせいで
作品全体が「ごちゃごちゃ」している感じが強く、
1話30分の中にとにかく会話とパロディネタを詰め込んで、
勢いで作品自体の面白さをごまかしまくっている。

「日常が漫才」という大阪的なノリは悪くないものの、
1話30分という構成の中でこのノリをずっと続けられるのは
かなりきつく、そもそも笑いにつながっていない。
ギャグに関しては好みがある部分があるゆえに、
1話で刺さるものがなければ2話以降も印象は変わらないだろう。

15人というキャラの多さはあるものの、
キャラクターデザインは優秀でキャラの名前は記憶に残らないが、
キャラの見た目の印象は1クールで残るものがある。
ただ優秀なキャラデザに対して作画はやや不安定な部分があり、
作画崩壊こそしないものの、キャラの可愛さを素直に楽しめる感じではない。

ストーリー的にも「てっぺんグランプリ」という
トリオ漫才限定の大会という部分は面白いものの、
作中でまともに漫才をするシーンはほぼなく、
終盤で本戦が始まってもやってることは結局同じだ。

ユニットごとのキャラ付けや特性はあるものの、
そんなユニットごとの魅力を最大限に発揮できているわけでもなく、
本来ならそこにあるはずのユニットごとの「漫才」が
描かれれば印象は違ったかもしれないが、
結局はよくある日常ギャグアニメだ。

合う合わないが激しく、彼女たちを演ずる「中の人」の
ファンならば楽しめる部分もあるかもしれない。
ブシロード系作品によくありがちなイベントで
声優に漫才をさせたいんだろうなと感じる作品ではあり、
根本にあるのは「アイドル系アニメ」とたいして変わらない。

ブシロードもバンドやらDJやら手を変え品を変え色々やっているが、
そろそろ声優さんたちをそういうふうに酷使し、
お遊戯会をさせるようなやり方は限界に来ているのかもしれないと
感じてしまう作品だった。

個人的な感想:虚無

1クールほぼ表情筋を動かさないで見れてしまうアニメだった。
ギャグは好みが分かれるところではあるものの、
私個人の笑いのツボには一切ささらず、キャラ萌えするわけでもなく
ただただ1クール流し見していたような印象だ。

ブシロード系作品は2期や劇場版などの展開もされやすいが、
果たしてこの作品もそういった展開がされるのだろうか…?

「てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!」は面白い?つまらない?

この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください

  1. 匿名 より:

    「ウルトラマンセブン」じゃなくて「ウルトラセブン」ですよ

  2. 匿名 より:

    この作品は、伊藤彩沙・愛美・佐々木未来のチームYが原作となって漫画になり、アニメになったので、一般ウケはしないと思います。
    中の人のファン以外が見たら無理だと思います。ファンが見て冷める人もいると思います。

  3. 匿名 より:

    美少女×漫才コントで面白いアニメを作れと言われたら、
    昔のスラップスティック的なギャグアニメになりますな。
    昔のおそ松くんとかこち亀とかギャラクシーエンジェルみたいなヤツ。