評価 ★☆☆☆☆(15点) 全12話
あらすじ 女子高校生の本城遊理は、突然学校から高層ビルへ飛ばされてしまい、そこで仮面を被った者による殺人を目のあたりにする。引用- Wikipedia
雑
原作はマンガボックスで連載していた漫画作品。
現在は完結している作品だ。
監督はたかたまさひろ、制作はゼロジー。
Netflixオリジナル作品として制作された。
血
1話冒頭から血がドバっと画面いっぱいに描写される。
頭を刀で一突きされたうえにグリグリされる。
そこに立つのは謎の仮面の男だ。
まるでホラー映画でも始まりそうな暴徒のシーンの雰囲気は悪くない。
この作品はいわゆるデスゲームものだ。
いきなり謎のビルの屋上に連れてこられた主人公。
わけのわからない状況の中で唯一、兄に電話が繋がり、
彼女はこのわけのわからない世界で兄と再開するためにも
「仮面の男」が潜むビルを移動するという感じだ。
ビル同士は吊橋でつながっており移動することは出来るものの、
下に降りる道は全て封鎖されている。
誰が何の目的でこんなことをしているのか。
デスゲームらしい始まりではあるものの、1話冒頭から非常に説明台詞が多く、
いまいち盛り上がりに欠けてしまう。
パンチラ
キャラクターデザインもどこか古臭く、べたっと塗られた髪や
同じ構図がひたすら続くシーンが1話冒頭から多く、
この作品が「低予算」で作られていることをひしひしと感じてしまう。
やたらめったらにアップが多く、スロー演出などで
作画の枚数をごまかすようなシーンばかりだ。
主人公が仮面の男に襲われて転び、スカートが捲れる。
いわゆる「パンチラ」的なシーンも有るのだが、
「昭和の漫画か?」と思うほど真っ白な物が見えているだけだ。
色気もクソもない。
「パンチラ」シーンはこの手のB級作品ではお約束ではある。
しかし、そこに何のこだわりも感じず、白いなにかを見せられるだけの
描写は適当感がすごく、とりあえずパンチラさせておきましたと
いわんばかりの描写だ。
主人公が女性ということもあり、そういう描写は多いのだが、
適当に脱がしただけのセクシーシーンの数々はもうため息しか出ない。
何のこだわりも感じず、適当に漫画のシーンに色と動きをつけただけだ。
ギャグなのか…?
ピンチな状況になってもどこかふざけた顔の描写が多く、
この状況でおかしくなった警察官二人がいきなり主人公に前に
現れたかと思ったら、一人が屋上から警察官を突き落とす。
落ちる警察官の顔もどこかギャグめいている。
1話からポンポンポンポン、弾けるポップコーンのごとく
人が死んでいくが、作画の悪さもあって
そこに「怖さ」や「グロさ」というものを一切感じない。
人を殺したこともない主人公が人を平気で殺す仮面の男や女が
どんどん現れ襲いかかってくるという状況なのに
「緊迫感」というものがまるでなく、
主人公のどこか間の抜けた「態度」や「反応」せいもあって
ギャグにしか見えないようなシーンが多すぎる。
「私、死んじゃぅぅぅ?」
と一歩間違えば死ぬ状況なのになぜかちょっと明るい演技のせいで
よりギャグにしか見えない。
ストーリーのテンポが異様にまで早く、
そのせいでどこかダイジェスト的にすら見える。
1話で謎のビルの上に連れてこられたかと思えば
仮面の男や女に追いかけ回され、途中で出会った警察官は発狂し、
仮面の女を撃退したかとおもったら吊橋で落ちそうになり、
脱出手段としてヘリコプターが用意されていることを知ったかと思えば、
別のJKが拳銃で人を打っているところを目撃するのが1話だ。
どれだけ詰め込めば気が済むのか(苦笑)
軽く原作を読んでみた所、相当ダイジェストで展開しており、
1話の時点で原作で言えば2巻の中盤まで進んでいる。
1巻だけAmazonで購入して読んでみたら、
アニメではやっていない、出てこない人物が非常に多く、困惑する中で
なかなかアニメの1話の最後の話までいかず、2巻を購入した所、
ようやく話がアニメに追いついている。
本来アニメの場合は原作の漫画1巻あたり2話ないし3話使うことが多い。
しかし、この作品は1話1巻ペースどころか1巻半ペースで物語を描いている。
原作ではもっと描かれていたこの世界の雰囲気や出来事、
キャラクターをアニメではかなりカットして描かれてしまっている。
それがより、この作品を「ギャグ」みたいにしており、
様々な要因が本来は緊張感のあるはずのデスゲームを
ギャグアニメに仕立て上げてしまっている。
デスゲームとして、ホラーとして「緊張感」や「恐怖」をあおるような
部分はカットし、メインストーリーだけをひたすらすすめているような印象だ。
タイトルの意味の回収も非常にバカバカしく、
主人公が唯一の脱出手段であるヘリコプターを奪い去り、
この世界をぶち壊すと2話で宣言する。
そんな宣言に対し、途中で仲間になった「ニセちゃん」が言い放つ
「なんて発想!ルール違反てレベルじゃない!侵犯!天空侵犯!」
思わず「お、おう」という言葉が漏れそうなほど、
この作品のノリや世界観についていけない。
バカなのか?
主人公の行動もバカなのか?と思うような部分が多い。
例えば序盤で彼女は拳銃を手に入れているのだが、
そんな貴重な武器であり、弾が限られているのにも関わらず
飛び去ってしまった「ヘリコプター」にむかって何発もうつ。
無駄弾を撃ちまくる姿はバカにしか見えない。
主人公の兄も頭が良さそうなのだがバカだ。
仮面をつけた男や女は元は普通の人間であり、
「仮面」によって洗脳されているような状況だ。
そんな中で鉄球を投げてくる仮面の男が主人公の兄の前に現れる。
仮面の男は元野球選手だ。鉄球を高速でぶん投げてくる。
そんな仮面の男に「野球」で対処する(笑)
もう少し別の手段はなかったのかと思うほど、
シリアスかつ緊迫感のある状況でギャグみたいなことをしまくっており、
それが別に爆笑につながるわけでもなく、乾いた笑いしか出ない。
トントン拍子に話が進み、トントン拍子にキャラが出てくる。
仮面の男の一人である「スナイパー仮面」は仮面が壊れた影響で、
人間だった頃の記憶を少しずつ取り戻しており、
主人公や主人公の兄に何らかの関係があるようなのだが、
なかなか明らかにならない。
インフレ
主人公、主人公の兄、スナイパー仮面と3つの視点があり、
それが頻繁に切り替わるため話が進んでるはずのに
なかなか進んでいないような感覚が生まれる。
このデスゲームは「神」を生み出すためのものであるのはわかるのだが、
話が進んでくるとどうでもいいという感覚すら生まれる。
キャラクターへの感情移入やストーリーへの入り込みが
雑な作画や雑なパンチラ、ダイジェストなストーリー展開のせいで
生まれておらず、どこか見ている側が蚊帳の外だ。
話しが進めば進むほどダイジェスト的なカットが多く、
只でさえ低いアニメーションのクォリティも落ちていく。
結果としてよりギャグ要素が強まっていく感じだ。
キャラクターたちもどんどんとインフレしていく。
神を生み出す領域だからこそ、生き残った人物はどんどんと人離れしていくのはわかるが、
仮面の人間たちと同じような身体能力であったり、
特別な仮面を身につければレールガンの使用権利や特別な力も身につく。
どんどんどんどんインフレしていってしまいデスゲーム感が薄まってしまう。
モブキャラはどんどん死ぬが、インフレしていくメインキャラは死なない。
このゲームへの参加者も別に人数制限があるわけでもなく、
途中参加もしているようで、どんどんと人数も増えていく。
仮面の人間を操る能力を持つ人間もどんどん現れ、
仮面の人間という序盤の脅威が終盤ではほぼなくなり、
人間同士の戦いだ。
結局1クールではほとんど何も決着がつかずにおわってしまい
俺たちの戦いはこれからだで終わってしまう。
総評:令和なのに昭和みてぇなアニメ
全体的に見て非常に雑なアニメだ。
1クール全12話という尺で原作の12巻まですすめてしまっており、ほぼ1巻1話だ。
ダイジェスト的な展開になることは当たり前であり、
そのせいでどこかギャグ的な描写になってしまっており、
本来この作品にあるはずの緊張感や緊迫感をまるで感じられない。
作画のレベルも低く、まるで昭和のアニメのような演出や
白い下着のパンチラシーンなど雑なセクシーシーンも多く、
そのせいでグロシーンもセクシーシーンもまるで迫力がない。
戦闘シーンも多い作品なのに戦闘シーンの迫力もまるでなく、
作品全体から低予算感が漂ってしまう。
2期があるかどうかはわからないが、
正直、このクォリティでは見たいとは思えない。
Netflixオリジナル作品はこういう「雑」で「低予算」な
アニメ化も多いが、この作品も類にもれず。
ストーリーも投げっぱなしであり、色々と残念な作品だ。
終始、C級映画以下の展開とアニメーションを見せられてしまう。
令和のサクヒンとは思えないクォリティは「雑」な仕事を
見せられてしまう作品だった。
個人的な感想:声優だけは…
本当になぜか声優さんだけは豪華であり、
「緒方恵美」さんがちょい役とはいえ出ているのは驚きだ。
福山潤さんや日笠陽子さんなども出ているものの、
そんな声優さんたちの演技にふさわしいとは思えない内容だ。
終末のワルキューレもそうだが、Netflixオリジナルアニメは
低予算の作品はとことん低予算で作られている感じが強く、
もう少し、予算をかけてあげてほしいと思ってしまうところだ…
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