評価 ☆☆☆☆☆(8点) 全12話
あらすじ 世界の中心、ゲートピア…。かつて世界は果てしない荒廃が続くばかりの魔境だった引用- Wikipedia
金!金!金!
原作はソーシャルゲームな本作品。
監督は池下博紀、製作はC2C
門
画像引用元:社長、バトルの時間です! 1話より
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
1話冒頭、がっつり主人公による世界観説明から始まる。
この世界には女神が作った門があり、門の中に未知のエネルギーが存在し、
そのエネルギーで世界が復興して暮らしている世界観だ。
そんな世界観で主人公は幼馴染に呼び出され、社長にさせられる。
ちょっと意味がわからない。
ファンタジーな世界観でありながら、現代のような服装をしている人も居て
主人公は何故か学校の制服のような衣装を着ている。しかも、ポニーテールだ。
ファンタジー世界なのに衣服だけは現代チックという世界観ならわかるが、
この手のファンタジー世界っぽい衣装を着てる子もいる。
キャラクターの服装に統一感がなく、意味不明だ。
どんな文化を築いていけばこんな統一感のない服装の世界が生まれるのか、謎だ。
謎の装飾品をつけているうキャラクターも多く、
1キャラ1キャラのデザインが物凄くごちゃごちゃしてしまっている。
そんな統一感の無さや、よくわからないストーリーの始まりから、
また世界観の説明が始まる。
まるでアプリをインストールしてはじめたばかりのチュートリアルを
そのまま見せられているようなつまらなさだ。
画面の端にSKIPボタンがないか?と探してしまうほどのチュートリアルは
まるで持って面白くない。
簡単に言えば、この世界では「ダンジョン攻略」を生業とする企業があり、
主人公もそんなダンジョン攻略をする会社の社長となり、
冒険者を派遣して稼ぐことになる。
会社や社長といっているが、ファンタジーな世界の言葉で言えばギルド経営だ。
もうずっと説明している。
新キャラが出れば、新キャラのランクや職業や名前を紹介する。
説明しなければ死んでしまう病気にかかってしまっているがごとく、
説明説明説明だ。言葉を変えてオリジナル性を出そうとしているのはわかるが、
言葉を変えているだけで何のオリジナル性もなく、
中途半端に言葉を変えているせいでファンタジー感と現代感がごちゃまぜで
独島な気持ち悪さを生んでいる。
ストーリーとしても特に目を見張るものがなく、
1話は主人公たちがダンジョンを協力して攻略しましたというだけだ。
戦闘中でもやたらめったらのんきに説明し、
スローが必要でないシーンでスローにする演出の悪さを感じさせ、
たいしたことない戦闘シーンを大したことあるふうに見せているのが丸わかりだ。
単純に「面白い」と感じられる部分がない。
わいわいわちゃわちゃ
画像引用元:社長、バトルの時間です! 3話より
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
基本的にこの作品はゆるいファンタジーだ。
シリアスな展開や魔王を倒すというようなストーリーがあるわけじゃない。
会社を経営する中でダンジョンを攻略しつつ、資金難を解決し、社員を増やす。
1話完結でも良いようなストーリーも2話構成になっていたりする
グダグダ感は厳しいものがあり、
一応ギャグとして中途半端なパロディネタを使ったりもするが、
それも特に面白いわけじゃない上にしつこい。
例えば「諦めたらそこで試合終了だよ」とスラムダンクの台詞を出してくる。
異世界転生したわけでもないのにパロディが出てくる意味もわからないが、
それを聞いた他のキャラが「至る所で耳にする名言ですね」「聞き飽きた」と
滑っているパロディを更に掘り下げることで、滑ってないふうに見せかけているが
結局は滑って無駄に尺を稼いでいるだけだ。1mmも面白くない。
ダンジョン攻略も特に面白さがあるわけじゃない。
どうでもいいクイズがでてきたり、しつこく絡んでくるキャラが居たり、
ワイワイ感やワチャワチャ感を出そうとしているのはわかるが、
騒いでいるだけだ。
テンポ
画像引用元:社長、バトルの時間です! 3話より
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
本当に致命的なまでにテンポが悪い。例えばダンジョンでクイズが出される。
このクイズの問題の時点で本当につまらない。
「会社において大切なのは次の3つどれでしょう
1 げんきで草 2 ほうれん草 3 やるきで草」
舐めてるのか?と思うほどにレベルの低いなぞなぞを出される。
2話の時点で主人公は戦闘は出来ないが頭は良さそうな雰囲気は出している。
それなのに3話でこの問題を出されると
「植物は詳しくないんだけどなー」
と考え込む。頭が良さそうに見えてバカな主人公像の出来上がりだ。
そんな怪人ゾナーも殴りかかってくるようななぞなぞに対して
「任せて社長!こういうのも得意なんだ!」
と影の薄いキャラが存在感を出すためにしゃしゃり出てくる。
するとヒロインが
「社長!ここは得意分野の社長に任せるのが得策かと!」
と迫ってくる。こんなレベルの低いなぞなぞを解くという展開のために
こんなにも尺を使っている。頭を抱えるレベルのつまらなさだ。
キャラクターは可愛いキャラが多いものの、
そんな可愛いキャラをストーリーの中で活かしきれてない。
1話完結できるようなストーリーをこういったどうでもいいシーンで肉付けし
2話構成にしてるような話も多く、テンポの悪さが
話の面白さをより感じにくくさせている。
原因としては原作ストックの無さもある。
調べた所、ゲーム自体は2019年10月にサービスを開始したものの、
2020年1月末から長期メンテナスに入り3月末までメンテナンスをしていたようだ。
原作におけるストーリー部分はアニメの「6話」で使い切っている。
つまりほとんど原作のストックがない状態でアニメ化している。
明らかにアニメ化が早かったと感じさせる作品だ。
話の主軸
画像引用元:社長、バトルの時間です! 6話より
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
そもそもストーリーの方向性がよくわからない。
主人公は手紙を残し行方不明になっている父親の跡をつぎ会社をやっている。
序盤こそ経営難により資金不足で悩んでたりもしたが、あっさり解決し、
その後は父親の遺産を相続するために相続税を稼ぐ。金稼ぎしかやっていない。
物語の中盤でようやく父親を探しに行くという話が出てくるが、
十二人機関という組織が管理しており近づけない。
さぁどうするかという話になったかと思えばまた金稼ぎだ。
いいかげんにしろと思うほど金稼ぎしかしていない。
なにやらダンジョンに異変が生じているようなのだが、
なにが起きているのか、なにが関わっているのか。
本来はそこが主軸になりそうなのにそこを主軸にせずに金稼ぎばかりだ。
その金稼ぎが面白ければいいが面白くない、たまたま大金が入ることも多い。
そもそも7話の時点で父親が書き置きを残して行方不明になってから
半年も経っている。父親はメッセージで「追ってこい」と告げているが、
半年も過ぎていれば追いつけない。
中盤になるとアニメオリジナルストーリーになるせいもあって、
メインキャラクターを掘り下げるようなストーリー展開になる。
グダグダの序盤から中盤に比べればマシなものの、
ずっと薄味のストーリーが続く。
そもそも父親の後を追うために資金稼ぎをしないといけないはずだが、
そんなことはさておいてキャラの掘り下げをやっている。
本来は序盤でやるような話を中盤以降でやってしまっている。
そんな寄り道のストーリーの中で「偶然」大金が手に入る。
驚くほどのご都合主義だ。
唐突
画像引用元:社長、バトルの時間です! 12話より
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
終盤になるといきなり現れたダンジョンにお金目的で挑む。
ろくにほりさげていないライバル企業の騎士もダンジョンに参加する。
唐突に主人公の過去も明らかになるのだが、心底どうでもいい。
無能に見えた主人公がじつは有能だった的な展開ではあるものの、
何やら暴力事件も起こしているという過去だ。
最終話でその暴力事件も明らかになるものの、主人公のせいではなく
クソみたいな上司でしたという予想の範疇でしかないオチを最終話に見せられ、
大金をゲットして女神様を呼び出す。
呼び出して父親の居場所を聞くと「この世界に存在しない」と言われ終わる。
大型門の向こうにいるというう事実を聞くために中盤以降の金稼ぎをしていた。
女神に聞かなくとも父親が大型門の向こうにいるのは周知の事実だ。
見ている側が拍子抜けするほどの意味不明すぎるオチをつけられ、
舐めてるのか?と思うほどの酷い最終話を見せられて終わる。
総評:シンプルに話が酷い
画像引用元:社長、バトルの時間です! 4話より
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
全体的に見てストーリーがひどすぎる作品だ。
1話から最終話まで金稼ぎをしているだけのストーリーであり、
降って湧いたような大金が舞い込むようなお金稼ぎ自体が面白いわけでもなく、
ぐだぐだのテンポで見せられるストーリーの中でキャラの可愛さも活かしきれず、
探しているはずの行方不明の父親の所在も最終話でもわからない。
1話1話のストーリーが非常にうすく、笑えないパロディや
余計なシーンが多すぎるせいでテンポも悪く、
戦闘シーンはそこそこあるが、その戦闘シーンが面白いわけでもない。
ひたすらに薄味で、ひたすらに面白みのない。
そんな1話1話で構成され、作品全体の印象が本当に薄い。
ムチムチとしたキャラデザ自体は悪くないものの、
とってつけたようなキャラ付けや、ほとんど掘り下げられてないキャラもおり、
その割には終盤でキャラを増やしたりとキャラクターの使い方も悪い。
そもそもアニメ化されてる時点で6話分のストーリーしか原作では
進展しておらず、企画段階で色々と無理があった作品では?と感じる作品だ。
本来はもう少し原作のストーリーが進んでいれば、このテンポの悪さも改善され、
もう少しキリのいいストーリーで終われたかもしれない。
驚くほど話が進まず、進まないまま終わる感じはストレスを溜めるだけだ。
結局ダンジョンの異変もなにが原因かもわからず、
主人公の父親の居場所もわからない。
物語的には序章なのかもしれないが、そんな序章だけで1クール
作られてしまったような作品だった。
個人的な感想:企画倒れ
画像引用元:社長、バトルの時間です! 12話より
©KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
メディアミックスも色々とやっているようだが、
コミカライズは5話で終わってしまったらしい。
なんだか、原作アプリのメンテ地獄と言い色々と企画倒れ感がすごい作品だ。
色々とノリ自体は軽いものの、そのノリの軽さに合うようなテンポの良さもなく、
キャラクターの台詞の掛け合いもときに「馬鹿なの?」と思うような
余計なセリフがあまりにも多い。
この当たりは原作ストックがないために引き伸ばすためだったのかもしれないが、
ならもう少し原作ストックが出来てからアニメ化してほしい。
統一感のない服やファンタジーなんだか現代的なんだかSF的なんだか
よくわからないごちゃまぜ感の世界観といい、色々と練り込み不足を
感じる作品だった。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください
アニメシャチバト全12話御視聴お疲れさまでした。
自分もゲーム版プレイ済みでの視聴でしたが概ね管理人様と同じ感想です。
それ以前にアニメの序盤の内容や登場人物の台詞回しが8割メインシナリオそのままでしたので、こちらは映像付きでメインシナリオをもう一度読むといった感覚でした。
管理人様が指摘された展開や目的・資金集めもメインシナリオの台詞をそのままを再現してしまっているので、細かい動機も付けないまま演出でゴリ押した印象です。
ファムネラにスポットライトを当てた8、9話とラスト2話のアニメオリジナルもゲームメインシナリオを分解して焼き回した展開で中弛みを拭えません。
また、メインシナリオは現在アニメ6話の第五章で更新が止まっておりますが、こちらは未だに女神召喚の資金集めも始まっておらず逆にメインシナリオの期待値とハードルが無駄に上がっています。
このアニメシャチバトはゲームをプレイしていても楽しめて食いつける箇所が分かりづらい上に、管理人様のようにアニメだけを視聴しているユーザーにゲームの説明をしても、その内容は決して重要ではないという板挟みになる頭の痛くなる作品です。
唯一の長所もゲームで戦えるマジューが作画された程度ですがこれもゲームをプレイしたユーザーしか判断できないので更に説明しづらいです。
少なくともアニメとゲームを照らし合わせ質疑応答するだけで別のレビューが作れるぐらいの量は有るかと思います。そして全員がげんなりします。
このアニメシャチバトは深く考えずにただなんとなく観てた程度で納めておくのが丁度いいのかもしれません。
本気でゲームと照らし合わせると誰も幸せにならず苦悩を掲げるだけだと断言させていただきます。