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興行収入800億の女が異世界転移?!「異世界スーサイド・スクワッド」レビュー

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異世界スーサイド・スクワッド ファンタジー
画像引用元:Suicide Squad and all related characters and elements © & TM DC © 2024 Warner Bros. Japan LLC
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この記事を書いた人
笠希々

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評価 ★★☆☆☆(33点) 全10話

♡7/5 放送開始/Premieres June 27♡ TVアニメ「異世界スーサイド・スクワッド」本PV/Suicide Squad ISEKAI Official Trailer 3

あらすじ 犯罪都市、ゴッサム・シティ。A.R.G.U.S長官のアマンダ・ウォラーはある任務のため、ハーレイ・クイン、デッドショット、ピースメイカー、クレイフェイス、キング・シャークを招集。引用- Wikipedia

興行収入800億の女が異世界転移?!

本作品はDCコミックスに出てくるヴィラン、
スーサイド・スクワッドをメインキャラとしたアニメ作品。
監督は長田絵里、制作はWIT STUDIO

ハーレクイン

1話冒頭から、あのハーレイクインが出てくる。
スーサイド・スクワッドは映画にもなっており、
見たことがある人も多いはずだ。
バッドマンの天敵であるジョーカー、そんなジョーカーに恋する乙女だ。

そんなヴィランらしいハーレイクインとジョーカーによる
悪事が1話冒頭から描かれる。
キャラクターデザインは実写映画のイメージを持ち込みつつも、
天野明さんがアニメとして映えるように手を加えつつ手掛けており、
実写のイメージと大きくかけ離れないようにしながら
アニメと言う媒体の中でのキャラクターに落とし込んでいる。

WIT STUDIOらしいキビキビとしたアクションも流石だ。
アニメーションでしかできないような大胆なカーアクションや
徒手格闘なバトルシーンを1話冒頭できちんと見せることで、
作品への没入感を強めてくれる。

「新しい世界に行きたい、別の何処かに行きたい」
そんな冗談のような言葉をいってしまったせいなのか、
ハーレイクインは他のヴィランとともに捕まり、
刑期の短縮を条件に異世界へと送られてしまうというところから
物語が動き出す。

命令に逆らえば首に仕掛けられた爆弾が爆破してしまう。
命を握られたヴィランたちは「剣と魔法」の世界へと誘われる。

異世界

1話から激しい戦闘シーンが描かれる。
ハーレイクインとともに異世界にきた4人は
メタヒューマンだったり、怪力だったり、様々な能力を持っている。
そんな彼らが異世界のモンスター相手に戦うシーンは
思わずニヤニヤしてしまうほどの爽快感がある。

異世界モノといえばメインキャラたちも当たり前のように
魔法やチートスキリを使って戦うのが常ではあるものの、
彼らにそんな力はない。メタヒューマンだけが異質ではあるものの、
元の世界から持っていた能力や武器をつかいつつ戦う姿は
爽快感あふれる戦闘シーンになっている。

異世界へ訪れた後の反応も新鮮だ。
彼らは送られた世界がどんな世界なのかは知らされてない、
剣と魔法、ドラゴンやオークが存在する世界に驚きつつ、
異世界人相手には言語すら通じない。

「ご都合主義」な異世界ではなく、
丁寧に異世界という舞台を描いている。
このあたりは「なろう系」というよりは90年代から
2000年代前半の異世界系っぽさを感じる部分でもある。

どことなく「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」なども
彷彿とさせる部分がある。
異世界にはすでに彼女たちよりも先に訪れている兵隊おり、
ゲートによってつながった世界を独占し、国益をもたらす、
それが彼女たちを捕まえたものの目的だ。

だが、彼女たちはあくまでヴィランだ。
ヴィランはヴィランらしく、異世界だからと恐れず、
彼女たちは自らの流儀、悪を貫いている。

異世界では帝国と王国が戦争中だ。
帝国側にはヴィランたちと同じく異世界から
きたものが潜り込んでおり、やりたい放題している。
そんな戦争にスーサイド・スクワッドの面々も介入していく。

淡々

ただ序盤こそヴィランらしい彼らの行動や、
丁寧な異世界への介入ストーリーが悪くなかったのだが、
中盤くらいになると淡々とした展開が目立つ。

戦争に介入しながら、同じ世界からやってきたヴィランを
どうするか話し合ったり、時にはドラゴン退治をしたり。
アニメーションのクォリティが高いからこそ見れる部分はあるものの、
淡々としたストーリー展開は盛り上がりに欠ける部分があり、
ストーリーの方向性をいまいち見えてこない。

ハーレイクインたち、スーサイド・スクワッドも
本来はヴィランであり、そんなヴィランだからこそ、
勝手に砦を乗っ取ったりメチャクチャなことを序盤しており、
それがこの作品らしい面白さになっていたのだが、
中盤くらいになると、悪役っぽさが抜けていってしまう。

しかも、中盤になるとスーサイド・スクワッドよりも
先に来ていた先遣隊という名の別ヴィランが現れるため
余計に彼女らのヴィラン感のようなものが薄れてしまう。

彼女たちは異世界に来る際に
もともと持っていた力が異世界に適用する形で
進化しているようだが、ハーレイクインの能力が
フライパンが強化されていたり、持っている武器が
なんらかの強化がされるようだが非常にわかりにくい。

作画に関しても、時折息切れしている部分が
中盤を過ぎるとちらほらとめだち、
話のクォリティも作画のクォリティも落ちてくる印象だ。

終盤

王国側につき帝国にいるヴィランと戦ってはいるものの、
なかなか王国側の信頼を得ることができず、
仲間の一人も捕まり、
彼女たちに残された時間も24時間になってしまう。

終盤になると王国の王女様の秘密や戦争の裏側なども
明らかになるものの、どうにも引っかかりが生まれず、
異世界の事情とスーサイド・スクワッドというキャラクターが
噛み合ってない感じが凄まじい。

最後の最後で異世界のアイテムで魔法少女のごとく変身するのだが、
無理やり異世界と絡めた感がある。
更にラストではジョーカーが黒幕として出てくるものの、
2期を匂わせる部分があり、まるで海外ドラマのような
クリフハンガーで終わってしまい、消化不良が残る作品だった。

総評:アメコミをなろうにした結果

全体的に見てアメコミのヴィランが異世界にやってくるという
設定のインパクトはあったものの、
出落ちで終わってしまった感が否めない。

異世界に来ているのに、結局は元の世界のヴィラン同士の
戦いになってしまっている部分が多く、
序盤こそオークや聖剣を持つ騎士や魔法などを使う
異世界人との戦いという特徴があったものの、
中盤からはヴィラン同士の戦いばかりだ。

スーサイド・スクワッドの面々に対して、
異世界のキャラクターの掘り下げも薄く、
終盤でお姫様が覚醒したり、リッチという敵がでてきても
スーサイド・スクワッドのキャラが蚊帳の外だ。

アニメーションのクォリティ自体は平均的には高く、
見どころのあるシーンもあるものの、
ストーリーがそれについていっていない。

似ている作品で言えば「GATE」などが思い浮かび、
あの作品の自衛隊がヴィランのアメコミに入れ替わっているような
感覚になる作品ではあるものの、
ヴィランがやってきたからこその物語を紡げておらず、
ハーレクイン以外のスーサイド・スクワッドの面々もぱっとしない。

このあたりはもともとのキャラクターを知っているか否かでも
印象が違うところはあるのかもしれないが、
なかなか面白くなりそうでなりきらないまま、
話の内容も薄いままに全10話、
1クール終わってしまった感じだ。

スーサイド・スクワッドのキャラが出ているからこそ、
ギリギリストーリーの面白さも保たれている感じがあるが、
これが全く関係のないキャラだったら一切面白みを感じないような
ストーリーでしかなく、そういった意味でも
ファン向けなのかもしれない。

2期があれば色々と残した伏線や謎が回収されて、
面白くなるかもしれないが、
1期は序盤で出落ち感のある作品のまま終わってしまう作品だった。

個人的な感想:期待したものの…

アニメでスーサイド・スクワッドが見れる、
しかも制作はWIT STUDIOということで期待したものの、
期待ハズレで終わってしまった作品だ。

2期をやる気満々なラストも2期が決まってるならばともかく、
今のところ、2期が決定したという情報もなく、
それなのに1期でグダグダとしたストーリーを展開していたのは
かなり気になってしまう作品だった。

「異世界スーサイド・スクワッド」に似てるアニメレビュー

出演:ウィル・スミス, 出演:マーゴット・ロビー, 出演:ジャレッド・レト, 出演:ジョエル・キナマン, 出演:ジェイ・コートニー, 出演:カーラ・デルヴィーニュ, 出演:ジェイ・ヘルナンデス, 出演:福原かれん, 出演:アドウェール・アキノエ=アグバエ, 出演:アダム・ビーチ, 監督:デヴィット・エアー

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