評価 ★☆☆☆☆(16点) 全2話
あらすじ 高校入学初日、木野ひまりは新入生歓迎会で見かけた先輩・朝凪依に「一目ボレ」した。ひまりはその気持ちを依にぶつけるが、彼女はひまりの思いを恋心と勘違いしてしまう。引用- Wikipedia
敗戦処理
原作に憐れみすら感じる「ささやくように恋を唄う 11話&12話」アニメレビュー
敗戦処理
本作品はささやくように恋を唄うの11話と12話、
本来は春アニメとして2024年6月に11話と12話が放送される予定だったが、
万策が尽きたせいで延期になった。
なお、11話と12話の制作は横浜アニメーションラボのみの制作になっている。
倒産
本作品のやらかしはすさまじく、
序盤こそ良かったもののどんどんと作画が崩壊していき、
本当に目も当てられない状況になってしまった。
延期を重ね、結果的に11話と12話の放送ができず、
いつ放送されるんだろうと思っていた中で
制作のクラウドハーツが倒産したという情報が舞い込んできた。
実際、公式ホームページにはアクセスできず、
11話と12話の制作からもハズレているようで本当に倒産したのだろう。
クラウドハーツは横浜アニメーションラボのグループ会社であり、
共同制作として本作品を制作していたが、
実質、クラウドハーツだけで制作していたようで、
海外ではこの作品の初期の制作スタッフはすでにいなくなったなどの
情報もあっただけに、相当なゴタゴタだったのだろう。
結果的にグループ会社である横浜アニメーションラボが
ケツモチとなって11話と12話を約半年かけてようやく制作し、
納品したものが12/29日という年末に放送されることになった。
下手したら11話と12話は制作されないんじゃないかと
言われてもいたが、なんとか制作されたことは評価したいものの、
普通のアニメなら当たり前のことがこの作品はできなかっただけだ。
作画
おそらく多くの方が気になっているのは作画だろう。
安心してほしい、11話も12話も悪い(苦笑)
11話冒頭から露骨な作画ミスも目立ち、
カバンを右の肩にかけているかとおもえば左の肩にかけていたり、
そうかとおもえばまた右にかけている。
1枚絵や止まっているときの作画はそこまで気にならないものの、
アニメーションとして動くとガタガタだ。
1枚絵はある程度きれいなためごまかせているつもりなのかもしれないが、
構図が作画枚数を減らす、工数を減らすためのものばかりだ。
アップにしたり、背中を見せたり、顔に陰をおとしたり。
終盤だけの話だけではないが漫画のコマのようなカットがあったりと、
誤魔化し方は露骨であり、美麗なキャラクターデザインを活かしきれていない。
なんとか急ごしらえで作りました、
そんな制作の声が聞こえてくるような作品だ。
ストーリー
1話から10話自体が約半年前の放送であり、
中盤からは作画崩壊のせいも合ってストーリーが頭に入っておらず、
11話の時点ではその記憶の糸をつなぎ合わせるような感覚だ。
この作品はいわゆる百合アニメであり、そこにバンド要素がある。
木野 ひまりという少女が朝凪 依の歌声にほれ、
そんな木野ひまりの気持ちを勘違いした朝凪 依との
百合ラブコメを序盤から中盤まで展開しており、
中盤の時点で二人は結ばれている。
この時点で主人公たちの物語のケリがついており、
11話でも学園祭でラブラブだ。
残っている問題としては「朝凪 依」に片思いをしていた
水口 亜季と幼馴染である泉 志帆の問題だ。
色々合って喧嘩別れしたり二人を、
木野 ひまりがマネージャーとしてなんとかしようとするものの…
という段階で終わっていた。
その続きではあるものの、半年のブランクのせいで
いまいちキャラクターへの感情が乗らない。
ドロドロとした百合模様を本来なら楽しめるはずなのに、
楽しみきれない、もっときちんとこの作品が制作されていればという
思いが余計に募る感じだ。
ライブ
12話ではライブが描かれる。
中盤のライブほどのひどさはないものの、
特にアニメーションとして見応えがあるわけでもなく、
1枚絵をはさみまくり、細かい動きを当て見せないような
演出と構図は流石だ。
ライブの最後でジャンプをするシーンが有るのだが、
この作画のクォリティでジャンプしたら作画が崩れないのかと
ひやひやしてしまった。
水口 亜季が思い出の曲を幼馴染である泉 志帆に伝える。
そんな本来は泣けるようなシーンでも、
使い回しの回想シーンばかりで構成される。
なんとか11話と12話を放送し、
ハッピーエンドで終わったところは評価したいものの、
原作のある作品をここまでひどい扱いにした
クラウドハーツは倒産して当然だったのかもしれない。
総評:制作会社&舞台会社倒産でふんだりけったり
全体的に見て、あの作画崩壊の頃よりも
作画のクォリティ自体は低いところで安定しているものの、
構図や演出、アニメーションとしてのクォリティが
なんとか年内に間に合わせましたと感じるクォリティであり、
この作品の序盤で感じていた面白さを再び思い出せるようなものではない。
細かく原作からカットしている部分も多いようで、
いつかきちんとした形で再アニメ化してほしいという
思いが生まれるほど、ストーリーやキャラクターは素晴らしいのに、
その素晴らしさを台無しにしている。
アニメだけでなく、この作品は舞台もやっていたのだが、
なぜか舞台の運営会社が潰れDVD・BDが発売されないという、
ふんだり蹴ったりな自体になっている。
原作に積みはない、もはや原作がなにをしたというんだと
叫びたくなるほど、本当に憐れみすら感じる。
これが原作のないオリジナル作品なら
作画崩壊やスケジュール延期を好きなだけしてくれて結構だが、
原作のある作品をここまでひどい扱いにした
横浜アニメーションラボと倒産してしまったがクラウドハーツには
今後何も期待することはないだろう。
個人的な感想:横浜アニメーションラボ
クラウドハーツは倒産したようだが、
グループ会社の横浜アニメーションラボは大丈夫なんだろうか?
今後、2作品制作を予定しているが、
現段階ですでに1年~2年も延期している。
この調子で果たして2作品がまともに制作されるのか…
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