評価 ★★★☆☆(44点) 全12話
あらすじ 迷宮都市・リューイン。モンスターはびこる迷宮があるこの町には、数多くの冒険者たちが集まっていた。命を落とし転生した主人公は、迷宮の中で目を覚ます。その外見は、どう見ても仔猫!?引用- Wikipedia
やばい特殊性癖アニメ
原作は小説家になろうで連載されていた作品。
監督は平川哲生、制作はゼロジー、セイバーワークス
転生
1話からもう既視感のオンパレードだ。
主人公は魔族に殺され命を落とし、気づいたら
「Sランクモンスター」であるベヒーモスの幼体に転生している。
異世界に転生したわけではなく、同じ世界のモンスターに
転生するというのはやや斬新さを感じるものの、やってることはかわらない。
本来は人類を守る人間の騎士だった主人公なのに、
人類の敵であるモンスター、しかもSランクなベヒーモスに転生してしまう。
幼体であるがゆえにまるでネコのような見た目をしているものの、
脳内にステータス画面のようなものが浮かんで、スキルを使用したり、
「捕食」することで捕食した相手のスキルを奪える。
どこぞの転生したらスライムだったような展開を
序盤は淡々と見せられる。Sランクゆえに初期ステータスが高いのか、
BランクだろうがCランクだろうが関係ないものの、
ダンジョンの中で同じSランクモンスターに出会って苦戦のすえ、
逃げた先で爆乳エルフと出会う。
紳士
ネコと勘違いされ拾われれた主人公は彼女に恩義を感じ、
自らの騎士道に従い、生涯をかけて守り抜くことを決める。
この設定自体は悪くないのだが、徐々に様子がおかしくなってくる。
その原因は爆乳エルフだ。
ネコといっしょにお風呂に入り、
ネコを触るときにはどこか欲情している。
お風呂のシーンではきちんと、配信バージョンなら
見えるところまではっきりと見えているシーンがしっかりと描写されており、
この時点で多くの人は気づくはずだ。
この作品は紳士アニメだ(笑)
1話の序盤ではそれっぽさがなく気づかないのだが、
1話の中盤くらいで「ん?」と疑念を抱き、
2話の冒頭ではベヒーモスに耳を滑られて完全に発情するシーンで
決定づけられる。
なろう系としての面白は薄い、しかし、
この作品はそこが主軸ではなく、なろう系を下地においた
紳士アニメだと見れば味方が大きく変わってくる。
しかも、相手はネコだ。
どこぞのスライムのような人間の姿を手に入れることは
少なくとも1クールの間にはなく、この作品に出てくるヒロインたちは
もれなく「ネコ」に発情する(笑)
猫耳な獣人族なども存在する世界ゆえに、
ネコ自体に発情するものが居てもおかしくはない、
我々の世界でさえそういう趣味な方が存在する、
ファンタジーな世界でいえばそういう趣味な人が多く居ても
違和感はないのかもしれない。
戦闘中でもヒロインがセクシーな目にあったりと、
お約束がきちんとある。
ちなみに主人公には「異種交配」というスキルもあり、
それをヒロインは望んでいる。
2話になると猫耳少女も仲間になり、主人公に惚れる。
このちょろさはまさしく紳士アニメであり、
そんな紳士アニメの主人公がネコであり、
ヒロインたちはそんな獣との異種交配を望んでいる。
とんでもないアニメだ。
アース・ドラゴン
主人公は転生直後にアース・ドラゴンと出会い、
ギリギリの中で逃走して、ヒロインと出会っている。
そんなヒロインが魔族によって毒に侵され、解毒するためには
「アース・ドラゴン」の素材が必要となる。
主人を助けるためにも彼は「ネコ」の姿をしてベヒーモスとして進化し戦
う。
ベヒーモスであることがバレてしまえばもう一緒にはいられない、
あくまでも特別なネコだからこそだ。
しかし、そんな体裁よりも主人を助けるために戦う展開は
シンプルではあるものの盛りあがるストーリーになっている。
だが結局、一時的なベヒーモスの姿でしかなく、
進化して強くなってもネコの姿でいられるのはご都合主義感が強い。
ヒロインの谷間の上にいるのが主人公の日常であり、
それができなければこの作品の意味がない(笑)
宿敵だったアース・ドラゴンでさえ人間化し、
主人公のハーレム要因になる。
非常に清々しい紳士アニメのノリがあり、
やりたいことはセクシーシーンだ。
ヒロインたちの装備がアップデートされると、
もはや守ってる場所より守っていない場所のほうが多いくらいだ。
いわゆるビキニアーマー的な装備のような姿で
エルフの胸に収まりながら冒険を繰り返す。
ヒロイン
序盤の段階で3人のヒロインが降り、
更に中盤になると二人のヒロインが追加される。
もうこの時点でだいぶ多いのだが、いわゆるハーレム要因でしか無く、
様々な種族の様々なボディラインをお持ちなヒロインが追加され、
お約束のように毎話毎話、お風呂シーンが有る。
ヒロインたちはもれなくネコに欲情するという
特殊性癖の持ち主ではあるものの、
その特殊性癖が活かされることはなかなかない、
基本的にはお風呂シーンとダンジョン内でモンスターに襲われる
想像なシーンくらいだ。
一緒に冒険する仲間が増えたことで家を買ったりしたりしながら
ヒロインたちの冒険者としての立場もあがっていき、
そんな中で魔族が色々と動き出しており、
終盤に受けての盛り上がりに繋がりそうな予感を
中盤できちんと感じさせてくれる。
成長
魔族たちの一部は封印されし魔神を復活させようとしており、
それを阻止するために国からヒロインたちが戦力として招集される。
その中でかつてヒロインの故郷を救った存在もでてきて、
1クールの序盤の伏線回収のような展開もきちんとある。
紳士アニメではあるものの、ストーリーがつまらないというわけでもない。
ヒロインの故郷を救ったエルフもかなりやばいやつであり、
「大魔道士」と呼ばれた存在に奴隷をして仕えている(苦笑)
英雄の一人も同性愛者だったりと、
この作品に出てくる登場人物は男女問わず特殊な人しかいない。
ベヒーモスな主人公はこの世界でもかなり強い部類に入るものの、
パーティーメンバーに関しては最強というわけでもなく、
なろう系ではあるものの、いわゆるチート感というのは薄い。
主人公がベヒーモスとして本気を出すためには進化する必要があるが、
その姿をみられたら一緒には居られないと思っているがゆえに
本気を出そうにも出せない状況で戦闘シーンが描かれることが多く、
これがいいバランスの戦闘シーンに繋がっている。
ピンチなときに仲間たちが互いを守り、
互いを助けようとする中で成長する展開は
シンプルに燃える展開になっている。
作画に関してはセクシーシーン以外はあまり気合は入ってないが、
かといって悪いというわけでもなく、
制作側が力を入れる部分と入れない部分を割り切って
作品を作っている印象だ。
終盤になると全体攻撃で2回攻撃のお母さんなどもでてきて、
魔族との戦闘が中心となるものの、お風呂シーンは忘れない(笑)
終盤の魔族との戦いの中で、1クールの中で主人公と
出会ったことによるヒロインの成長と変化がきちんと描けており、
主人公とヒロインの関係性があったからこその終盤の展開になっていた。
総評:紳士アニメ!紳士アニメじゃないか!
全体的に見て1クールで起承転結スッキリとしたストーリーが展開しており、
私達の戦いはこれからだ!ではあるものの、
1クールできちんと区切りが生まれており、
2期を想定した中途半端なアニメではなく、
1期だけで1つの作品として成立させているのは評価したいところだ。
序盤こそなろうあるあるみたいな展開で観るのをやめたくなったが、
そんな序盤をすぎると紳士アニメとして本気を出し始め、
そういうアニメなんだと制作側は割り切って創っており、
見る側も割り切ってみることができる。
ストーリーとしてはなろう系でよくある展開であり、
特筆すべき部分はない。
ヒロインたちは多様なヒロインが揃っているものの、
きちんと掘り下げられるのはメインヒロインであるエルフくらいで、
あとのキャラの掘り下げは甘く、セクシーシーンもお風呂くらいだ。
なろうらしいチート感というのも薄く、
それなりに苦戦するシーンも多いのも特徴的ではあるものの、
この作品の戦闘シーンはおまけにすぎない(笑)
紳士アニメとしてはやや物足りなさは感じるものの、
そういった作品と割り切って制作されているのは清々しさすら
感じる部分だった。
個人的な感想: 湯けむりスッキリ版
1話はしっくりとこなかったのだが、
2話あたりでヒロインのあられもない姿が
湯けむりが一切なく描かれたときに
「あ=!そういうアニメか!」と腑に落ちた感じだった。
意図せず 湯けむりスッキリ版をみていたがゆえに
湯けむりスッキリ版という意識をしてみていなかったため、
モロに見えていることに非常に驚いてしまったものの、
この作品は「それ」を見せたいアニメだ。
そういうふうに割り切って見るには1クール楽しめる作品であり、
様々な体型のヒロインの肌を拝むことのできる作品だ。
この色々と規制が厳しい時代に、配信とはいえ
湯けむりをスッキリさせてくれた制作陣に
かつての紳士枠の魂を感じるものがあった。
こういう作品が1クールに1本あると紳士アニメ愛好家として
嬉しい限りだ。
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