評価 ★★★☆☆(44点) 全12話
あらすじ かつて世界を救った英雄達がいた。数多の英雄達は〈破壊〉の力と戦い、この世界を守ったのだ。そして、時は流れ――引用- Wikipedia
メンヘラ大爆笑
原作は2016年から日本でサービスを開始しているソーシャルゲームの
リリース予定である続編(新作)を原作にした作品。
監督は市川量也、制作はライデンフィルム×ドメリカ。
オーバーソウル的ななにか
この作品のストーリーは非常に分かりやすい。
この世界はいきなり謎の魔物が現れ襲われている。
この世界はかつて「邪神」に襲われていたものの、
神に選ばれたものがそんな邪神を倒したという過去がある。
選ばれたものは「英雄」をその身に宿し戦う力を得るという感じだ。
正直言えば、どこかでみたような世界観、どこかでみたような設定、
どこかでみたようなキャラクター、どこかでみたようなストーリーでしかない。
1話の内容はそんな世界観や設定の説明をしているものの、
まるでソシャゲのチュートリアルをみているかのような内容だ。
よく言えば「王道」、悪く言えばありきたり。
しかし戦闘シーンはぐりぐりとよく動いており、
作画のクォリティ自体はそこまで高くないものの、
アニメーションとしてきちんと戦闘シーンを見せようとしている
制作側の努力を感じられる。
特に主人公の「ワイヤーアクション」的な動きは進撃の巨人を彷彿とさせる。
キャラの多さ
ソシャゲ原作アニメは1話からどばどば馬鹿みたいにキャラを
出すことが多いが、この作品は1話は控えめだ。
物語の主人公、そんな主人公を守るヒロインともうひとりくらいしか
キャラが出てこず、非常に丁寧に王道なストーリーを見せている。
ピンチになった主人公が神に導かれ、
自分の命を捧げ英雄の力を手にし戦う力を得る。
1話で丁寧にそんな主人公を描き、2話ではそんな主人公の友人のキャラを掘り下げる。
キャラクターはソシャゲ原作らしく多いものの、
メインとなるキャラをしっかりと掘り下げるエピソードが多く、
それ以外のサブキャラは戦闘シーンで魅せている。
メインキャラはきっちりと、サブはそれなりに。
多いキャラクターを裁こうとしている努力を感じる。
1話1話丁寧に主人公とメインキャラの関係性を掘り下げていき、
学園で一緒に過ごし仲良くなっていきながら、
時には邪神の残党である敵を倒しながら、
自らが契約した英雄が何者なのか知らない主人公が
自身への秘密へと迫っていきつつ、敵も動いている。
やや盛り上がりに欠ける部分や新鮮さはないものの、
本当に丁寧にこの作品は作られている。
丁寧過ぎて地味な部分はあるものの、何処か懐かしいファンタジーな
ストーリーは悪くない。
衝撃
そんな王道だが地味さのあるストーリーは中盤まで続く。
しかし、6話でそんな地味さが打ち砕かれる。
敵の秘密を探っていた一人の少女、恋い焦がれる相手のために
一歩を踏み出してしまったがゆえに彼女は犠牲になる。
秘密を知った代償。そんな代償を「死」という形で容赦なく描く。
ソシャゲ原作の作品の場合、キャラクターの死すらろくに
描かれないか、雑に殺されるパターンも多い。
しかし、この作品は「死」というものをきちんとみせている。
一人のキャラクターの死が周囲に与える影響と重みを、
衝撃的な死の描き方をすることで作品自体の印象を強めている。
みていて思わず「おぉ!?」っと唸ってしまうほどの衝撃だ。
世界の危機も同時に訪れ、
敵である「ピュシス」との戦いも本格的になっていく。
ストーリーとキャラクター描写を丁寧に積み重ねたからこそ、
話が進むほど面白さも積み重なって行く。
かくしごと
中盤をすぎると敵も英雄の力を使ってくる。
キャラクターが中盤から更に増えてしまうのは
やや難点ではあるものの、あっさりと死ぬので問題ない(笑)。
敵が程よく小物であるがゆえに変にひっぱらないのはこの作品の利点だ。
そんな敵が主人公の目の前に現れたからこそ真実が明らかになる。
主人公がずっと隠していた自分の出生、
彼は「人為的」に作られた英雄継承者だ。
「ピュシス」が己の目的を果たすために、英雄の力を使うために、
生み出した存在だ。
それゆえに彼は何も知らなかった。
キレイに1話からの伏線が終盤で回収され、
主人公の成長も描かれる。与えられた生き方と使命、
まがい物の「命」でしかなかった存在が自ら選択する。
なにをしたいか、どう生きるのか。
何者でもなかった主人公が何者かになろうと自分の意志で決める。
綺麗な王道のストーリーが心地よく、他のキャラクターの言動も
終盤で回収される。
きちんと考えられたストーリーが練られている。
なぜ主人公が何も知らなかったのか、
なぜ、とあるキャラが自らを主体性がない女と連呼するのか。
主人公の真実が明らかになったからこそ、
友と、仲間と思っていたものから牙を向けられる。
ストーリーとキャラの積み重ねが終盤で活きてくる。
疑われても、恨まれても、信じてくれる人が彼には居る
終盤
終盤、黒幕の正体と目的が明らかになる。
彼女は何百年も前に振られたせいでおかしくなってしまっている(笑)
自分のことを好きになってくれない、自分は選ばれなかった。
たしかに彼女は中盤で主人公からどちらの女の子を選べばいいか問われて
こう答えている。
「みんながみんなを平等に愛することができればいいのだけれども」
人は生きている限り誰かを傷つける、悲しませる。誰もが罪人である。
それゆえに「平等に死という罰」を与え救う。
失恋したメンヘラが数百年かけて目的を果たそうとしている。
とんでもない話である(笑)
そんな彼女に対し、与えられた命で借り物の体である主人公が
「生きること」の意味を示しておわる。
総評:意外と?
全体的に見て1クールで綺麗にストーリーの起承転結ができており、
序盤でばらまいた伏線が中盤、そして終盤で伏線が回収されており、
地味ではあるものの、そんな地味なストーリーとキャラ描写を
積み重ねたからこそ終盤のストーリーでそれが活きてくる。
この作品だからこその要素や新鮮味という意味ではかなり薄い。
良い意味でも悪い意味でもこの作品はベタ中のベタだ。
だが、そんな突出した養素がないからこそ手堅く丁寧に
この作品を描いており、制作側が真面目にこの作品と向き合っている。
戦闘シーンもきちんと動いており、
アニメーションとしての見ごたえもある作品だ。
作品全体の地味さは否めないものの、見ているうちにこの作品に
すこしずつハマっていき、気づけば最終話まで見終わってしまう。
そんな作品だった。
個人的な感想:悪くない
あくまで「悪くない」止まりな感じはあるものの、
リリース予定のソシャゲの宣伝と考えれば手堅くできた作品だ。
ただ、地味であるがゆえにあまり多くの人には見られなかったようで
そこはすこし残念なところではある。
ソシャゲ原作だから、つまらなそうだからと
見ずに判断している人も多そうだが、
ぜひ1話を試しに見てみてほしい。
意外と悪くないかも?と思える作品なはずだ。
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正直、1話を見て「これは今時の面倒くさいアニメ」と思った。
とにかく、やたらと救出が手遅れになる流れを強調するも、助けたのは主人公「たった1人」とかの時点で個人的には終わってたが、その主人公も「格別、優れた逃げ方」に特化してるとかではなく、あんな逃げ方で助かるなら、村人でも全滅って普通にあり得ないだろ?と呆れた。
やたら「残酷に襲われるシーンの模写」を入れる割には、それにさほどの意味もなく、逆に「村人を囮にして主人公だけが逃げ回る為の村人は餌」みたいに思えた。
電車で半ば悠々自適に現地に出向く英雄様「ヒロイン」にも空いたクチが塞がらなかったが「ぶっちゃけ超高速で駆け付けるマイトガインでも出撃させたら?」と無駄な演出の多さに呆れた。
個人的に「駄目だこりゃ」と確信させたのが主人公の一言。
ヒロインが主人公を助ける流れで「なぜ自分を助けるのか?」と言う返しが、最早、ぶっ壊れ世界観と言うか「面倒くさい主人公と面倒くさい世界観のアニメ」を確定付けた。
そもそも「お前は、人を助ける為に候補生になったんじゃないのか?」
生い立ちや目的は違っても、その「力を得て戦う理由」は分かってて候補生になっているのに、何で自分を助けるの?って「あ~コイツが主人公?」「こんな無意味で面倒くさい話をダラダラ引きずるんだ?」
「つかお前、候補生になる時点で目的を理解しているでしょ?」「英雄のチカラの意味を普通に理解してたよね?」と、確定要素がてんこ盛りなのに、なんで助けに来たヒロインに「どうして自分を助けるのか?」と何故問う必要があるんだ?全く意味が解らない。
主人公のデザインを見た時も「お前はバン・ヒロか?」と突っ込み入れたくなったが、バン・ヒロ君の方が臨機応変で突発的な判断力に長けてる分、勝ってる感が半端ないほど、このアニメの主人公は「面倒くさい奴感」が半端なく滲み出て来て、ぶっちゃけイッキ見、要所要所を見て全容だけ見て「やっぱり、まだイジイジとくだらん話でダラダラやってんだなコイツ」と感じた時「お前みたいなカスが逃げる為に囮の餌に使われた村人が哀れだわ」と、つくづく感じた時、今時の面倒くさい奴、面倒くさい世界観の「糞アニメ」と確定付けした。
まぁどうせ無料だったし、逆にレンタルしてたらぶちギレ確定だったけどね。
これ、わざわざカネ出してまで見る漫画じゃねぇわw