評価 ★★☆☆☆(25点) 全12話
あらすじ 本作の主人公・雪白七々子は、短冊に川柳を書くことで自分の意思を伝える少女である。引用- Wikipedia
川柳で 全て伝える その意味は
原作はマガジンで連載中の漫画作品。
監督は神保昌登、制作はCONNECT。
1話15分ほどの短編アニメ
川柳
引用元:©五十嵐正邦・講談社/川柳少女製作委員会
ヒロインの少女は「口下手」な女の子だ。
口下手ヒロインと言う設定は使い古された設定であり、
ある意味で定番ではあるものの、そこに可愛らしさもある。
しかし、この作品は口下手という設定だけでなく、
そこに「川柳」という要素を付け足している。
口下手で考えをまとめるために、いちいち短冊に
「川柳」として書いて他者と交流している。
例えば嫌いな食べ物を伝えるというだけで
「そういえば 私玉ねぎ だめだった」
と575で伝えてくる。
同じ無口なヒロインで「森田さんは無口」という作品があったが、
同じように口下手で考えがまとまらないという設定のヒロインであり、
あの作品は無口を貫き通していたが、この作品はなぜか川柳を使ってくる
なぜ川柳なのか、それがよくわからない。
これが彼女が「どうしても伝えたい」気持ちだけ川柳にして伝えて
ほかのときは無口なら分かるが、玉ねぎ嫌いなどどうでもいいことまで
川柳で伝えてくる理由がよくわからない。
間延び
引用元:©五十嵐正邦・講談社/川柳少女製作委員会
この作品は日常作品でありつつ、
ヒロインが少しヤンキーみたいな見た目の同級生に恋をしており、
いわゆるラブコメ的な要素もある。
だが1話15分しかないのにもかかわらず「だらー」っと描いてしまっている
特に強い笑いがあるわけでもなく、強い萌え要素があるわけでもない。
「川柳」という要素以外、この作品だからこその特徴がなく、
その川柳が特に面白くはない。
なぜ、川柳というスタイルに拘ってるのか。
そこに強い理由付けがなく、作品の特徴を出すための特徴なだけだ。
だらだとしたストーリーは特に何かあるわけではない。
日常ラブコメの中に「川柳」という要素があるだけで、
その川柳自体に面白みが出ていない。
ここぞというときに「川柳」ではなく、いつでも「川柳」であり、
それが1話1話の「決め」になってるわけでも
ボケやギャグになってるわけでもない。
川柳という要素が作中で効果的に作用しておらず、
正直3話くらいで飽きてくる。
というよりも川柳というよりは日常の会話をただ
575にしてるだけで「川柳」の良さがまるで出ていない。
家族との日常の会話でさえ川柳で筆談するのも意味不明だ。
既視感
引用元:©五十嵐正邦・講談社/川柳少女製作委員会
この作品を構成してる要素は既存の作品の組み合わせだ。
無口で喋らないという設定は「森田さんは無口」という作品、
川柳という要素も「GO!GO!575」という作品がある。
それを組み合わせただけでそこに何の新鮮味もなく
どちらも知名度があまり無い作品なだけにばれないのかもしれないが、
どちらも知ってる人からすれば既視感しかない。
「森田さんは無口」は無口だからこその面白さを作品では出せていて、
徹底した無口をつらぬいていた。
「GO!GO!575」は全4話で1話5分しかないアニメではあったが、
575の川柳にキャラクターがハマる理由付けもきちんとあり、
キャラクターも可愛かった。
しかし、この作品はその両作品の要素を抜き出してかけ合わせてるのに
相乗効果が生まれておらず、劣化コピーにしかなってない。
キャラクター
引用元:©五十嵐正邦・講談社/川柳少女製作委員会
キャラクターも微妙だ。
ヒロインの川柳や口下手という設定もそうだが、
ヒロインが恋する見た目がヤンキーな男子は、
それ以上でもそれ以下でもない。見た目がヤンキーってだけだ。
他にもヤンキーの年上幼馴染のお姉さんはテンプレ的な年上のお姉さんで、
二人が所属する文芸部の部長はツッコミ役として
機能しているようでしていない。
話が進むとどんどんとキャラクターが追加されていくが特に印象には残らない。
この手の作品は「ネタ切れ」すると新キャラを出す風潮があるが、
ネタ切れが早い。「川柳少女」という設定だけでもお腹いっぱいなのに
同じ口下手という設定のキャラを出して、
なおかつ川柳ではなく「表情」をスケッチブックで書くという
サブキャラまで出てくる。
同じ作品で似たようなキャラかぶりをしてるのは致命的だ。
正直、川柳少女よりもスケッチブック少女のほうが可愛いので
余計に致命的だ。
しかも新キャラが出ても、最初に出てきた時以上のインパクトがない。
ラブコメ
引用元:©五十嵐正邦・講談社/川柳少女製作委員会
作画とキャラクターデザインがいいからこそ、
キャラクターの可愛さは感じられるのが救いだ。
正直、川柳という要素の必要性が薄い。
無口な少女とヤンキーな少年のラブコメという
ややベタではあるが、可愛らしいヒロインの描写も相まって
ラブコメとしては楽しめる部分もあり、
ゆったりとした雰囲気と特徴的なサブキャラによるギャグ要素で
川柳という要素を抜きにすればそこまで悪くない。
川柳という要素がない普通の日常ラブコメだったら
このゆるーい感じをもっと素直に楽しめた作品だったかもしれない。
作品の芯にある川柳が邪魔な作品だ。
総評:なんで川柳なのか
引用元:©五十嵐正邦・講談社/川柳少女製作委員会
全体的に見て微妙な作品だ。
口下手で気持ちを川柳で相手に伝えるという設定自体は悪くないが、
日常会話のほとんどを川柳で筆談して伝えてしまっているせいか
「川柳」自体が1話1話における決定的な要素になっておらず、
川柳に面白みも良さも感じない、むしろ無いほうがいいと思うくらいだ。
1話15分という尺も間延びしまくっており、
これが5分アニメだったら日常会話の部分がへり、
1話1話の話のオチでヒロインのキメ台詞としての川柳が
効果的に作用したかもしれない。
原作が4コママンガだと考えると、
原作だとこの川柳の要素の活かしきれて無さをあまり感じないのかもしれない。
アニメでしかも15分という尺だと「川柳」という要素自体が間延びして、
作品全体の面白さや魅力自体が薄まってしまってる印象だ。
キャラクターデザインはよく、作画もいいため雰囲気自体はいいが、
その雰囲気だけで面白さは薄い。
なぜ「川柳」にヒロインがこだわるのか、それが本当に理解できない。
小さい頃から川柳で会話してるようだが、
小学校の頃にはからかわれてすらいる。
中3でヤンキー男子との出会いと恋の始まりが川柳だったのは良いが、
それ以前になぜ、そこまで川柳に固執するのかが謎だ。
小さい頃にヒロインが川柳にハマるきっかけがあったはずだが、
それが描かれないことがこの作品の最大の欠点かもしれない。
15分ではなく5分作品だったら印象は変わったかもしれないだけに、
間延びしすぎていたのが残念だ。
個人的な感想:なじめなかった
引用元:©五十嵐正邦・講談社/川柳少女製作委員会
1話の段階からいまいちこの作品にハマれず、
結局最終話までしっくりこない作品だった
なぜ、ヒロインがそこまでして「川柳」に固執してるのか。
それがわからないのがどうにもしっくりこない原因だったかもしれない。
そこの設定付がきちんとあれば楽しめたかもしれないが、
小さい頃の描写はあるのに、なぜ川柳にハマったかの描写がないのが
よくわからない作品だった。
原作を読めば印象が変わる作品かもしれない。
雰囲気はきらいじゃないのに楽しめない、なんとももどかしい作品だった
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