評価 ★★☆☆☆(40点) 全12話
あらすじ 周りを湖に囲まれたクーケン島にあるラーゼンボーデン村。ロテスヴァッサ王国の辺境にあるこの村では、穏やかな時間が流れている引用- Wikipedia
至極の太ももアニメ
原作はゲームな本作品
監督は楪エマ、制作は制作はライデンフィルム。
初回1時間SP
最近は1話切りを恐れてか、1話だけ1時間SPにする作品が多い。
1話では切りが悪いところでストーリーが終わってしまったり、
盛り上がりどころが2話か3話くらいになってしまう作品の場合は
1時間SPにすることで1話切りされないように
制作側が心がけている印象だ。
この作品もそんな1時間SPな作品だ。
「ライザ」という少女は特に特徴もなく普通の少女だ。
そんな普通であることを自覚し、実家の農業を手伝いつつ、
何かになりたいという思いをいだきつつも
何にもなれない自分への憤りを感じている。
特に特徴的な1話とはいえない。
ファンタジーな世界でチートな力を持っているわけでも
転生しているわけでもない。
田舎の島は牧歌的な雰囲気こそあれど、
作画に気合が入っているわけでもない。
「ぼやー」っとした画面を覆う光の演出はやや癖があり、
私のメガネが汚れているのかと一瞬勘違いするほどだ。
1話から主人公周辺のキャラが自己紹介的に登場するもののそれだけだ。
キャラクターデザインこそ秀逸であり、特に衣装のデザインに関しては
かなり細かく練り込まれている印象を受ける。
しかし、地味だ。
アニメーション的な面白みも薄く、
淡々と田舎の少女が「島から出るな」という「しきたり」を守る生活から
脱却することを夢見ている。
そんな島のしきたりを破り、彼女たちは森へと冒険へ行く。
そこで都会からきた少女と出会い、
魔物と出会いピンチになったところで彼女は
「錬金術士」と出会うというところから物語が動き出す。
錬金術士の素質のあったライザは錬金術士の道を進んでいく。
淡々と地味では有るものの丁寧にストーリーは描かれている印象だ。
無知
ライザや島の住民は物事を知らない。
閉鎖的な島で生まれ、育ってきたライザたちは
「押し花」でさえ知らないほどだ。
外の世界のことは外の世界の事として島の住民は過ごしている。
だが、若いライザたちには好奇心が有る。
錬金術士の修行をしながら、色々なことを知っていき、
今まで知らないことを知る喜びを噛みしめる。
好奇心が知識欲をみたし、知識欲が新たな好奇心につながる。
少しずつ、少しずつ、ライザという主人公が
「自己肯定感」を高めていく。
知らなかったことを知り、できなかったことがやれるようになる。
生まれたての赤ん坊のように彼女は様々なことを覚え、成長していく。
何者でもなかった自分、自分でもそう思っていた彼女が、
何者かになるための物語が非常に丁寧に描かれている。
やりたくない農作業をするわけでもない、
見習いではあるものの「錬金術士」として
島の住民のトラブルを解決することで彼女はなにものかになっていく。
ライザに錬金術士の才能があったり、トントン拍子に物事が進んだりと
ややご都合主義感はあるものの、
テンポよく物語が展開していく。
太もも
そんな日常が繰り返しながら積み重ねていく中で、
アニメーションとしての面白みはやや薄い。
戦闘シーンなど有るものの、グリグリと動くという感じでもなく、
淡々とゲーム内でのいわゆる「クエスト」をこなしている印象だ。
しかし、そんな日常アニメではあるものの際立った部分がある。
太ももだ(笑)
ライザのアトリエといえば「太もも」の太さで話題になり、
ゲームをやったことがない人でも彼女の立派な太ももを
1度はネット上でも見かけたことが有るはずだ。
そんな特徴をこの作品もかなり際立たせている。
他のアニメでは絶対に見れないカメラアングルで、
ライザの顔や、たわわな胸などではなく、
この作品は「太もも」にカメラがグィっとよる。
特にわかりやすいのはエンディングだ。
ニーソと短パンが明らかにサイズがあっておらず、
「ムニッ」っとした太ももやライザの
各パーツを強調したシーンばかりで構成されており、
そんな太ももに注目するようなシーンが
1話に2,3回はかならずある(笑)
胸やパンチラなどに着目しているアニメは多い。
だが、この作品が着目しているのは「太もも」だ。
日常シーンのなかで、いかにライザの太ももを魅せるか。
わざとらしくなく、自然に太ももを見せるシーンを差し込んでいる。
例えばライザが指摘を受けて半歩だけ下がるシーンが有る。
そこで映すのは顔ではなく太ももだ(笑)
主人公ともう一人が内緒話をしているときも
映すのは顔ではなく、もじもじしている太ももである。
割り切った太もも描写の数々に思わず笑ってしまう。
そのせいか、見ているときも自然と太ももに注目してしまい、
中盤でやや作画が息切れしているシーンが何度か見られるが、
そんなときに気になるのは「顔」の作画ではなく、
太ももの作画の方だ。
アップになるときはニーソから太ももがはみ出ているのだが、
引いた絵のときなどの作画が悪いシーンでは、
太ももがニーソに収まっている。
主人公の顔の作画よりも太ももの作画のほうが気になるのは
この作品くらいだろう。
それだけ「太もも」というものにこだわった作品だ。
認められる
ライザ達は自分のなすべきことを見つけていく。
ライザは錬金術士に、幼馴染の一人は強さを、もう一人は知識を深め、
3人は「外の世界」からの知識を吸収し、
自分らしさを見極めていく。
だが、村の住民の中にはそれをよく思っていないものもいる。
外の世界の知識だからこそ、外の世界の常識だからこそ、
閉鎖的な島の住民の中には彼女たちに反発するものもいる。
反発こそしないものの疑うものも大勢いる。
彼らにとって「錬金術」自体が未知のものだ。
そんな反発や批判を、彼女たちが成果で答えていく。
街の人達の悩みや困っていることを、
得た力で解決することで自分を、外の世界の知識を受け入れてもらう。
作画こそやや怪しくなってくるものの、
丁寧なストーリー描写と積み重ねは変わらない。
中盤でライザは町の住民から認められる。
錬金術士だからこそ、ライザだからこそのものを成し遂げることで、
自分自身にも、周囲にも認められていく。
ゲームのクエスト的なストーリー感は拭えないものの、
そこを下地に丁寧にストーリーが描かれている。
そんな中で終盤、島に竜が現れる。
村の外の住民を入れたせいだという島民も現れる中で、
ライザたちもまた竜退治へと足を運ぶ。
彼女たちの両親もまた背中をおしてくれる。
戦うことから逃げていた幼馴染の守り手の親もまた、
なにもいわず、彼に自らの剣を差し出し、
都会から着た少女も自らの成長を父に見せつける。
それぞれの成長と、周囲の変化という
キャラクター描写がしっかりしている作品だ。
終盤
終盤はそれぞれの成長がきちんと見えるようになっている。
序盤では魔物に襲われピンチになっていた森ですら
あっさりと通ることができるようになり、
それぞれが成長したことをしっかりと感じさせてくれる。
そんな4人が協力しながら竜を倒す。
あっさりとしたものであり、あからさまにゲームで言えば
ボス戦なんだろうなと感じるような終盤では有るものの、
1クールの中で主人公とメインキャラの成長がきちんと見えることで
1クールが起承転結がスッキリしたものになっている。
ただ唯一気になるのはもうひとりの幼馴染とも言うべき
「ボウズ」との不仲だ。
幼馴染ではあるものの、なぜか成長した今は仲が悪く、彼女たちを敵対視している。
なぜそうなってしまったのかというエピソードが結局描かれずじまいであり、
最終話でも不仲が解消しない。
ここだけが唯一モヤっとするポイントでは有るものの、
1クールで彼女たちが、何者でもなかったライザが
「島から出られる冒険者」になるまでの
ストーリーが描かれている作品になっている。
ただ最終話はエピローグで終わってしまい、
1クールという尺ですらやや持て余しており、
1話1話の話の密度ともいうべきものがスカスカしており、
深夜アニメというよりは子供向けの朝番組でも見ているかのような
気分になるが、ライザの太ももで子供向けにはできないと
現実に引き戻されるような作品だった(笑)
総評:太ももだ、太ももだらけだ、太ももだ
全体的に見てゲーム感みたいなものは作品全体から感じてしまう。
特に序盤から中盤までのクエストっぽいストーリーの数々や、
トントン拍子にいく展開やご都合主義など
気になるところはちょこちょことある。
しかし、そんな細かいところを「太もも」で覆い尽くしている(笑)
丁寧な日常を積み重ねながら主人公たちが成長していき、
できることがふえていき、なにものにもなれなかった少年少女が、
それぞれのなすべきことを見つけ、なにものかになっていく。
そんなストーリーが丁寧に描かれつつ、同時に太もも描かれている。
作画に関しては中盤はやや不安定な部分が目立っているものの、
毎話毎話、お約束のごとくライザの太ももを堪能できるシーンが有り、
太ももが有るからこそ最後まで見ることのできる作品と言っても
過言ではない作品だ。
ゲームで言えば全体の2割ほどの内容でしかないようで、
色々とここから色々なストーリーが展開しているようだ。
あくまで序章の部分をアニメで丁寧に描き、
続きや、もっと太ももを堪能したい方はゲームをしてねということなのだろう。
そういった意味ではきちんとした販促アニメになっている。
やや退屈な日常パートやクエストなどは有るものの、
太ももの魅力に囚われてしまえば、
最後まで楽しめる作品だった。
個人的な感想:太もも
おそらく来月には太もも以外の記憶はなくなっていそうな作品だ(笑)
太ももバンクという名の錬金術シーンや、日常回の太ももカメラアングルなど
この作品だからこその太ももへのこだわりはしっかりと見える部分があり、
毎話毎話、どんな形で太ももを見せてくれるのかを楽しんでいた。
惜しまれるのは中盤から露骨に作画が悪くなってしまい、
同時に太ももの太さも失われるシーンが多かったのはやや残念なところだ。
これでも原作ゲームなどのイラストに比べると太ももは控え気味であり、
もう少しアニメも盛ってよかったのでは?と感じる部分もある。
真面目な日常描写と、不真面目な太もも描写、
その対比がなかなか興味深い作品だった。
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