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全話総集編「Re:Monster」レビュー

2.0
Re:Monster ファンタジー
©金斬児狐・アルファポリス/リ・モンスター製作委員会
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評価 ★★☆☆☆(32点) 全12話

【第1弾PV】2024年4月放送開始!!TVアニメ「Re:Monster」

あらすじ 突如ストーカーに刺され、目覚めると最弱ゴブリンに転生していたゴブ朗引用- Wikipedia

全話総集編

原作は小説家になろうで連載している作品。
監督はイナガキタカユキ、制作はスタジオディーン

元祖

ここ数年はなろう系ブームがきており、
毎クール、大量の作品がアニメ化されている。
そんな中でこの作品も「小説家になろう」で連載している作品だ。

連載開始時期は2012年からとかなり早い段階で開始しており、
アニメ化された多くのなろう系作品よりも早く連載されている。
異世界転生やチートといった、なろう系要素が流行りだす寸前、
そんな今のなろう系作品のイメージの始祖のような作品なのが
本作品の原作だ。

そんな始祖な作品らしく、主人公は殺されて異世界に転生する。
血を吸うトラックではなく「女性」に刺されて死ぬというのは
かなり珍しい展開ではあるものの、
転生した彼は剣と魔法の世界で「ゴブリン」に転生している。

ゴブリンというのは最弱の種族だ。だが、成長が早い。
生まれて4日目には洞窟の外に出て、自ら食料をとらないといけない。
そんな食料を狩る中で彼の頭の中には
「ステータス画面」のようなものが浮かぶ。

主人公は前世からの段階で特別な能力を持っている。
食えば相手の能力を一定の確率でゲットすることができる、
そんなRPG的な能力を前世から持っていた彼は
異世界で多くのものを喰らい強くなっていく。

他のゴブリンは力もなければ知識もない。
そんな中で彼はゴブリンとしては異色の力を手に入れていく。
「レベル」の概念も在り、一定のレベルまで達すると進化することができる。
強者を食べ、進化し、さらなる強者になる。
基本的にこの作品はその繰り返しだ。

ただ作画のクォリティはお世辞にも高いとは言えず、
かといって作画が極端に崩れるわけではない。
序盤は激しい戦闘シーンなどはないのだが、
そんな戦闘シーンで止め絵を連続している。

そんな作画のクォリティもあって淡々としている感じだ。
主人公のナレーションベースで話が進むのもあるが、
本当に淡々としている。
戦闘シーンなどもあっさりとカットされることも多く、
プロットのようなストーリーを繋いで居るような印象だ。

1話の終盤の時点でゴブリンから進化している。
主人公だけではない、同じ釜の飯を食った仲間とともに、
幼馴染とともに彼らは強くなっていく。

ゴブリンとして

主人公はあくまでゴブリンだ、最弱な種族であり、
彼の仲間も最弱だ。しかし、主人公には前世の知識と力がある。
だからこそ、彼は群れを率いて、親分、リーダーとしての
頭角を徐々に表していく。

だが、あくまでゴブリンだ。
彼らは繁殖のために他種族の女性をさらっている。
人間だった前世があるからこそゴブリンにはない「嫌悪感」が
そこにあり、自らの親ともいえるような存在にすら彼は歯向かい、
ゴブリンという種族のあり方すら変えていく。

人間の女を襲い、孕ませる。それはゴブリンという種族としての本能だ。
だが、そんな本能すら彼は否定する。
自らの親というべき存在ですら「力」を見せることで群れを率いる。
ときには同種族すら殺し、生き方を指し示すことで、
ゴブリンも彼に付き従っていく。

そんな中で人間の冒険者や、カーバンクルなどと出会い、
ときには戦い、ときには喰らいつつ、
どんどんとスキルを手に入れて、レアなアイテムも手に入れて…と、
淡々とナレーションベースでどんどん強くなっていく。

日記

このナレーションベースなのが厄介だ。
色々な存在に出会ったり、色々なことが起きるのだが、
そのナレーションベースであっさりと片付くことが多い。
「ストーリー」ではなくプロットだ。

ドライアドに出会いました、リザードマンに出会いました、
仲間がメイジになりましたというような感じで、
本当にプロットだけでストーリーがナレーションベースで
どんどんと進んでいく。

女性キャラクターもどんどんと増えていき、
主人公を中心とするハーレムも形成されていく。
数多のなろう系主人公と違うのは、
同等と彼が手を出すところだろう(苦笑)

力、女、権力、金。
わかりやすいなろうらしさは感じる一方で、
淡々としたストーリー展開にあまり面白さは感じない。

「◯日目」という表記が出るように、
この作品は主人公の日記のような作品だ。
日記だからこそ、1日の振り返りを書き記したものだからこそ、
細かい部分は描かれず、「今日はこんな1日でした」というような
ストーリーでしか無い。

常に主人公目線で、主人公のモノローグで1から10まで全て語られる。
他のキャラクターの心理描写や他のキャラが主人公が見てないところで
なにをやっているのかなどは描かれない。
主人公に日記だからこそ、知る由もない部分は描かれない。
日記だからこそ細かい部分や細かいセリフは描かれない。

そう考えると納得できる部分はあるのだが、
納得したからと言って面白くなるとは限らない。
強くなりすぎたゴブリンたちはオーガなどに進化しつつ、
様々な種族を仲間にし、傭兵団としても活躍していく。

そんな中で敵の中にいい女が居れば手に入れる。
非常にわかりやすい作品であり、展開も早いのだが、
淡々としたストーリー描写と、作画のクォリティの低さもあって
いまいち、この作品の面白さを味わいきれない。
ずーっと総集編を見ているような感覚だ。

強さ

主人公はチート級な強さやスキルをどんどん手に入れていくものの、
最強ではないのがこの作品のミソでもある。
序盤は熊相手に片腕を失い、中盤は人間の「英雄」と呼ばれる存在と
互角な勝負を繰り広げていたりする。

その結果、仲間を失うこともある。
だからこそ、彼らは誰にも負けないように強くなっていく。
終盤には拠点から旅立ち、姫とであったりしながら
各地の強敵を倒していく。

状況や場所などの変化はあっても、
基本的に強者に立ち向かい食らっていくという流れは変わらない。
この強者との戦闘がもう少ししっかりと描かれていれば
作品全体の印象は違うかもしれないが、
戦闘シーンもあっさりしたものが多いからこそ、流れるように見てしまう。

終盤には主人公の子供も生まれる。
多くのヒロインに手を出した彼だからこそ、多くの子供が生まれる。
だが、種族が違うがゆえの問題も発生する。
オーガの子供は1日で一気に成長してしまうがゆえに、
人間の体では耐えられない。

そんな問題を解決したりしながら物語が進んでいく。
基本的に主人公は家族や仲間というものを大切にする存在だ、
仲間や家族を失うことを恐れ、恐れるからこそ強くあろうとする。
仲間や家族達も主人公と肩を並べる存在になろうと努力している。

そんな彼らが得ているスキルやレベルという概念、
それもまた何かの存在が作ったものであることも匂わされており、
ゲーム的な世界観を裏付けがあるようにもみえるが、
そのあたりは1クールではきちんとは明らかにはならない。

2期があるかどうかわからないが、
2期があればそのあたりが明らかになることを期待したい。

総評:怖いか?これがなろうの始祖だ

全体的に見て作品の方向性自体はわかるものの、
アニメという媒体で見ると地味で淡々とした作品になってしまっている。
コミカライズの段階からモノローグまみれのようだが、
アニメでもモノローグやナレーションがかなり多く、
まるで「日記」を読み勧めているように平坦なストーリーだ。

それがこの作品の持ち味なのはわかるものの、
アニメーションとしての魅力はかなり薄く、
戦闘シーンも多いのだが1枚絵で構成されていたり、
エフェクトでごまかすようなシーンも多い。

主人公は決して最強ではなく、強者も多く現れ、
そんな強者とのバトルシーンが盛り上がりどころになるはずなのだが、
アニメーションという表現でそれを後押ししきれておらず、
作品持つ淡々さをより強調してしまっている。

主人公がどんどん強くなりながら、仲間も強くなり進化していく。
ハーレム要素もあり、手を出しまくる主人公など、
豪快なキャラクター描写自体は悪くないのだが、
魅力的なキャラクターになりそうなサブキャラたちが
主人公の視線で常に描かれているため深堀りされない部分も多い。

感覚的にずっと総集編を見ているような感覚だ。
2クールか4クールくらいで描かれた本編が在り、
それを1クールの総集編として見せている。
そんなダイジェスト感が常に在り、ストーリー展開自体は早く、
どんな展開になるのかといったところが早くしれて理解できるというのが
この作品の面白みなのかもしれない。

小説家になろうとしても初期の作品であり、
後に生まれる作品を色々と彷彿とさせる要素もあるが、
もう少し作品全体で爽快感がほしいと感じてしまう作品だった。

2期があっても恐らくこの調子で描かれるのだろう。
原作は人気なようだが、もう少し早くアニメ化されていれば
印象ももう少し違ったかもしれない。

個人的な感想:いつものやつ?

序盤はいつものやつという印象だったが、
中盤くらいになると、この日記のようなナレーションベースな
ストーリー進行の斬新さを楽しんでいる部分もあった。

ただ、それが作品としての面白さにつながってるかどうかは別であり、
2クールか4クールくらい一気に描かれていれば、
この作品らしい味わいのようなものを感じられたかもしれないが、
1クールだとなんだかなーという感じで終わってしまった作品だった。

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