評価 ★★★☆☆(59点) 全71分
あらすじ 武道館という夢の大舞台に立った余韻が残る「Poppin’Party」の戸山香澄らの前に、謎の女性が現れる引用- Wikipedia
もっと!キラキラドキドキを!
本作品はBanG Dream!の劇場アニメ作品。
過去にもBanG Dream!は劇場アニメを手掛けているが、
過去の2作品は「ライブ」作品であり、ストーリーはない。
本作品はそういった意味では正当な劇場アニメ作品となる。
監督は柿本広大、制作はサンジゲンと2期から変更はない。
夢のその先へ
本作は時系列的に3期の後となる。
「BanG Dream! Girls Band Challenge!」に出演し、
タイトルの回収を果たし、バンドリ本編の物語としては
3期である程度の区切りがついている。
しかし、今作はある種のエピローグ的な物語だ。
映画冒頭からポピパによるOPが流れるが、
その裏で「1期」からの物語を振り返るような漫画が流れている。
ポピパが巡ってきた歴史、過去を描きながら
1期から3期までの物語を思い出すようなOPの演出は
ファンにとってはたまらないものだ。
武道館という共通の目的を目指し夢を叶えたポピパ。
そんな彼女の達の前に謎の女性が現れ、
謎の女性に「グアム」でのイベントに
誘われるところから物語が始まる
セルルック
今回は劇場アニメということなのかはわからないが、
CGのクォリティが若干、上がっている。
2期でフルCGになったバンドリシリーズだが、
その違和感を感じる人も多かったはずだ。
3期でもそこまでCGのクォリティはかわらなかったが、
今作はCGのクォリティが1段階上がっている。
CG特有の違和感がかなり薄れ、アニメ調のCG、
いわゆるセルルックCGのセルルック感がかなり上がっており、
CG特有の違和感がかなり抑えられている印象だ。
ただ、それは序盤だけで中盤からグアムに舞台が移ると、
かなり色彩が強めになる。
これはグアムということで日差しの強さを意識したことによる
ライティング処理の影響だと思うが、
外でのシーンの際の陰影はかなり強めだ。
今作はタイトル通りポピパが中心の物語だ。
海外のフェスであるがゆえに、一部のバンドは日本に居たままであり、
一部のキャラクターのファンにとっては欠点と言える部分だが、
3期ではRASの物語が中心に描かれており、
2期では各バンドのエピソードも描かれていただけに
ポピパメインの物語になるのは1期の頃に帰ったような感覚だ
グアムへと行くのはポピパとRASのみだ。
現地にはモルフォニカもきており、
そんなグアムへ行く準備を描きつつ、グアムではトラブルが巻き起る。
なかなかホテルにたどり着けなかったりしながら
グアムを楽しむ各キャラクターが描かれている
怪我
中盤で描かれるライブシーンはシンプルに素敵だ。
夜のグアムで言葉も通じない海外の人を相手に、ポピパが弾き語りをする。
アコースティックギターで奏でながら、
それぞれの歌声を鳴り響きさせる光景は、多くの人の心を魅了する。
そんな彼女達の曲をきいたことでマスキングが涙を見せる。
夢を叶えたポピパが、夢を叶えたその先に行く。
同じアーティストとしてのあこがれと感動が含まれた
複雑な心境ゆえに彼女は怪我をしてしまう。
それに気づいた「 沙綾」は彼女とともに病院へ行ってしまう。
果たして二人はフェスに間に合うのかというところが
本作のストーリーの盛り上がりになっているが、
このあたりの展開はグアムという舞台の特殊さを除けば
バンドアニメではかなりベタな展開だ。
バンドリとしても2期でおたえが間に合うかどうかという
展開をやっており、二番煎じ感の強いネタだ。
モルフォニカ
そんな2バンドのドラムが不在の中で、モルフォニカが活躍する。
自分に自信のないマシロが憧れの2バンドのために、
トップをはる姿は可憐で大胆な演奏だ。
RASやポピパに比べてまだまだのバンドだ。
だが、そんな2バンドに負けないライブシーンはおもわず心を奪われる。
ただモルフォニカに関しては1期、2期、3期には未登場であり、
この映画の半年後に彼女達の物語が描かれた作品が
アニメで放送されはするものの、アプリをやっていないと
「誰?」となってしまうのがやや残念なところだ。
それでも短い出番と演奏シーンではあるものの、
彼女達の魅力をしっかりと感じさせるものになっている。
RASのライブシーンに関してもマスキングがくるまでの
時間を稼ぐための「フェス」だからこその演出が、
この作品だからこそのライブシーンになっており、
そんなRASの時間稼ぎからのマスキングの登場は
ベタで二番煎じな流れではあるものの、盛り上がりが生まれている。
ライブ演出に関してもレーザーライトを生かした舞台の
表現は凄まじく、フルCGだからこその一人ひとりのキャラクターの
細かな動きがリアルなライブシーンを産んでいる。
新曲
そんな流れからポピパのライブにつながる。
彼女達は同じ目標に進み武道館ライブという夢を叶えた。
だが、それで終わりではない。ライブの演出がまさにそれを表している。
あえて会場のライトをすべて消し、星空を見せる。
彼女がかつて聴いた「星の鼓動」、キラキラしてドキドキする音、
1つ1つの星の輝きをもっと明るく、星の鼓動をもっと激しく、
星の鼓動をもっと大きなものにしたい。
ここで終わらない、まだまだこれからだ、
もっとキラキラを、もっとドキドキを、
そんな主人公である「香澄」の思いを感じさせるライブシーンで
物語の幕は降りる
総評:夢のその先へ
全体的に見て3期の続きとしてしっかりと作られている話だ。
3期でポピパの物語としては区切りがついていたが、
今作では3期で終わりではないと感じさせるストーリーになっており、
多くのバンドが関わりながらポピパの、香澄の、みんなの、
キラキラドキドキを強めたいというメッセージを感じられる。
CGのクォリティは1段階あがっており、
更に映画だからこその「ライティング処理」はかなり印象的だ。
グアムでの日常シ-ンはそれをやりすぎてて
違和感が生まれているシーンも多かったが、
ライブシーンではそれが光り輝いている。
特に「RAS」のシーンでのライブ演出は素晴らしく、
彼女達の演奏と歌声、それにあわせたレーザーライトの演出は
おもわず唸ってしまうほどの出来栄えになっていた。
本作で初登場ともいえる「モルフォニカ」は
掘り下げ不足感があり、アプリをやっていない人にとっては
若干蚊帳の外感が生まれているが、
それでも彼女達の魅力は感じることができる。
もっとキラキラドキドキしたい、そんな思いを受け取った
「モルフォニカ」の物語はどうなるのか、
期待したいところだ。
個人的な感想:マシロ
1期や2期は色々と問題が合ったが3期でバンドリという
作品は完成し、そこからの映画作品の完成度も高く、
モルフォニカ、そしてMyGO!!!!!の物語も
自然と気になる流れになっている。
個人的にあまりバンドリのキャラクターに
愛着が湧くことはなかったのだが、
今作で妙にマシロちゃんが気になってしまった(笑)
日常シーンではそこまでだったのだが、
ライブシーンでの表情や歌声が琴線に触れるものがあり、
早急に「BanG Dream! Morfonication」を見ないといけなくなってしまった。
マシロちゃんの何が私の心を震わせているのか…
「BanG Dream! Morfonication」を見て
答え合わせをしてみたいと思う。
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