評価 ★★★☆☆(50点) 全12話
あらすじ ここは、博多のようで、博多でない街のとある商店街。今日も美味しそうな出来事が巻き起こる!?食べ物の妖精たちとのどたばた日常劇!引用- Wikipedia
博多に潜む狂気
本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は石川健朝、制作はジーアングル
1話5分ほどの短編アニメであり九州朝日放送などで放送されたアニメだ。
博多なのか?博多じゃないのか?
引用元:©ぴりからこちゃん 製作委員会
この作品の舞台は「博多のようで博多でない」街が舞台だ。
そんな中で主人公である「ぴりからこ」ちゃんはお惣菜屋さんの娘だ。
そんな彼女と妖精太刀地の日常を描いているアニメだ。
一見すれば小さいお子様向けのアニメでしかない。
主人公の頭の上には目玉の親父のごとく、なぜか「明太子」の妖精が乗っかってたり
モツ鍋の妖精が居たり、お弁当に入ってる仕切りの「バラン」の妖精が居たり、
この時点で色々と突っ込みたくなる気持ちがウズウズしてきてしまう。
明太子はまだわかる、百歩譲ってモツ鍋の妖精も理解できなくはない。
だが「バラン」の妖精はどうなんだと(苦笑)
その他にもいちごやキャビアの妖精が居たりする。
キャビアの妖精はお金持ちキャラらしく、明太子なんか庶民の食べ物だ!と
「ぴりからこ」ちゃんに絡んでくる。
そんな彼に対して明太子の妖精が巨大化し、大量の明太子を浴びせて成敗する。
そうかと思えば街中を明太子だらけにして1話が終わる。
謎だ(苦笑)
やや狂気すらも感じる1話を見せつけられることで、
この作品の世界観に取り込まれる。
九州の食べ物
引用元:©ぴりからこちゃん 製作委員会
1話は明太子、2話はとんこつラーメンだ。
1話は明太子とキャビアで張り合ってるが、
2話は「長浜ラーメン」と「久留米ラーメン」で張り合う(苦笑)
博多以外の人からすればどっちも博多ラーメンだろと言いたくなるが、
長浜ラーメンの妖精と久留米ラーメンの妖精が
どっちが「本場のとんこつラーメン」かを張り合う様を見せられる。
このアニメは何のだろうか。
とんこつラーメンの豆知識をさり気なく入れてはいるものの、
メインは「長浜ラーメン」VS「久留米ラーメン」だ(笑)
メインキャラクターである「ぴりからこ」ちゃんそっちのけで
繰り広げられる博多とんこつラーメン対決はシュールでしかない。
絵柄は確実に子供向けだ、だが、子供向けとは思えないほどのシュールな内容だ。
モツ鍋の親父が水炊き屋の女将に恋する者の、
モツ鍋よりも水炊きのほうが高級なイメージがあるから高嶺の花というような
設定を子供が素直に飲み込めるのだろうか。
なんとも言えない絶妙なシュールさをはらむ内容に見れば見るほど癖になってしまう
結局、水炊き屋の女将は春菊と結婚して終わる。
この作品はなんなのだろうか(苦笑)
こうやって文章にするとシュールさがより際立ってしまう。
九州名物
引用元:©ぴりからこちゃん 製作委員会
3話以降も同じだ、色々な九州の名物を1話1話出しつつ、
その食べ物に絡めたストーリーを展開していく。
だが、1話1話狂気に満ちている。
うどんが出てくる回はうどんがふやけすぎちゃったり、
あまおういちごの故郷でいちご狩りしたりする。
こうやって書くと可愛いエピソードじゃないかと思う方もいるかも知れないが、
うどんは星を覆うほどにふやけ、
いちご狩りはいちごの妖精の友達を置き去りにしている
出てくるキャラクターは可愛いのにエピソードが毎回毎回シュールだ。
狂気やブラックさを含んだオチも多く、
子供向けのように見えて、子供と一緒に見ていた大人がシュールさとブラックさに
「えぇぇ…なんだこのアニメ…」とおののいてしまうような、そんな作品だ。
総評:確かにピリリとからかった
引用元:©ぴりからこちゃん 製作委員会
全体的に見て、見た目では決して判断してはいけないアニメだ。
対象年齢3歳くらいのキャラクターデザインは可愛らしく、
ありとあらゆる九州の食べ物やバランなどの妖精たちは印象残りやすい。
見た目はたしかに可愛く、子供受けするデザインだ。
しかし、問題はストーリーだ。
子供には意味が伝わりにくい対立ネタや、シュールすぎる内容や、
ブラックすぎるオチは大人にしか伝わらない絶妙な面白さがある。
焼き鳥屋の店主が「ねじれた鳥」だったり、SNS批判だったり、
一口餃子が怪獣になって、ぴりからこちゃんがロボットで撃退したり…(苦笑)
大人にしか伝わらないようなブラックさとシュールさが
1話から最終話まで詰まっており、絶妙な面白さのある作品だ。
タイトルやキャラデザで見ていない人も多いと思うが、ぜひ1話を見てほしい。
この作品に潜んでいる「狂気」が貴方にも伝わるはずだ。
個人的な感想:舐めてた…
引用元:©ぴりからこちゃん 製作委員会
5分アニメなのでDアニメでとりあえず1話だけ再生してみたら、
とんでもない作品が飛び出てきてしまった(笑)
見たことがない人からすれば子供向けアニメだが、見た後にこの作品を
子供向けアニメとは口が裂けても言えない。
現代社会に疲れた社会人が見れば、このシュールさがピタッとハマり、
ストレス解消になる作品…かもしれない。
なお、数々の九州名物が作品で紹介されているが、
1回も「食べたい」と思えない(笑)
美味しそうではあるが、その美味しさよりも作品の内容のほうが
シュール過ぎて気になってしまう、そんな作品だった。
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