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一周回って新しい?The美少女動物園「ワンルーム、日当たり普通、天使つき。」レビュー

3.0
ワンルーム、日当たり普通、天使つき。 未分類
©matoba/SQUARE ENIX・天使つき製作委員会
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この記事を書いた人
笠希々

オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、
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評価 ★★★☆☆(55点) 全12話

「ワンルーム、日当たり普通、天使つき。」PV第2弾 | 2024年4月放送開始!

あらすじ 平凡だが平穏な暮らしをしていた少年・徳光森太郎の元に、ある日、天界から天使のとわが降りてきた。引用- Wikipedia

一周回って新しい?The美少女動物園

原作は月刊少年ガンガンで連載中の漫画作品。
監督は大西健太、制作はオクルトノボル

親方!空から女の子が!

物語冒頭、主人公のモノローグから始まる。
高校入学と同時に一人暮らしを始めた主人公、
平成のラブコメアニメはなぜか主人公の両親が常に不在か、
謎の一人暮らしで両親が居ないことのほうが多かった。

この作品も令和の作品でありながら、
そんな平成のラブコメ的なご都合主義に溢れた設定がある。
ラブコメ、特にハーレム作品において
両親という身近な大人の存在は邪魔だ。

だからこそ、何かと理由をつけて主人公を一人暮らしにしていることが多い。
この作品も古今東西なラブコメと同じく、
両親が海外転勤なのをいいことに一人暮らししている。
ある意味、清々しい設定だ。

そんな一人暮らししている主人公の部屋のベランダに
ある朝、真っ白な服を着た女の子が倒れていたというところから
物語が始まる。
これまた物凄い分かりやすいテンプレ的な展開だ。

天空の城ラピュタから、ありとあらゆる女の子が空から降ってきた。
ベランダに引っかかっていることもあったくらいだ、
ベランダで寝ていることなんて平成アニメを楽しんだ猛者なら、
もはや日常茶飯事だろう(笑)

ベランダに落ちていたヒロインは一宿一飯の恩義を返そうとするものの、
彼女はマンションというものすら知らないような世間知らずだ。
なにせ彼女は「天使」だ。
そんな自己紹介を信じる主人公でもなく、宗教勧誘と勘違いしてしまう。

ヒロインのセクシー要素もバッチリだ。
描きこまれた下着をノルマのごとく毎話見せつけてくる部分など、
どこか懐かしい平成初期のハーレムラブコメアニメっぽさを
ビンビンに感じる作品だ。

六畳間の侵略者や、まもって守護月天!、
更に時代を遡れば「ああ女神さま」など、
平成のハーレムラブコメを彷彿とさせる要素ばかりだ。
一周回って逆にそれが新しく感じる部分もあり、
これぞまさに平成アニメのリバイバルなのかもしれない。

なんやかんやで二人の同棲が始まる。
天使の存在意義は人間を幸せにすることだ、
一宿一飯の恩義を受けた彼女は主人公のことを幸せにすると決めるものの、
この流れもふわっとしており、細かいことは考えるなと
言われているかのような作品だ。

ハーレム

同棲ゆえのトラブルがラッキースケベにつながりつつ、
ヒロインと主人公の関係性を掘り下げていく。
話が進むと別のヒロインも出てくる、
2話では明らかに主人公に好意を向けてるクラスメイトなども出てくる、
その好意のわかりやすさはまさに平成のハーレムラブコメだ(苦笑)

わかりやすいヒロイン、わかりやすいセクシー要素、
わかりやすい同棲設定、まるで飲み慣れた井戸水のごとく
体に馴染んでくる設定だ。
余計な説明は一切いらない、こういうものとして受け入れられる。

3話になると更にヒロインが増える。
天使なヒロイン、人間なヒロインときて、3人目は「雪女」だ。
3人目にして初のツンデレヒロインであり、
待ってましたといわんばかりのテンプレキャラだ。

天使なヒロインとは同棲、
人間なヒロインとはクラスメイト、雪女とはバイト仲間だ。
自らが雪女であることもいきなり告白してくる始末で、
この作品の世界観はどうなっているのだろうか?という
疑問は生まれるものの、細かいことは考えてはいけない。

新しいヒロインが出てきても既存のヒロインの影が薄まることもなく、
きちんと場面転換を挟みつつ、
「彼女たちの日常」や主人公への思いを募っているシーンを描くことで、
各ヒロインの影を薄くさせないようにしている努力を感じる。

主人公もきちんとヒロインに寄り添うタイプの男だ。
雪女であるヒロインは感情が高ぶると周囲の気温を低くしてしまう、
そんな体質ゆえに人とかかわらず友達すら居ない、
彼女の事情を知り、彼女に寄り添うことで二人の関係性が深まる。

天使と人間のヒロインはともかく
雪女の恋愛のきっかけはきちんと描かれている。
そんな3人のヒロインが揃うと、
3人が3人共互いの正体を知ることになる。

天使や雪女といったファンタジー要素はあるものの、
基本的には日常ラブコメだ。
シリアスな要素もなく、あくまで軽いノリでコメディタッチで
微笑ましいラブコメが描かれていく。

ハーレムラブコメに関しては好みが分かれる部分があるものの、
あの頃の平成ハーレムラブコメを楽しんだ人ならば、
久しぶりに食べた母の肉じゃがのごとく馴染むはずだ。

追加

中盤を過ぎるとキャラクターがさらに追加されていく。
主人公の漫画家なおばさんや、吸血鬼、かっぱまで出てくる(苦笑)
このあたりの展開はややギャグアニメ的であり、
マンネリをふせぐための新規キャラっぽさは否めないものの、
キャラクターが増えることで日常ラブコメのドタバタ感が増していく。

ただ、その反面で既存のキャラの出番が減ってしまう。
あくまでメインヒロインは天使なヒロインであることはわかるものの、
序盤を過ぎると人間なクラスメイトや雪女など、
序盤に出てきたヒロインの影がやや薄くなるのはやや残念だ。

新キャラが出てくると、そのキャラの掘り下げと
主人公との交流を描き、主人公に好意を抱き、ハーレム要員になる。
基本的に序盤からその調子であり、
天使や雪女や吸血鬼やカッパなど特殊な種族であるがゆえに
事情を抱えたヒロインたちが主人公の優しさに触れ、
少しずつ変わっていく。

主人公の周りに多くのヒロインが集まってくるからこそ、
天使なヒロインに「嫉妬」という感情も生まれる。
他のヒロインも主人公と出会い、友だちになったことで
変化が生まれている。

やってることは平成ラブコメで見たような展開ではあり、
ベタではあるものの丁寧なストーリー展開だ。
キャラクターにも嫌味がなく、作画のクォリティも
日常パートは一定のクォリティを保つつ、
セクシーなシーンでは気合を入れている。

非常に全体のバランスがいい作品だ。
水着回と温泉回など当たり前のように終盤ありつつ、
特に恋愛事情などは進展しないまま、
いつもの日常で1期は締めくくられる。

総評:これぞ平成リバイバル

全体的に見てすごく懐かしさを感じる作品だ。
空から女の子が降ってくるというベタすぎる始まり、
そんな始まりから同棲生活が始まり、どんどんとヒロインが増えていき
ハーレム状態になりつつ、日常ラブコメを繰り広げる。

此処最近は此処までベタなハーレムラブコメは見なくなったが、
15年や20年前の平成の深夜アニメではよく見られた作品だ。
その頃のアニメを楽しんだ人にとってはどこか懐かしくも在り、
その頃のアニメを見たことがない人にとっては
逆に新鮮味すら感じるかもしれない。

主人公はややナヨっとしている部分はあるものの、
誰にでも優しく嫌味な部分は少ない。
天使や雪女、吸血鬼にカッパなど人間ではないヒロインたちばかりだからこそ、
そんな事情に彼が寄り添うことで恋愛感情に繋がりつつ、
彼女たちの成長と変化にもつながる。

シリアスな要素など一切なく、明るく日常ラブコメを繰り広げ、
1話に1回はセクシーなシーンもお約束のごとく盛り込むことで、
ヒロインたちに愛着を湧かせ、シンプルに可愛いヒロインたちの
日常を楽しむことができる。

悪く言えば当たり障りのない内容なのだが、
このいい意味での軽さ、ジャンクフードともいうべき
お手軽感は、1クールに1本くらいはあってほしいと思う作品だ。

決して名作ではないものの、名作アニメばかりでは疲れてしまう。
まだ見ていない人は閑話休題、一種の清涼剤として試しに1話見てほしい、
この何処か懐かしいハーレムラブコメに舌鼓を打ってしまうかもしれない。

個人的な感想:懐かしい

ラブコメが高木さんのブームあたりから、
主人公とヒロインの1対1の物の、
タイトルにヒロインの名前が入ったラブコメが増えてきた。

そんなラブコメとは違い、
逆にハーレムラブコメは美少女動物園と揶揄されて、
日常アニメとともに減っていった感じがあるジャンルだ。

なろう系や日常系が流行る前のラノベ原作アニメブームだったころは
こういうハーレムラブコメな作品も多く、
漫画原作のアニメでも多かった。だが、ブームは一過性のものだ。
あれから15年、いや20年近い時が流れ、
あの頃のハーレムラブコメらしいラブコメが帰ってきた。

この作品も決して流行ったり覇権になったわけではないものの、
もしかしたら新たなるハーレムラブコメブームの兆しが
きているのかも…しれない。

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