評価 ★★☆☆☆(31点) 全61分
https://www.youtube.com/watch?v=ex2ycTp3QKc
あらすじ 航海を続けている麦わらの一味は、現在の海域に珍獣ばかりしか住んでいない王冠島と呼ばれる島があり、そこに黄金の力を宿した宝があるという話を耳にする。しかしチョッパーは、危険だからよそうと提案する。引用- Wikipedia
ワンパターン
本作品はワンピースの劇場アニメ作品。
ワンピースとしては3作品目の作品となる。
監督は志水淳児、制作は東映。
今作ではチョッパーが初登場している。
チョッパー
冒頭からルフィたちはお宝探しをしている。
黄金の力を宿した宝の噂を聞いたルフィ達は
動物しか住んでいない「王冠島」へと航路を向けるものの、
突然火山が爆発しゴーイングメリー号が空へと飛び
チョッパーは島へと落ちてしまうところから物語が始まる。
今作の最大の特徴は「動物の島」ということだ。
そんな動物の島だからこそ「チョッパー」が主人公と言っても
過言ではないほど活躍する。
今作で初めて出たチョッパーを活躍させ、掘り下げるための作品だ。
多種多様な動物たちが住む島の面白さや、
動物の姿にカモフラージュするコスプレ姿のルフィ達などの、
この状況だからこそ、映画だからこその特別感が生まれている。
ただ、冒頭から尺のせいもあるかもしれないが、
やや登場人物たちの台詞が早口で、かなりのハイテンポで描かれている。
ルフィ達がお宝探しをしているという状況から、
チョッパーが動物の島で王に祭り上げられるまで6分もかかっていない。
敵
今作の敵は動物たちの「ツノ」を狙っている。
天才学者をなのる「バトラー」を中心とした一味ではあるものの、
彼らの印象は1作目や2作目の敵以上に薄い。
なにせ、今作の敵は誰も「悪魔の実」の能力者ではない。
ただの悪いやつであり、海賊ですら無い。
彼らはツノクイという動物を操る特別なバイオリンを持っており、
そんなバイオリンを使ってツノクイをルフィたちに仕掛けてくるものの、
そのパターンが続いてしまい、あまり面白みを感じない。
ただ、今作はチョッパーの成長物語でもある。
動物王に祭り上げられたチョッパーではあるものの、彼は臆病だ。
戦う力はあるもののルフィやゾロやサンジほど強くはない。
だが、王として祭り上げられてしまう。
そんな彼が頼られ、王としての強さを求められてどうするのか。
彼が「仲間」を守るために、恐怖心を押し殺し、勇気を持って
大量のツノクイと相対する姿は
チョッパーというキャラの魅力を感じさせてくれる。
モバンビー
1作目と2作目と同様にこの作品にも少年が登場する。
彼は海賊に父親を殺され、動物の島で暮らしている少年だ。
チョッパーに頼り切り、チョッパーを引き留めようと必死であり、
そんな姿にあまり共感は覚えない。
1作目と2作目も少年が出てきて
「自分は弱い」「子供だから」と叫ぶものの、
ルフィの言葉で奮起し、敵に立ち向かうようになるという展開があったが、
今作も同様だ。
2作目と脚本家が同じだから仕方ないかもしれないが
3作連続似たようなパターンで作品の展開がややワンパターン化してしまっている。
モバンビー自体も1作目のトビオや2作目のアキースのような
魅力のあるキャラクターとはいえない。
ただ、今回は珍しくゾロが蹴り技の敵と、
サンジが刀の敵と戦うという対戦カードの面白さ自体はあったものの、
戦闘シーン自体も1度苦戦してから倒すという、
いつものパターンだ。
ルフィも毎度のお決まりのごとく、筋力のあるパワータイプの敵と戦う。
1作目、2作目、そして3作目とワンパターン化してしまった
印象が拭えず、なんとも微妙な印象の残る作品だった。
総評:動物王に俺はなる!
全体的に悪い意味で子供向け作品になってしまっている。
1作目と2作目はいい意味で子供向けの作品だったが、
今作は作品全体のワンパターン化、敵の印象の薄さなどもあいまって
微妙な印象を拭えない。
今作で映画には初登場するチョッパーを中心とした物語自体は悪くなく、
彼の顔見せと掘り下げ、成長と変化はよく描けているものの、
「モバンビー」の成長と変化は1作目と2作目と被っている部分が大きく、
敵も海賊ですら無く、悪魔の実の能力者でもない。
色々と作品全体が薄味かつワンパターンになってしまっており、
残念な作品だった。
今作で60分尺の映画としてのワンピースは終わり、
次作から90分尺に変わったことを考えると、ワンピースという作品自体が
60分尺では収めきれなくなってしまった結果の作品なのかもしれない。
個人的な感想:10年前
10年ほど前にこの作品を見てレビューを残しているが、
ほとんど記憶に無いくらいこの作品を忘れてしまっていた。
それもわかるほど作品全体が薄味だ。
よっぽどのファンピースファンかチョッパーファンか、
子供ではないとこの作品は楽しめないのかもしれないと
感じてしまう作品だった。
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