評価 ★★★☆☆(57点) 全30分
あらすじ
ある日、ルフィの大切な麦わら帽子が無くなってしまった。麦わら帽子をくわえた大ワシを追い、麦わらの一味は争奪戦に挑む。
引用- Wikipedia
初フルCG作品
本作品はワンピースの劇場アニメ作品。
ワンピースとしては11作品目の作品となる。
監督は佐藤宏幸、制作は東映。
フル3D
この作品はワンピース映画の中で最も尺が短い作品だ。
トリコとともに同時上映されており、CGで制作されていることが特徴だ。
いわゆる「セルルック」調のCGで描かれており、
どちらかといえばワンピースのゲームを見ているかのような
そんな気分にさせてくれる。
いかにもなCG感、特に「髪」の描写はベタっとしており、
あまり室の高くないCGにありがちな質感を感じさせる部分はあるものの、
顔や表情の描写はCGだからこそのなめらかなアニメーションが生まれており、
ルフィたちの動きもCGだからこそのスピーディーな動きが生まれている。
序盤からコミカルな印象を受ける作品だ。
ルフィの麦わら帽子が唐突にどこかになくなってしまい、
船内を探し回る。
そんな船内で仲間たちが暮らしている様が自然に映し出され、
ファンならばたまらない描写だ。
カメラワークもCG作品特有の360度舐め回すような動きになっている。
ゆらーっとした独特のカメラワークは人によっては
酔いやすいかもしれないが、CGモデリングだからこそ、
角度も自由に映し出せるカメラワークの良さも感じさせてくれる。
手書きの作画ならカットが入るところを、
CGだからこそカットを入れずにカメラを動かすことで
無駄なカットを入れずにシーンが構成されているような感覚だ。
海上戦
ワンピース映画では珍しく、序盤から中盤まで
ルフィたちはほぼサニー号の上に乗りっぱなしだ。
ルフィの帽子を盗んだ大鷲を追いかけながら、ルフィ達自身も
海軍に追われながらのアクションは目まぐるしく状況が変化し、
USJとのワンピースコラボでこういうアトラクションがありそうだなと
感じるほどぐわんぐわんと揺れまくり、流されまくりなアクションは
CGだからこそ描けたものだろう。
映画自体の尺が30分しかないからこそ物語が
スピーディーに展開し、サクサクと進むテンポ感は悪くない。
大鷲はなぜ、ルフィの帽子を盗んだのか、
冒頭の伏線をキレイに回収し、30分ほどではあるものの、
きちんとしたストーリーが練られている。
映画では珍しく「海軍」と戦うのも面白いところだ。
海軍に捕まったルフィをゾロが助けるという
かつてのゾロの立場とは逆の状況が生まれたり、
おそらくは巨人族と思われる海軍が登場したりと、
今までの映画ではやってこなかった要素が30分の中に詰め込まれている。
終盤では仲間とともに海軍に挑む様が大迫力のアクションで描かれており、
フルCGという異色さはありつつも、シンプルに
30分でワンピースの魅力を感じられる作品だった。
総評:USJのアトラクション?
全体的にみてフルCGだからこその良さを感じさせてくれる作品だ。
CGだからこそのなめらかな動きとカメラワークが
大迫力のアクションを生んでおり、海上戦、地上戦ともに
映画という大きなスクリーンで見ても遜色がないであろう
見ごたえが生まれている。
やや一部のキャラのモデリングに違和感はあるものの、
その違和感は序盤でなれてしまい、セルルックCGだからこそ
強い違和感は生まれずに自然にCGで描かれたルフィたちの活躍を
楽しむことができる。
30分という尺で今までの映画であまり出てこなかった
海上戦や、海楼石、海軍との戦いなどを盛り込んでおり、
短い尺ながらもきちんとワンピースらしい面白さを感じることができる作品だ。
個人的な感想:山口智充
特筆スべきは山口智充さんの凄さだ。
ワンピース映画ではお約束になっているう芸能人声優ではあるものの、
一人で二役もやっており、違和感がない。
言われなければ山口智充さんとわからないほどの演技はさすがとしか言いようがない。
フルCG作品ということで敬遠している方もいるかもしれないが、
ぜひ試しに見てほしい作品だ。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください