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【フジテレビ】今だからこそ見たい「ノイタミナ」アニメ特集【アニメコラム】

ノイタミナアニメ特集 アニメコラム
ノイタミナアニメ特集
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2025年になってから一ヶ月ほどがたち、
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
どうも、笠希々です。

世間ではフジテレビ問題が相当話題になっており、
去年の中居正広さんの報道からフジテレビにまで波及し、
今やフジテレビのCMはほとんどACに切り替わっているという
とんでもない状況が続いています。

この状況が続くとフジテレビの番組だけでなく、
フジテレビ自体がどうなるかわからない。
そんな「今」だからこそ、フジテレビの未来が見えない今だからこそ、
フジテレビのアニメ枠である「ノイタミナ」を
振り返るというコラム記事になっております。

いつものように、いや、いつも以上に長い記事になっておりますので
お暇なときにご覧いただけると幸いです。

ノイタミナ

ノイタミナは今から約20年前、2005年から続く
フジテレビの深夜TVアニメ枠です。
ノイタミナは「Animeation」を逆から読んだ名称であり、
オタクならば聞いたことはある、知ってて当然のアニメ枠の1つでしょう。

初期のコンセンプトとしては普段、アニメを見ない人に向けた
どこか「実写ドラマ的」な作品をアニメにしており、
少女漫画原作の作品が多かった傾向です。

そんな初期をすぎて中期になると、枠のコンセンプトとは違う、
いわゆるオタク向けな作品も多く、
「濃い」作品も増えた印象です。

最近はいわゆるリメイク作品なども増えており、
初期のコンセンプトと比べるとだいぶ方向性が変わってきた
感じはあるのですが、それでもノイタミナらしい
面白い作品が今もなお生まれ続けています。

ノイタミナは2期や3期を放送することも多いのですが、
そんな2期や3期などの続編を除き、映画もくわえると
現在「75作品」存在しています。

そんな75作品に、
なるべく多く触れながらやっていきます。

ハチミツとクローバー

ハチミツとクローバー

記念すべき第一作目となるのが、ハチミツとクローバーでした。
スピッツ、YUKI、スガシカオが採用されたことで、
アニメといよりはドラマ的なニュアンスを強めつつも、
この作品らしいモラトリアムと青春模様が描かれています。

美大を舞台にし、そこに通う学生、そして先生が
メインキャラクターとなる物語は原作が
少女漫画であるという雰囲気を感じさせつつも、
彼らの夢や才能、そして恋愛模様がどうなるのかを
シンプルに気にならせてくれる物語に仕上がっています。

どこかポエミーとも言える心理描写は
人を選ぶ分があるものの、実写化もされた作品であり、
実写とアニメでの表現の違いも比較しながら
楽しむことができる作品です。

1期は2クール、2期は1クールで物語も完結しており、
ノイタミナ初のアニメらしく、ノイタミナというのが
どういう方向性の枠なのかというのを決定づけてくれる作品でした

同じような方向性として、ParadiseKissも
初期の少女漫画原作アニメとしてノイタミナで放送されていました

東のエデン

東のエデン

この時期のノイタミナはハチミツとクローバーもそうですが、
実写ドラマとして制作されることも多く、
「働きマン」「図書館戦争」「西洋骨董洋菓子店」など
ドラマになっていた、またはアニメのあとになる作品が多く、
初期のノイタミナのドラマ的なアニメ作品が目立つ印象です。

「のだめカンタービレ」は実写ドラマも大ヒットした作品であり、
音大生の物語を描いている作品であり、
アニメ自体も3期まで制作されるヒット作です。

「もやしもん」もまた後にドラマが制作されますが、
アニメは2期まで放送されました。
「菌類」が見える青年を主人公にした物語は、
今もふとした瞬間に見たくなる魅力を兼ね備えています。

初期の作品は他のアニメ枠では中高生などが主人公になる
作品が多いのに比べ、ノイタミナの作品は大学生や社会人といった
「大人」を主人公にすることで大人をターゲット層にしていることを
強く感じる作品がコンセプトとして多く制作されていました。

そんな中で生まれた「東のエデン」は社会風刺的なニュアンスもありました。
当時問題になっていた「ニート問題」に着目しつつ、
日本に落ちたミサイルと記憶喪失の男と2万人の消えたニート、
そして100億という大金という気になるワードしか無い序盤は素晴らしく、
1クールの物語の結末も悪くありませんでした。

ただ、続きが映画でという展開は賛否をよび、
TVアニメ放送時の話題性が映画で続かなかったことは
残念でした。

四畳半神話大系

四畳半神話大系

ノイタミナ枠の初期から中期への移り変わり、
その時期に生まれた「四畳半神話大系」は本当に名作で 墓場鬼太郎した。

「もしあのときああしていれば、違った未来があったかもしれない」

そんな誰しもが考えることを主人公の様々な選択肢で描きつつも、
結局は同じような考えで終わる、そんな話が毎話描かれたあとの
ラストの展開だからこそ、今も語られる名作の1つです。

そんなノイタミナ初期を四畳半神話大系までと考えると、
そのあとの中期はノイタミナが模索していた時期でもあります。
名作ホラーの1つである屍鬼や、もやしもんのドラマを
ノイタミナ枠で流すという試み、「放浪息子」という
女装や性倒錯を描いた時代を先に行く作品などもありました。

そんな挑戦的な作品も多くある一方で
「フラクタル」というジブリがいっぱいな意味不明な作品も生まれました(苦笑)
模索している時期は迷走した作品が生まれやすいのは
あるあるではありますが、フラクタルの迷走感は
凄まじいものがありました

「C」など経済や紙幣をテーマにした隠れた名作も多い時期である一方で、
ノイタミナが初期のようなドラマ的な作品ではなく、
いわゆる「オタク的」な作品を放送するようになっていった
時期でもありました。

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その代表格と言えるのが「あの花」でしょう。
幼い頃に無くなった友達が幽霊として、成長した主人公たちの前に現れる。
岡田麿里節全開な脚本は話題になり、この作品が大ヒットしたこともあって、
初期の頃とは違うノイタミナ枠の作品にオタク向けな作品が
増えた印象があります。

私はあまり好きではありませんが、ギルティクラウンなども
この時期のノイタミナ枠のヒット作として語られることもありますが、、
あの花やギルティクラウンが大ヒットする一方で、
子育てものの「うさぎドロップ」や「UN-GO」、
そして「坂道のアポロン」などが印象に残っています。

特に坂道のアポロンはのちに実写映画などにもなりましたが、
初期のノイタミナ枠らしさが残る作品であり、
「ジャズ」と昭和の長崎を舞台にした青春模様が
たまらない作品でした。

その他にもつり球や、夏雪ランデブーなど
思い出深い作品も多く、
ノイタミナの作品はたまに「フラクタル」のような
とんでもない作品はあるものの名作が多いという印象が
多くの人にはあったと思います。

この時期にも「ブラック★ロックシューター」などの
迷走作品もありましたが、
ノイタミナらしさが変化しつつも、立ち位置がしっかりとあるのが
ノイタミナという放送枠でした。

PSYCHO-PASS サイコパス

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ここまで書いてきたように、ノイタミナという枠は
普段アニメを見ない人に向けたドラマ的なアニメ作品が初期には多く、
そんな初期をすぎるとオタク的なアニメが増えてきました。

そういった方向性の変化はありつつも、
「PSYCHO-PASS サイコパス」という作品は
実写ドラマ的でありながらも、オタク的なアニメという
ノイタミナの初期から中期の流れがあったからこそ
生まれた作品と言えるかもしれません。

システムによる管理社会が構築された近未来の日本、
犯罪を起こす可能性のあるものを事前に検出することが
可能になった世界で「正義」とはなにか描かれている作品でした。
完成された世界観と魅力的なキャラクターは
多くの人を虜にし、今もなを続く人気シリーズになりました。

脚本には「虚淵玄」、監督は『踊る大捜査線』でお馴染みの本広克行氏
という組み合わせだからこそ、生まれた作品であり、
実写ドラマ的でありながらもオタク的であるという
ノイタミナ枠の作品らしい作品でした。

この時期には農業高等学校を舞台にした銀の匙 Silver Spoonや、
実写映画にもなったピンポン THE ANIMATIONなどの名作もあり、
二人の少年がテロを起こす残響のテロルなどの挑戦的な作品や、
これまたドラマ的な四月は君の嘘など、記憶に残っている作品も多くあります。

その一方でガリレイドンナや、龍ヶ嬢七々々の埋蔵金などの
迷走作品もあるものの、
今も語られる名作が多い時期でした。

僕だけがいない街

これぞミステリーの快楽「僕だけがいない街」 レビュー
評価/★★★★★(100点)/全12話あらすじある日、ピザの配達中に交通事故をめぐるリバイバルを経験した悟は、事故の被害は減らせたが自身は負傷し、二日間入院することになる。これを機会に、ピザ屋で一緒にアルバイトをしていた愛梨と親しくなり、ま...

そんな時期をすぎると、いぶし銀の名作が多く制作されます。
タイムリープものの名作である「僕だけがいない街」は
最後の最後まで緊張感のある物語を描いており、
1クール見終わったあとの1つの作品を見終わった感覚、
満足感が素晴らしい作品でした。

「すべてがFになる」や、「乱歩奇譚」など、
「僕だけがいない街」もそうですが、この時期は妙に
ノイタミナ枠でミステリー様相のある作品が多かった時期でした。
更に辞書作りを題材とした「舟を編む」は地味ながらも
1度見ると印象に残って忘れられない作品です。

甲鉄城のカバネリなど和製スチームパンクとも、
和製ゾンビものというかなり勝負を仕掛けた作品もあり、
序盤こそかなり話題になったのですが、終盤はちょっと
話がごちゃごちゃしてしまったせいもあって
名作になりそこねた作品もあります。

BANANA FISH

「BANANA FISH」レビュー
評価 90点 全24話あらすじ ダウンタウンのストリート・キッズのボスとして君臨するアッシュは、コルシカ・マフィアのボス ゴルツィネの指示で銃撃された男から、「バナナ・フィッシュ」という言葉と「カルフォルニアの住所」を伝えられるとともに、小...

中期をすぎると、オタク向けな作品と
実写ドラマ的な作品がバランスよく放送されている印象です。
いぬやしき、オタクに恋は難しい、さらざんまい、ギヴン、
どれも素晴らしい作品であり、ノイタミナらしい雰囲気を感じさせます。

この時期に名作として外せないのは「BANANA FISH」でしょう。
バナナ・フィッシュをめぐるミステリアスなストーリーと、
マフィアが絡むことで生まれるクライムアクション、
アッシュと英二という二人の友情という言葉で片付けられないほどの
切れない絆で結ばれた二人の関係性は尊さすら感じさせます。

よくBANANA FISHはBLか否かと論じられることもあるのですが、
そういった要素がないとは言えないのですが、
この作品はどちらかといえば「ブロマンス」であり、
1度見るともう1度見るのが非常に辛い作品です。
BLっぽいからと毛嫌いしている方にもぜひ1度観てほしい作品の1つです。

この時期に放送された約束のネバーランドの1期は
和製プリズン・ブレイクといえるような名作である一方で、
後に制作された2期は本当にひどい作品に仕上がっており、
人に勧めにくい作品になっています(苦笑)

夜は短し歩けよ乙女

「夜は短し歩けよ乙女」レビュー
評価 ★★★★★(100点) 全93分あらすじ クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は今日も『なるべく彼女の目にとまる』ようナカメ作戦を実行する。引用- Wikipedia

ノイタミナといえばTVアニメという印象があるのですが、
映画も多く制作しています。
心が叫びたがってるんだ。、夜明け告げるルーのうた、
Project Itohとして、屍者の帝国、ハーモニー、虐殺器官の3作品など。
個人的に1番印象に残っているのは「夜は短し歩けよ乙女」です。

四畳半神話大系と同じ原作者、同じ監督で制作された本作品は、
怒涛のモノローグ、なだれ込むようなセリフ量、慌ただしすぎる展開、
次々と出てくるキャラクターたち、目まぐるしく状況が切り替わる中で
徐々に紐解かれていく関係性と、繋がっていく縁の数々、
そしてそれが全て先輩と黒髪の乙女の恋の話に繋がり、
まるで嵐のようなストーリーが嘘だったかのように晴れやかに終わる作品です。

今までに何度も見返した作品であり、本当に名作です。
これぞ森見登美彦、これぞ湯浅政明という世界観に
殴り倒されるような作品でした。

平穏世代の韋駄天達

「平穏世代の韋駄天達」レビュー
評価 ★★★☆☆(57点) 全11話あらすじ 「韋駄天」と呼ばれる、圧倒的な速さおよび強さを持つ戦いの神々が、世界を破滅へと導いていく魔族を封じ込め、800年が経った引用- Wikipedia

ここ4,5年はノイタミナとしても変革期を迎えており、
うる星やつらやるろうに剣心などの、いわゆる
リメイク作品が多く放送され、しかも、2クールで
1期や2期にわけて4クールほど放送されています。

作品自体の内容の是非はともかくとして、
うる星やつらやるろうに剣心は「ノイタミナ枠」らしさというものを
あまり感じる作品ではなく、首を傾げてしまう部分があります。

平穏世代の韋駄天達など、かなり挑戦的な作品もあり、
過激な要素をふんだんに含む内容は個人的には好きなのですが、
ノイタミナらしいかと言われれば疑問に感じるところです。

王様ランキングや先輩はおとこの子、よふかしのうたなども
制作放送されているのですが、
ここ4,5年ほどは変革期という名の迷走をしている感じも強く、
配信サイトが流行り、地上波でのTVアニメというものの価値、
意味が薄くなってきたからこそノイタミナという枠も
色々と模索しているのかなと感じる部分ではあります。

ただ、そんな変革期から初心に帰るように
4月からは「謎解きはディナーのあとで」が放送される予定です。
実写化もされた作品をあえてアニメで描く、
ドラマ的なアニメというノイタミナらしさを感じられる作品になることを
期待したいところです。

これがノイタミナらしさ

約20年の歴史のあるノイタミナ作品を振り返ると
思い出深い作品も多く、最近の作品はさておき、
どの作品もノイタミナらしさを感じる雰囲気があります。

普段アニメを見ていない人に向けたアニメ枠、
そんな枠だからこそアニメ化されたような実写ドラマ的な作品や、
オタク的要素はありつつも同時に実写ドラマ的なニュアンスを
含む作品や、ノイタミナ枠だからこその挑戦的な作品まで
75作品全てに味わい深さがあります。

今後フジテレビがどうなるかわかりませんが、
この枠が無くなってしまう可能性があるのが本当にもったいないと感じます。
本当にフジテレビが無くなったりすると権利関係などの問題で
配信などで見れなくなってしまう可能性もある現状です。

今回の記事でもし気になった作品があったら
ぜひ今のうちにご覧いただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「ノイタミナ」は面白い?つまらない?