サブスク配信サイトの黒船ことNetflix。
オリジナルコンテンツにも力を入れており、
当然、アニメも数多く制作しています。
ここ最近は話題になる作品や名作といわれるような
作品が多く生まれていますが、
それ以前の3,4年前のNetflixオリジナルアニメといえば
ひどいもんでした。
作画
とにかく少し前のNetflixはあからさまに
予算がない作品も多かったのが特徴的でした。
人気の漫画が原作でアニメも期待されていたのに、
いざNetflixでの配信が始まると作画が悪い。
そういう作品も多かったせいであまり印象が悪かったサイトでした。
ここ最近は作画の悪さは目立たないものの、
逆に作画はいいのに脚本の悪い作品も目立ち始めました。
Netflixというサイト、海外の配信サイトだからこそ
挑戦的なことをしようとして失敗したり、
色々と企画段階でうまくいかなかったんだろうなと
想像できる作品があったり、このあたりはTVアニメと
変わらない部分があります。
今回はそんなNetflixで特にひどかった作品を
ご紹介いたします。
天空侵犯
この作品、原作はマンガボックスという
アプリで連載していた漫画作品でした。
いわゆるデスゲーム系の作品で人気のある原作だったのですが、
アニメのクォリティは90年代を彷彿とさせるような
ふるさを感じさせる作画が特徴的な作品でした。
セクシー要素としてパンチラなどもあるのですが、
真っ白で色気のかけらもなく、
デスゲームだからこそ多くの人間が死んでいくわけですが、
作画が悪いせいで、そこにあるはずのグロテスクさを
一切感じない作品でした。
トントン拍子に話が進み、トントン拍子にキャラが出てくる。
本来はじっくりと描くことで作品の世界観を
徐々に掘り下げていくような面白さのある作品なのに、
無駄にテンポがいいせいでギャグにしか見えないような
ストーリー構成になってしまっていました。
この作品あたりでNetflixのアニメは雑で低予算という
イメージが悪い意味で付いてしまう作品でした。
終末のワルキューレ
この作品も原作はものすごい人気な作品です。
「神VS人類」の最終闘争であるラグナロクを行い、
その結果によって人類が滅亡するかどうかが決まる。
神と歴史上の偉人などが戦うという面白さがある作品です。
当然、メインは戦闘シーンです。
神という存在に人類がどう挑むのか?
到底勝てるわけがない戦いを人類とワルキューレが手を組み、
一矢報いるような死闘を繰り広げるのが魅力な作品でもあります。
呂布VSトール、アダムVSゼウス、佐々木小次郎vsポセイドン、
夢の対戦カードともいえるような戦いに、
手に汗を握り血湧き肉躍るように楽しめる…はずでした。
蓋を開けたらスライドショーです(苦笑)
一時停止で見れば作画のクォリティ自体は高いのですが、
アニメーションという表現になってくると話は違います。
アニメは通常、24fps=1秒で24枚の絵を映すことで
アニメーションにしていますが、
この作品の場合は24秒で1枚なんじゃないかと思うほど
作画枚数が極端に少ない作品でした。
そのせいで戦闘シーンになっても止め絵の連続、
1枚の絵をまるでパワーポイントで作ったようなスライドショーのように
止め絵をつなげ、止め絵の角度を変えて見せているだけで
アニメという媒体における表現が死んでいる作品でした。
せっかく原作が人気な作品なのに
netflixでアニメ化されると台無しになるという印象が
このくらいの時期のNetflixにはありました。
最近は風向きが変わったことでしっかりと予算をかけた
アニメ化をNetflixは多く行うようになりましたが、
この時代のNetflixは本当にひどかったですね…
日本沈没2020
この作品はNetlifxオリジナルアニメとして制作され、
Netflixの暗黒期の最高潮とも言える作品だったかもしれません。
原作は小説で、何度か実写で映画化やドラマ化もされている作品でした。
監督は湯浅政明さんで制作はサイエンスSARU。
人気で映像化の実績もあり、実力のある監督と
実力のある制作会社でアニメを作ったのに、
なぜかよくわからないことになってしまった作品です。
タイトル通り、この作品では震災が起きて日本が沈没していきます。
次々と起こる地震、次々と起こるトラブル、
そんな中で主人公たちの家族が
どう生き抜くのかというのを描いている作品なのですが、
お父さんが山芋を掘っていて爆発します。
何を言ってるんだ?と思う方がほとんどだと思うのですが、
お父さんが山芋を掘っていたら不発弾がうまってて爆発します(苦笑)
この意味のわからなさが最後までずっと続くような感じで、
宗教施設では大麻を育てて、大麻入りカレーを食べたメインキャラが
「お母さんのカレーだ」と謎の感動をしたり、ラップバトルしたり。
脚本家が途中でミッドサマーを
見に行ったかのような脇道にそれる展開があったり、
脚本家がキメて作ったんじゃないのかと思うような
ぶっ飛んだ脚本を味わえます。
最初から最後までツッコミまみれで、
ある意味で面白くはあるんですが、
作画もあまり良い方でもなく、シンプルに脚本がひどい作品でした。
バブル
ここまで紹介してきた作品はNetflixの暗黒期であり、
作画が悪い作品も多かった時期でした。
しかし、ある時期を境に作画に関しては良くなり始めました。
ただ、作画がいいからといってアニメとして面白くなるのかというと
難しいところで脚本が良くなければ、せっかくの作画も台無しです。
この作品はNetflixオリジナルアニメ映画として制作されました。
監督は荒木哲郎、制作はWITSTUDIOで、期待感も在りましたが、
出来上がったのはジェネリック新海誠作品の成れ果てでした。
船頭多くして船山に登るとはよく言ったもので、
進撃の巨人を手掛けた監督で、進撃の巨人を手掛けたアニメ制作会社で、
プロデューサーは『君の名は。』『天気の子』などの川村元気で、
脚本には『魔法少女まどか☆マギカ』などのヒット作を手がけた虚淵玄で、
キャラデザには『DEATH NOTE』の小畑健。
てんこもりです(苦笑)
世界が泡のようなもので覆われていて、
東京は崩壊しています、そんな崩壊した街だからこその
若者は荒れ果てていパルクールしてたりもします。
ストーリーは結局何がしたかったのかよくわかりません。
人魚姫を土台にしているのはわかるのですが、
エウレカセブンを彷彿とさせるようなストーリーだったり、
色々と泡のごとくふわふわしている作品でした。
90年代から令和に至るまで、
色々なアニメでやってきた要素をなんとなく加えたような
そんな「ふわっ」とした印象を受ける作品で、
アニメーションのクォリティ自体は高かったものの、
ストーリーが地に足がついていない感じが凄まじい作品でした。
好きでも嫌いなあまのじゃく
この作品を制作しているスタジオコロリドは
Netflixにてオリジナルアニメ映画作品を
この作品含めて3作制作しています。
1作目の泣きたい私は猫をかぶるは欠点はあるものの、
そこそこおもしろいなという作品で、
2作目の雨を告げる漂流団地も悪くはないのですが、
間延びしている作品でした。
そんな中での3作目、もう評価が地の底に堕ちたどころか
地底すら叩き割るレベルで最低の作品になっています。
作画のクォリティは前作、前々作以上に高く
キャラクターデザインはスタジオコロリドらしく可愛らしく、
柔らかい色合いの作画は本当に素晴らしいものがあります。
背景のクォリティも高く、映像表現だけで言えば100点なのですが、
ストーリーがー100点のような作品です。
とにかく突っ込みどころがあまりにも多すぎます。
本心を隠し続けると人間はいつか鬼になる、
鬼になると人間からは見えない角が生えてしまう。
この基本設定の段階でツッコミが凄まじく、
主人公は思春期のもやもやもあって終盤にはツノが生えます。
それくらいのモヤモヤ、本心を隠すだけで鬼になるなら
世界中が鬼だらけなはずです。
鬼同士の子供も鬼になる設定だと思われるので、
もう世界の半分以上人間が鬼になってもおかしくありません。
鬼になったからといって人を食べるわけでもなく、
普通の人間とツノ以外は大して変わりません。
しかし、なぜか鬼は人から隠れて住んでおり、
隠れるために雪の神様に人柱をささげて里を隠してもらっています。
そこまでして隠れる理由もよくわからず、
最終的に雪の神様の力がなくとも鬼の里に入れるのは鬼だけという
設定が出てくるため、もうわけがわかりませんでした。
露骨に新海誠監督作品を意識しており、
途中まではすずめの戸締まりのような展開そのままで、
終盤はジブリ的なストーリーになります。
やりたいことはわかるものの、あまりにもツッコミどころと
参考にした作品の元ネタがわかるストーリーには
嫌悪感を感じてしまう作品でした。
玉石混交のNetflixアニメ
一時期はひどかったNetflixアニメも、最近は作画のクォリティが上がり
名作と言えるほどの作品も増えてきました。
その一方で「好きでも嫌いなあまのじゃく」のように
とんでもない迷作も生まれたりと、まだまだ玉石混交は否めない
サイトなのがnetflixではあります。
ただ、好きでも嫌いなあまのじゃくや日本沈没2020のように
ツッコミどころの多い作品はそういう作品とわかったうえで
見てみると見てる側が「突っ込む」ことで
面白さに変わる作品もあります。
今回紹介した作品を見てない!という方がいれば、
ぜひ、Netflixにてツッコミまくりながら
楽しんでいただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください