毎日、真夏日な日本。
温暖化というよりは赤熱化なのでは?と感じるほど、
異様な気温に見舞われています。
みなさん、熱中症には気をつけましょう。
日焼け止め、そして日傘は必須になってきました。
私もここ最近は日傘を愛用しています。
日差しという名の雨が降りしきる中で傘をささなきゃやってられない。
むしろ、外に出たくない(笑)
そんな気持ちを抱えている人も多いのではないでしょうか?
今回はそんな、あなたのために「夏」にみたい
アニメ特集コラムになっております。
夏を舞台にするということ
夏というのは作品の舞台として活かしやすい設定の1つです。
7月から8月までの一ヶ月から二ヶ月間という限定された期間の中で、
メインとなる10代のキャラクターが学校が休みだからこそ、
自由に毎日行動しててもおかしくない。
そんな自由の効く設定だからからこそ多くの作品で起用されており、
日常アニメ系では「夏休み回」のようなものがあったりと、
夏休みというのはアニメにおいて定番の設定の1つです。
逆に冬休みがあまり活かされないのは期間が短いからかもしれませんね。
夏というのは青春の象徴でもあります。
10代の学生が社会に出る前に自由に何も考えずに遊び回れる期間、
そんなたった1,2ヶ月の間に10代の子どもたちは大きく変化するものです。
その変化をアニメの中でも描いている作品が数多あります。
蛍火の杜へ
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この作品の原作は「夏目友人帳」でお馴染みの緑川ゆき先生による漫画で、
アニメは夏目友人帳と同じスタッフが制作しています。
少女が夏休みに訪れた祖父の家の田舎の山には
あやかしが住むという伝説が在り、そんな山の中で狐のお面をつけた青年と出会います。
この作品はたった45分しかない短編アニメ映画です。
そんな短しや杭の中で、「ギン」という不思議な青年と出会い、
毎年、夏休みに田舎にやってきては彼に出会い、
彼への恋心を強めていきます。
しかし、彼は人に触れると消えてしまう存在です。
姿形も一切変わらず、長い間生き続けている存在。
そんな存在に恋をしてしまった少女は、いくつになっても、
大人になっても彼を思い続けてしまいます。
好きな人なのに触れられない、触れたいのに触れたら消えてしまう。
そんな儚く切ない恋心の描き方が本当に素晴らしく、
最初で最後のデート、そして最初で最後のキスが
なんとも染み渡る作品でした。
だがしかし
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この作品も夏を感じる作品でした。
アニメ自体は約7年前ほど前の作品ですが、
このあたりは孤独のグルメのドラマのヒットの影響もあり、
妙にアニメという媒体でもグルメを扱うものが多かった印象です。
そんな作品の中でこの作品は「駄菓子」を扱っています。
日常ギャグアニメとして「駄菓子」をネタにし、
毎話毎話様々な駄菓子がでてきて、
その駄菓子に対する雑学を描きつつ色々なネタを描いています。
駄菓子という様々なお菓子が存在するものだからこそ、
誰もが1度は食べたことが有るものだからこその共通認識が、
あるあるネタにもなりつつ、パロディネタなども盛り込んだ作品でした。
ストーリー的には漫画家になりたい駄菓子屋の息子である主人公を中心に、
お菓子メーカーの令嬢がそんな主人公の元にやってきて、
そこに幼馴染である「さや」も絡んできて…という
ラブコメ要素もある作品でした。
田舎の夏の空気感を含みつつ、駄菓子という懐かしいものが、
「夏休み」というものの雰囲気を感じさせてくれる作品でも在りました。
ばらかもん
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田舎の夏という言葉が出てきたからには
「ばらかもん」を出さないわけにはいきません。
日常青春系のアニメでありながら当時は円盤が6000枚以上も売れた
ヒット作品でした。
この手のジャンルの作品は円盤は売れない傾向にあるのですが、
この作品はそんなジンクスを薙ぎ払うように
6000枚もの売上を叩き出しました。
それほど、多くの人がこの作品を面白いと感じたからこその売上でもあります。
主人公は書道家なのですが、ちょっとした暴力行為をはたらき、
父の命令で頭を冷やすために、五島に送られるという
ところから物語が始まります。
そんな五島の田舎感の表現が素晴らしい作品でした。
都会と違って田舎の家は鍵もかけない。
全員が知り合いのごとく、当たり前のように家に入ってくる。
都会の人間には考えられないようなプライバシーの無さです(笑)
主人公もそんな田舎特有のプライバシーの無さに戸惑いつつも、
徐々に五島という場所で出会った人々とふれあい交流するなかで
少しずつ変わっていきます。
プライドが高いのに、メンタルが弱く、型にはまった字しかかけなかった彼の
成長と変化と再生の物語がまっすぐと描かれています。
主人公演ずる小野大輔さんの演技も素晴らしく、
田舎の子供である「なる」を演じている子役の方との掛け合いがひかった
名作でした。
特に終盤の電話と謝罪のシーンは涙腺を刺激されてしまいます。
侵略!イカ娘
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夏といえばイカ娘、イカ娘といえば夏。
もう今から12年も前に放送された人気作品である
「侵略!イカ娘」も夏らしい作品でした。
イカ娘放送当時は大盛りあがりして、OP曲もヒットした作品でしたが、
放送から12年もたった今、おそらくイカ娘のことを
記事にしているのは私くらいかもしれません(苦笑)
当時は日常アニメブームであり、様々な日常アニメが作られていた時代でした。
そんな中で生まれた侵略!イカ娘はキャッチーなOPと、
主人公であるイカちゃんの「ゲソ」という語尾に侵略されてしまう紳士淑女が多く、
愛すべきキャラクター、愛すべき作品として多くの人に親しまれました。
海から地上を侵略しにやってきたイカ娘であるイカちゃんが
海の家を壊してしまってさぁ大変、
バイトするハメになってしまったイカちゃんの
日常アニメでありつつ、中盤は侵略なんてすっかり忘れて日常を楽しんでいます。
終盤にはちょっとしんみりとした展開もあり、
1クールで完成された日常アニメでした。
同級生
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一時期、私の中でBLアニメブームが訪れました。
もともとBLというジャンルはそこまで得意ではなかったのですが、
「同級生」という作品をみて価値観が変わりました。
夏を感じさせる蝉の声が聞こえる中で、
少し古びた学校が舞台の作品です。
二人の男子高校生、一人は金髪でチャラチャラした見た目、
一人は眼鏡で真面目な男子。
一見、正反対に見える二人。そんな二人が歌の練習をするところから
物語が始まります。
恋のきっかけは本当に些細なもの。
そんなことを感じさせる心理描写が本当に素晴らしく、
二人の主人公を演ずる野島健児さんと神谷浩史さんの演技と
声の魅力がこの作品の世界観を後押ししsていました。
二人が相思相愛であることにきづいたとき、
男子校だからこそ付き合うということの気まずさ、
大人な先生からの誘惑。
若い二人の男性の恋愛模様にニヤニヤしてしまう作品です。
BLが好きという人も、BLが苦手というひとも、
この作品はぜひみていただきたい作品の1つです。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない
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夏といえばでこの作品を思い出すひとも多いのではないでしょうか。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」も
もう10年前の作品です、月日が流れるのは本当に早いものですね。
主人公は小学生の時に「めんま」という友達を亡くしてしまっています。
その時に仲が良かった4人とは疎遠になり、
彼は半分引きこもりのようになってしまっています。
そんな彼の前に「めんま」が現れます。
彼にしか見えないめんまの姿、主人公の前に彼女はなぜ現れたのか。
あの時仲良くしていた5人が再びあつまり、
それぞれが自分と、そしてめんまと向き合いながら
止まってしまった時間を動かす物語になっています。
脚本を手掛ける岡田麿里さんらしいストーリーになっていて、
いわゆる「泣かせ」にくる脚本です。
そのあたりはやや好みが分かれる部分では有るのですが、
思春期の少年少女の閉じ込めていた感情の爆発が、
THE青春というストーリーになっている作品でした。
ペンギン・ハイウェイ
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夏になると見返したくなる個人的に好きな作品の1つです。
原作は「森見登美彦」さんによる小説作品であり、
そんな森見登美彦さんらしいモノローグの多さを
作品冒頭から感じることが出来ます。
彼は腐れ大学生を主人公にした作品が多いのですが、
この作品の主人公は小学生の男の子です。
真面目で頭もいい彼、それを自覚しているのに、
「おっぱい」に心が惹かれてしまっています(笑)
思春期の男子らしい心理描写とモノローグ、
そんな彼の好奇心を後押しする「お姉さん」の存在、
蠱惑的な魅力を持つお姉さんはペンギンを生み出します。
少年の好奇心は止まりません。
ひと夏の思い出、ジュブナイルという言葉が似合う作品です。
ペンギンはなんなのか、海はなんなのか、お姉さんはなんなのか。
好奇心あふれる少年の視点で描かれる物語が、
爽やかな夏を舞台にして描かれる作品でした。
ひと夏のジュブナイルアニメ達
今回紹介した作品以外にも多くの夏をテーマにした作品があります。
ジュブナイルという言葉は1つのジャンルとして存在しますが、
夏という季節を過ごした少年少女たちがちょっとした冒険や日常で大人になっていく。
それが「夏」を舞台にした作品の面白さでもあります。
真面目な黒髪の美少女が夏休み明けに髪を染めた。
それだけでクラスの男子はざわめきます(笑)
黒髪の美少女はただただ特に竜もなく髪を染めただけかもしれない、
でも、男子としてはなにか裏があるのではと勘ぐってしまう。
そんな「夏の魔力」のようなものがあるからこそ、
多くの作品で「夏」を舞台にしているのかもしれませんね。
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