評価 ☆☆☆☆☆(9点) 全12話
あらすじ 滝川みうに突然届いた1通の手紙。新プロジェクトのメンバーとして選ばれたという。引用- Wikipedia
大根畑
本作品は秋元康のプロデュースによるデジタル声優アイドルグループを
題材にしたアニメ作品。声優に2次元のキャラクターを付けアイドルとしている。
vtuberみたいなものだ。ちなみに中の人は顔を出しておりライブなどをしている。
よく意味がわからない。監督は阿保孝雄、製作はA-1Picture。
地獄の入り口
画像引用元:22/7 1話より
©ANIME 22/7
1話冒頭、1クールのアニメにおいて1番大事と言っても良い部分だ。
そんな1話の冒頭で「ガクッ」とさせられる。
なにせ主人公のやたらポエミーなナレーションから始まるのだが、
とんでもなく演技力がない。ナレーションではなく、ただ読んでいるだけ。
中学生が先生に当てられて国語の教科書を読まされてるような、
そんな演技力を一切感じさせないナレーションはこの作品に対する期待感を
地獄の底まで叩き落としてくれる。
主人公の声優が演じている部分よりもモブキャラの
「ちょっとーやめなたげなよー一人のほうが好きなんだって」
という台詞のほうが演技力がある。当たり前だ、モブはプロの声優が演じている。
しかもやたら暗い。アイドルものとは思えないほど陰鬱な空気感で
暗すぎる主人公の雰囲気は「面白そう」というよりは、
暗すぎて重苦しさしか感じない。
一切面白そうな雰囲気を感じさせないままOPが流れる。
もちろん歌っているのは「22/7」だ。一言で言えば下手だ。
統一感のない歌声で歌唱力を感じさせない。
そんな主人公のもとに「芸能プロ」からいきなり招待状が届く。
陰キャを極めたような主人公のもとになぜ招待状が届いたのか。
大根だらけ
画像引用元:22/7 1話より
©ANIME 22/7
新しいキャラが出れば出るほどガクッとさせられる。
メインキャラは8人だが、半分は演技力の欠片も感じさせない。
残りの半分はギリギリ及第点と言えるレベルの演技力であり、
もう下手すぎてキャラ同士の会話が頭に一切入ってこない。
1番セリフ量の多い主人公が1番演技力がなく、
おそらく、彼女の演技力を前に押し出すことで
他の子の演技力をごまかそうとしているのかもしれないが、
そんなごまかしが一切通じないほど絶望的な演技力だ。
やたらポエミーな台詞やわざとらしさを感じる台詞も多く、
そんなポエミーかつわざとらしい台詞を演技力0の声優が
読み上げることで「作品の雰囲気」をぶち壊す。
どうにかして英語音声、日本語字幕で見れないか?と
本気で考えるほど厳しいものがある。
キャラクターデザイン自体は堀口悠紀子さんが手掛けてることも合って
可愛らしいのだが、作画は1話の時点から非常に不安定だ。
壁
画像引用元:22/7 1話より
©ANIME 22/7
唐突に集められた8人は誰に何の目的で選ばれたのかもわからずに集まっている。
アイドルのオーディションに申し込んでたり、
街角でスカウトされたりしているならまだわかるが、特にそんなことはしていない。
いきなり手紙が来て、そんな手紙に誘われてほいほい集まっている。
8人とも警戒心0の馬鹿なのだろう。自然なストーリー展開に一切できていない。
彼女たちは「壁」と呼ばれるものの司令に従わないといけない。
壁は彼女たちのグループのプロジェクトにとって絶対的な存在だ。
アイドルなんてやりたくない主人公ではあるものの、
主人公は生活苦であり、そんな状況でバイトまで首になってしまう。
意味不明なのは彼女のバイト内容だ。
主人公は人とのコミュニケーションが苦手て客に笑顔を見せるのが苦手だ。
なら工場やら裏方のバイトをすればいい。
なぜかレジやら多くの人と関わるサービスエリアでバイトをしている。
ちょっと意味がわからない。
「主人公がバイトをクビになる」という状況を作るために、
主人公が苦手そうなバイト先でバイトをさせている。
自然なストーリー展開、状況づくりというのが本当にできていない。
8人とも出会って1時間もたっていないにもかかわらず、
何故か主人公のことを信頼しているキャラも居て、意味不明だ。
主人公はアイドルなんてやりたくないが、やりたくないけどやる。
主人公なりに考慮した結果なのはわかるものの、
演技力がなさすぎてシリアスな雰囲気をぶち壊し、キャラの心情が
見てる側に1mmも伝わってこない。
キャラの味付け
画像引用元:22/7 2話より
©ANIME 22/7
最近のアニメというよりは2000年代前半の深夜アニメを彷彿とさせる
暗さとキャラクターが多い。
これで最低限の演技力のある声優さんが演じれば、
声優さんの演技による「キャラ付け」もできたかもしれないが、
この作品の声優にはそんなことはできない。彼女たちは演じることに必死で
キャラクターに命を吹き込むことなんてできるわけがない。
特にひどいのは「ニコル」だ。彼女は自信満々で高慢なキャラクターだ。
歌もダンスも抜群にうまいという設定のキャラだ。
だが、アニメではそんな設定を声優が見事に台無しにする。
2話で彼女たちは審査員の前で自己アピールし、歌を披露し、ダンスを披露する。
主人公は自信がなくウジウジと「こんな短い審査でなにがわかるんだ」とぼやく。
そこに「ニコル」がさっそうと素晴らしい歌とダンスを披露し、
主人公が驚くというのがこの2話の展開の肝だ。
「こんな短い審査でなにがわかるんだ」という主人公の心情を
覆すような存在が「ニコル」であり、それにふさわしい演技をしなければならない。
だが台無しにする。彼女は演技だけでなく歌も下手だ。
声量を一切感じさせない歌声は「歌の巧さ」なんて欠片も感じさせない。
演出で彼女が光り輝いているように見せているのだが、
そんな光り輝くような歌声を彼女は出していない。
演技力はともかく、せめて歌がうまいという設定のキャラなのだから
歌がうまくないと本当に意味がないどころかシーンの意味すら台無しにする。
主人公が「すごい…」と目を輝かせるが、何の冗談かと思わず爆笑するほどだ。
恐らくこのアニメはシュールギャグアニメなのだろう。
そうでも思わなければ見ていられ….いや、聞いていられない。
「ニコルすごい!」と回りのキャラが持ち上げても、
見てる側にはどこが凄いんだというまるで正反対の感情が湧き上がる。
2話で主人公がなぜかセンターに抜擢されるのも謎でしか無く、
「やりたくないことを敢えてやってやる!」と1話で息巻いていたはずの主人公も
2話でまた逃げる。いいかげんにしろと思うほどキャラに好感を持てない。
同じグループの子に励まされたりするものの、
結局主人公は「カネに目がくらんで」アイドルをやる。
ライブ
画像引用元:22/7 3話より
©ANIME 22/7
3話で初ライブだ。フルCGで描かれるライブシーンはヌルヌルと
動いているものの、そこに「動き」の面白さや「アイドルアニメ」の
ライブシーンの面白さというのはまるでない。
ただ動いてるだけ、そこにライブシーンだからこその面白さや
きらびやかさは感じない。
当たり前だ。3話になっても特にどのキャラにも感情移入や好感をモテていない。
見ていて「応援したくなる」アイドルたちのライブシーンだからこそ、
アイドルアニメのライブシーンは面白い。
だが、この作品は特に「応援したくない」アイドルたちのライブシーンだからこそ、
アイドルアニメのライブシーンの面白さを感じない。
初ライブなのに200人くらい集まってるのも謎だ。
機材トラブルが起こってライブが一時中止になるという展開も、
ベッタベタであり、特に新鮮さもない。
機材トラブルになる伏線、主人公がピアノを引く伏線と
見え見えな伏線を敷きまくりであり、予想外な展開というのがまるでない。
毒にも薬にもならない
画像引用元:22/7 6話より
©ANIME 22/7
中盤以降は各キャラの掘り下げエピソードが繰り返される。
3話の時点で200人キャパのライブをそれなりに埋められるくらいの
アイドルになっているせいで、この手のアイドルアニメにおける
「売れる過程」というものがほとんどない。
ライブをやればそれなりに埋まり、週刊漫画雑誌の表紙も飾り、
アイドルのフェスにも出る。トントン拍子だ。
彼女たちが成長し、その成長に見合うイベントやTVや雑誌に出るならば
「成長物語」としての面白さもでてくるが、
壁の指令に従ってれば1週間後のイベントにも突然採用される。
彼女たちが成長して徐々にアイドルとして売れていくのではない。
壁の指示に従ってればなんかアイドルとしてどんどん売れていく。
そんなストーリーは特に面白くもなく、
それぞれのキャラエピソードも毒にも薬にもならない。
とあるキャラが「水着」を着る着ないだの着たくないだのと引っ張る話がある。
これで何らかの水着を着たくない事情が過去回想の中で描かれるなら、
まだ拒否するのも納得できたかもしれない。だが特に深い理由はない(苦笑)
ふしだらだ、内面を見てもらってこそアイドルと意味不明なことを理由にする。
それでも構わないが、最終的に彼女が「水着」を着るまでの過程が問題だ。
とあるキャラが水着を着なければ壁の命令を遂行できなくなり、
その結果、壁がどんな命令を出すのかもわからず、写真集を出せなければ
色々なプロモーションも白紙になるぞと理詰めされる。
更に彼女は「生活苦」だ。主人公と設定を被っている部分も気になるが、
理詰めされ最終的には色々考えて出ることになる。
これのなにが面白いのだろうか。
水着を拒否する理由、そこから彼女が決意し水着を着る流れ。
ストーリーを自然に見せるということが中盤になってもできていない。
キャラの掘り下げも「キャラの過去はこんな感じです」と振り返るのみで、
そこにストーリーが生まれたり、他のキャラとの交流がうまれるわけでもない。
唯一の希望はキャラ回になると主人公の出番が極端に減ることだ。
1話で2,3回しか喋らない回もあるが、
出てきてきた時のインパクトは凄まじいが、主人公が出ていないだけで
少なくとも聞くのが苦痛レベルの演技を聞かなくて済む。
キャラの過去も大抵は貧乏、離婚、病弱や死だ。
8人しか居ないのに過去がかぶりまくっている。
脚本を書いてる人の引き出しのなさがキャラ設定にもでてしまっている。
過去回想でしかキャラを語れないのがその証拠だ。
そんな過去回想ばかりやってる間に3000人のライブを埋めるアイドルにまでなる。
いつ、どうして、彼女たちがなぜココまで人気になったのか。
それがまるで見えてこない。
ウジウジだった主人公もいつのまにか「22/7」が好きだ!と言うが、
どのあたりからそう思ったのか?と疑問に思うほどだ。
解散
画像引用元:22/7 10話より
©ANIME 22/7
そして終盤にいきなり壁から「解散」を命じられる。
色々展開についていけない。
中盤から個別ストーリーをやっており、ろくに22/7全体のストーリーや
「壁」という不思議な存在に対する謎に迫るストーリーもなく、
唐突に解散する。序盤から終盤まで本当に自然なストーリーの流れを作れていない。
壁の指示に従ってたアイドルがどう壁に立ち向かうのかというのが
見せ所だと思うのだが、そもそも壁の存在自体が意味不明だ。
終盤になっても「壁」の謎や説明は一切してくれない。
大人たちは盲目的に壁の命令に従い、アイドルたちは困惑しつつも
解散の流れに逆らえない。
「壁」に従ってただけの彼女たちが自らアイドルをやる。
それならば、この作品のストーリーの意味合いが生まれてきて面白さになる。
だが、この作品はそんなことはしない。
今まで一切喋らなかった「壁」がいきなり喋りだし、
壁の身勝手な言動に切れたアイドルが壁を壊す。
壁の先は謎の部屋につながっており、その部屋を更に抜けると
「ステージ」があり、ファンが集っており、ライブをして終わる。
この説明で意味がわかるだろうか?私にはさっぱりわからない(笑)
壁の先の部屋は彼女たちを幼少期から監視してたような雰囲気があり、
ランダムで選んだはずの彼女たちのはずなのにそうは思えず、
誰かが管理しているような雰囲気を出しているが、誰が管理してたかはわからない。
それだけならいいが、壁の先がライブ会場になってるのも本当に意味不明だ。
しかも、結局はそのライブを用意した大人が「壁の指令」を受けたものであり、
彼女たちの行動はすべて予想した上での行動だということが明らかになる。
つまりは手のひらの上だ。
新メンバーの追加という壁の指令で物語が終わるものの、
壁を破壊したはずなのに結局は壁の指令で動いている彼女たちを見せられて
1クールが終わる。結局この作品は何だったのか。
全く理解できないまま消化不良のみが残る作品だった。
総評:全ては大人の掌の上
画像引用元:22/7 12話より
©ANIME 22/7
全体的に見て意味不明な作品だ。
序盤は演技力のない声優達による演技のインパクトが強すぎる作品だったものの、
中盤くらいにはなれる部分もある。だが、そんな声優の演技力よりも
ストーリーがシンプルにひどい。
過去回想でしか掘り下げられないキャラクター描写、
唐突な展開と意味不明すぎる壁という存在。
結局やっていたのは各キャラクターの過去回想ばかりで、
見ている側が知らない間になんかどんどん人気になっていくアイドルに
何の感情も沸かず、アイドルアニメにおける「応援したくなる気持ち」を
一切抱かせないまま話が終わる。
ライブシーンも特に見どころはなく、作画はとこどころ不安定だ。
脚本、演技、作画。アニメを構成する1つ1つの要素がひどく、
何がしたかったんだろうかという疑問しか残らない。
結局、中の人のファン以外は楽しめない作品だ。
アイドルグループが宣伝としてアニメのキャラを演じて、
「○○ちゃんの演技」を楽しむ。それがこの作品の目的なのだろう。
たとえ棒演技でも大根畑でも「○○ちゃんが頑張ってる」と許容できる
ファンの温かい目線の上で成り立っているアニメなのかもしれない。
個人的な感想:きつかった….
画像引用元:22/7 12話より
©ANIME 22/7
本当に1話から最終話まできつかった作品だ。
特に主人公とニコルの声優はまるで上達せず、最後まで酷い。
ニコルを演じてる声優さんは急に担当することになったらしいので
まだ擁護の余地はあるかもしれないが、主人公を演じてる声優は
3年ほど練習してこれなのかと頭を抱えるほどだ。
声優を名乗らずにあくまでも「アイドル」として各キャラを演じるなら
ここまで言わなかったかもしれない。
だが、少なくとも声優を名乗る以上、最低限血の通った演技を
してもらいたいところだ。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください
レヴュー拝見しました。
最後まで、面白い・つまらないと言うより、演出面・脚本のちぐはぐさからくる「気持ち悪さ」の抜けない作品でした。
登場人物たちの掘り下げを全て回想シーンに頼っているため、22/7として活動するパートに割かれる時間が犠牲になっていて、笠さんの言う通り22/7が人気になっていく過程に全く盛り上がれず、最後も壁に一矢報いたかと思えば全ては壁の計算通りと、とことんカタルシスが伴わない展開には、
「あれ、僕はなにか重要なことを見落としたのかな?」と勘違いしてしまうほどでした。
一番気持ち悪かったのはラストですかね。
「壁」が「若者から見た『大人』のメタファー」というのには動画レヴューで笠さんも触れてしましたが、
それを踏まえると「お前たち子供が何をしようと全部大人の掌の中なんだぜ」ということに…(苦笑)
他のアイドルアニメとは違うものを作りたい、という意気込みはなんとなく感じられましたが、
「王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は作れないぞ!」という言葉にしっかり当てはまるような作品になってしまったことは否めないですね。
個人的には、1話でみうが啖呵を切ったシーンで「おっ、これは新しいアイドルアニメが見られるかもしれない」と期待しただけに残念でした。
YouTubeの方でも言ってる人がいたけど曲がいいだけにほんとに残念なアニメだった声優達は一応何作か出ていたらしいがほんとに聞くに耐えなかった
ドラマCD等で違和感を感じられなくなってからアニメをやっていたらもう少し変わっただろうし2期やるようだったからOVA等で練習してからやってほしい
こう言ってしまうと反感を買いそうだが,話を聞く限りアイドル芸能界のブラックな面まで盲目的に肯定しているように感じられる.
レビュー拝見させていただきました。
私はこのアニメを見てから22/7というコンテンツに興味を持ち、今ではCDやグッズを買ったり、「22/7_計算中」を毎週欠かさずに見る程度にはなりました。You Tubeでのレビュー動画のコメント欄では、こういった立場からのコメントは見られなかったので、ここで語らせていただきます。
このアニメは、やはり制作側としては、22/7というグループのメンバー(キャラクター)を知ってもらうというキャラ紹介アニメとして作られていたそうです(月刊Newtype2020年2月号より)。しかし、それならばこのアニメにストーリー性は必要だったのか。という疑問が浮かんできますし、既存のファンの方々がいっていたように、「あの日の彼女たち」のような彼女たちがアイドルとしての活動している部分と普段の日常シーンを一話完結で描くだけでもよかった気がしてきます。
しかし、私は近年常に新しい形のアニメを求め続けていた中でこのアニメと出会ったので、もしこのアニメに「壁」の要素が無ければ、視聴は続けてなかったかもしれないと考えると、いろいろと複雑なところです……。
ストーリーに関しては、最初から最後までやはり「壁」が彼女たちのアイドル活動をするうえで重宝されたものであり、障害でもあったように感じました。でも、それではこのアニメはアイドルを見せたかったのか「壁」を見せたかったのか。となりました。アイドル達のストーリーに関しても、過去回想だけではなく、ストーリーを進める上で掘り下げてほしかった娘もいました。あれならアニメは1クールではなく2クールにして、1クール目でストーリ上での掘り下げ、2クール目で過去回想をするみたいにしてほしかったと思いました。Tokyo MXの土曜日23:00の枠は、22/7の枠なので、難しくは無かったと思いますが……。あと藤間桜ちゃんの帰国エピソードにほとんど触れずに解決したようにしたのは許せませんでした。解散ではなく、彼女の事情が判明して、これからの22/7はどうなる?ってなって、それを阻止して私たちはみんな一緒っていう風にすれば、(ラブライブ!の1期と似た内容にはなりますが)1周年ライブの前に問題を解決できますし、9話でやった話にも味が出ると思います。……でも解散エピソードが無かったら「あのニコルちゃんの過去話」が見られないと考えると、このストーリを扱うのは本当に難しいと感じます。
キャラクターに関しては、放送時に調べてみて、主人公の滝川みうちゃんの1話の激説や、藤間桜ちゃんの帰国子女設定など、内輪ネタとも捉えられるものもありましたが、それを視聴者が知っている前提で話が進んでいないというのはよかったと思いました。いろいろ言われてはいますが、キャラクターの個性はアニメの中でシナリオとアクションから私には伝わったので、キャラ紹介アニメとしては役割を果たせていたと思います。
描写に関しては、良いところと悪いところが共に見られたと思いました。私はアニメではキャラクターの心理描写が好きなので、このアニメでも期待していたのですが、とても少なく思えました。私がこのアニメで好きだったのは3話と7話で、この2話ではきちんと心理描写をしていたので、決して心理描写ができないわけでは無いはずなのに、それ以外の話ではほとんどが描写が浅い、またはしていないものでした。7話では、あんなにもキャラクターが生き生きしていて、作画も綺麗、私事ではありますが、私自身過去に同じような経験をしたからこその共感があり、とても充実した内容であったため、2話目あたりから戸田ジュンちゃんに興味を持った私としては「ジュンちゃん推したくてたまらない!」となりましたので、他の話でもあのクオリティだったら……と思わずにはいられません。ライブシーンについては、普段プリパラを見ている私としては、嫌でも違和感を感じてしまいました。普段から番組やMVで使っているCGとは違うものに見えましたし、活動初期の頃のMVのCGはとてもよくできているし、一人一人のダンスシーンは作画で頑張っていただけに、全体を映すシーンは残念に思いました。
最後に声優さんについて、主人公を演じる西條さんの声は、個人的には棒読みとは思わず、クセになってしまったので嫌悪感や拒絶反応はありませんし、彼女ほど滝川みうを出せる演者は、プロの声優にもいないだろうとまで思ってはいますが、やはり本職の声優のスキルにまで至っていないというのは確かだと思います。斎藤ニコルちゃんを演じた河瀬さんについては、私も最初は「えっ、なにこれ?」と思いましたが、回を重ねたり、最近の声優朗読会を聞いていると、素人目線では上達していっていると感じました。しかし、他のメンバー方々は、アニメの放送が終わってから舞台の役者に抜擢されたり、他作品のアニメやソシャゲの声を担当したりしている中でも、この2人の近況についてはあまり聞きません。西條さんは、滝川みうをものにするだけでもそれが今後他の作品にで重宝されるかもしれないし、河瀬さんも、「ニコル」と「にこるん」を演じ分けるようになれれば、それが武器になると思っているので、これからも声優としてのスキルを磨き続けていつかまたこの2人が出演している作品を見てみたいと思いました。
この作品について私は、アニメだけで完結していないと思っています。本来アニメのオマケであるはずのコミック「22/7+@]に滝川みうちゃんの過去の話とか、ライブやそのリハーサルでの苦悩を描いているあたり、制作側はアニメだけでなくコミックも読む前提で話を進めているように見えると、ファンとしてもレビュー動画のタイトルにあった「アニメを舐めるな」というセリフに首を横に振りづらくなってしまいます。このアニメから「22/7」というコンテンツに興味を持った身としては、自分自身アニメについて思うところはあるので仕方ないと思いつつも、アニメの評判が悪いところを見ると心が苦しく感じます。しかし、それだけなら割り切れますが、画像サイトで22/7のイラストにコメントもせずに「棒読み」などというタグをつけられているところを見ると、イラストレーターの方にも失礼だと思いますし、何しろ自分の好きなものがこんな言われようなのに自分自身も納得している部分もあるから抑えるしかないという状況がとても歯がゆいです。アニメの円盤の1巻の初動売り上げは3,062枚なので、(イベントチケットが封入されている割には正直微妙ですが)2期が望める最低ラインには達していますし、私自身キャラソンや13話のOVA目的で円盤は全巻揃える予定なので、2次元と3次元で共にもっと勢いを伸ばしてほしいと思いましたし、今回のことで、このコンテンツに関わった製作者たちや、それに対する意見を言ってくださるレビュアーさんという存在は、コンテンツの促進には重要なのだと感じました。
レビュー記事のコメントにこんな長い文章を連ねてしまい失礼いたしました。一つの視点から見た感想として述べさせていただきました。
これからも笠希々様のレビューを楽しみにさせていただきます。