コメディ

「群れなせ!シートン学園」レビュー

3.0
コメディ
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評価 (47点) 全12話

あらすじ 様々な動物が共に生活する私立シートン学園。その生徒である動物達は同種で群れを作るなか、学園内でも数が最も少ない人間(ホモ・サピエンス)・間様 人は肩身の狭い高校生活を余儀なくされていた。引用- Wikipedia

群れになってからが本番

原作はサイコミで連載中の漫画作品。
監督は博史池畠、制作はStudio五組

騒がしい


画像引用元:群れなせ!シートン学園 1話より
© 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会

1話からかなり騒がしい。
物語はタイトル通り「シートン学園」の入学式から始まり、
大量のキャラが画面狭しと存在し、ヒロインも
わーきゃーわーきゃーと騒ぎまくる。

この作品はいわゆる「擬人化」作品であり、
ありとあらゆる動物が二足方向へと進化しており
メスは人間のような姿にオスは動物の姿を保っている。
メスだけ擬人化度が高いという所に
この作品の方向性を感じてしまう(笑)

動物的本能の度合いが高いせいか基本的にハイテンションなキャラが多く
メスでも「動物の本能」や「習性」が色濃ゆく残っている。
見た目はたしかに可愛いケモミミ系のヒロインではあるものの、
このハイテンションさと動物としての本能の描写のせいで
ストレートに可愛いと感じにくい。

主人公はそんな中で唯一の「オス」の人間だ。
「オオカミ」であるランカに気に入られてしまい、彼女の
群れに入れられてしまう所から物語が始まる。

殺伐


画像引用元:群れなせ!シートン学園 1話より
© 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会

この作品はどこか殺伐としている。
擬人化はしているものの彼らは動物的な本能が強い。
「群れる」動物も多く「群れる」ことに意味を見出す動物も多い。
そこには「弱肉強食」のルールも存在し、上下の立場もある。

ギャグとしてのツッコミではなく「暴力」的な描写もあり、
可愛らしいキャラクターデザインからは想像できないほど
殺伐とした雰囲気が流れることもある。
そんな雰囲気が流れかあと思えばギャグになる。

シリアスに動物の世界を描きたいのか、ギャグをしたいのか。
ヒロインの扱いも「可哀相」な感じだったり「可愛い」感じだったり
「うざい」感じだったりとどういう扱いをしたいのか方向性が読めない。

人間のヒロインが擬人化した「クマ」に性的に襲われそうになるという
描写もあり、序盤はこういった殺伐とした雰囲気や作品の方向性が
定まってない感じが強い。
パワーバランス的に恐竜が先生であることでなんとかなる事も多いが、
この世界の「法律」はどうなっているんだろうかと考えてしまう。

そもそも肉食たちが食べている「肉」は何肉なんだろうかという部分や
コメディな作品であるためそういった細かい設定は考え込まれておらず
ゆるく流せば良いのかもしれないが
色々と気になって仕方ない部分が多い。

動物ネタ


画像引用元:群れなせ!シートン学園 3話より
© 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会

この作品は基本的に「動物ネタ」を主軸に話が展開している。
動物たちの習性や本能、癖などが各話の中心となっており、
その動物たちのネタを上手く生かして話作りをしている。

例えばライオンは「たてがみの大きさ」がモテるポイント、
なまけものはすぐ死ぬ、はだかでばネズミは敵が来ると巣穴を防ぐ、
猫の猫撫で声、コアラの子供の頃の主食etc…

実際の動物たちの習性や本能を話のネタにし
同時にキャラクター設定として落とし込んでいる。
序盤こそ殺伐とした空気や暴力描写など気になる部分は多いが
3話あたりからこの作品の方向性が定まってくる。

わかりやすい「動物ネタ」と「微エロ」を絡めた作品になっており、
セクシー要素に関してはキャラデザと作画のクォリティ的に
あまりセクシーさは感じず、どこかネタ的に描写されてる部分は多いが
話が進むことでキャラクターが増えることでにぎやかになり、
この作品の面白さが垣間見えてくる。

パターン化


画像引用元:群れなせ!シートン学園 5話より
© 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会

中盤からは話がある程度パターン化する。
毎話新しい動物のキャラクターが現れて、その動物に関する雑学に絡め
主人公たちと絡みワチャワチャする。

作品の設定上、女性キャラクターはかなり多いものの、
いわゆる「ハーレム要素」はかなり薄い。
主人公は同じ人間のヒロインにやや気持ちはあるものの、
恋愛要素はそこまでなく、恋愛要素があってもギャグとして描かれてる。

主人公が動物嫌いであるがゆえにツッコミのキレも凄まじく、
やや暴言めいた部分や彼女たちに対しての扱いはひどいものの、
それがギャグになってる部分も大きい。

ヒロインたちの立場もある程度、その動物らしさゆえに
ネタとしてもパターン化しており、ナマケモノは何度も死にかける(笑)
序盤にはなかったキャラクターたちの「お約束」が中盤から生まれており
そのお約束に新しく出てくるキャラクターが混ざることで、
安定感のあるギャグで笑いを生んでいる。

キャラクター数は多いものの、決して使い捨てにせず
何話か後に再登場することもあり、キャラが増えれば増えるほど
この作品の面白さの厚みも増していく。

終盤


画像引用元:群れなせ!シートン学園 12話より
© 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会

ただやはり、終盤でも「暴力描写」がきになるところだ。
ギャグ、コメディの中でのツッコミとしての暴力描写ではなく
動物同士のガチの戦いとしての暴力描写であり、そこには笑いはない。

シリアスな雰囲気の中で、今までギャグや可愛いキャラクターとして
描写されている彼女たちがボコボコにされるという暴力表現は
やや過剰になってる部分が多く、
せっかく中盤から安定した笑いになっていたの
終盤のシリアス展開のための暴力表現はやや気になるところだ。

話自体は綺麗にまとまっているものの、セクシーな描写と相まって
好みが分かれる作品に仕上がっている。

総評:残念で可愛い動物ギャグアニメ


画像引用元:群れなせ!シートン学園 5話より
© 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会

全体的に見ていい部分もあるが悪い部分も目立っている作品だ。
特に序盤はその傾向が強く、作品の方向性が定まっていないために
ギャグをやりたいのか感動系をやりたいのか判断しにくく、
暴力的な表現も相まってこの作品の面白さが見えづらい。

中盤くらいになってくるとキャラクターが増え、作品の方向性が定まり
動物雑学ドタバタコメディアニメとして安定感のあるギャグで
くすくすと笑える作品になっており、女性キャラクターたちの
セクシー描写も相まってほのぼのとの楽しめる作品だ。

ただ終盤ではシリアス展開があり、序盤の暴力表現が戻ってきてしまい
話的にはまとまっているものの、序盤、中盤、終盤で
作品自体の印象がコロコロ変わっていく印象だ。

ギャグアニメにありがちなキャラクターを使い捨てにするわけでもなく、
きちんと多くのキャラクターを利用して話を盛り上げる手法が
この作品らしい面白さを生んでいるものの、
キャラクターが増えるまではその面白さが見えにくいのが
この作品の大きな欠点といえる。

もし今から見る人は4話くらいまで様子を見てみると
この作品の面白さを感じられるかもしれない。

個人的な感想:杉田ライオン


画像引用元:群れなせ!シートン学園 9話より
© 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会

個人的には杉田智和さん演じるライオンがでたあたりから
この作品が面白くなった。ちょこちょこと彼が再登場し、
彼の恋愛事情が断片的に語られるのも面白く、
終盤の彼の即答ぶりにはクスクスと笑ってしまった。

もし2期があるならばもっと盛り上がる作品かもしれない。
序盤でこの作品の面白さが見えづらいだけに、
1期の段階ではあまり売上的にも芳しくなく、
2期が期待できるか微妙なラインではあるものの、
2期がアレば見たい作品だ。

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