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もっと評価されるべき!隠れた名作アニメ映画2023【アニメコラム】

もっと評価されるべき!隠れた名作アニメ映画2023 アニメコラム
もっと評価されるべき!隠れた名作アニメ映画2023
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年の瀬も迫り、世間はクリスマスムードが漂いつつある
昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。
どうも笠希々です。

今回はちょっとしたコラムになります。
一応、TVアニメ版と映画版で分けた2記事になっており、
本記事は前編、映画版の記事になります。

2023年アニメ映画

2023年のアニメ映画も絶好調でした。
名探偵コナン 黒鉄の魚影は100億を超えたことは特にめでたく、
長らくなかなか100億円を超えなかったコナン映画が
100億を突破するという記念すべき作品でした。

宮崎駿監督最新作も公開され、賛否両論な部分はありましたが
85億と素晴らしい興行収入になりました。
去年の12月に公開されたスラムダンクはロングラン上映になり、
鬼太郎誕生ゲゲゲの謎も相当な話題作になりました。

そんなヒット作が続く2023年のアニメ映画ですが、
ヒット作の裏で興行収入が伸びなかった作品も存在します。

単純に面白くなくて伸びなかった、ファン向けだから伸びなかった。
色々と興行収入が伸びない原因は数多にあるのですが、
今回は個人的に面白かったのに興行収入が伸びなかった
隠れた名作、もっと評価されるべきアニメ映画を
紹介するアニメコラムになります。

金の国水の国

「金の国 水の国」レビュー
評価 ★★★★☆(70点) 全117分あらすじ 昔から仲が悪く、頻繁にいがみ合っていた、隣接する2つの国「A国」と「B国」の物語。引用- Wikipedia

今年最ももっと評価されるべきと感じたのはこの作品でした。
長い戦争状態に合った2つの国は戦争を止めるために、
金の国は国一の美女を、水の国は国一の頭脳の持ち主を
互いの国に送り合うことで和平を結んでいるという世界観でした。

和平を結んでいるものの、互いの国に対する偏見は未だ根付いており、
そんな状況を、国の現状をなんとかするために二人の主人公が動き出します。
決して美女とは言えないお姫様、決してイケメンとは言えない建築し、
この二人のラブロマンスも素晴らしく、
どこか少女漫画っぽさすらありました。

確かに派手さはない作品でした。最近のはやりは青春SF恋愛アニメで、
その流行りとは真逆に行くようなストーリーであり、
アニメーションとしての派手さも薄い部分が在りました。
しかし、起承転結すっきりとしたストーリーは王道の面白さが在り、
じんわりと心が暖かくなり、少しだけ涙腺を刺激されるような作品でした。

この作品の最大の敗因は「CM」でした、
2023年初泣き!というオタクが1番嫌うような
キャッチコピーにしたせいかオタク層を取り込めず、
かといって一般層も取り込めきれず、興行収入は2.8億円と
なんとも言えない数字に終わってしまいました。

10年前ならこの数字でも大ヒットといえるのですが、
100億超えや、それに近い興行収入のアニメ映画が増えたせいもあり、
2億や3億ではヒットと言えない現状になってきていますね。

SAND LAND

鳥山明ワールド全開!「SAND LAND」レビュー
評価 ★★★★☆(75点) 全106分あらすじ 人の行為と天変地異によって、世界のほとんどが砂漠となった世界。引用- Wikipedia

ドラゴンボールで有名な鳥山明さんの漫画が原作のアニメ映画でした。
ドラゴンボールというヒット作のインパクトがあれば、
この作品の興行収入ももっと伸びてもおかしくなかったのですが、
興行収入的には5億6000万円と結果的に伸びずに終わりました。

人間と悪魔が住む世界で、タイトル通り水が限られた砂に覆われた世界、
そんな世界で主人公は悪魔の王子、彼は可愛らしい主人公でした。
自身では悪いことをしているという認識があるのですが、
やることは子供のいたずらレベル。

そんな悪魔ですら人間が戦争という行為で互いに殺し合うことを
嫌悪しており、そんな世界観で悪魔の皇子と人間の老人が
水を求めて旅をするお話でした。

フルCGと手書きの作画がうまくマッチした作品でも在り、
戦闘シーンのダイナミックなカメラアングルや、フルCGだからこその構図の数々、
終盤の戦闘シーンはドラゴンボールでも見てるかのような
素晴らしい迫力を生み出していました。

更に戦車。
まるでガールズ&パンツァーでも見てるかのような
戦車による戦闘シーンはたまらない魅力のある作品でした。

ヒロインらしいヒロインもおらず、いい意味で男臭い作品であり、
その辺が興行収入が伸びなかった原因かもしれませんが、
王道の勧善懲悪なストーリーとアニメーションの魅力を
しっかりと感じる作品なだけに、もっと評価されるべき作品だと感じました。

アリスとテレスのまぼろし工場

これぞ岡田麿里、欲望が世界を壊す「アリスとテレスのまぼろし工場」レビュー
評価 ★★★☆☆(59点) 全111分あらすじ 製鉄所の爆発事故によって全ての出口を閉ざされ、時まで止まってしまった町。いつか元に戻れるように「何も変えてはいけない」というルールができた引用- Wikipedia

この作品、見た後に好みが分かれる、人を選ぶ作品だなとは思っていたのですが、
まさかここまで伸びなかったのはかなり予想外の作品でした。
あの花などの脚本家としても有名な岡田麿里さんが
監督を努めた作品であり、制作はMAPPAが手掛けていました。

一言で言えば「The岡田麿里」な作品です(笑)
とある事故で時間が止まってしまった街、
そんな中で少なくとも10年以上の時間を過ごしてる住民たち、
10代のメインキャラは10代の姿のまま長い長いモラトリアムを過ごしています。

この街で変化することは禁止されています。
変化は心の傷をうむことがあり、この世界で心の傷ができてしまえば
体が崩壊してしまう可能性があります。
心の傷が体の傷になる、岡田麿里さんらしい世界観でした。

映像表現も素晴らしく、MAPPAらしいカメラワークや
ぬるぬるとした作画、艶めかしいキャラクターの表現にも
かなり気合が入っており、MAPPA初のオリジナルアニメ映画ということで
相当予算をかけて作っていることが見て感じられました。

終盤はややぐだっとしたストーリーでは在りましたが、
岡田麿里さんらしい10代の恋愛模様と親子愛が描かれており、
作品としての完成度は高かったものの、
2.4億円という興行収入で終わってしまいました。

制作費は明らかに金の国水の国より上なのですが、
それなのにこの興行収入はかなり厳しかったところです。
劇場アニメではなくTVアニメならもっと話題にあがったかもしれない、
歯がゆい作品でした。

ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!

カワバンガ!!「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」レビュー
評価 ★★★★☆(76点) 全100分 あらすじ 4匹の亀は、動物を人間のような姿に変えるミュータンジェンの力によってタートルズに変身してしまう。タートルズは下水道の中で、同じくミュータンジェンによって変身したネズミであるスプリンターと出会

海外では1億ドル(約150億円)ほどの興行収入を
叩き出した本作品ですが、日本ではわずか2億円ほどの興行収入でした。
海外と日本でなぜここまで差が生まれるのか、謎な部分です。

タートルズというキャラクターが日本と海外で知名度が違うせいもあるのかもしれませんが、
この作品はいわゆるリブート作品であり、
タートルズが何故生まれたのかという最初からストーリーが描かれています。

映像表現のかなり秀逸で、フルCGで描かれてはいるんですが、
あえて手書きで描いたような「ゆがみ」が背景などに残っており、
アメコミ的な表現をあえてアニメという媒体でも起用しつつ、
素晴らしいアニメーションを作り上げていました。

ミュータントの亀な主人公たち、そんな彼らの心は10代の少年とかわらず、
日本のアニメやマンガも履修済みな彼らから
ときおり「進撃の巨人」などのワードが飛び出る面白さもあり、
もっと日本でも流行ってよかったのなと感じる作品でした。

新シリーズ、リブートであることが伝わりきらなかったのか、
タートルズの知名度が私が思うより高くなかったのか、
色々な要因はあると思いますが、
もっと評価されていい作品だと感じる作品でした。

すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ

今年のすみっこ映画はやべぇぞ…「映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」レビュー
評価 ★★★★★☆(66点) 全70分あらすじ ある日、森のはずれでつぎはぎだらけの古い建物を見つけたすみっコたち。そこはおもちゃを作る工場だった。引用- Wikipedia

すみっコぐらしの映画は第一弾がSNSでバズり散らかした作品でした。
実質奈須きのこなどオタク特有の誇張した表現で、
見た人たちがオタク特有の大喜利を初めて、
それが結果的に興行収入にも繋がった作品でした。

そんなバズりに私も影響されて第一弾は一人で足を運びました(笑)
それ以来、すみっコたちの魅力に取りつかれ、
第二弾にも足を運び、そして今作、第三弾にも足を運びました。

第一弾、第二弾と違って第三弾は感動路線とは少し違いました。
この作品をみてる間に頭の中で
「ブラック企業」「資本主義」「SDGs」などの
ワードが飛び交い、とても子供向けアニメ映画とは思えない
大人の社会を濁しながらも描いている作品でした。

それだけに子供だけでなくもっと大人にも見てほしいと感じる作品です。
しかし、興行収入的には7億ほどで落ち着いてしまいました。
前作、前前作がともに10億を超えるヒットになっており、
1作目は14億の興行収入になったことを考えると、
興行収入が半減してしまったことになります。

ナレーターを努めていた井ノ原さんが
映画公開前のジャニーズ事務所騒動の影響で
降板することになったことも少なからず影響は
あったのかもしれませんが、作品自体は素晴らしいだけに、
もっと評価されてほしいと感じてしまう作品でした

北極百貨店のコンシェルジュ

たった70分の名作「北極百貨店のコンシェルジュさん」レビュー
評価 ★★★★☆(70点) 全70分あらすじ 新人コンシェルジュの秋乃(人間)は、⼀癖も⼆癖もある個性的な動物の「お客様」たち相手に悪戦苦闘しながらも全⼒で仕事ち向き合う引用- Wikipedia

この作品は本当に興行収入が伸びないことが
悔しくてたまらない作品でした。
尺的には70分と短めでキービジュアルやPVでは
子供向けに見える部分もあり、それが伸びなかった原因の1つかもしれません。

この作品の世界観は大人と子供で見える世界が違います。
北極百貨店に訪れるのは全て動物たち、
その中には絶滅した動物達もおり、
彼らは人間のように「消費」を楽しんでいます。

そんな彼らを接待するのは人間です。
新人のコンシェルジュである主人公を中心に、
お客様である動物たちの問題を解決していく、
どこか人情ドラマのようなストーリーが描かれていました。

物語としてはシンプルなのですが、
可愛らしい動物たちの描写はサイエンスSARUや湯浅監督のような
自由なアニメーション表現がコミカルな魅力を生み出しており、
大人も子供も楽しめる素晴らしい作品に仕上がっていました。

特にラストのマンモス演じる津田健次郎さんの演技は
本当に素晴らしく、70分という短い尺で描かれる名作でした。
興行収入が伸びなかったことは本当に残念です、
正確な数字はわからないのですが興行収入は3000万ほど、
正確な数字がわからないレベルの興行収入で終わる作品では決して無いんですが…

ぜひ、今後、配信やDVDなどでお楽しみいただければと思います。

興行収入

10年や20年前と比べてヒットといわれるラインがぐっと上がった印象があります。
君の名はの大ヒット、鬼滅の刃の社会現象的なヒット、
そこから100億を超えるアニメ映画が次々と生まれ、
最低でも10億を超えないとヒットとはいいづらい状況になっています。

20年前だったら金の国水の国もSANDLANDも充分ヒットと言えるのですが、
それだけアニメ史上が拡大したということが嬉しい反面、
話題作の裏に隠れた作品が数多くあるのは1オタクとして悲しくもあります。

話題になった作品、興行収入が伸びた作品は
多くの人が面白いと思ったからこその結果です、
しかし、だからといって話題にならない作品や
興行収入が伸びない作品が必ずしもつまらないわけでもなく、
隠れた名作も多くあります。

1オタクとして来年もそんな隠れた名作を
1つでも、レビューという形で皆さんにお伝えできれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました

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