評価 ★★☆☆☆(36点) 全12話
あらすじ 官能小説家の父に悩まされる女子高生・青ちゃんは、念願の一人暮らしを実現させるため、難関大学合格を目指して猛勉強中。引用- Wikipedia
ラブラブな二人に胸焼けする
原作は少年マガジンエッジで連載していた漫画作品。
監督は井上圭介、制作はSILVER LINK.
1話15分ほどの短編アニメ
名前の由来
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
1話冒頭、ある意味衝撃的なシーンから始まる
彼女は子供の頃の自己紹介で自分の名前である「青」が
青姦であることを無邪気に告白するところから始まる。
そんな彼女が高校生になり、男性を拒絶するようになっている。
説明口調バリバリのモノローグでキャラ説明をするさまは
いかにも「少女漫画」っぽい台詞回しであり、
キャラクターデザインもいかにも「女性作者」が描いたものである事がわかる、
原作を連載してる雑誌は「少年」とついているものの、
りぼんやちゃおで連載してましたと言われる方が納得できる雰囲気だ
モノローグ多めの主人公の描写はやや説明口調っぽさが強く、
少女漫画っぽい絵柄は少し好みが分かれるポイントかもしれない。
父親
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
彼女が男性を拒絶するようになったのは父親が原因だ。
官能小説家である父のせいで、男性を性欲魔人と思い込んでおり、
娘に対しても平気でセクハラや積極的におせっかいを焼いてくる。
例えば彼女に想いを寄せてる男子がいる、
彼と二人きりになるシチュエーションの際にさっそうと父親が現れる。
そんな父親が唐突に現れたことで
彼女は焦りラッキースケベのような展開になったり、
父親が娘の体操服を「めくって」おっぱいをさらけ出したりする。
はっきり言ってかなり好みが分かれるポイントだ。
「ラッキースケベ」というのは偶然や事故で起こるべきものだ。
そこにヒロインや主人公の意思は介入せず、
たまたまそうなってしまっただけだ。
しかし、この作品の場合は「父親」が介入している。
人為的なラッキースケベだ。
娘の服をめくって胸をさらけ出したりわざと娘を「エロ」くする。
父親のキャラクターは身長が小さくマスコットキャラのように
描くことで、嫌悪感を濁してるのかも知れないが、
彼女の父親であることには変わりがない。
実の娘の服をよその男の前ではだけさせるという行為は
強い拒否感が生まれる人もいるだろう。
父親が介入せずに、父親がそういう職業なだけで
男性をそういうふうに思い込んでるヒロインというだけなら
素直に楽しめるかも知れないが、この父親の露骨な介入は
嫌悪感や気持ち悪さを感じる人もいるだろう。
話によっては大勢の前で娘の胸のサイズを叫んだりする。
ちょっとドを超えた行動が多い父親だ。
すれ違い、勘違い、アンジャッシュ
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
基本的にはすれ違いネタだ。
ヒロインに思いを寄せる男子はイケメンでクラスの人気者ではあるが、
ヒロインが思うような「性欲魔人」ではなく、見た目とは違い真面目で
女性経験はない。
しかし、そんな真面目な彼の言動や行動に対し
ヒロインは「男性は性欲魔人」でありエロイ事をするに違いないという
思い込みから、互いの認識にズレが生まれている。
そのズレが「アンジャッシュ」のようなすれ違いネタを展開している。
彼は真面目に勉強をシてるだけなのに、
ヒロインは彼が「襲ってくるかも知れない」と思い込んでいたり、
常に男性の行動を性欲に結びつけて考えることで、
真面目な彼とのズレが生まれてコントのようになっている。
話によってやや当たり外れはあるものの
ヒロインの可愛さも相まって笑える回もあり、
特に父親が介入しない回はストレートな面白さにつながっている。
雰囲気の変化
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
下ネタや「男性は性欲魔人」と思ってるヒロインという意外、
この作品はかなりストレートな少女漫画的恋愛アニメだ。
特に4話に出てくる「ライバル」キャラクターが出てくると
余計にそれっぽさがましてくる。
明らかにヒロインは想いを寄せてくれてる男子に恋愛感情を抱いているが、
親の影響もあって、それをきちんと恋愛感情として受け止めきれない。
しかし「ライバルキャラ」が出ることで彼女に嫉妬を感じる。
ドロドロの修羅場になりそうでならない一歩手前の状況になったりと
少女漫画原作ではないのに、少女漫画原作っぽいストーリー展開だ。
中盤以降は余計にその要素が強くなり、完璧に少女漫画的な恋愛アニメになる。
「みだらな」な彼女の思考はそのままだが、
そんな思考を後ろ向きではなく恋愛感情を伴った前向きなものに変化しており、
すれ違いコントというよりは、ヒロインの欲求不満にも思える
思考や彼の行動や言動に顔を真赤にして戸惑う彼女の反応を楽しめる。
ありがち
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
序盤の「父親が娘の服をはだけさせて胸を露出させる」といった
好みの分かれるような強引なラッキースケベ展開もなくなり、
中盤以降は少女漫画で見たことのあるようなシチュエーションばかりが
描かれる。
最近ではこういったベタな少女漫画も減り、
少女漫画原作のアニメも殆どないため逆に新鮮に感じる部分はあるものの、
いかにもな少女漫画的シチュエーションという
人によっては苦手なシーンも増えてくるだろう。
壁ドンや頭ポンポンといった誰しもが少女漫画といえばで
思い浮かべるようなベタベタなシチュエーションが平然と描かれる。
少女漫画なら許されるようなシチュエーションであり、
中盤以降のこの作品はThe少女漫画だ。
序盤のコメディ色の強さから、少女漫画的恋愛アニメの要素が強くなる。
序盤はどちらかといえば男性向けともいえるが、
中盤は割と女性向けの作品の傾向がかなり強くなってくる。
キャラ描写
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
ちょっと意味がわからないのが、ヒロインに思いを寄せてる男子も
明らかにヒロインが好きなはずなのに少しヒロインに突き放されると
別の女とデートしており、やや強引とはいえラブホテルにまで入ってる。
ヒロインの勘違いやすれ違いが生んだ状況ではあるものの、
ヒロインに想いを寄せてる男子の行動原理がいまいちわからない。
その後も誤解は解けたのに、なぜか疑いを持たれた女と
一緒のバイトをしてまた誤解を生むシチュエーションになったりと、
ちょっと行動が意味がわからない。
ヒロインにしても父親の職業や本の影響で
「男子は性欲魔人」と思い込んでいるはずなのだが、
相手が童貞とわかるやいなや態度をころっとかえたり、
自分に思いを寄せてくれる男子がイケメンなのもあり、
迫られると弱かったりと、ややつかみにくいキャラクターだ。
ヒロインのライバルポジションのキャラもヒロインに露骨な敵対意識を
向けてるかと思えば、子供の頃は彼女のことをかばっていたり、
好きな人が同じなはずなのに後押しするようなことをしたりと、
よくわからない感じで、最後のほうは存在が薄くなってしまう。
ヒロインの父親も最初はかなりアウトな行動ばかりだったが
中盤以降はかなりまともになってしまい、
序盤のアレは何だったんだという感じになってしまった
終盤
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
終盤は、ほぼイチャラブだ(笑)
すぐにエロいことに結びつけてしまうヒロインと真面目な彼の
すれ違いもありつつも、少女漫画的なシーンも有りつつも、
徐々に二人の関係が進展していく。
シリアスらしいシリアスなどほとんどない。
ライバルキャラの存在価値がほぼなくなってしまうほどの
イチャラブっぷりはある意味見ていて総会ではある一方で
ベタベタな少女漫画的シチュエーションはやや胸焼けしてしまうくらいだ。
最終話もきっちりと「キス」というある意味決定的な進展で終わっており、
「勉強できない」という彼女のオチも含めて、
ニヤニヤした感じで見終われる作品ではあった。
総評:第一印象から…
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
全体的に見て序盤と中盤以降では作品の印象がかなり違う作品だ。
序盤はどちらかといえば「すれ違い」コメディが中心に描かれ、
父親のキャラクターに関しては好みが分かれる部分はあるものの、
くすくすと笑える部分もあった。
しかし中盤になると「the少女漫画」的な恋愛アニメになる。
男子を性欲魔人と思いこんでいるものの、自分に思いを寄せてくれる男子が
気になって仕方なく、更に明らかに恋心も抱き、
恋のライバルが現れたりする中でそれを自覚し、
終盤は二人の関係性がより強固なものになり、イチャラブなシーンが多い。
正直、男性向けなのか女性向けなのかよくわからない感じだ。
序盤こそ男性向けの感じがあったのだが中盤からは女性向けだ。
ありがちな少女漫画的シチュエーションのオンパレードは
一周回って新鮮に感じるベタさのあるシーンではあり、
ニヤニヤできるシーンは多いものの、気になる所も多い。
すごく青春を感じアニメだ、若若しさと初々しさを感じる二人の反応、
そこに「みだらな」ヒロインの思考があるからこそ見れてしまうものの、
眩しいまでの恋愛アニメは人によっては胃もたれしてしまうかも知れない。
人によって好みの分かれるような要素も多く、
がっつりと好みが分かれてしまう作品なのは否めない。
ただヒロインのみだらな思考や反応は可愛らしく、
シリアスなシーンも少ない。1話15分ということもあり、
お手軽に見れる青春恋愛アニメになってる作品だ
個人的な感想:胸焼け
引用元:© カワハラ恋・講談社/みだらな青ちゃん製作委員会
個人的には序盤のすれ違いラブコメ的なノリは嫌いじゃなかったが、
中盤からの少女漫画的恋愛アニメらしいシチュエーションの数々は
やや胸焼けしてしまった(苦笑)
極端な話だが、こういうイチャラブをストレートに楽しむには
私は年を食いすぎている。
ピュアな10台の男女ならもっとこの作品を素直に楽しめるはずだ。
ある程度以上の年齢が言って酸いも甘いも経験した大人が見ると、
中盤以降のイチャラブ感にくどさすら感じてしまう。
ヒロインは可愛い、イチャラブも悪くない。
序盤以外はシリアスな要素が殆ど無いのも悪くないのだが、
もう少しライバルキャラを生かしてほしかったと感じてしまう。
終盤のヒロインの常に「性行為」が頭にあるような
思考パターンは面白かったのだが、父親のトラウマをもう少し軽めにして
最初から終盤のような男子を性欲魔人と思い込んで拒絶してるのではなく、
みだらすぎるがゆえの拒絶なら、もっと楽しめた作品かもしれない。
好みが分かれる作品だが、なにより自分自身の「年齢」を
強く感じさせられる作品だった…(苦笑)
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