アクション

構想10年の凡作「メカウデ」レビュー

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メカウデ アクション
画像引用元:©TriF / 「メカウデ」製作委員会
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評価 ★★☆☆☆(24点) 全12話

アニメ「メカウデ」第1弾PV【2024始動】

あらすじ キタカガミ市に住む中学生アマツガ・ヒカルはある日、謎の“ウデ”型機械生命体 アルマと出会う。アルマはヒカルからエネルギーを得ようと彼の身体への結合を試みるも失敗。なんとヒカルが着ていたパーカーに結合してしまう。引用- Wikipedia

構想10年の凡作

本作品はTVアニメオリジナル作品。
構想10年、更にクラウドファンディングによる資金集めという
過程を経て生まれた作品だ。
監督はオカモト、制作はTriFスタジオ

キャラデザ

1話冒頭で感じるのはキャラクターデザインのクセの強さだ。
最近のアニメというよりは10年くらい前のアニメっぽさを
感じるような雰囲気があり、頻繁なカット割りと煽るような構図は
どこか「TRIGGER」テイストを感じるような作品だ。

冒頭から激しいバトルが描かれており、
「メカウデ」というものを装着した少女がメカウデを盗み、
バトルしているところから物語が始まる。

そんなバトルとは裏腹に主人公である「ヒカル」は凡人だ。
なにか特別な才能があるわけでもなく、
特別な何かになりたいという思いは抱えつつも特別になれないでいる。
そんな少年が「謎の助けを求める声」に導かれて
「キューブ」と出逢うことで物語が始まる。

メカウデ

タイトルにもなっている「メカウデ」とはその名のとおり
「メカの腕」だ。いわゆる機械生命体であり、
機械でできた腕のような形をしている。
そんなメカウデである「アルマ」と主人公は出逢うものの、
アルマ自身は記憶を失っており、わけもわからぬまま適合者になってしまう。

メカウデを狙う企業も存在し、主人公は特別なメカウデの
適合者になってしまったがゆえに狙わられ、
しかも、主人公とメカウデはある程度離れるとメカウデが死んでしまう。
いわゆるバディ物のような雰囲気を醸し出している。

かなり王道な物語の始まり方だ。
どこか懐かしい雰囲気の作画やキャラクターデザインは
カゲロウデイズやブラック★ロックシューターなど
あの時代のオタク的コンテンツの雰囲気を感じる。

この作品を作るに当たり構想を10年かけたそうなのだが、
それゆえに10年前のコンテンツっぽさがすごい。
あの時代にこの作品があればもっとヒットしたかもしれないが、
一周回って新しいと言うよりは「古さ」を感じてしまう部分もある。

理由もわからぬまま、メカウデがなにかもわからぬまま、
「何者かになりたい」少年はアルマとともに戦う決意をする。
キビキビと動くメカウデのアクション、頻繁なカット割りには
慌ただしさを感じる部分はあるものの1話は
きちんと王道のバトル者の面白さを感じさせる出来栄えになっている。

組織

2話は色々な基礎的な知識を説明する回だ。
本来、メカウデは「人体」と融合するものであり、
メカウデによって融合する人を選ぶ。相性問題が存在する。
メカウデという「意思」を持つ生命体を使ううえで相性は重要だ。

そんなメカウデを使う組織は2つ存在し、
「アームズ」という組織と「カガミグループ」という組織が存在する。
アームズはあくまでメカウデの意思を尊重するのだが、
カガミグループはメカウデの意思をねじふせ封じることで
メカウデの力を使い、カガミグループは利益を生み出そうとしている。

組織や設定などは非常にわかりやすいものの、
それが面白さに変わるわけではない。
よく言えば王道だが、悪く言えばテンプレだ。
どこかで見た要素、どこかでみた設定やキャラが
ひたすらに陳列される印象だ。

色々なメカウデを装備した敵でてきて、主人公がアルマとともに戦う。
そのメカウデ自体に何かしらの魅力があるならばともかく、
キャラもメカウデもいまいちピンとくるものがなく、
どこかで見たような設定を何処かで見たようなキャラで綴っているだけだ。

寄生獣、ヒロアカ、武装錬金、キルラキル、
色々な作品のタイトルが見てる間に浮かび、
それらの作品の劣化コピーにすぎない。
構想10年もかけているのに「個性」というのが見えない作品だ。

キャラ

ストーリー自体は王道ではあるものの、
その王道を綴るキャラクターの魅力が欠けており、
ヒロインにしろ主人公にしろ薄く、キャラ立てができていないのに
無駄にどんどんとキャラが増えていく。
1クールの作品なのに2クール以上のキャラ数だ。

10年も構想しているうちに色々なキャラの構想はできたのかもしれないが、
一人のキャラを掘り下げるということをしきれていない。
主人公自体も、何者かになりたいという思いはありつつも、
何者かになれなかった主人公がメカウデというものとであい、
変わっていくという物語を描きたいのはわかる。

3話で主人公の成長と覚醒が描かれてはいるものの、
いまいち燃えきれず、王道の展開を描いているはずなのに
その王道に至るまでの積み重ね語りておらず、
テンプレ的な展開をなぞっているだけのようにも見える。

キャラ立てというのがシンプルに下手だ。
だからこそ主人公もヒロインも敵もぱっとせず、
アームズという組織にも色々なサブキャラがいるのだが、殆ど印象に残らない。

メカウデ自体も違う次元からやってきた存在であり、
オルデラという始祖を彼らは探しており、
オルデラ自体は見つかっているものの、
オルデラを封印し、封印解除の鍵を握っているのがアルマであることが
中盤になるとわかる。

そういう謎が明らかになったかと思えば、死んだと思っていた
ヒロインの妹が実はいきていたことが発覚したり、
カガミグループも悪ではないのかもしれないという
お決まりの展開が発生したりとゴチャゴチャとしている。

主人公自体の話よりも、ヒロインの話のほうが面白く、
キャラとしても主人公よりヒロインのほうが立っている。
中盤になるとアルマの過去などもあっさり明らかになるが、
それが盛り上がりになるわけでもない。

カガミグループはメカウデの世界に行き、
すべてのメカウデを支配し、カガミグループを発展させようとしている。
ただ、メカウデを支配したところで、それが
カガミグループという会社をどういうふうに発展させるのかが
いまいちよくわからない。

終盤になると復活し暴走するオルデラをどうにかしようという
話になるものの、ここに至るまでのキャラの掘り下げの甘さや、
ストーリーの王道すぎる展開故に盛り上がるものも盛り上がらない。

盛り上がらないのに次々と「実はこうだったんだ!」的な展開が
次々と起こるものの「ふーん」というような
白けた気持ちでストーリーを見てしまう。

終盤で主人公が敵に胴体を貫かれて死亡したよう見えても
「どうせ生き返るんでしょ?」と予想してしまい、
その予想通りの展開を届けされる。

最後も予想通りの展開で終わり、
綺麗に物語が終わっている事自体は評価したいものの、
個性、オリジナル性というものを一切感じない作品だった。

総評:ジャンプだったら10週打ち切り

全体的に見て1話の時点では期待感があったが、
2話以降は既視感まみれの設定と要素をひたすら見せられ、
描き方1つでは王道になる物語ではあるものの、
王道になりきれずテンプレ的な展開のストーリーを
1クールずっとやっているような感覚だ。

キャラクター自体も主人公自身にあまり魅力がなく、
ヒロインもいまいちパットせず、ライバル的なキャラが
1番キャラ立ちしていたが、それ以外のキャラは
ほとんど居てもいなくてもいいようなキャラクターばかりで
使いこなせていない。

この作品を作るにあたって構想に10年かけているようだが、
10年前なら受ける絵柄やストーリーだったかもしれないが、
10年という月日を経て古臭くなってしまった感覚だ。
10年もかけたせいで色々なキャラを思いついたというのは
伝わるが、そのキャラがストーリーの中でいきていない。

アニメーションのクォリティ自体はそれなりに高いものの、
頻繁なカットとアップの多様はアニメとして
見づらい部分が多く、激しく動いているのだが、
見ごたえのある戦闘シーンにしきれておらず、
記憶にも印象にも残らない。

駄作と切り捨てるほどの作品ではないが、
名作でもなく、凡作以下の作品だ。
この作品らしい要素、この作品だからこその魅力も感じず、
来月にはすっかりと忘れていそうな作品だった。

個人的な感想:時間かけすぎ

クラウドファンディング、構想10年。
2つともいわゆる地雷要素だ。
クラウドファンディングせずとも面白い作品にはお金があつまり、
構想に時間をかければ作品が面白くなるわけでもない。

この作品も10年前にあったなら時代的に
受けるキャラクターデザインだったかもしれないが、
10年という月日がこの作品の要素をすべて
古臭くしてしまった。

何事も時間をかけすぎることが良くなるとは限らないと
感じさせてくれる作品だった

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