評価 ★★★★☆(60点) 全82分
あらすじ ごくふつうの町で、穏やかに満たされた生活をおくる人々がいた。しかし彼らは、それが、偽りの平和であることを知らなかった。引用- Wikipedia
日野晃博脚本の真髄
本作品はレベル5によるTVアニメ作品。
総監督は日野晃博、制作はOLM Team Inoue
メガトンメガトンムサシムサシ
1話冒頭、主人公は牢屋にぶち込まれている。
柄が悪くイキッタ主人公、そんな主人公の前に
エリートっぽいこれまたイキったやつが現れ
いきなり蹴りかかってくる。
いい意味で「すかした」感じのキャラクター描写は
どこか懐かしさすら覚える「バカバカしさ」だ。
子供の頃にコロコロコミック、いや「ボンボン」で読んだことがあるような
小学5年生が喜びそうな台詞回しに思わずニヤニヤしてしまう。
そんな「アホっぽさ」がただよう世界に生きる彼らは
どこか違和感を感じてる。
火事で死んだはずの主人公の妹、
だがときおり誰かに頃された記憶が鮮明に蘇る。
彼の幼馴染も「何かが違う」と漠然と感じている。
唐突に「戦士」に選ばれ、誰かの声が聞こえる主人公。
そしてそんな主人公を「殺そう」とするものも現れる。
この偽りの世界は何なのか。
メガトンメガトンムサシムサシという歌詞から始まるOPと
相まって深夜アニメではあるものの、
いい意味で「子供向けアニメ」らしいノリを感じさせる。
地下の街
そんな主人公が地下の街に連れて行かれる。
「喧嘩が強い」という理由だけで(笑)
更には異星人と戦う戦士になってもらうと唐突に言われてしまう。
あまりにも唐突すぎる展開に思わずニヤニヤしてしまう。
いい意味でアホっぽい。
異星人に侵略され99%の人類が滅びんだ地球。
一般人は「偽の記憶」と「偽りの世界」で生きている。
真実を知るのは戦士とそのサポートをする人のみだ。
市民の中の身体能力が強いものは戦士に選ばれ
戦うためのロボット「ローグ」に乗ることになる。
そんな危機的状況なのにのんきに偽りの記憶を植え付け
偽りの世界でのんきに戦士選びをしてる世界観の設定には
突っ込むことしかできない。
明らかに幼少期から戦士として育てたほうが
優秀な戦士が生まれそうなものの、のんきに偽りの平和な世界で
のんきに戦士探しをしている。
しかし、そのツッコミどころのある設定を
ぽんぽんと見せ、トントン拍子でストーリーが進んでいくからこそ、
音楽に合わせて戦う主人公だったり、
この作品らしい「ノリ」が生まれており、
「レベルファイブ」というブランドらしい雰囲気が作られている。
戦う理由
主人公には戦う理由がある、過去を思い出し、
異性辞任の手によって殺された家族の敵討ちという
シンプルな目的が彼の行動原理になり、
異星人が襲ってくる。
CG感ばりばりではあるものの、
それが逆にレベルファイブらしい戦闘シーンにもなっている。
派手なエフェクト、わかりやすい大群の敵、
そんな敵に「3人」で操縦する「メガトン級ムサシ」で挑む。
戦えヤマト、家族の仇をとるために、人類を守るために。
行け!行くのだ!メガトン級ムサシ!
そんな口上を述べたくなるほどシンプルなロボットアニメに
どこか懐かしい子ども心を呼び返してくれる1話だった。
総評:レベルファイブイズム
1話からわかりやすく「あーレベルファイブだな」
「あー日野脚本だな」という印象を受ける作品だ。
レベルファイブらしいキャラクターデザインで
子供向けアニメらしいノリでサクサクと突き進むストーリーは
ツッコミどころは非常に多くバカバカしさも感じ、
いろいろな設定がいろいろな作品を彷彿とさせる部分はある。
だが、そんな既視感を「レベルファイブ」というブランドらしさで覆い、
そこに日野晃博氏らしいツッコミどころまみれの脚本が
加わることでいい意味での「荒唐無稽さ」が生まれており、
かなり危機敵かつシリアスな状況のはずなのに
そんなシリアスさをまるで感じさせないバカバカしさが
この作品らしい魅力に変わっている。
日野晃博氏の脚本は二ノ国などで色々と言われることが多いが、
この作品はそんな日野晃博氏の脚本の欠点ともいえる
突っ込みどころが良い方向に働いている印象だ。
2話以降どうなるかはわからないものの、
癖になるOPと相まって「レベルファイブ」らしい面白さのある
作品になることを期待したい。
個人的な感想:癖になるOP
1話冒頭で流れるあのOP.
あのOPで始まるからこそ、どこかこの作品のツッコミどころを
笑って楽しめるノリが生まれてるような作品だ。
あくまでも「いい意味で」ダサい。
そのダサさをかっこよく見せようとしている感じが
この作品の面白さの本質なのかもしれない。
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