評価 ★★★☆☆(57点) 全13話
あらすじ ごくふつうの町で、穏やかに満たされた生活をおくる人々がいた。しかし彼らは、それが、偽りの平和であることを知らなかった。引用- Wikipedia
これが日野脚本だ!
本作品はレベル5によるTVアニメ作品。
総監督は日野晃博、制作はOLM Team Inoue
主題歌
1話冒頭、主人公は牢屋にぶちこまれ、そこに
エリートっぽいキャラクターが入ってくる。
どこか浮つき、イキった感じのあるキャラクター同士の会話は
「日野脚本」らしさ全開だ。
この「すかした」感じの台詞回し、キャラクターの突飛な行動、
いい意味でのバカバカしさを冒頭からビンビンに感じる。
そして流れる主題歌。
「メガトンメガトンムサシムサシ」から始まるOPは妙に印象に残り、
OPで現れるキャラクターたちのデザインやロボットや敵のデザイン。
この1話冒頭で感じるこの作品の雰囲気や方向性は
「子供アニメ」っぽさを全開に感じる。
今が2010年くらいならば木曜19時あたりにやっていそうな、
そんな雰囲気だ。しかし、この作品は深夜アニメだ。
1話からかなりの多くのキャラクターが登場し、何やら企んでいる。
何も企んでいないキャラクターたちでさえ、
この「世界」に違和感を感じている。
火事で死んだ妹を持つ主人公、
だが、ときおり「誰かに殺された」記憶がフラッシュバックする。
彼の幼馴染でさえこの街が「偽物」じゃないかという疑念が拭えない。
そんな謎の世界観を魅せつつ、主人公も見せる。
喧嘩
主人公も彼のライバル的な存在の「土方 龍吾」も
ただ喧嘩が強いだけの不良だ。
なにか特別な才能があるわけでもない、なにか特別な能力があるわけでもない。
ただ喧嘩が強いだけだ。
そんな「喧嘩の強さ」を理由に彼は謎の地下都市につれてこられ、
異星人と戦う戦士になってもらうといきなり言われる(笑)
話の流れのぶっ飛びぶりに笑うしか無いが、
そういうストーリーなのだから仕方ない。
この世界は異星人に侵略され、99.9%の人類が死滅している。
そんな世界だからこそ、一般人には「偽の記憶」を植え付け、
「偽りの世界」でいかされている。
食糧事情やもろもろ気になるところはものすごく多い。
0.01%の人類しか残っていないのに、
わざわざ偽りの世界で偽りの記憶で平和に一部の人間を生かし、
そのうえ市民の中の身体能力が強いものは戦士に選ばれる。
相当な遠回りだ。
そんなことをせずに最初から戦士として市民とを育てればいいのに
などといってはいけない。
わざわざ偽りの世界で偽りの記憶を植え付け1万個以上の監視カメラで
監視し、身体能力がすごい人物の記憶は戻し戦士にする。
やや意味不明ではあるものの、そういう世界である。
さすがは日野脚本といわんばかしの突飛な世界と設定で
主人公は戦うためのロボット「ローグ」に乗ることになる。
しかも3人乗りである。
色々と面倒くさい要素が多すぎる(笑)
そういった遠回りかつツッコミどころのある設定を
ぽんぽんとテンポよくノリノリでキャラクターたちが
「日野脚本」という舞台で踊らされることで、
レベル5らしい雰囲気とストーリーを魅せている。
異星人によって妹を殺された記憶を取り戻した主人公、
「戦う相手」と「戦う理由」を1話できちんとみせることで
物語への期待感を強めている。
重厚感
戦闘シーンは基本的にフルCGで描かれている。
CGで戦闘シーンを描くと高速な戦闘シーンを描ける利点はあるものの、
手書きに比べ同時に「重さ」を感じさせにくいという欠点もある。
しかし、この作品はそこを「ロボットデザイン」によりカバーしている。
99.9%もの人類が死滅した地球。
そんな世界だからこそロボットのデザインにまでこだわってる余裕はないと
思わせるほどの無骨かつ、どこか不格好さすら感じる「ローグ」。
主人公たち以外にもそんなローグに乗って侵略者と戦争をしており、
物量と、そんな重量感あふれるロボットによる戦闘シーンは
しっかりとした見ごたえがある。
そんな中で主人公たちが載る「メガトン級」のローグは
3人乗りであり、同時に3つのパーツに分解され合体する(笑)
ロボットデザインのどこか昭和っぽいデザインと言い、
合体という平成初期のロボットアニメのノリといい、
見れば見るほどどこか懐かしさを感じる。
合体と3つのパーツに分解する利点と、
そんな3つのパーツに別れ、3人が操縦するからこそ
一人乗りのローグとは違いとてつもなく「巨大」かつ、強大な力を持っている。
序盤で主人公機の「存在感」を魅せている側にもきちんと感じさせる
描写になっており、それをノリノリに魅せている。
主人公機が決めポーズをとる。
本来ならば「かっこいい」はずなのだが、どこかダサい。
この作品において「ダサい」は褒め言葉だ。
武器のデザインも子供向けの水鉄砲みたいなデザインだが、
それがなぜか悪くないと感じさせるダサかっこよさが生まれている。
大量の侵略者、そこに舞い降りる「メガトン級ムサシ」。
制作側が「このシーンを見せたいんだ!」というのがわかりまくる
シーンの数々にニヤニヤしてしまう。
無骨で不格好で昭和で平成な「メガトン級ムサシ」というロボットだからこそ、
必殺技は「拳」だ。
マジンガーZが、Gガンダムが、ガオガイガーが、アクエリオンが
己の「拳」を必殺技にしてきた。
その系譜を受け継ぐようにメガトン級ムサシも彼の拳を見せつける。
「メガトン級パンチ」
そのままである(笑)
フルCGで描かれる戦闘シーンは迫力満点で動きまくりで
重量感もたっぷりと溢れているのに、描かれているロボットや武器のデザインと
必殺技名がダサさを生み出すことでダサかっこいいメガトン級ムサシの
世界観がコレでもかとが帰れている。
敵の幹部やボス的な存在も序盤から描かれており、
「こいつが強敵です」みたいなキャラや、
順番に倒されていくんだろうなー感のある敵キャラたちの描写も
わざとらしささえ感じるがそれが悪くない。
ごった煮
ただ序盤から非常にキャラが多い。
主人公と同じ機体に載る二人、侵略者側のキャラ、
他のメガトン級に載るパイロトット達と序盤からドバドバキャラが出てくる上に、
そのキャラたちの行動や活躍を描くために場面が二転三転する。
この作品は2期を想定しており、全26話想定のストーリーだからこその
キャラ数ではあるのはわかるものの、
一人ひとりのキャラが濃ゆいがゆえに、その濃ゆさを掘り下げ描写するために
話がとっちらかっている印象だ。
敵も完全に悪とはいい難く、人類との和平を望んでいるものもおり、
人間の中にも「超能力者」がいたりといろいろな要素がどんどん出てくる。
原作の「ゲーム」という媒体ならばこの要素の散漫さは気にならないが、
1クールないし2クールという尺に限りのあるアニメと言う媒体では
要素の散漫さが作品全体のとっちらかりにつながっている。
その1つ1つの要素も過去のロボットアニメを彷彿とさせるような
要素が非常に多く、話しが進めば進むほど
どこか「継ぎ接ぎ」感も感じてしまう。
いい言葉で言えば「オマージュ」だが、それが同時に
色々なロボット作品のごった煮感も生まれている原因にもなっている
序盤から中盤までその多いキャラの事情や掘り下げばかりが
描かれており、ロボットをサポートするAIも複数いる。
主人公によるめちゃくちゃとも言える戦闘シーンは面白いのだが、
そんな主人公よりも他のキャラのストーリーばかりが描かれる
煮詰まる
しかし、そのごった煮感と散らかった感じがだんだんと煮詰まってくる。
最初はこの街の、この世界の真実を知らなかったキャラクターたちが
自分たちが行きてる世界の真実を知り、戦いに挑む。
この流れを何度か繰り返し、メインキャラクターたちの立ち位置と
掘り下げが終わることで話も盛り上がっていく。
地球の侵略者でありながら地球人との和平を望むアーシェム、
そんなアーシェムに対し主人公は侵略者への恨みを捨てられないものの、
アーシェムとの交流の中で考えが変わっていく。
徐々に記憶が蘇ってくる「土方龍吾」の記憶の真実と母との関係性、
女性キャラクター二人で乗るメガトン級マキシマスの活躍。
1話1話の中でどばっと描かれる量が多い。
序盤から1話1話の情報量が多く、そのせいでゴチャゴチャしてる感じはあるが、
話が進みキャラ描写が深まりストーリーが深まってくることで、
終盤でそれが生きてくる。
序盤から中盤ではあまり「必要性」を感じないキャラも
後半で活躍することで活きてくる。
ただツッコミどころは多い。
侵略者であるものの、女王である母とは違い和平を望むアーシェムの
和平は無理難題だ。そもそも、現時点で99.9%もの人類が殺されている。
この時点で和平もクソもない。
パイロットの多くは親族を侵略者に殺されており、
主人公も妹を殺されている。
そんな中で「和平を考えています」と言われても無理難題だ。
頭がお花畑すぎて「アーシェム」という敵の立場に居るヒロインに
いまいち感情移入できず、この物語の終着地点がどこにあるのかと考えてしまう。
夜の営み
更に言えば終盤でちょっとぶっ飛んだ展開になる。
この作品は作品全体としてレベルファイブらしく子供向け、
夕方アニメのような雰囲気とノリがあった。
1話の段階ではなぜ「子供が見る時間」に放送しないんだと不思議だった。
しかし、10話で深夜アニメになるのも納得してしまう。
なにせ「夜の営み」のシーンがある(笑)
このキャラクターデザインで夜の営み(事後)のシーンが描かれる
違和感も半端なく、確かにロボットは合体するが、
まさか人間同士も合体するとは思わなかった。
怒涛の展開
本当にびっくりするほど唐突にそういったシーンが出てくる。
そういう予兆や流れがあるならばまだわかるが
しかし、まだこの作品を見ていない人もいると思うが、
ここで今、私のレビューを読んでネタバレを食らっても
「今!?」と驚くはずだ。
ちょっと度肝を抜かれるシーン展開にメガトン級ムサシから目が離せなくなる。
本来ならとあるキャラクターの衝撃的な事実が明らかになるはずの
シーンだが、もはやそれどころではない。
シリアスな話をしているはずなのにギャグを入れたり、
重要な設定が明らかになるシーンなのにそのまえに夜の営みを描く。
地球人の裏切りなどもありつつ、終盤はどんどんと人が死ぬ。
見ていて感情がついていかない作品だ。
ちょっと終盤の展開はあまりにも怒涛な展開すぎて
雑さすら生まれてしまっている。
その雑な部分やツッコミどころを詰め込みまくりどんどんと
「このシーンが魅せたいんだ!」というシーンを見せることで、
この作品らしいノリが生まれてると言えるかもしれない。
2期でどういう展開になるかはわからないが、
この「見ている側の感情」が追いつかない作品の
終着点がどうなるか気になるところだ。
総評:子供向けかと思った?残念!?
全体的に見て戦闘シーンのクォリティは本当に素晴らしい。
「メガトン級ムサシ」という巨大なロボを3DCGでぐりぐりと動かし、
そこにスーパーロボット特有の必殺技の数々を毎回のようにぶちかまし、
終盤になればなるほど何でも在りな感じになってくる。
3体のメインロボットもきちんと特徴がある。
その反面で子供向けなんだか大人向けなんだかよくわからない感じではある。
キャラクターデザインや台詞回しやギャグは子供向けな感じなのだが、
一方で内容はシリアスな部分も多く、メインキャラの死や
唐突な夜の営み事後のシーンなど見ていて困惑するほどの展開が多い。
キャラクターも多く、そのキャラの多さに序盤から中盤は
振り回されている感じもあり、場面展開の多さはかなり気になる。
人類が99.9%死亡しているような状況、そんな状況の中で
「和平」を望むものなど、色々と突っ込みどころも多い。
いい意味でも悪い意味でも「日野脚本」という印象がある。
どこかガンダムAGEの焼き直しをしているような部分もあり、
2期でこの作品がどういうふうに結末を迎えるのかも予測できず、
そういった意味では先が気になる作品だ。
人を強烈に選ぶ作品ではあるものの、
この作品の「ノリ」を楽しめる人は最後まで思う存分、
楽しんでしまう作品だ。
個人的な感想:夜の営み…
もう、この作品を見終わった感想があのシーンで埋め尽くされてしまう(笑)
ガンダムSEEDは夕方アニメでありながら事後シーンを描いたが、
あのキャラクターデザインならまだわかる。
しかし、その一方でこの作品のキャラデザはTHEレベル5だ。
それなのに夜の営み、事後のシーンが有る。
その衝撃が強すぎて細かいツッコミどころが一気にぶっ飛んでしまった。
特に最終話はちょっと咳き込みながら「孕んでる」と叫んでしまったくらいだ(笑)
2期でどうなるかはまるでわからないが、
2期でも1期の夜の営みのシーンのような衝撃を超えるシーンが有ることを期待したい
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地に足がついてないな。
それでストーリーにノれない。
ゲームもやってアニメも全部見ました。面白かったです。
二期も期待してます。
こんな支離滅裂な脚本が許されてしまうなんて。
火の脚本は自分的には拷問。