評価 ★★★☆☆(48点) 全12話
あらすじ 彼の鍛え抜かれた筋肉で、精鋭の魔法使いたちをも凌駕し「神覚者候補選抜試験」に臨む。鍛え抜かれたパワーがすべての魔法を粉砕する、引用- Wikipedia
なんで2期だけバズった?
本作品はマッシュルの2期。
1期とは違い、2期はなぜか「OP」がSNSや動画サイトなどで
バズりまくった特異な作品だ。
制作、監督ともに1期から変更はない。
筋肉
この作品は魔法こそすべての世界だ。
わかりやすくいえば「ハリーポッター」の世界だ。
露骨にそれを意識している部分を1期でも感じたが、
そんなハリー・ポッターの世界において主人公は魔法を使えない。
この世界では魔法は使えないものは無価値であり、
殺処分すらされる厳しい世界だ。
そんな世界で魔法が使えない主人公はソフトの平和な生活を守るためにも、
魔法を使えないことを隠して「神覚者」になることで、
魔法が使えなくとも生きていく権利を得ようとしている。
2期の1話冒頭で丁寧にこれまでの話が紹介され、
2クールほど間が空いていても、思い出させるようになっている。
魔法を隠しつつも魔法学校の生徒として暮らしていた彼ではあったが、
とある事件をきっかけに魔法が使えないということが周囲にばれてしまう。
というところから2期は始まる。
友情
1期の段階で主人公であるマッシュには友達ができている。
彼らはそれぞれ様々な「固定観念」をもっている、
魔法絶対主義な世界で生まれ育ったからこそ、才能や生まれ、
血筋、実力、それぞれが固定観念に縛られている。
だからこそ弱肉強食な考えが根づき、
それぞれが自らの立場に甘んじ、自らの立場を受け入れるしか無かった。
しかし、そんな彼らの前に魔法が使えないマッシュが現れることで、
彼らの固定観念が彼の筋肉によって粉々に砕けている。
魔法が使えないものは殺処分、それを隠すもの、かばうものも、
同じように裁かれる可能性すらある。
それでも彼らはマッシュに救われた存在だからこそ、
マッシュが魔法を使えないと知っても変わらず接してくれる。
かつては敵同士として戦った相手でも、
友として会話をし、同じ釜の飯を食う中になっている。
努力・友情・勝利というジャンプ漫画原作アニメらしい
ジャンプ三大原則を守りつつ、ギャグもたっぷりだ。
このギャグに関しては好みはあるものの、
1期を楽しんでいた人ならば同じ用に笑える。
良い意味でも悪い意味でも、1期と2期で大きな違いはない。
魔法が使えずとも魔法のような奇跡を起こす、
この世界の認識を彼は筋肉でぶっ壊す決意をする。
1期の1話と同じように、2期の1話で改めて同じ用に決意をすることで、
2期の1話が始まったことを感じさせる。
そんな彼の前に「神覚者」、そしてイノセントゼロという
悪の魔法使いも現れる。
なぜかイノセントゼロに狙われているマッシュル、
多くのものを認めさせるためにも「神覚者」になり
イノセントゼロを倒すことを目標とする。
仲間になってくれる友や先輩もいる、だが、
固定観念に縛られた世界で固定観念を守ろうとするものもいる。
「神覚者」になるための選抜大会でそんなやつらと
主人公であるマッシュは戦う。
試験
試験は一癖も二癖もあるものばかりだ。
ルール自体はわかりやすいものの、マッシュという
ギャグ世界に生きる人物たちがいるせいでジャンプで
ありがちな対人戦や資格試験というものがおかしなことになっている。
たとえばチーム戦で3つの水晶を守りつつ、相手チームの水晶を壊すという
ものすごいわかりやすい。
しかし、試合が始まる前からアクシデントでマッシュとマッシュの仲間が
自らの水晶を割ってしまい、マッシュのチームは1つしか水晶がない(笑)
そんなギャグ的な状況からシリアスな状況へとつなげている。
友達の居なかったマッシュ、そんな彼にできた初めての友達とも言える
「フィン」は才能や力量という意味ではマッシュや
他の試験参加者に圧倒的に及ばない。
そんな彼がたった1つの水晶を守るために強敵に必死にくらいつく。
そんな彼のピンチを救うのもマッシュだ。
相手は自分に受けた攻撃を相手に跳ね返す魔法を持っている、
どんな攻撃も彼は無効化し、跳ね返してしまう。
チートとも言える魔法を持つ相手に彼はひたすらボールを打ち込む(笑)
やってることは1期と変わらず、相手の魔法とシチュエーションが
変わっているだけともいえるのだが、
これぞマッシュという展開を2期でも見せてくれる。
才能が全て、生まれてから痛みを知らない相手に、
彼は「筋肉」によって「フィジカル」によって、
固定観念が打ち砕かれる。
1期とやってることは変わっていないが、周囲の認識は変わっている。
1期の段階でマッシュが魔法を使えないことを知られていなかったが、
2期では多くの人に知られてしまっている。
だからこそ、魔法絶対主義な世界で彼を疎むもの、
才能が全てと思うもの、強者を求めるものに狙われてしまう。
強敵
マッシュの前に次々と強敵が現れる、
その中でも最もクセがあるのが「マーガレット・マカロン」だ。
子安武人さん演じるオネエキャラというだけで
印象は凄まじいのだが、戦いの前にエビフライにタルタルソースを
つけて食べるようなやつだ(笑)
戦闘前にプロテインやシュークリームを食べるマッシュと、
戦闘前にタルタルソースを食べるマカロン。
「神覚者」と同等の力を持つ彼にどう挑むのか。
しかも、相手は「音」の魔法を使うものだ。
今まで様々な魔法を鋼の肉体ではのけ、筋肉で弾き返してきた。
だが、音は殴れない、音は肉体に響いてしまう。
それに対応しても、相手は音の速度で動いてくる。
マッシュにとって最悪の相手だ。
指パッチンの音に乗って動く相手にどう対処するのか。
タルタルソースである(笑)
一瞬の隙をつき、相手の指にタルタルソースを絡めることで
指パッチンできなくしてしまう。
だが、それでも敵はさらなる力を隠している。
1期よりも強力な相手たちにマッシュは己の筋肉のみで挑んでいく。
ただ戦いは多いのだが、余りストーリーが進んでいる感じはしない。
総力戦
終盤になるとストーリーが進み、イノセントゼロがいきなり
現れて混戦になってしまう。
マッシュの仲間や校長、神格者と力を合わせて強敵に挑む。
そんな盛り上がりどころでも、この作品はギャグを決して忘れることはない。
イノセントゼロはいわゆるラスボス的な存在だ。
だが、そんなラスボスが校長と戦ってるのに、
仲間の一人は敵の魔法で幼児化してる始末だ(笑)
マッシュも自らの出生を知っても、表情を崩さず、
自分が狙われた意味を知っても、マッシュであることは変わらない。
ぶれない主人公だ。シリアスな状況なのに、敵はいたってまじめなのに、
彼だけはぶれない。だからこそ安心感がある。
ある種のなろう系的なニュアンスだ。
ラスボスを前にしても変わらない、時間を止め、
空間を切り取るような存在相手にも彼は筋肉を持って殴りかかる。
友達
マッシュは孤独な存在だった。
魔法が使えない彼は森の奥に祖父とすみ、隠れて暮らしており、
友達の一人も居なかった。
そんな彼がこの世界を変えるべく、自らの存在を確立するために
動き出した結果が最終話だ。
魔法を使えない彼を捕まえようと、裁こうとするものもいる。
だが、そんな彼をかばう友が大勢彼の周りにはいる。
彼のために声を上げ、彼をかばう存在、
今までは祖父だけだった彼に多くの友だちができている。
2クールでそんな変化を丁寧に描きつつ、物語を紡いでいた作品だった。
総評:踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆 なら踊らにゃ損々
全体的に見て、2期では謎のバズり方をした本作品だが、
内容の傾向や作画のクォリティなど総合的な作品自体の面白さは
1期と全く変わってないと言って良い。
1期からギャグテイスト溢れる作品で、
ジャンプらしいというより、ジャンプあるあるといったほうがいいほど、
見ているといろいろな作品を彷彿とさせる要素もあり、
テンプレ感やパロディ感のある作品でもある。
そこにこの作品らしいギャグを戦闘中だろうが
ラスボスが目の前にいようが展開しており、
そのギャグを気に入るかどうかで作品を楽しめるかどうかが決まる。
2期までで全24話描いているがストーリーは
いろいろな謎が明らかになっているものの、
ラスボスであるイノセントゼロとはちょっと拳を交わしただけだ。
マッシュの出生が明らかになり、魔法が使えないことも
2期ではバレるものの、この世界では魔法が使えないことは
差別や殺処分の対象になってしまう、それをマッシュは知ったからこそ、
1期では祖父と自分の生活を守るために魔法学校に入学したが、
2期ではそこに「友達」との「学校生活」も守る対象になっている。
孤独だった彼が孤独ではなくなった。そんな変化に至るまでが
しっかりと描かれており、マッシュによって固定観念を
ぶち壊されたクラスメイトや強敵がマッシュの友になっていく展開は
ベタではあるもののストレートに描いている作品だ。
3期は果たしてあるのだろうか?
2期ではOPが変にバズってしまっただけに、
3期では誰がOPを手掛けるのか、またバズるのか気になるところだ。
個人的な感想:小学生
噂によるとマッシュルの謎バズリはTiktokかららしく、
そのあたりの影響で小学生への人気も広まっているらしい。
配信サイトでも放送時期はランキング上位に居たりすることも多く、
バズることの影響の強さを感じる作品だった。
ただ、1期と2期でそこまで大きな違いはなく、
OPがCreepy Nutsをやることで、ここまで話題になるのは本当に謎だ。
もっともマッシュルの話題よりも、マッシュル2期のOPの
歌ってみたや踊ってみたみたいな動画ばかり見かけており、
かなり特殊な作品になってしまったような、何とも言えない気持ちだ。
アニメの人気が上がる、作品が話題に上がることは良いことだが、
あまりにも特殊なバズり方のせいで、
1期から見ていた私からすると
「一体何が起こったんだ…?」となってしまう作品だった(苦笑)
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