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散々遠回りした末に…「政宗くんのリベンジR」レビュー

2.0
政宗くんのリベンジR ラブコメ
政宗くんのリベンジR
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評価 ★★☆☆☆(35点) 全12話
TVアニメ【政宗くんのリベンジR】第2弾PV/2023年7月より放送開始!

あらすじ 8年前、過保護太りしていて苛められっ子だった早瀬政宗は、自分に「豚足」というあだ名を付けて振った令嬢安達垣愛姫に復讐すべく、過酷なダイエットと筋力トレーニングにより激痩せしてイケメンへと生まれ変わり、苗字まで祖父のものに変え真壁政宗として故郷へと帰ってくる。引用- Wikipedia

散々遠回りした末に…

本作品は政宗くんのリベンジの2期。
基本的に1期から監督や制作会社に変更はない。
1期から約6年ぶりの2期となる。

修学旅行

1期はかなり中途半端なところで終わっている作品だった。
過去に酷いあだ名をつけられたヒロインに復讐するために、
主人公は太っていた体を鍛え上げて見違えるほどのイケメンになり、
高校生になった彼はヒロインに惚れてもらい、
告白させて振ることを目的としている。

1期ではそんな状況の中で徐々にメインヒロインが彼に好意をもち、
ライバルヒロインなどもでてきて、そんな彼女の事情も描きつつ、
それでもブレずに主人公は彼女への復讐を諦めず、
終盤で過去の主人公の姿そっくりなキャラが現れて、
カラオケをして終わった作品だった。

2期ではもちろん続きから描かれる。
コレまでのストーリーなどの説明などはないため、当然1期を見てる前提だ。
作画のクォリティに関しては若干違和感があり、
1期と比べると2期のクォリティは少しではあるが下がっている印象だ。

そんな中で主人公たちはフランスに修学旅行に行くというところから
物語が始まる。

フランスの子

フランスでいきなり主人公はフランスの女の子とであう。
彼女とぶつかってしまったというきっかけにすぎないのだが、
彼女が日本が大好きなオタク少女で漫画家志望らしく、
主人公たちに興味津々だ。

1話からかなり唐突な展開だ。
この作品は1期の段階からキャラクターを使いこなせていない。
主人公のクラスメイトや、男の娘なキャラ、
主人公に好意を持つキャラクターをあまりつかいこなせてるとはいえず、
そんな中で更にキャラクターを追加されても面白みが増えるわけではない。

結局、この作品は1期から変わらずキャラを追加することだけでしか
話を進めることができていない。
唐突に出てきた新キャラのためのストーリーがいきなり描かれており、
1期の終盤でいきなり偽主人公が出てきたとの同じような
展開になってしまっている。

そんな新キャラのストーリーと同じく偽主人公の話も同時進行で描かれる。
彼はお金が必要で過去の主人公の姿と名前を偽っているようだが、
そんな彼の事情を解決する前に、新キャラを出してしまっているのは握手でしか無い。
物語が散漫になってしまっている。

この2期からの新キャラであるフランス人も存在感が殆どない。
序盤以外に出番がほとんどなく、
出した意味はあったのか?と思うほどだ。
相変わらずキャラクターを使いこなせていない。

過去

そんな状況で過去が描かれる。
メインヒロインの両親は仲が悪かった。そんな中で出会ったのが主人公だ。
いじめられている状況を助けてくれた彼女に恩義を感じた主人公、
彼は優しく、ヒロインの現状を憂い、彼女と仲が良くなった。
彼女にとって幼少期の主人公は心の支えだった。

しかし、彼は唐突に彼女の前から消えてしまう。
その原因は「彼女」が彼に酷いあだ名をつけたことなのだが、
そのことを「彼女自身」が知らない。
なぜか二人がすれ違ってしまっている。

どうしてすれ違ってしまったのか、二人の記憶が違うのか。
原因は彼女の付き人である「小岩井 吉乃」だ。
彼女がメインヒロインの姿を偽り、子供の頃の主人公を
酷いあだ名で読んだことがきっかけで、このすれ違いと
復讐劇が始まっている。

「小岩井 吉乃」にとって子供の頃の主人公は邪魔者だ。
メインヒロインに使えることが「小岩井 吉乃」の家の仕事であり、
幼少期から彼女に使えていた「小岩井 吉乃」にとって
唐突に現れた主人公は邪魔者でしか無い。

だからこその「嘘」だ。
真実を知った主人公はどうするのか。
2期の4話でようやく話が進み出す印象だ。
メインヒロインも真実を知り、誤解が解けた二人は「付き合う」ことになる。

このあたりのエピソードをもっと早く描いていれば
この作品の印象もだいぶ違ったかもしれないが、
1期からこの作品は遠回りしすぎだ。
偽主人公も物語の舞台から降りてしまい、
なんだったのかと感じる部分もある。

蕁麻疹

無事付き合えたものの、主人公は彼女に触れると蕁麻疹が出るようになってしまう。
しかも、彼女には主人公が復讐を企んでいたこともバレてしまう。
主人公もまたある種の燃え尽き症候群になっている。

彼は別にヒロインのことを好きでくどいていたわけではない。
あくまで過去の復讐だ。
だが、そんな復讐の理由もなくなり、付き合うことになったものの、
彼女を好きで付き合っているわけではない。
過去には彼女のことを好きだったものの、今は好意をもっているのか?

そんな悩みの中で他のヒロインたちもアピールしてくる。
彼の過去を知っている二人の女性、
知っているからこそ邪魔してくる。

フランスのヒロインや偽主人公などの
余計なキャラクターの出番は殆どでなくなってからこそ、
メインキャラクターだけで素直に話が進んでいく印象だ。

歪な関係性の中で結ばれた二人だからこそ、
1度破綻してしまう。

え?

終盤で実は「小岩井 吉乃」が主人公のことが好きだったことが明らかになる。
このあたりの展開はやや強引であり、
彼に協力しているうちにいつのまにか好きになったようだが、
そもそもの今作の騒動の根本は彼女が原因だ。

彼女の過去の行いを知ってもヒロインは咎めることもなく、
関係性がこじれることもなく、むしろ一歩引いてしまう。
主人公は主人公でヒロインに振られたすえに、
信州に家出してしまう(苦笑)

色々と展開が唐突で1期の段階からキャラクターたちの
性格の悪さ故に愛着を持てていなかったが、
2期でも愛着を持てるとはいえず、
遠回りしまくったラブコメにやや疲れてしまう。

結局、「小岩井 吉乃」が信州に追いかけてやってきても
主人公はヒロインへの気持ちを捨てきれず彼女を降ってしまう。
本当のリベンジ相手にリベンジできたという意味では
作品の本懐を果たしたともいえるのだが、
付き合ったり別れたり、色々なヒロインを出したりと、
散々遠回りしたあげく、落ち着くところに落ち着いたような印象で終わってしまう。

アニメで完結する作品が少ない昨今で、
アニメで完結したという部分は評価したいものの、
なんだかなーという印象が残る作品だった。

総評:遠回りの末に…

全体的に1期からやや作画のクォリティは落ちており、
1期からの問題点だったキャラクターの使い方の甘さも
2期では目立っている。
2期の序盤で登場したフランス人ヒロインの出番はほとんどなく、
1期の終盤で登場した偽主人公の問題もあっさりと片付く。

中盤からは本筋の話が進み、キャラクター同士の関係性の変化、
心理描写など面白い部分はあるのだが、
根本的に1期からキャラクターの性格の悪さ故に愛着が持てず、
2期でもそれがあまり変わらない。

付き合ったり別れたり蕁麻疹ができたり告白されたりと、
色々と遠回りの末に物語が完結しており、
完結しているというところは評価したいものの、
いまいち作品のパンチもなく、やや懐かしいラブコメのノリで
終わってしまっている作品だった。

個人的な感想:完結したことは評価したい

原作のある作品でアニメで完結することは昨今珍しい。
だからこそ一応は完結したこの作品は評価したいところなのだが、
色々と1期から無理のある状況を
色々なキャラを使って引き伸ばしていた感が凄まじい。

キャラクターを気に入ればもう少し物語を楽しめたかもしれないが、
性格の悪すぎるヒロインたちを愛すことは
私には無理なことだった。

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