評価 20点 全52分
あらすじ 5人の不器用な男子高校生たちが空回りしながらも1人の少女との出会いをきっかけに成長していく姿をコミカルに描いたオリジナルアニメ映画引用- Wikipedia
目指せ!モテメンセンター!
本作品はアニメ映画オリジナル作品。
脚本は岡田麿里、キャラ原案はHoneyWorks、企画は秋元康と
ビッグネームが並んでいる。
監督は久藤瞬、製作はSIGNAL.MD
低予算
画像引用元:劇場版アニメ「キミだけにモテたいんだ。」予告編より
(C)2019「キミモテ」製作委員会
見出して感じるのは明らかに低予算の作画だ。
キャラクターデザインものっぺりとしており、かなり癖が強い。
男性キャラクターなのにショートカットの女性にも見えるようなキャラもおり、
これが本当に「劇場」でやっていたアニメなのか?と
やや恐怖を感じるほどの低レベルさだ。
作画崩壊とまではいかないものの、
カクカクとしたカメラワークは違和感しか無く、
53分の映画だからこその低予算さを物凄く感じさせる。
1枚絵を流すことも多く、これで上映当時はまさかのフルプライス、
1900円だったのは驚愕だ。
唐突
画像引用元:劇場版アニメ「キミだけにモテたいんだ。」予告編より
(C)2019「キミモテ」製作委員会
この世界には謎の「モテメン甲子園」なるものが存在する(笑)
優勝すると1000万、この夏、キミもモテメンセンターを目指そうという
パワーワードはなぜか脇腹をくすぐられるような面白さはあるものの、
そもそも「モテメン甲子園」の定義もよくわからないため謎だ。
ストーリーも唐突すぎる。
クラスメイトの一人が、他のクラスメイト4人をいきなり拉致し
「モテメン甲子園」に出ようと誘う。メインキャラは6人ではあるものの、
50分ほどの尺の作品で6人のメインキャラをきちんと掘り下げられるわけもなく、
わかりやすいキャラ紹介による浅いキャラ付けのキャラクターでしかない。
どこかでみたようなキャラデザのキャラには特に魅力は感じない。
5人のメイン男性キャラはほとんど有名男性声優が演じているが、
一人だけ信心が混ざっており、演技が下手すぎて浮いている。
声優ではなくもともと俳優のようだが、
他の4人がプロなだけに悪目立ちしてしまっている。
ヒロイン
画像引用元:劇場版アニメ「キミだけにモテたいんだ。」予告編より
(C)2019「キミモテ」製作委員会
ヒロインは詐欺にあい家のお金を使ってしまっている。
親にバレる前にお金を稼ぐべく、同じ学校のイケメンのクラスメイトを
「プロデュース」し彼らをモテメン甲子園に出し、
優勝させるのが彼女の目的だ。
色々な理由でモテない、残念イケメン的な彼らも軽いノリで出る。
50分の尺ではあーだーこーだと言ってられない。
文句を言っていたキャラも居るものの、
一人だけ「お金持ちの家で高い絨毯にコーヒーをこぼした」のを
弁償するために出るくらいだ。
わざわざ「モテメン部」というのを学校につくる理由もよくわからず、
ところどころパワーワードのようなセリフで笑えはするものの、
それ以外は特に面白みを感じない。
モテメン部
画像引用元:劇場版アニメ「キミだけにモテたいんだ。」予告編より
(C)2019「キミモテ」製作委員会
まるでダイジェストのように一気にモテるための過程は終わる(笑)
ちなみに髪型を少し変えて服装を少し変えただけである。
見てる側とすれば「どこらへんが変わったんだ?」と思うような
ロングヘアの女子が1cmだけ髪を切ったかのような変化はまるで面白みがない。
結局はもともとの素材が良かったため盛り付けを変えただけだ。
テーブルマナー講座やカラオケなどモテるための色々とやっているが、
そこを深く掘り下げるわけでもなく、さらっとやってしまう。
もう少し1つ1つの題材を深く掘り下げて、その中できちんと
キャラクターの「変化」を感じられるようなストーリーやシーンがアレばいいが、
そういった部分の描写はまるで無く、こういうことをやりたいという
「要素」や「プロット」だけを見せられたような感覚だ。
50分という尺が故に話を広げきれておらず、その癖、キャラと要素は多い。
モテメン甲子園
画像引用元:劇場版アニメ「キミだけにモテたいんだ。」予告編より
(C)2019「キミモテ」製作委員会
一気にモテメン甲子園まで話が進む。
試合?の内容は面白そうなのだが、基本的にはダイジェストだ。
「牛丼」のモテる食べ方を競ったり、「キーボード」のモテる打ち方だったり、
ちゃんと見せてくれれば面白そうなのにちゃんとは見せてくれない。
ただ、正直そこはどうでもいいのだろう。
中盤以降は主人公とヒロインの恋愛事情が中心となる。
主人公はヒロインのことが好きだが、ヒロインは長年使えてくれる執事が好きだ。
そんな三角関係が映画の尺の半分を使ってようやく描かれる。
要素が多すぎる。
ヒロインも執事に告白するのだが断られる。
「立場の違い」などベタではあるが無難な断り文句で断ったかとおもえば、
正直な気持ちも告白する。
「お嬢様は子供っぽすぎて抱きたいと思わないんですよ!」
あまりにもゲスすぎる断り文句に爆笑を禁じえないもののの、
モテメン甲子園も平気で参加者のプライベートを盗撮しまくって、
そのプライベートでの行動を評価したり、
色々と展開のための強引さを強く感じさせる。
この1件でメインキャラがギスギスしたりするものの、
いつのまにか全キャラ、ヒロインを好きになっている。
いつ好きになったのだろうか(苦笑)
結局1番好きになって欲しい人にモテたい
画像引用元:劇場版アニメ「キミだけにモテたいんだ。」予告編より
(C)2019「キミモテ」製作委員会
ただダイジェスト的展開は多いとは言えストーリーは意外とまとまっており、
「きみだけにモテたいんだ」というタイトルにもきちんと繋がる。
逃げていた男が真正面から好きな女に告白する。
執事ではなく、一人の男として告白する彼はまぎれもなく「漢」だ。
他の4人が完全に当て馬ではあるもののストーリーとしては悪くなく、
色々と問題はあるものの、見終わった後はこの作品を楽しんでいたことに
気づいてしまう作品だ。
総評:1クールアレば
画像引用元:劇場版アニメ「キミだけにモテたいんだ。」予告編より
(C)2019「キミモテ」製作委員会
全体的に見てこの作品を構成する要素と基本的なストーリーラインは悪くない。
「モテメン甲子園」という面白い題材、それを目指す残念イケメン達、
モテメン甲子園の種目、モテとはなにか?、お嬢様と執事の恋愛と、
この作品を構成している1つ1つの要素と基本的なストーリーは
面白い部分が多く、その面白さと魅力を感じられる作品でもある。
しかし、52分という尺では明らかに要素もキャラクターも多すぎて、
この作品にある面白さを最大限に活かしきれてないもどかしさを感じてしまう。
ダイジェストで進むシーンもあまりにも多く、
メインキャラは多すぎて使いこなせておらず、作画ものっぺり。
話自体は52分という尺でなんとかまとまっており、そこは評価したいものの
せっかくなら1クールないし、90分くらいの映画でしっかりと
この作品が作られていればもっと面白い作品になったかもしれず、
せっかくいい材料が揃ってるのに短時間で仕上げてしまったがゆえに
材料の良さを最大限に活かしきれていないもどかしさを感じてしまう。
ツッコミどころは多く、作品として余り高い評価は出来ないものの
少なくとも可能性は感じる作品だった。
個人的な感想:嫌いじゃない
画像引用元:劇場版アニメ「キミだけにモテたいんだ。」予告編より
(C)2019「キミモテ」製作委員会
うたプリなどのノリを何処か感じさせる作品であり、
きちんと1クールで作られたら人気が出たかもしれないなーと感じる作品だった。
配信サイトでは一切配信されず、BDorDVDのみという
令和の作品とは思えないほど堅物な流通形態が故に、
円盤を買うかレンタルで見るしかないというのはハードルが高いものの、
もしTSUTAYAで見かけた際はレンタルしてみても面白い作品…かもしれない(笑)
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