評価 ★★☆☆☆(24点) 全12話
あらすじ 本土から離れた南の島「浦島」。この島には風土病の「煤紋病」があり、過去の事件などにより本土とは確執があった引用- Wikipedia
思い込みの激しいヒロインたちに振り回される
原作は2016年に発売されたアドベンチャーゲーム。
いわゆるR18な作品ではなく健全なゲームだ。
監督は川口敬一郎、制作はfeel.
それなんてエロゲ?
引用元:©2015 Frontwing/PROTOTYPE/アニメISLAND製作委員会
冒頭から裸の少女が「壊れちゃうよ」と言うシーン挟み込まれたかと思えば、
主人公と思わしき男は全裸で砂浜に打ち上げられ、
それを登下校中のヒロインが発見するも、コケて股間にダイブする。
原作が本当に「全年齢対象」な作品かどうかを確認したくなるほど、
アダルトゲーム原作っぽいシーンにまみれている。
主人公の設定も、記憶が無いのに未来から来たという認識はあり、
女の子を助け、世界を救うという目的だけは自覚している。
新旧のアダルトゲームをプレイすれば似たような設定が
ドサドサと湧き出てきそうなほどに既視感まみれの設定だ
伏線、伏線、また伏線
引用元:©2015 Frontwing/PROTOTYPE/アニメISLAND製作委員会
序盤は伏線と思わしき展開や非常に多い。
主人公の未来から来た設定や、初めて会ったはずなのに主人公の名前を
知っていて同じく記憶喪失なヒロインなど、
思わせぶりな設定やシーン、用語などが非常に多く描かれる。
唐突な展開と明らかな伏線のシーンがざっくばらんに描かれており、
ごちゃごちゃした感じが強く、慌ただしさとテンポの速さも相まって
頭の中でそれを整理しながら見なければならず、
「原作」をやってる人なら受け入れやすいシーンも多いのかもしれないが、
原作未プレイ組の人にとってはやや混乱しやすい。
おそらくは原作ではもう少し納得の行くストーリーや展開があるのだろう。
だが、アニメではサクサクと進みすぎており、
シリアス設定のはずなのにギャグで片付けたり意味深なシーンの多さもあって
この作品を掴みきれないままになってしまっている。
設定の割には盛り上がらないストーリー
引用元:©2015 Frontwing/PROTOTYPE/アニメISLAND製作委員会
やたら壮大な音楽が流れる中でやたら壮大に見えるストーリーを展開するが、
あくまでも「壮大に見える」だけでしかない。
きれいな背景の作画や壮大な音楽で騙される部分はあるものの、
結局、「今のシーンはなんの意味があったんだ?」と感じるシーンが多い。
ダイジェストで各キャラとの日常描写が描かれるのだが、
正直、キャラクターが可愛い分、メインのストーリーよりも
「そこをしっかり見たい」と感じる部分も多く、
何度も同じ挿入歌を聞かされながら進んだか進んでいないのかよくわからない
ストーリーは盛り上がりに欠ける。
未来から来た、世界を救うなどという刺激的な設定があるにもかかわらず、
序盤は設定の割にはストーリーがこじんまりとしており、
1クールアニメで視聴継続のポイントにもなる「3話」になっても、
中途半端なギャルゲーみたいなラブコメを繰り広げており、
この時点で見るのをやめる人も多かっただろう。
唐突なストーリー展開
引用元:©2015 Frontwing/PROTOTYPE/アニメISLAND製作委員会
アドベンチャーゲームという都合上、壮大なストーリーを
1クールのアニメに押し込めるのには色々と無理がある。
この作品も例に漏れず、色々と改変やカットしている部分もあるのだろう。
そのせいか唐突に感じるストーリー展開があまりにも多い。
とあるヒロインは風土病にかかっており日光の下に出ると死んでしまう、
だがそれは思い込みであっさり解決、
とあるヒロインは母親に会うために島を出たがっている、
親が決めた結婚から逃げ島を出て、母親の現在を知ったかと思えば島に戻る。
とあるヒロインは自分の母親は未来から来た自分と思い込んでいる。
これが原作で言う「個別ルート」なストーリーであることは分かるのだが、
振りの割には色々とあっさり解決してしまうストーリーは拍子抜けであり、
各ヒロインともに色々と勝手な思い込みが非常に多く、
見ている側がその勝手な思い込みに振り回されている感が強く、
「この話は結局、何がしたかったんだ?」と思う話ばかりだ。
何が真実で何が間違ってるのかがわからない
引用元:©2015 Frontwing/PROTOTYPE/アニメISLAND製作委員会
序盤は思い込みの激しいヒロインに振り回されるのだが、
中盤になると伏線の回収に走る。
ただ、「実はこうでした」というネタばらしも唐突で、
感情の起伏の激しいヒロインのせいでどうにもついていけない。
びっくりするほど展開もどんどんと唐突になり、
未来の話やタイムスリップの話もどんどんと描かれるが、
正直「タイムパラドックス」が発生しまくりでSFとして突っ込み所しか無い。
その突っ込み所は本来、原作ではきっちりと説得力のある展開や
丁寧なストーリー描写で気にならないのかもしれない。
しかし、早足で描かれすぎるアニメのストーリー構成では
あらが目立ちまくってしまっており、
最終話まで見ても「ハッピーエンド風」の何かでしかなく、
原作で言えばグッドエンドだがトゥルーエンドではないせいで、
明かされていない伏線や謎が多すぎてもやもやしたものが残りまくりで終わってしまう
総評:振り回されたままの1クールだった
引用元:©2015 Frontwing/PROTOTYPE/アニメISLAND製作委員会
全体的に見てキャラクターの言動や行動に振り回されっぱなしだった。
キャラクターデザインは非常に優秀で、田村ゆかりさんや阿澄佳奈さんなど
ベテランの声優さんによる演技も相まってヒロインは非常に可愛らしい。
だが、多すぎる伏線や思い込みの激しいヒロインたちの言動のせいで
本筋のストーリーの理解が追いつかない。
結局、最終話まで見ても「これはどういうことだったんだ?」という
部分が多々あるうえにある意味で根本的な部分もよくわからない。
序盤から中盤も早足な部分はあったものの、
終盤の話をしっかりと描くためならば、もう少し序盤から中盤の
どうでもいいラブコメ部分やダイジェスト部分を削るべきだっただろう。
結局、滅びかけてる未来の世界の行く末や、
ループしてると思わしき世界の謎などわからないまま終わってしまっており、
3人のヒロインの誰でもないヒロインと結ばれるという最終話は面白いが、
色々ともやもやっとした消化不良な部分が残ってしまう作品だった。
個人的な感想:すっきりしない
引用元:©2015 Frontwing/PROTOTYPE/アニメISLAND製作委員会
見終わった後にいろいろと調べたりしたのだが、それでも
「?」となる部分が多く、そもそもタイムスリップやタイムトラベル、
タイムリープではなく、世界が繰り返される中でコールドスリープをする事で
未来に行けたりするようなのだが、
なら、そもそも世界が繰り返されてるのはなんのかと。
調べれば調べるほどよくわからなくなってくる(苦笑)
ゲームをやればきちんと補完でき、理解できるのかもしれないが、
正直、アニメの1クールでお腹いっぱいになっている感じもあり、
原作のネタバレを見る限りでは原作でも明かされていない部分もあるようだ。
もしかしたらアニメ効果で原作の売上が伸びれば
「ISLAND2」のようなものを制作する予定なのかもしれない。
もう少し丁寧なストーリー構成でヒロインたちの魅力をしっかりと
描写すれば印象は違ったかもしれないが、
個人的には「伽藍堂 紗羅」以外のキャラの記憶は来週には失われてそうだ。
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