評価 ★★★☆☆(50点)
あらすじ 会社員・橘日向は、冴えない容姿とイケメンな幼馴染・神宮寺司のせいで、モテない日々を送っていた。引用- Wikipedia
禁断の異世界ラブコメ
原作はサイコミで連載している漫画作品。
監督は山井紗也香、制作はオー・エル・エム Team Yoshioka
モテない男とモテる幼馴染
主人公はモテない男だ。平均的な男性でありながら、
平均以上である「友人」が隣りにいるせいもあって
主人公が好きになる女性は全て彼に取られていた。
ただ、彼の姿を見ると言いたいことがある。「前髪を切れ」だ(苦笑)
まるでかつてのギャルゲー主人公のごとくあえて目を隠している
髪型はかなり違和感がある。
「後の姿」を強調させるためのあえてのキャラデザなのかもしれないが、
モテるモテないの話が描かれる中で徹底的に描かれない
主人公の目と覆い隠す前髪が気になって仕方ない。
そんな腐れ縁ともいえる2人が唐突に現れた「女神」に
強制的に異世界へと転移させられる。
最近流行りの「なろう系」な展開ではあるものの、
この作品は全て「ギャグ」として描かれており、基本的のノリは軽い。
そんなギャグだからこそ主人公は異世界に来た瞬間に
「自分が思い描いた理想の女の子」になってしまう。
勇者として召喚された彼ら(?)は魔王を倒す宿命を背負ってしまう。
元の姿に戻るためにも、元の世界に戻るためにも、
幼馴染とともに魔王を倒す。
1話の導入として主人公たちの目的とストーリーの目標設定が
きちんとしており、自然な導入だ。
女になったからこそ…
主人公は自らが理想とする女子の姿になっている。
少し小さな身長、金髪で可愛らしい美少女になっている。
ふとした瞬間に彼女を「かわいい」と思ってしまう幼馴染、
ふとした瞬間に幼馴染を「かっこいい」と思ってしまう主人公。
それは愛の女神から受けた呪いのせいなのか、それとも、
お互いが長年一緒にいた幼馴染であり、お互いを友人として好きだったからなのか。
特に幼馴染はモテるがゆえにやや女性嫌悪の傾向がもともとあり、
女性になる前の主人公に対しても友情以上の何かを感じさせる部分がある。
「同性の友達」としての安心感と存在感、
自分でも気づいていないうちに主人公に対して友達以上の何かを感じている。
それゆえに「かわいい」と主人公のことを思ってしまう。
しかし、互いが友達だからこそ、長年の友情があるからこそ、
ふたりとも決して「自身の中に目覚めつつある恋心」を
自覚しないようにしている。
女神にかけられた呪いがゆえに募る好意、
だが、果たしてそれは本当に「呪い」だけのせいなのか(笑)
互いに自分の中にある感情の揺れ動きに戸惑っている。
見ている側も考える。果たしてコレはBLなのかそうなのか。
心は男、体は少女の主人公。
幼馴染は「女体のやわからさ」や「匂い」や美少女な主人公にドキドキさせられてしまう。
しかし、どこか長年連れ添った男性の友達だからこその
自分では気づいていなかった「恋心」を刺激されているような部分もある。
彼らは果たして「お互いが本当に好きになってしまう」前に
魔王を倒せるのか。導入としては悪くない1話だった。
総評:体は女!頭脳は男!その名は…
全体的に見て1話の時点ではくすくすと笑えるギャグアニメになっていた。
最近ありがちな異世界転移ものではあるものの、
そこに「TS」要素と「BL」要素をうまく入れ込み、
その2つの要素をコメディタッチで描くことで
主人公と幼馴染の自身の感情の戸惑いがギャグになっている作品だ。
ただ、あくまで1話の時点での話だ。
はっきりといってしまえば、どこか「出落ち感」のあるネタだ。
いかに見ている側に出落ちであることを感じさせず、
飽きさせずに最後まで描けるのか?という疑問はあり、
似たような展開が繰り返されれば飽きてしまうような雰囲気もある。
原作は今も連載中で6巻出ており、おそらくは物語の終わりまでは
1クールでは描かれないことを考えると、
マンネリ感などが生まれやすい不安はある。
1話30分という構成のアニメよりも15分ないし5分アニメのほうが
本来はこの作品のおもしろさを引き出しやすそうな部分もあり、
この1話の面白さを最後まで保てるかどうかで評価が
大きく変わってきそうな作品だ。
個人的な感想:要素の足し算
1つ1つの要素を見れば他の作品でもある要素だ。
異世界転移、異世界コメディ、TS要素、BL要素。
しかし、この作品はそんなありがちとも言える要素をうまく組み合わせ、
この作品を構成しており、この作品だからこその面白さにしている。
出落ち感やマンネリが生まれそうな不安はあるものの、
この1話の面白さが保たれることを期待したい
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