評価 ★★★☆☆(50点) 全8話
あらすじ 舞ヶ原音楽大学付属舞ヶ原高等学校(通称まいまい)。
才能あるミュージシャンの卵が全国から集まるこの学び舎には、ある噂がある。引用- Wikipedia
ガールズバンドRTA
原作はセガによるアーケードゲーム「チュウニズム」から
生まれたユニットであり、漫画など本作品を含め
メディアミックス展開されている。
監督は田中千駿、制作は暁。
1話3分、全8話のショートアニメとして制作された。
単位が欲しけりゃライブをしろ!
1話始まってそうそう、とんでもない世界観が説明される。
メインキャラクターたちが通っている学校は「音楽学校」だ。
そんな学校だからこそ「ライブ」ですごいパフォーマンスをすれば
「単位」がもらえるというまことしやかな噂が学校には流れている。
涼宮ハルヒの憂鬱、そしてけいおんの流れから
女性キャラクターの「バンド」を描く作品は少なくない。
しかし、最近は「アイドル」アニメが勢いづいてきたせいで
そういったバンドアニメは天使の3P!以来久しぶりと言えるかもしれない。
内容としてはベタだ。
1話3分ほどだからこそサクサクと1話でメンバーが集まり、
集まった彼女たちで「単位」のためにバンドをやる。
ショートアニメだからこそのテンポとわかり易い内容が
どこか心地よく、トントン拍子に物語が進んでいく感じは悪くない。
トントン拍子に歌詞ができ、トントン拍子に曲ができる。
重苦しい展開やシリアスなシーンなど一切なく、
基本的にはコメディタッチに話が進んでいく。
キャラデザ
ただ、キャラデザはどこかで見たことのある感じのキャラが多い。
そのうえ「ビビット」な色合いはあまり目に優しいとは言えず、
あまりキャラクターの作画に影を落とさずに描いているような印象だ。
展開としてもこの手の女の子が出てくる日常アニメの
「ベタ」なシーンが非常に多く、
いい言葉で言うならば「ツボ」を抑えているとも言えるのだが、
女の子同士でオフロに入ったりといった「サービスシーン」も
きっちりとある。
キャラデザのどこかで見た感はあるものの、
作画のクォリティはショートアニメとしてはクォリティも高く、
SDキャラなどでごまかさずに、きちんとした等身で
1話5分ではあるものの彼女たちの日常と
「バンド活動」を真摯に描いている。
自分たちの、自分たちだけの曲を少しずつ形作っていく。
それは彼女たちそのものだ。
1話3分という短い尺でありながら一人ひとりを掘り下げキャラ立ちさせている。
それぞれが「音楽」に挑む姿、「音楽」に挑む理由を描いている。
寄せ集めなバンドでしかなかった彼女たちが
日常の中で、曲作りの中で、練習の中で少しずつ仲良くなっていく。
バンド名とタイトルもきちんと回収する展開もあり、
意外と丁寧に描かれているストーリーは悪くない。
普通のアニメならたった1話分の尺しかないながらも
基本とツボを抑えたストーリーとキャラクター描写は
制作側の妙すら感じさせる。
ただ、バンド活動や練習よりも「お泊り会」ばかりしている印象だ。
全8話中3話、キャラ同士がお泊りしている。
もう、ほぼ女子お泊りアニメである(笑)
本番
トントン拍子にいざ本番のライブを迎える。
メンバーを集め、お泊り会で中を深め、曲を作り、歌詞を作り、
バンド名も決めている。たった24分という尺で濃厚なストーリーだ。
最終話はほぼライブパートだ。
ただこれは個人差はあるかもしれないものの、肝心の曲が微妙だ。
いかにもな曲というわけでもなくキャッチーな感じの曲というわけでもなく、
どこかで聞いたことあるような曲であり、なにかインパクトというものがない。
それぞれのキャラの演奏をきちんと見せ、ライブ自体は盛り上がっているものの、
その盛り上がりに曲が見合っていない感じだ。
そういった欠点は感じるものの、
彼女たちのバンドの始まりと「これから」を感じさせる
全8話のストーリーの流れの綺麗さは素晴らしい作品だった。
総評:単位が無いならライブをすればいいじゃない
全体的に見て全8話24分ほどの尺しか無いものの、
その尺の中でトントン拍子に描かれる青春バンドストーリーは悪くない。
サクサクと進むテンポ、コミカルに描かれる日常と、
それぞれのキャラの音楽への態度や意気込みが描かれつつ、
ライブに向けてストーリーラインがまっすぐと1本の道筋が出来ている。
ただ気になるのはお泊りばかりしている部分だ。
練習シーンのようなものもあまり描かれず、
気づいたら曲ができ、歌詞ができ、ライブをして終わってしまったような印象だ。
メディアミックスの1つであり
「イロドリミドリ」というコンテンツの宣伝ということを考えれば
無難な作品でまとまっている感じはあるものの、
曲の印象はつかなかったものの、作品の印象と
キャラの印象はしっかりと胸に残って終わる。
手堅くストーリーとキャラクターを全8話24分という尺の中で
描ききっている作品だった。
個人的な感想:7人
アニメでは5人のキャラしか出ていないが、
原作では実は「7人」のようだ。
このあとのストーリーで二人のキャラが追加されるようだが、
もしかしたらアニメでもそのストーリーが描かれるかもしれない。
意外と手堅く、ショートアニメという枠の中では
しっかりと作られている作品であり、
タイトルやキービジュアルで敬遠してる人もいるかも知れないが、
24分でサクッと見れる作品だからこそ、ぜひお試しいただきたい。
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レビューありがとうございます、youtubeのコメントで記載されているかもしれませんが、もう二人追加されるキャラのうち、片方のキャラは声優さんが引退されて、当初は代役を立ててそのキャラの出番を続ける予定でしたが、あくまでもそのキャラはその声優さんあってこそという考えがあり(声優さんでリアルライブを行っていたのが大きな理由と思います。)を大切にしたい制作陣の考えから出番が完全にフィードアウトしており、仮に今回のアニメの続きをしたとしても、そのキャラが直接出なくなったいわゆる三期(公式名称では波乱の新入生編)は可能性はあると考えています。ミニアニメではあるものの、ある程度キャラが伝わったのはファンとして嬉しいことです。長文失礼しました。