アクション

目指せ!令和のボーボボ「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rhyme Anima +」レビュー

2.0
ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rhyme Anima + アクション
©『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima製作委員会
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評価 ★★☆☆☆(32点) 全13話

【PV】TVアニメ『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima +|2023年10月放送

あらすじ 時は第二回ディビジョン・ラップバトルの終了直後――…。それぞれのディビジョンで一般市民が突如暴徒化する事件が多発するようになる。引用- Wikipedia

目指せ!令和のボーボボ

本作品はヒプノシスマイクの2期。
監督は小野勝巳、制作はA-1 Picturesと
変更はないものの、キャラクターデザインは変更されている。

止まった時間が動き出す、騒ぎ出す

この作品は女尊男卑な世界観であり、
男たちが戦争をやめず、そんな戦争を止めるために
「ヒプノシスマイク」という催眠効果のあるマイクを使ったことで
争いが亡くなった世界だ。

武器や武力による争いはなくなった一方で、
ヒプノシスマイクによるディビジョンバトルは続いている。
ラップでバトルという要素を「正当化」させるための
設定の面白さとヒプノシスマイクによる具現化の数々が
1期は面白かった作品だ。

2期の1話はそんな続きから描かれている。
いきなり空中浮遊で謎の人物が政府組織に侵入し、
ヒプノシスマイクを使い、とある人物を襲う所から物語が始まる。
街では謎の暴徒が暴れ回っており、
ヒプノシスマイクによる犯行では..?という疑いが上がっている。

ただ気になるのは、
アニメ1期ではディビジョンバトルの1stが描かれていたのだが
2期では2ndをすっ飛ばして、2ndのあとの話になっている。
2ndで一体どんなバトルが合ったのかなどが描かれていない上に、
時系列がすっとんでしまってるのはかなり違和感が生まれている。

キャラ同士の関係性や1期からのキャラと新キャラとの関係性など
アニメだけ見ていると飲み込めない部分も多く、
なぜ原作ではやっていた2ndバトルを
すっ飛ばしてしまったのかは謎でしか無い。

新ディビジョン

2期の1話から新キャラがどばどばと出てくる。
この作品は各地のディビジョンが争ってる現状であり、
1期では池袋、新宿、渋谷、横浜の4ディビジョンだったが、
2期では更に大阪や名古屋といった関西地方のディビジョンが増えている。

そんな新ディビジョンの紹介を兼ねた1話になっており、
やや新規には優しくない。
ヒプノシスマイクをアニメだけではなく原作と言えるドラマCDなどで
親しんでいるファンの方ならば出てくるだけで嬉しい
ファンサービスになっているかもしれないが、
アニメだけの新規層にはやや厳しい追加キャラ数の多さだ。

しかし、1期からのキャラも継続して登場する。
細かく視点を切り替えながら各ディビジョンの現在を映し出しており、
1期から3年の月日はたっているものの、
1期で印象がしっかり残っているキャラも多く、
どこか懐かしさすら感じる。

強盗団

そんな2期の1話でもちろん「ラップバトル」も描かれる(笑)
1期の1話でも出てきたあいつが再登場し、
池袋で立てこもり事件を起こす。
これだけなら普通なのだが、ヒプノシスマイクらしい
ぶっとんだ展開も巻きおこるのがこの作品だ。

なにせ犯人は全身に「違法マイク」をくくりつけている。
普通の作品ならダイナマイトなりを巻き付けているのが普通だが、
この作品の場合は違法マイクだ(笑)
ちなみに1期と同じく違法マイクと通常のヒプノシスマイクとの
違いは一切説明してくれない。

違法マイクがぶっぱなされるといったいどうなるのか分からないが、
犯人は因縁の相手である山田一郎とのバトルを求めている。

「俺のラップの餌食になってもらうぜ!」

そんなことをいうキャラが出てくるのはこの作品くらいだ。
1期の1話ではザコ敵でしかなかったキャラではあるものの、
2期ではなぜかパワーアップしており、
山田一郎たちをあっさりとやっつけてしまう。
特撮のヒーローものなどではありがちな展開だ(笑)

そんなザコ敵に主人公たちも負けていない。
ヒプノシスマイクによる催眠効果によるラップの具象化によって
ダメージを与えるラップバトル、
そんなこの作品の特徴を2期の1話でもしっかり感じさせてくれる。

猫がひっかいたり、冥土といえば冥土に落ちたり、
ブクロに手は出すやつは大怪我と言われれば大怪我をする。
相変わらずノリである。
1機のレビューではコロコロコミックな世界観と私は言っていたが、
改めて見返すと、この作品はボーボボだ(笑)

ボーボボは意味不明に思えるギャグの応酬で、
互いにダメージを蓄積し合うバトルだったが、
この作品も一見意味不明に思えるラップの欧州で
互いにダメージを蓄積し合うバトルになっている。

謎のフードな人物たちが暗躍する2期で、
どんなバトルを見せてくれるのか。
期待感の募る1話だ。

カオス

謎のフードな人物たちが暗躍しているせいで
街の住民が街で暴れ回ってカオスな状況になっている。
そんな街の住民が本作におけるザコ敵だ(笑)
各地で事件が起こり、各ディビジョンがそんな事件を解決する。
序盤はそんなわかりやすい流れが描かれている。

そんなわかりやすい流れとは裏腹にぶっ飛んでいる
キャラクター描写がこの作品の特徴だ。
2話ではヨコハマ・ディビジョンの話が描かれるのだが、
ヨコハマ・ディビジョンの「碧棺 左馬刻」は
自分の組を襲われたせいかやけにイライラしているように見える。

仲間たちは、もしかしたら彼も街の暴漢と同じく
謎の人物に操られてるのでは…?と疑惑の目を迎える。
しかし、実際はただのニコチン切れである(笑)

謎のフードな人物の正体も徐々に明らかになり、
山田一郎との接点も浮かび上がる。
彼らの野望を止めるためにも各ディビジョンが共同戦線を張る、
1期では敵同士だった彼らが共通の敵とたたかうために
共同戦線を組む展開は熱い展開だ。

謎のフードたちが関西地方でライブをしたあとに
暴動が増えたことに気づいた彼らは関西へと赴く。

関西ディビジョン

関西では関西のディビジョンたちも描かれる。
新キャラではあるもののクセの強いキャラが多く、
彼らのラップもそれぞれの特徴がしっかりと出ている。

ナゴヤディビジョンのメンバーの一人は寺の息子だ。
そんな彼のチームだからこそラップでは宗教関連のものが
描かれており、ノリノリなラップとともに描かれる
ラップシーンの印象はばっちりだ。

オオサカ・ディビジョンも詐欺師と教師と漫才師という
異色の組み合わせで大阪らしいど派手なラップと、
ダジャレを含んだラップは独特な印象を感じさせてくれる。

ただ1期は必ずといっていいほど爆発で終わっていたが、
2期ではそんな爆発オチが使われることがほとんどなくなっており、
そこがやや残念なところだ。
序盤は1期からのキャラを描きつつ、
そんなキャラに絡めて2期からの新キャラの掘り下げをしている印象だ。

1期はディビジョンバトルという互いのディビジョンが
戦う理由があり、ディビジョンバトルに対する期待感も合ったが、
2期では謎のフードの男たちである「TBH」の
陰謀を止めることが基本となっており、
中盤から「アンダーグラウンドラップバトル」が開催される。

アンダーグラウンドラップバトル

遊園地のような場所で大量のザコ敵と戦いながら、
時に謎解きをしたりしながら彼らは勝ち抜いていく。
1期ではディビジョンバトルが盛り上がりでも合ったが、
2期でのアンダーグラウンドラップバトルは
盛り上がりに繋がっているとは言えず物足りなさを感じてしまう。

やはり1期からキャラが増えたことも厳しい原因だ。
キャラが多いことで場面転換の多さにも繋がっており、
一人ひとりの登場シーンも少なくなってしまっており、
ラップバトルも面白いのだが、
1期のようなインパクトを感じない。

1期の段階で終盤には出オチ感はあったものの、
世界観の面白さやボーボボを思い返すようなラップバトルの
面白さを1期の段階では飽きずに楽しめていたが、
2期では流石に飽きが来てしまい、
誰か特定のキャラに思い入れがないと楽しみづらい作品になっている。

ディビジョンを超えた夢のコラボラップなどもあるのだが、
そのあたりもキャラクターに愛着を持ってこそ
楽しめる部分だ。
1期からアニメだけ見ている側としては、
いまいち乗り切れない部分がある。

1期では終盤のディビジョンバトルの時に
互いのラップをぶつけ合うバトル形式になっていたが、
2期では一方的にメインキャラのラップが描かれるだけで
敵のラップが殆ど描かれないのも残念なところだ。

もっとも序盤から中盤まで戦うのは基本的にザコ敵のみであり、
ザコ敵だからこそラップがないのは仕方ないのかもしれないが
「忍者ラップ」など気になるラップも合っただけに
一方的なメインキャラのラップだけで終わってしまうのも
残念に感じるポイントだ

序盤はそれぞれのディビジョンのキャラとラップを描き、
中盤はコラボラップを描いている。
あくまでキャラクターソングという名のラップを
ひたすらやっているだけになってしまっている。

DJ

終盤ようやく「TBH」とのラップバトルになる。
雑魚戦ばかりで飽き飽きしていたところで、
ようやくきちんとした敵とのバトルになる展開はわるくなく、
強敵とのラップバトルはようやくヒプノシスマイクらしい
面白さが出てくる印象だ。

ただ強さがイマイチ分かりにくいのもヒプノシスマイクらしさだ(笑)
互いにラップをぶつけ合うものの、そのラップの優劣が
いまいちわかりにくい。
そのあたりは根本にあるボーボボ的なニュアンスだからこそだろう。

互いに攻撃し合いながらヒプノシスマイクによる
催眠によるダメージを蓄積しあい
「うわぁあああ!」と攻撃を受け合うさまは
独特のシュールさがある。

ディストピア

この作品の世界はディストピアな世界だ。
女尊男卑な世界で男性たちは強いられている、
それは過去に男性が戦争行為を起こしていたからではあるものの、
助成による管理世界になったせいで虐げられているものも居る。
今回の敵はそんな犠牲者だ。

だからこそ、この世界を変えようとしている。
そのために各ディビジョンのラッパーのデータを集め
最強のラッパーを作り、一般人を操ることで
世界を変えようとしている。

真面目にレビューしているもののツッコミどころは凄まじい。
最強のラッパーを作り世界を変える、
まさにコロコロコミックなホビーアニメのような感じだ。

終盤には1期のTVアニメオリジナルキャラクターであった
「シークレットエイリアンズ」も再登場し、
自然と盛り上がりが生まれている。
個人的にはキャラの名前は忘れていたので
「太郎丸レックスくん」の名前が呼ばれたときには
思わず笑ってしまった(笑)

序盤から中盤までのラップバトルの際には
ほとんどラップが終わったあとの爆発がなかったのだが、
終盤では爆発しまくりだ。
これだよこれといいたくなるようなラップバトルが
終盤には詰まっている。

ラスボス

ラスボスは強敵感が素晴らしい。
メインキャラのラップに「ハエでもとんだか?」と言い放つ始末で、
「巨大な鬼」をドローンで召喚し、巨大な斧などを
ラップで召喚して攻撃してくる(笑)
わかりやすいラスボス感の演出は素晴らしいものがある。

メインキャラたちがピンチの中で
別の場所で戦っていたメインキャラたちが集まってラスボスを倒す。
この妙にチープとも子供っぽいともいえる展開こそが
ヒプノシスマイクらしい面白さであり、そんなシーンの数々に
終盤はニヤニヤしてしまう。

終わってみればヒプノシスマイクらしい面白さを
しっかりと感じられる作品だった。

総評:爆発が足りない!

全体的に見て最後まで見るとヒプノシスマイクらしい
面白さのある作品なのだが、
序盤から中盤までは色々と問題点も多く、
アニメだけを見てる人だと2ndバトルがすっとばされてしまっていたり、
既存のキャラと新キャラの関係性がすでにあったりと、
ついていきづらい部分も多い。

ラップバトル自体も面白いのだが、
序盤から中盤まではそんなラップバトルもパンチ不足という名の
爆発不足で、キャラ紹介にしかなっていない感じの
エピソードも多く、盛り上がってくるのが終盤というのが
少し遅い印象だ。

ただ終盤はヒプノシスマイクらしいシュールな世界観があり、
ラップバトルには大いに笑わさせてもらったものの、
キャラの多さに作品全体が振り回されており、
細かい部分が気になってしまう作品になってしまっていた。

色々ともったいない感じのする作品だ。
作画も日常パートは普通ではあるものの、
ラップシーンは迫力いっぱいに描かれており悪くない。
だが、ストーリーが全体的に間延びしてしまっていて、
アニメ勢だとついていけない作品になってしまっている。

3期があるかどうかはわからないが、
やはりディビジョンラップバトルが見たいところだ。

個人的な感想:2nd

2ndバトルがすっ飛ばされているのが気になって
Twitterなどでも色々と検索してみたが、
一部のファンの方も「2nd」がアニメで見たかったといっており、
アニメだけ見ている私だけでなく、
ファン側も疑問な部分なのだろう。

なぜアニメで2ndをすっとばしてしまったのか…
そのあたりの事情の方が気になってしまう作品だった

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