評価 ☆☆☆☆☆(7点) 全133分
あらすじ 鋼の二つ名を持つ錬金術師エドワード(エド)と鎧の体の弟アルフォンス(アル)。兄弟は流行り病で亡くなった母親を生き返らせるため、人体錬成という禁忌を侵し、失った肉体を取り戻すため、賢者の石を探して旅をしていた。引用- Wikipedia
実写の錬成失敗
本作品は鋼の錬金術師の実写化作品。
監督は曽利文彦、主演は山田涼介
田舎のヤンキーの子供
映画冒頭、大爆笑させられる。
幼少期のエドとアルが錬金術を作ったものを母に自慢する。
そんなシーンなのだが、幼少期の二人を演ずる子役の
「金髪」の違和感が半端ない(笑)
明らかに日本人の顔をしている子供が無理やり
子供の意志を無視してヤンキーな母親に
頭皮へのダメージという虐待行為で髪を染められたような違和感は凄まじく、
そんな子役の頭の色に夢中になっていると、それを上回るほど
下手くそな演技の母親が倒れる。
演技力のなさなのかは判断しかねるものの、
「倒れる演技」が下手くそというのは初めての経験だ。
役者の演技もひどければ演出も悪い、
もう少しライティングを意識すればまともの見えるシーンでさえ、
「真っ昼間」みたいなライティングでやるせいで、
本来、鋼の錬金術師という作品が醸し出す「ダークファンタジー」の
ダークな部分をまるで出せていない。
幼い兄弟が母親を生き返らせるために禁忌を犯す。
そんなシーンでさえ明るいライティングになってしまっているため、
「禁忌感」がまるで生まれない。
アニメや漫画のシーンをそのまま実写化するような作品も多いが、
そのまま実写化してしまったがゆえに「光源」、
光の演出がまるでできていないお手本のような作品だ。
幼い二人が禁忌を犯すシーンからクソみたいなCGで
タイトルロゴを映し出しても何の意味もない。
演出の悪さ
時系列は現在に戻り、成長したエドの姿が映し出される。
これまた「コスプレ感」全開の姿だ。
しかし、そんなコスプレ全開な姿よりも気になるのがCGだ。
エドが敵の攻撃から逃げるというアクションシーンなのだが、
エドが壁や地面から生えてくる石柱を「よける」
おそらくは「よける」シーンを描きたいのはわかる。
しかし、エドがよけたのではなく、エドの後ろにわざわざ石柱を錬成しているような
違和感が生まれるようなダサすぎるアクションシーンになっている。
そして、そんな攻撃をよけてはいたものの真正面からの石柱にあたってしまう。
このシーンをわざわざ意味もない「スロー」でたっぷりと見せる。
センスのない監督はスローを多様するのはみなさんもよくご存知だと思うが、
この作品はそんなセンスの無さをビンビンに感じる。
安っぽい衣装、センスのない演出の数々、
アクションシーンが多い作品なのにアクションシーンが死んでいる。
しかし、この冒頭のアクションシーンは中盤以降の
アクションシーンに比べればマシなことがわかるのは跡の話だ(苦笑)
導入
鋼の錬金術師は有名な作品だ。
漫画やアニメに興味がある人、20代以上ならば見ている人も多いはずだ。
だからこそなのかもしれないが圧倒的に説明不足だ。
もはやご存知でしょと言わんばかりに細かい説明がない。
エドとアル以外のキャラクターたちも
「ご存知でしょ?あのキャラですよ?」と言わんばかりに説明がなく、
唐突にマスタング大佐が現れたり、唐突に本田翼が現れたりする。
本田翼はウィンリィを演じているのはわかるが、本田翼そのものである(笑)
他のキャラクターたちは原作の髪色に染めていたり、
露骨にウィッグを被っていたりするが、なぜか本田翼だけは金髪ではなく茶髪だ。
そのせいで彼女だけこの作品の世界観から浮いてしまっており、
鋼の錬金術師の世界に迷い込んで記憶喪失になって自分をウィンリィと思いこんでいる本田翼のようにしか見えない。
見せたいシーンを見せる
原作をだいぶ改変して原作の10巻あたりまで強引に勧めてるせいで
サクサクと進めまくるせいでダイジェストみたいになっている。
唐突に出てくる「真理の扉」も唐突すぎて
鋼の錬金術師という作品を知らなければ意味不明でしか無いだろう。
母親の等価交換のシーンも冒頭で子役を使ってやったはずなのに、
序盤の山場として何故か「山田涼介」演ずるエドでもう1度、
回想シーンという形でやる二度手間をしている。
そういった二度手間をしているのに話を詰め込みまくっている。
原作では重要人物である「スカー」がでないため、
そのせいで「マルコー」があっさり死んだりと、
サクサクと強引に話を勧めている。
君のような勘のいいガキは嫌いだよ
この作品でやりたいのはタッカーによる
「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」だろう。
そこを見せたいのはわかる、それゆえにそこをすぎるともうグダグダだ。
エドとアルがどうでもい喧嘩をしたり、
本田翼を出すためにやたらウィンリィを連れ回したり。
ハクロ将軍など原作でも出番が少なく印象の薄いキャラを
無理やり黒幕的な存在にしたり、
タッカーもスカーが出ないため殺されない。
そのためのストーリーを無理やり作り出している。
原作における10巻あたりまでのストーリーを
スカーも出さず、シン国のキャラも出さずに無理やり
2時間20分という尺に収めようとした結果、
作品全体のストーリーが崩壊している。
アルの台詞や出番は削られるどころか、エドの活躍も削られている。
冒頭の戦闘シーン以降、主人公であるはずのエドはろくに戦闘しない。
原作の「有名なシーン」や「台詞」をそこにいたるまでの過程や流れ、
キャラクター描写を無視して無理やりつなげているような印象だ。
終盤ではゾンビ映画のような絵面になる(笑)
CGのクォリティが自慢であることはわかるのだが、
それを見せつけたい!という制作側の自己満足な映像をひたすらに見せられるだけだ。
鋼の錬金術師という作品に対する「愛情」をまるで感じない。
見れば見るほど悲しくなる作品だった。
総評:実写の錬成失敗
全体的に見てひどすぎる作品だ。
コスプレ大会のようなキャラクターたち、ひどすぎる演出や
ライティングの数々、改変して無理やり2時間という映画の尺にまとめた
ストーリーは原作を好きであればあるほど拒絶感しか生まれず、
CGのクォリティ自体はすごいが、それを使うこなすセンスが無いせいで
ギャグみたいな戦闘シーンばっかりになってしまっている。
色々とストーリーに無理が出てきているのを見れば見るほど感じる。
特に「エド」という主人公の活躍シーンのなさは致命的だ。
本田翼のほうが目立ってしまっており、
終盤は戦闘シーンもあるのにエドよりも大佐のほうが目立ちまくっている(苦笑)
結局ストーリー的には俺たちの戦いはこれからだで終わっている。
これだけ改変するなら無理にでも2時間で話をまとめれば
まだ救いようがあったかもしれないが、それすらもない。
2022年には続編で2作品作られることが決定したが…
果たしてどうなることやら…
個人的な感想:びっくりするほど…
噂は聞いていたが予想以上に酷い作品だった。
改変するのは2時間という尺に収めるため仕方ないとは思うが、
もう少しやりようが合ったのでは?と感じるほど
無理やりなストーリー構成になっている。
せめてスカーを出しておけば後はならなかったかもしれない。
2022年の続編にはスカーが出ており、
それならば1作目から出しておけばよかったものの、
どう、ここから話をつなげるのだろうか。
色々な意味で気になってしまう続編だ。
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実写版ジョジョのほうが最悪に近い出来で、それに比べるとハガレンはまだ見れたものになってる印象です。
ジョジョは原作でいうとまぁまぁの話数を詰め込んで、とんでもなく退屈に仕上がっているので…
これから実写作品もレビューしていくのですか?
内容自体は実写デビルマンよりはマシな
感じではある
それとビックリなのがこの作品
完結編やるんだよなw