ロボット

「逆転世界ノ電池少女 第1話 きみと(出来れば)逆転したい!」 レビュー

ロボット
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評価 ★★★★☆(60点)

あらすじ 改元を前にした2019年の日本の上空に突然現れた異次元の裂け目には、天地逆転となった「真国日本」という異世界が存在した。引用- Wikipedia

すべてを逆転せよ!

本作品はTVアニメオリジナル作品
監督は安藤正臣、制作はLerche
なお、本レビューは「1話」のみを見たレビューとなります。

SDサイズ

1話冒頭、こんなテロップが出てくる

「これは令和という時代が訪れなかった日本の話」

そんなテロップとともに燃え盛る街の中を逃げ惑う主人公と、
同時に現れる「3頭身」なSDなサイズのロボットが現れる。
SDなサイズのロボットの作品は珍しい、
最近ではグランベルムなどもあるものの、
あの作品は色々と問題がある作品だった

SDガンダムシリーズや魔神英雄伝ワタルなど、
この頭身のロボットに思い入れのある人も多いと思うが、
最近ではロボットアニメの中でも特に減った部類のロボットデザインだ。

そんなロボットが出てくるアニメ、
ロボットアニメ好きとしては否が応でも期待感を
募らせてくれる作品だ。

主人公

しかも主人公は歌舞伎町で働くホストだ。
数々のロボットアニメの中で「ホスト」は異端中の異端だろう。
どこか社会に対して斜に構えながら、
生きていくために彼は「ホスト」の道を歩んでいる。

日本自体も厳しい状況だ。
「令和」という時代が訪れなかったのにも理由がある。
10年前に起こった天変地変、なぜか排斥されたオタク文化、
漫画、アニメ、アイドル、ゲームといったサブカルチャーは
「検閲」され規制が厳しく規制された日本。
サブカル文化が排斥された世界だ。

そんな世界の中で「反乱分子」が潜む歌舞伎町。
そんな反乱分子と真国日本の戦いに
巻き込まれるというところから物語が始まる。

何も知らない主人公、借金まみれで未来さえ見えない主人公、
そんな彼の前に「コクピット」に
誰も乗っていないロボットが現れる。
このまま終わりたくはない、なにかを変えたい。

そんないかにも「ロボットアニメ」的なロボットアニメの主人公。

ロボット

戦闘シーンのワクワク感は思わずにやにやしてしまう。
主人公が最初に行うのはただの「パンチ」だ。
わざとらしいともいえるほどに鳴る機械音が
ロボットアニメに対する「ロマン」を感じさせる。

この作品は狙っている。
いかにもなロボットアニメ感、メタメタな台詞、
オタク文化が排斥された世界で、
ロボットアニメのような音楽を着メロにしている主人公。

ディストピアともいえる日本に、
「秋葉原」からの使者がやってくる。
オタク的な要素をメタ的に、やや仰々しく誇張し見せることで
ロボットアニメ好きの心に響くポイントを抑えている。

主人公機の目の前に現れる敵機、「忍者」な女の子が
その乗っているロボットは日本刀をかかげ、
「天誅」なんて言葉を発しながらブースターを起動させ
切りかかってくる。

制作側の言いたいことが画面から伝わってくるような感じだ。

「ロボットアニメ好きの皆さん、こういう要素好きですよね?
 こういうシーン好きですよね?こういう展開好きですよね?
 ロボットアニメ.,.好きですよね?」

やや押し付けがましさすら感じる部分はあるものの、
制作側のやりたいことはビンビンに伝わってくる。
彼らは自分の大好きなロボットアニメの要素を詰め込んだのだ。
そしてそれを形にし、作品として見せようとしている。

ロボットアニメ好きなやつらが、
ロボットアニメ好きにまるで自分のコレクションを自慢するように
さぁこれでもかというほどピンポイントに
ロボットオタクな要素を見せ付けてくる。

反乱分子の司令官は主人公にこう問いかける

「私は今、君の中の少年に話かけている
 今こそ内なる魂を開放し、叫び、うなり、轟かせて、
 貴様の欲する力を具現化させるのだ!」

反乱分子のロボットの動力は「魂」で動く。
それは「オタク」としての熱量ともいえるものだ。
漫画やアニメやゲームが好きなものの魂、
その「熱血」がロボットのエネルギーになる。
オタクなパワーが強さに、エネルギーになるロボット。

どこか斜に構える主人公、だが、本当は彼の中に眠っている。
だからこそ彼は叫ぶ、忘れていた自分の中にあった魂を
自らの言葉にして発する。

「潮目を変えようぜ!俺たちで!」

見る側をたぎらせるその言葉とともに剣の名前を叫び、
必殺技を放つ、大げさに、大胆に、だがまっすぐに、
この作品は見せ付けてくる。

ロボットアニメ好きよ、ロボットアニメ好きのための
アニメが始まったぞと。

総評:このいかにも感を味わうのだっ!

1話の段階ではあるものの期待感は強い作品だ。
オタク文化が失われた日本、SDなロボット、
オタクな魂の叫びがエネルギーに変わるという設定、
わくわくさせてくれる戦闘シーン、
熱血なロボットアニメが見れそうな期待感は
ロボットアニメ好きにはたまらない。

その反面でこの「いかにも感」がわざとらしくもある。
いかにもオタクが作ったロボットアニメ好きによる
ロボットアニメ好きに向けた作品であり、
好みが分かれそうな部分は強いものの、
逆に言えばニッチな層に突き刺さる作品になるかもしれない。

TVアニメオリジナル作品なだけに先の展開は
制作側以外には誰にもわからない。
1クールでこの作品がどんなロボットアニメを魅せてくれるのか。
強く、期待したいところだ。

個人的な感想:ロボットアニメ大集合

見ている間に色々なロボットアニメを彷彿とさせる作品だった。
最近の作品というよりは2007年位にやっていそうな
雰囲気すら漂わせる、やや古さを感じる部分はあるものの
このノリや雰囲気は刺さる人には猛烈に刺さるはずだ。

1話の時点で次回への引きとなる謎、
ヒロインたる「電池少女」の登場と
うまく2話を気にならせる所で終わっており、
2話以降もこのノリとクォリティが維持されれば
いい作品になるかもしれない。

2021年秋アニメはロボットアニメも多く放送されているだけに、
この作品もいいロボットアニメになることを期待したい。

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出演声優 山下誠一郎, ファイルーズあい, 鈴木愛奈

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