ファンタジー

ヒモ男街道まっしぐら「不遇職【鑑定士】が実は最強だった」レビュー

2.0
不遇職【鑑定士】が実は最強だった ファンタジー
画像引用元:©茨木野・講談社/不遇職鑑定士が実は最強だった製作委員会
スポンサーリンク

評価 ★★☆☆☆(24点) 全12話

TVアニメ『不遇職【鑑定士】が実は最強だった』第2弾PV│2025年1月9日放送開始

あらすじ なろうサイトで人気の原作!3,300万PVを誇る原作が、小説・漫画・そしてアニメへ!【鑑定】することしかできない最弱職で不遇職の【鑑定士】アイン。 引用- Wikipedia

ヒモ男街道まっしぐら

原作は小説家になろうで連載されていた作品。
監督は大西健太、制作はオクルトノボル

ゴミ

1話冒頭から鬱々としたシーンから始まる。
主人公は自らの命が失われる瞬間に自らの
「ゴミ」のような人生を振り返る後悔する。
もはや説明しなくともタイトルの時点でどうしてそうなったのかが
わかるのが「なろう系」作品の特徴だ。

この作品も類に漏れず「不遇職」である鑑定士な主人公、
この世界では生まれ持った職業とスキルを神様から得られるものの、
変えることはできずレアコモン、ハイクラス、ローコモンと
職業によるランクが存在する。

そんな中でも主人公はローコモンと呼ばれる最低クラスの職業であり、
そのクラスの職業はたいてい「家業」をつぐことで
鍛冶や農業をしていたりする。
しかし、主人公の両親は早くになくなり主人公は家業を継ぐことができず、
冒険者になるしかなかった。

この時点で意味がわからない。
例えばこれで農夫などの職業ならば親から
「土地」を受け継がないとやっていけないというのもわかる、
しかし、彼の場合は鑑定士だ。ちょっと意味がわからない。

そもそもこの世界ではギルドに持っていけば、
無料でアイテムを鑑定士てもらえるらしいのだが、
それならば家業を継ぐ云々は関係なく、
主人公の両親も鑑定士としてやっていけなかったのでは?と感じてしまう。

色々と基礎設定の段階でガバガバ感が目立ち、
主人公が虐げられる立ち位置に追いやるためだけのものだ。
ジョブを恨み、モンスターの死体をあさり、
ゴミ拾いと言われてでも彼は冒険者について回るしか無い。

そんな中で凶悪なモンスターと出会ってしまい、
主人公は仲間に見捨てられ、囮にされてしまう。
モンスターに食い殺されるくらいなら…と彼は
自らの命を投げうつ覚悟をする。

世界樹の木

ダンジョンの中で自ら崖から身をとおじたはずの主人公だが、
落ちたところには「世界樹」という特別で伝説な木が存在する場所で、
そんな世界樹の精霊に助けてもらう。
感謝の言葉を思わず告げる主人公、これがすべてのきっかけだ。

ダンジョンを脱出しようとした主人公ではあるものの、
Sランクのモンスターが存在する場所では叶うわけもなく、
左目を失ってしまう。
やたら血液表現や人体破損描写に気合が入っているものの、
それが「面白さ」には繋がっていない。

主人公を助けてくれた世界樹の精霊と守り手、
世界樹の精霊はお礼を言ってくれた主人公に一目惚れしており、
守り手はそんな気持ちが気に入らないものの、
世界樹の精霊である「ユーリ」の願いもあり、
主人公が脱出できるまでの手助けをしてくれることになる。

本当に都合がいい。
主人公がちょっと感謝したくらいで命を2度も助けてくれる上に、
潰された左目には世界樹の力を宿した「義眼」もいれてもらえて、
修行までしてくれる。

たかが「ありがとう」というだけで高待遇だ。

義眼

埋め込まれた義眼「精霊の眼」はとんでもなく高性能だ。
世界樹の力を宿した義眼は暗闇でも明るく見えるほどで、
更に「精霊の眼」を通した鑑定は通常の鑑定とは違い、
相手の動きですら細かく鑑定できる。
これだけならまだいいのだが、ご都合主義は続く。

倒したモンスターの「アビリティ」、スキルを鑑定すると、
自分のものにできる(苦笑)
はい、もう、いつものやつだ。
某スライムだったり、数々のなろう系主人公がやっている
相手のスキルをゲットできるやつでしかない。

これが鑑定士の隠された能力というのがあるならばともかく、
結局「精霊の眼」があるからこそなせる技であり、
鑑定士という職業自体はゴミであることは変わりがない。
「不遇職鑑定士、実は最強だった」とタイトルにはあるが
最強なのは精霊の眼のほうだ。

一応修行パートがある分、それすらないなろう系とは
違う部分はあるものの、半月ほどでチート並みの力を手に入れている。
それも「ありがとう」という感謝の言葉を告げただけでだ。
精霊の眼がなければ鑑定士がゴミであることは変わりがないままであり、
この手の追放系としての面白みも薄い。

この手の追放系の場合は見下されていた主人公には
実は主人公も気づかない能力があり、追放された後に
気づいて…という展開だが、今作の主人公の場合は
精霊の眼というもらった力で成り上がっているだけだ。

それだけでなく世界樹の精霊であるユーリも
主人公パーティーに加わり、どんな傷でも一瞬で治る
「世界樹の雫」を使いたい放題になる。
ちなみに「無限収納」という名のアイテムボックスも手に入る。

ユーリもただありがとうと言ってくれただけの
主人公に好感度MAXで谷間を露出しながら顔を赤らめて冒険についてくる。
特別な眼に特別な薬に特別な武器までもらって、
賢者の石まで埋め込まれて賢者の知識でサポートしてくれる。

棚からぼた餅どころじゃない、棚から鰻重が落ちてきている。

これがRPGだったらどれほどつまらないだろうか。
レベル上げ作業もすぐにおわり、スキルはどんどん覚えて
ありとあらゆるスキルを使えて、ダメージは受けた瞬間に
世界樹の雫で回復できて、相手の行動も読めて、
ものすごい強い武器を序盤でゲットしている。

クソゲーとはこのことだ。
あっさりとダンジョンを抜け出し、主人公を囮にした
冒険者にもざまぁし、他のダンジョンをクリアしどんどんと強くなり、
王女様を助け一目惚れされる。

トントン拍子に物語が進んでいき、雑にヒロインも増えていく。
特にそういうシーンもなかったのに世界樹の精霊であるユーリは
主人公のお嫁さん宣言をしたりと、
ストーリー展開も雑になっていき、作画も止め絵が目立ち始める。

世界樹

ユーリ以外にも世界樹の精霊はおり、
ユーリの姉妹たる世界樹の精霊を探すために主人公たちは冒険を始める。
当然、世界樹の精霊は皆女性である。
序盤を過ぎた段階で「あー、これハーレム要因が増えていくだけか?」と
邪推してしまうが、そのとおりになる。

世界樹がある隠しダンジョンは高難易度ではあるものの、
強くなりすぎた主人公では特に苦戦することもない。
魔王が生み出したSSランクのモンスターであるベヒーモスも
特に苦戦はしない。

特に面白みの欠片もないどうでもいいストーリーが
中盤は淡々と続いてしまう印象だ。
唯一の利点は主人公自身が自らの力を
「与えられた力」であることを自覚している点だ。

ただそれでもドヤりイキるシーンが有るため、
自覚していようが居まいが対して変わらない。
中盤にかつて主人公と仲間だった冒険者が闇落ちしたり、
世界樹の妖精が闇落ちしてなにか企んでたりするものの、
盛り上がりどころになるわけでもない。

どんどんハーレム要因も増えていくが、
出会って数分で惚れるようなヒロインばかりで
ヒロインとしての魅力もうすすぎる。
出会って数分で好感度MAXで、出会って数分で
ヒロインが抱えてる問題が解決し仲間になる。

ポンポンポンポンヒロインが増えていくがひたすらあさい。
世界樹の精霊を見つける過程もあっさりしており、
近場でポンポンポンポン見つかる。

魔族

この世界には魔族がいて、かつて勇者が封印したおかげで
別の世界にいる、そんな魔族が暗躍しているのはわかるが、
終盤で3話もかけてぽっと出のキャラが魔族に騙されているという
エピソードが描かれる。
なんやかんやあって領主になるという「なろう系」らしい成り上がり要素だ。

明らかに3話もかけて描くエピソードではないが、
そのレベルの話ですらグダグダと描いている。
そういうどうでもいいエピソードに3話もかけたとおもったら、
終盤の2話でポンポンポンポンと世界樹の精霊がでてくる。

そんな世界樹の精霊が5人そろい、
あと二人というところで1クールが終わる。
掘り下げの甘いキャラも多く、ポンポンポンキャラを出しただけという
印象で終わる作品だった。

総評:棚から牡丹餅どころか鰻重落ちてきてる

全体的に見て非常に微妙な作品だ。
作画に関してはそこそこ安定してはいるものの、
序盤はなぜかグロさが際立つシーンが多く、
中盤からはそういったシーンが減り無味無臭な戦闘シーンが続く。

鑑定士という不遇職が実は最強だった。
タイトルではそういってるものの、最強なのは精霊の眼であり
鑑定士という職業ではない。
棚からぼた餅どころか、棚から鰻重が落ちてくるような
主人公にとって都合の良い展開ばかりが起こり、ヒロインが増えていく。

ヒロインが増えると主人公の力も自動的に強くなり、
出会って数分で主人公に好感度MAXなヒロインばかりで、
特に深い掘り下げもなくあさーいキャラ描写ばかりで、
ヒロインたちが顔を真赤にしている。
チョロすぎるヒロインに対してヒモ状態な主人公だ。

ヒモであることは自覚しているようだが、
だからといって面白くなるわけでもなく、
魔族や闇落ちした精霊など色々と要素はあるものの、
1クールではそのあたりの掘り下げもなく、
かなり中途半端なところで終わる作品だ。

色々とツッコミどころも多く、
作品全体のストーリー構成もあまり良くない。
コミカライズで言えば6巻あたりまでやったようで、
1巻あたり2話ほどだったようだ。

ダラダラと描いたかと思えば雑にサクサクと話が進んだりと
メインヒロインを1クールでほぼ全員出したかったのかもしれないが、
そのせいで変なストーリー構成になってしまっている作品だった。

個人的な感想:Abema独占

配信はAbema先行独占ということで放送中はほぼ話題にならなかった。
Abema独占配信は9割くらいがこういう作品ばかりだ。
エンディングテーマが合っていないなと感じていたら、
あの「22/7」だ(苦笑)

久しぶりに名前を聞いて少し調べた所、
22/7のアニメの放送後に大量のメンバーがやめており、
アニメに出ていたメンバーは今や3人しか残っていない。
グループアイドルはそういうものなのかもしれないが、
もはや別物だ。

アニメ本編よりも22/7の今後のほうが気になってしまう作品だった

「不遇職【鑑定士】が実は最強だった」に似てるアニメレビュー

「不遇職【鑑定士】が実は最強だった」は面白い?つまらない?