評価 ★★★☆☆(47点)
あらすじ 女神アリスティアの加護を受けた神騎士ディバインナイトとして巨大な国を打ち立てた英雄王・イングリスは、死の直前、次の人生では武の道を極めたいと強く願う。その願いは女神に届き、未来で騎士の名家の娘として転生する。引用- Wikipedia
わし、かわいい。
原作は小説家になろうで連載されているライトノベル作品。
監督は葛谷直行、制作はスタジオコメット
人生の終わりに
主人公はタイトル通り「英雄王」と呼ばれた人物だ。
国に仕え、国のために、国王として国を発展させていた。
そんな彼の人生が終焉する際に女神が現れ、
彼の人生の功績に報いるためにも「転生」の機会を与えられる。
しかし前世は男だった彼は転生したら「女の子」だったというところから物語が始まる。
この手の転生系で前世、もしくは現実世界では「男」だが
異世界に転生やゲームの世界に入り込んでしまったら「女」だったという
展開はよくあるものだ。
有名所だと幼女戦記や、最近だと賢者の弟子を名乗る賢者など、
TS的な要素も含んでいるのが作品の肝になっている部分もある。
女の子、赤ん坊の姿で転生した彼は
前世での知識を活かしつつ無双の限りを尽くしていく。
作品のコンセンプトとしては非常にわかりやすく、
1話は「なろう」というよりはやや懐かしいラノベテイストを感じるような
丁寧な世界観や設定の説明をしている。
転生の経緯、エーテルの存在、前世にはないルーンという武器や「魔石獣」の存在など
「どういう世界なのか」というのを丁寧に解説することで、
視聴者をわかりやすく、この作品の世界へと導入している。
目からビーム
前世は王として民に使えた彼だからこそ、
現世では武の道を極めたいと思っている。
しかし、そんな彼の前に「魔石獣」が現れるところから物語が動き出す。
主人公は0歳の身でありながら前世の知識と経験から
「エーテル」を操り、目からビームを放てる(笑)
戦闘シーンのアクションもグリグリと動く!という感じではないものの、
変にCGに頼らずに丁寧に描かれたアクションと演出で、
戦闘シーンを盛り上げており、主人公の「チート感」の演出にもつながっている。
作画枚数やクォリティ的にあまり予算は多くなさそうな感じなのだが、
そこをあまり感じさせずにうまくごまかしながら、
作品のクォリティを保っているような印象だ。
魔法
主人公が転生した何十年かのあとの世界では
「魔法」の技術が何故か衰退している。
このあたりの設定もどこかで見た感じがあるものの、
そんな中で「子供」の姿になった主人公が「子供」だからこその
立場を利用し、前世での記憶があるからこその知識を利用し無双する。
この手の作品としてはテンプレート的な見せ方ではあるものの、
いわゆる「不快感」を感じる部分がない。
テンプレートも使い方がよければ「王道」たりえる。
転生、無双、TSと要素として目新しいものはないものの、
テンプレート的な設定をうまく見せ「王道」の面白さを感じさせてくれる。
1話の段階ではぱっと目に見張る要素はないものの、
成長した主人公の姿の可愛らしさや、
この王道が2話以降に煮詰まってくることを期待したい。
総評:テンプレートから王道へ
全体的にみて1話の時点ではそれなりの面白さを感じられる作品だ。
見飽きた部分のあるなろう的な要素の数々は多いものの、
それを「不快感」なく丁寧に見せていき王道の面白さを匂わせつつ、
男性から女の子になってしまった主人公の可愛らしさの片鱗も見せつつ、
ストレートに物語を見せている。
作画のクォリティ自体はあまり高くなく、
予算もあまりないことを感じさせる部分はあるが、
演出などでそれをうまくごまかしており、
安易にCGに頼らずに描かれた戦闘シーンで
主人公のチート感もきっちりと感じさせてくれる。
2話以降、どういう展開になるかわからないが、
このクォリティを保ったまま主人公の可愛らしさを
感じさせる出来栄えになってくれれば、
意外と楽しめる作品になるかもしれない。
個人的な感想:見せ方
なろう的なニュアンスは強いものの、この作品は地味に見せ方がうまい。
よくある要素も丁寧に見せれば王道の面白さを感じさせてくれるという
お手本のような作品になっており、妙な安心感すら感じさせてくれる。
名作という感じではなく、おそらく2話以降も
テンプレート的な王道展開になりそうな雰囲気はあるものの、
このまま1クール描いてくれれば、
地味に楽しめる作品として多くの視聴者に受け入れられそうな作品だ。
不安材料があるとすれば作画崩壊しかねない部分だが
そのあたりが気になるところだ。
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