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「ドールズフロントライン」レビュー

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評価 ☆☆☆☆☆(7点) 全12話

アニメ『ドールズフロントライン』PV 第2弾

あらすじ 2031年に発生した北蘭島事件によるコーラップス・ハザードと2045年に勃発した第三次世界大戦により各国政府の統治能力は低下し、民間軍事企業(PMC)が安全保障を担うようになっていた。引用- Wikipedia

脚本暴発

原作は同名なソーシャルゲーム。
何度かミニアニメ化されているが、きちんとした1クールの
30分尺のアニメとしては本作品が初となる。
監督は上田繁、制作は旭プロダクション

OPはすごいよ

1話冒頭、ナレーションで世界観を説明されるものの
まるで頭に入らない。
もしかして、この作品は2期でどこかで1期を放送してたのか?と
思うほど原作未プレイ組に一切配慮をしていない説明は説明になっておらず、
横文字だらけでまるで頭に入らない。

戦争の中で「見た目は人間と変わらない兵器」が採用されたものの、
終戦後になぜか軍事企業が人類に反旗を翻してしまう、
なぜ軍事企業が反旗を翻したのが調査をシている民間軍事企業AR小隊がおり、
調査と人類へ反旗をふせごうとしているという状況だ。

まるで1期があったかのようにダイジェストで色々なシーンが
描かれ色々なキャラクターが登場するものの、
誰が味方で誰が敵で、そもそも誰が主人公なのかもよくわからないほど
馬鹿みたいにキャラクターを出す。

1話の1分もたたないうちに数えるのも嫌になるほどの(おそらくは15人以上)
キャラクターがろくに自己紹介もなしに出てくる。
世界観もよくわからなければキャラもよくわからないうえに
ストーリーもよくわからない。

さすがは「ピーチボーイリバーサイド」で
時系列シャッフルをかました上田繁監督だ。
視聴者が「理解できるかどうか」をまるで配慮していない。

何らかの作戦を決行していることは分かるものの、
その作戦に何の目的が有るのか、何がしたいのか。
そもそもろくにキャラの紹介もしてくれないため、
名前すらわからないキャラがドンパチしても何の感情もわかず、
ただただシーンが流れていくだけだ。

OPのクォリティだけはやたら高いものの、
OPと本編の作画のクォリティの差がえげつなく、
OPの絵で本編が見たいと思ってしまうほどだ。

戦術人形

そもそも、戦術人形がなにかというのがわからない。
彼女たちはあくまで「兵器」のはずなのだが、
兵器にしては感情豊かすぎる感情を持ち得ている。
はやして彼女たちはロボットなのか、それとも人間なのか。それすらもよくわからない。

メインキャラ以外のモブ敵キャラはレオタードのよう格好で
主人公たちに襲いかかってくるものの、特に敵としての魅力もなければ面白みもない。
戦闘シーン自体も銃をパスンパスン撃ってるだけだ。
銃声がキャラによって違うのはこだわりなのかもしれないが、
それ以外のアニメーションとしての戦闘シーンの面白さはない。

「M4A1」というのが指揮官として未熟ながらも
舞台に指揮しながら作戦を遂行しているのは分かるものの、
キャラの多さ、説明不足な世界観のせいでストーリーに付いていくのがやっとだ。

1話から戦闘シーン以外でも無駄に風景を見せたり、止め絵の多さも目立ち、走りなど、
似たようなアニメーションを繰り返すようなシーンも多い。
棒立ちのモブ敵をモブ味方が倒したりするだけの戦闘シーンの中で
モブ味方がやられたりもするものの、特に何の思入れもないため
死んでようが生きてようが何の感情も抱けない。

何の盛り上がりもなく、何の面白さもない。
ストーリーにしても、キャラ描写にしても、戦闘シーンにしても、
1話の時点でこの作品の「面白さ」が1mmも感じられない。

一応、主人公たちは多すぎる敵になんとか対処しているものの、
数の差ゆえに苦戦を強いられているのは分かる。
そんな中で主人公は信頼できる「指揮官」を見つけるため、
支援を求めるためにも本部へ、仲間を置いて1人おもむことになる。
だが、そもそもなんで最初から指揮官がいないのかすらもよくわからない。

彼女たちは単独行動でもしていたのだろうか?

指揮官

本来は原作ではプレイヤーとなるのが「指揮官」だ。
ソシャゲ原作アニメの中には主人公の存在そのものを消したり、
存在が薄い作品も多いが、この作品の指揮官の存在感はかなり強い、
しかも「女性」だ。
2話ではそんな彼女の視点で物語が描かれる。

一応、彼女は優秀な指揮官らしく、一人ひとりと対面しながら
一人ひとりの戦い方や性格を把握していく。
2話以降もドバドバドバドバ、壊れた水道のごとくキャラが出てくるがろくに印象はつかない。

原因は名前の覚えにくさも有る。
基本的に彼女たちは「銃の名前」で呼ばれており、
MP-5やFNCなどM4A1などアルファベットで呼ばれるのもあって、
誰がMP-5で誰がFNCなのか頭に入ってこない。

2話以降もろくに自己紹介もせず、名前がテロップで出るわけでもなく、
「指揮官」が彼女たちを呼ぶことで彼女たちがようやく
そういう名前なんだということはその時は理解できるものの、
そのときだけで頭には入ってこない。
演じている声優さんの名前で覚えていたほうがよっぽど記憶に残る。

そもそも彼女たちは「人形」であり、記憶のバックアップがある。
つまりいくら死のうがボコボコにされようが、身体と魂といえる記憶は別物だ。
敵も味方も「人形」であり、人間は少ない。
ただ、見た目だけでは人形なのか人間なのかの判断がつかない。

2話になっても棒立ちパスパス戦闘は変わらず、
棒立ちのモブ敵をメインキャラが撃ちまくり、
ザコ敵を倒すと敵側のメインキャラが出てきて戦闘になる。
どこの戦隊ヒーロー物なんだと言いたくなるほど
テンプレート的なストーリー展開は何の面白みもない。

大量のキャラを捌くためには都合のいい展開なのかもしれないが、
ろくにストーリーも進まず、ろくにキャラの掘り下げも行われず、
ただただ敵も味方も毎話のように新キャラが出てきて
パスパス銃を撃ちながら似たような戦闘をして、終わりだ。
結局、敵を倒したところで敵も味方の人形と同じく
記憶のバックアップデータが有るため意味がない。

本当に戦闘シーンがワンパターンだ。
大量のモブ敵が大量の銃弾を放ち、大量の味方が大量の銃弾を放つ。
メインキャラが時折単独行動をして活躍するシーンは有るものの、
「銃弾の雨」の中を通っても一発も弾が当たららない違和感は凄まじい。

「指揮官」はやたらめったら人形な彼女たちに感情移入するものの、
別に記憶のバックアップがあるのだから、
壊れようが何をしようが人間的な「死」とは違うはずなのだが、
やたらめったら感情移入するせいで、いまいち「指揮官」にも感情移入できない。

指揮官が直接指示している部隊と、「M4A1」が所属している部隊が違い、
その2つの部隊がそれぞれの目的でそれぞれ動いているため、
物語の主軸もぶれている。どっちが主人公なのかわからない感じだ。

敵も敵で「ハイエンド」という強い兵器のはずなのだが、
確かに戦闘能力は単機で無双しそうなほど強いものの、
頭が悪いせいで毎回毎回、主人公たちの作戦にハマり負ける。

徐々に離れ離れになった仲間が集っていることは分かるものの、
なぜ敵が人類に半気鋭を翻したのか、
なぜ敵は「M4A1」を求めてるのかなど、
革新的な部分はよくわからないまま、物語は中盤を迎える

意味がわからない

6話では唐突に現れた新キャラが襲ってくる。
なぜ彼女が襲ってくるのか、どういう目的なのか意味不明でしか無い。
新キャラである「HK416」は邪魔をするものは仲間であろうと
先制攻撃してもいいらしいのだが、M16となにやら因縁が有ることは分かる。

しかし、見ている側にはその因縁がなんなのか、どうして戦ってるのかまるでわからない。
脚本として破綻している。
あまりにも唐突な展開すぎて原作をやっていなければ
ついていけない部分があまりにも多い。

作品全体としてこの傾向が強く、なんとなく分かる部分はあるものの
きちんと説明される部分があまりにも説明されないため、
唐突な展開ばかりが続いてしまい話についていけない。
監督の頭の中では話がつながっているのかもしれないが、
見ている側としては話のつながりが希薄だ。

指揮官、M4A1、何かを企んでいるキャラ、A15、サブキャラと
色々な視点で描かられるため場面転換も多く、
場面が切り替わる度に話についていけなくなる。
結局、この6話でなぜHK416がM16を攻撃したのかは
1クールでは明かされない。

一体何だったのかと思ってしまう要素があまりにも多く、
キャクターも設定も詰め込みすぎている割にはストーリーが
進んでいるのかどうかすらわからない。
「消された指揮官」の記憶など色々と気になる部分はあるものの、
結局、最後まで何もわからない。

戦闘シーンは多いものの、そこに見応えはないのに長いせいで
戦闘シーンが始まる度に戦闘が早く終わらないかなと思ってしまう始末だ。

AR15

終盤でようやく話が盛り上がってくる。
序盤から怪しげな行動が多かった「AR15」、
基地も襲撃され、なぜか敵のシステムに介入できた彼女が
「内通者」として疑われる。彼女の目的は何なのか。

同時に人間側も怪しい行動をしている。
司令官の行動、戦術人形はどうして感情を持っているのか。
色々と話自体は気になってくるものの、
11話になっても新キャラがばかすか出てくる。

ほとんどのキャラの名前などおぼえていないのに
終盤になっても新キャラが出てこられても混乱するだけだ。
ぽっと出の敵、ぽっと出のキャラばかりで
メインストーリーの進行を邪魔するキャラばかりだ。

回想

終盤になると「AR15」や「M4A1」の回想シーンがやたらめったら挟まれる。
それ自体は別にいいものの、場面転換が唐突すぎて
それが回想シーンの過去の時系列の出来事なのか、
それとも今の出来事なのかが強烈に分かりづらい。

その中で物語の謎が明らかになるならまだしも、明らかにはならない。
「M4A1」とはなんなのか、敵がなぜ狙っているのか。
匂わせるだけ匂わせて結局意味不明だ。
鉄血という軍事企業もどうしてこんなことをしているのかわからない。
結局、何も解決しない。

「M4A1」と「AR15」の友情物語であることは分かるものの、
1クール見ても特に彼女たちに感情移入も思い入れもなく、
よくわからないままに物語は中途半端なところで終わってしまう。

結局、「M4A1」とはなんだったのだろうか…

総評:OPだけ神アニメ、中身は…

全体的にみてソシャゲ原作アニメ特有の欠点がもりだくさんな作品だ。
大量のキャラをさばききれず、長いストーリーを1クールで
うまくまとめることも区切りをつけることも出来ておらず、
原作未プレイの人にはほとんど何もわからない作品になってしまっている。

作画に関してもたまにいい部分は有るのだが、クォリティは低く、
特に戦闘シーンは棒立ちで銃を撃つだけの似たような戦闘シーンばかりで、
ボス的な立ち位置の敵が出てきても特に面白くなるわけでもない。
ただただ敵がバカで主人公たちの作戦にハマっているだけだ。
アニメーション的な面白みは皆無だ。

続きが気になる方は原作へという感じのストーリー構成にしたいのは分かるが、
そもそも続きが気になるほどアニメではこの作品にまるで興味が持てず、
ほとんどのキャラの印象も残っていない。

OP映像だけはものすごくできが良いのだが、
そんなOP映像に対して本編の出来はひどく、
アニメーションだけでなくストーリーも唐突な展開があまりにも多く、
原作のゲームの「イベント」だけを繋いだような作品になってしまっている。

最後は爆発オチみたいになってしまっており、
いろいろな要素や設定、キャラ、ストーリーを詰め込むだけ詰め込んで
暴発したような作品だった。

個人的な感想:ミニアニメ…

1話5分ほどのミニアニメのほうはギャグアニメになっており、
特に「癒やし編」は非常に完成度が高く、
原作を知らなくても私は楽しめた作品だった。

それだけに本編のアニメ化がこんな出来栄えになってしまっているのが
残念で仕方ない。
2期があれば色々と解決していない問題も解決するのかもしれないが…

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出演声優 戸松遥, 山根希美, 加藤英美里

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  1. S09地区指揮官 より:

    自分は原作ゲームを最新章までプレイしている指揮官です
    敗因を挙げるなら
    ・製作会社と監督がダメだった事
    ・コミカライズをほぼそのままアニメにしてしまった事
    この2点です
    既存プレイヤーの中では無かった事にされつつあるアニメです(黒歴史確定)
    個人的には、2度と日本でアニメ化しないで欲しい(怒)
    ただ、ゲーム本編のストーリーは良い物ですので是非プレイして欲しいですね

    余談なんですが
    第1話なんですが、あれ本編だと第4章クリア後に開放されるストーリーなんですよ
    なので、初見は確実に置いてかれます
    実際、1話切りが多発しました

  2. 12345 7890 より:

    癒やし編で大福みたいな彼女たちがわちゃわちゃ動くさまはかわいらしくて好き