評価 ★★★★☆(65点) 全82分
あらすじ 父親が残してくれたデジヴァイスを作動させたことでデジタルモンスターが見えるようになった主人公の天ノ河宙が、ガンマモンとの出会いによって、様々な怪奇現象に巻き込まれていくさまを描く引用- Wikipedia
これは君たちのデジモンだ!
本作品はTVアニメオリジナル作品。
デジモンとして9作品目となるTVシリーズとなる。
なお、本レビューは「1話」のみを見たレビューとなります。
久しぶり
最近のデジモンはデジモンアドベンチャー、
いわゆる初代デジモンの続編やリメイクばかりであり、
多くの人はややうんざり気味ではなかっただろうか。
2020年からやっていたデジモンアドベンチャー:も
初代デジモンアドベンチャーの純粋なリメイクならともかく
そうではなく、私は見る気すらおこらなかった。
いつまでデジモンアドベンチャーをこすり続けるのか。
このままでは「デジモン」というブランドは
終わってしまうのではないか。
そんなことすら危惧していた。
そんな中で完全新作のデジモンシリーズが作られた。
世代によって思い入れのある作品は違うかもしれないが、
「日曜の朝のアニメ」といえばデジモンを上げる人は多いはずだ。
多くの人の心の中に残るデジモン、そんなデジモンが
新しいシリーズで今の子供達の心にも残る作品をみせてほしい。
始まる前から此の作品に対しては期待感しかなかった。
更にキャスト。
デジモンシリーズは基本的に4クール以上ある長期アニメだ。
以前はキャストに「新垣結衣」さんが起用されたりと
よくわからないこともあったものの、しっかりと
実力のあるキャストが起用されることも多い。
今作のキャストを見た時に驚いた人が多かったのではないだろうか。
3人の人間のメインキャラを演ずるのは
田村睦心、小林ゆう、石田彰である(笑)
田村睦心さんはその声から少年役を演ずることも多く
納得の配役だ。
だが、同じく小林ゆうさんも少年役を演ずることが多いものの
ヒロインで小林さんが起用されている。
これはちょっと予想外だ。
そして「石田彰」さんだ。
最近では鬼滅の刃で更に人気の拍車がかかった感じがあり、
お忙しいはずだ。そんなお忙しいはずの石田彰さんが
子供向けともいえる4クール以上はあるアニメの
メインキャラの一人に選ばれている。
このキャストを見ただけで思わず少し笑ってしまうのに、
更にパートナーデジモンの配役だ。
沢城みゆき、中井和哉、嶋村侑である。
ガンダムの新規シリーズのキャストですと
言われたほうが納得できるほど
ベテラン人ばかりが起用されている。
キャストの時点で制作側の「本気」が伺える。
子供向けアニメだからと新人声優を起用するのではない。
子供向けアニメ化だからこそ本気で
大人をも感動させる演技のできるベテラン陣を起用している。
コレは面白いデジモンが始まるに違いない。
子供よりも、デジモンアドベンチャーシリーズで
こすり倒れた大人の方が思わず期待してしまう。
ゴースト
この作品の舞台は少しだけ未来の世界だ。
ホログラムも当たり前のように町中で使われ、
学校では基本的にタブレットで授業を受けている。
そんな科学的技術が進歩した少しだけ未来の世界の中に生まれる
「ゴースト」の噂。
テイストを序盤からみせている。
アニメにおいてホラーアニメというのは少ない。
アニメとホラーというのが相性が悪いというのもあるが、
かつては「学校の怪談」や「地獄先生ぬーべー」といった作品も
子供の時に楽しんだ人も多いはずだ。
そんな「ホラー」を「デジモン」というデジタルな世界観に落とし込んでいる。
子供と大人の間で聞こえてくる噂、
アラームが聞こえ「時間」を奪うゴーストという名のデジモンの存在。
冒頭から「時間を奪われ」老化してしまった少女を
ストレートに描いている
容赦なくホラーだ(笑)
大人でも「え、この時間帯のアニメでここまでのホラーをやるの?」と
驚くほどに大胆にホラー要素を恐怖心を煽る演出で見せている。
時間を奪うゴースト、口縫い男の噂。
ホログラムゴーストという名の怪奇現象は事実なのか。
そんな噂が世間を騒がす中で主人公である天ノ河 宙の父親が
いきなり姿を消してしまう。
同時に主人公の前に現れる「ゴースト」。
唐突になるアラームとささやくような声
「今何時…?」
パートナーデジモン
主人公の前に現れるパートナーデジモンであるガンマモン。
沢城みゆきさん演じるデジモンは非常に可愛らしく無邪気だ。
父の残したデジヴァイス、現れるゴーストという名のデジモン。
それは「デジタルワールド」からの現実への介入だ。
父はなぜ失踪したのか、
デジモンたちはどうしてリアルワールドへの介入しているのか。
父はなぜ自らの子供である主人公にデジヴァイスヲタクしたのか。
1話で色々な謎をえがいており、それが2話以降への
ストーリーの引きにもなっている。
何もわからぬまま「ゴースト」と戦う宿命を背負った主人公。
パートナーデジモンだけではかなわない。
彼が「戦う意思」をしめし、ともに歩まねば敵わない。
デジモンとパートナー。
「兄と弟」といえるような二人が協力し敵を倒す。
ベタだが王道なデジモンの始まり。
私達が子供の頃、デジモンを楽しんだように
子どもたちもこの作品を、デジモンを楽しめるに違いない。
そう思えるほどの期待感を感じさせてくれる1話だった。
総評:ホラーテイストなデジモン!?
1話の段階では期待感しかない作品だ。
デジモンシリーズの中で異色とも言える「怪奇要素」を入れており、
口縫い男=口裂け女などの都市伝説やホラー要素を
デジモンに絡めることでホラーテイストを醸し出しつつ、
「デジタルワールド」からのリアルワールドへの介入という
デジモンらしさと、デジモンの可愛らしさや魅力を
1話からしっかりと感じることができる。
4クール以上を想定した作品だからこそ1話でしっかりと
世界観を見せ、主人公を見せ、パートナーデジモンを見せている。
ホラー要素という異色さはあるものの、
王道な子供向けアニメとしてどっしりと構えた1話だ。
子供向けではあるものの子供だましではない。
ホラー要素のえがき方は大人でも思わず唸るほど、
きちんと「怖さ」を感じる演出をごまかさずに描いており、
ベテラン声優の起用にくわえ、制作側の本気を感じる作品だ。
30年前の大人に向けたデジモンアドベンチャーシリーズではない、
今の子供達に向けたデジモン。
あの頃、子供だった私達が自分の子供と一緒にデジモンを楽しめる。
そんな作品に仕上げている印象だ。
個人的な感想:石田彰
キャストが発表されたときから、いったいどういうことなんだ!と
叫びたくなるキャストだったが、石田彰さん演じるキャラクターの
性格も素晴らしく、我々大人としては
「いつか裏切るんじゃないか?」と邪推してしまう(笑)
ホラーの演出が思ったよりも過激であり、
そういった意味ではあまり小さなお子様が見ると、
下手したら怖い夢を見てしまいそうな作品ではあるものの、
「子供向けだから」と逃げた演出にせずに、
怖さという印象を子どもたちにあえて残そうとしている
制作陣の気持ちも称賛したい。
2話以降、どんなストーリーをみせてくれるのかはわからないが
強く期待したい作品だ。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください