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バーチャルさんの悪夢再び「でんでんの電脳電車」レビュー

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評価 ☆☆☆☆☆(3点) 全12話

第1話「ポケベル」|TVアニメ『でんでんの電脳電車』予告

あらすじ バーチャルYouTuber(VTuber)やバーチャルシンガー(Vsinger)が本人役として出演する引用- Wikipedia

バーチャルさんの悪夢再び

本作品はTVアニメオリジナル作品。
7分枠の短編アニメとして制作されたVTuber及びVsingerのアニメだ。
監督は松田圭太、制作はSTUDIO HUIT

ポケベル

1話冒頭、何の説明もなしに5人のメインキャラクターが電車に乗っている。
彼らの名前すら紹介されず、誰もキャラの名前を呼ばない。
なで彼らが電車に乗っているのか、そんな基本的な説明もなく、
5人のメインキャラクターが電車に乗っていると
キャラクターの一人がもっている「ポケベル」がなる。

ポケベルは20年前以上に流行ったものだ。
携帯電話が一般化させるまえに流行ったもので、
そんなものをメインキャラクターの殆どが知らない。

そんなポケベルをなぜか電車の中のモニターに映し出される
解説のお姉さんが「ポケベル」とはどんなものかという説明をする。
そこから5人のメインキャラクターがポケベルについて話し出すという流れだ。

何の笑いもない。
そもそも5人のメインキャラクターがどんなキャラなのか、
名前すらわからないキャラがクスリともしない会話を繰り広げている。

5人のメインキャラクターのうち4人は電車に乗っているのだが、
一人はモニターの中にしか存在しない。
なぜ彼女だけモニターの中にいるのか、そんな説明すら無い。

彼女たちはVTuber及びVsingerとして活躍しているらしく、
そんな彼女たちのファンならば、すでにどんなキャラクターで
どんな性格でどんな名前なのか知っているかもしれないが、
地上波でたまたま見た人たちにとっては知らぬ存ぜぬだ。

完全にファン向けに仕上げていることが1話の1分ほど見れば
理解できてしまうほど、強烈な内輪向けでできている。

フルCG

この作品はフルCGでできている、
彼らが普段使っている3Dモデルをそのまま使っているのだろう、
5人のキャラクターデザインに統一感もなく、質感もかなり違う。
そのせいかキャラクターによっては「表情」がかなり固く、
ピンボケしているように見えるキャラも居る。

かつての伝説的VTuberアニメである
「バーチャルさんは見ている」のほうが、
まだキャラクターデザインに統一感があった。

しかし、この作品はVTuberたちが普段使っている3Dモデルを
そのまま流用してしまっているために、
一人ひとりのクォリティとデザインがばらばらになってしまっており、
そのせいで複数のキャラが同時に画面に映ると
強烈な違和感を産んでいる。

このアニメのためにフル3DCGモデルを用意する予算がないのはわかるが、
もう少しなんとならなかったのかと感じてしまう点だ。

知名度

メインキャラクター以外の毎回の解説役ともいえる
「モニター」の中に出てくるVTuberは
オーディションに選ばれたものらしく、
彼女たちは3Dモデルすらないので、Live2dで参加しているようだ。

ただでさえ、そこまで知名度が
そこまでないVTuberやVsingerがメインキャラとして出ているのに、
モニターの中に出てくるのは更に無名のVTuberだ。
もはや意味がわからない。

メインキャラの一人である「獅子神レオナ」は登録者が30万人いて、
私も名前は聞いたことが有るくらいだったが、
他のメインキャラ4人は私は聞いたことも見たこともない。
登録者自体も4万人や5万人、下手したら1万人だ。
もう少し知名度の有るVTuberを出すことはできなかったのだろうか…

「バーチャルさんは見ている」では、
あの当時は人気のVTuberが多く出演しており、
そんな彼女たちがそれぞれのチャンネルの枠を超えてコント番組のようなものをやる
という部分に関して言えば斬新な作品ではあった。
もっとも、あの作品もアイキャッチ代わりに
知名度のないVTuberがでてくることもあったが…

この作品はそもそも知名度のないVTuberとVsingerだ。
バーチャルさんは見ているですらしていた自己紹介すら彼らはせず、
ただひたすら、毎話、心底どうでもいい会話をしている。
キャラ同士が名前で呼び合うことも少ないないため、
最後までなんという名前なのかわからないキャラも居る。

しかも、1話5分ほどのアニメということもあるが、
話によっては出ないメインキャラもいる。
似たようなデザインのキャラも居るため、出ていても出ていなくても
別に関係ないといえば関係ないが、明らかにキャラクターの出演頻度の違いもあり、
この格差はチャンネル登録者の多さによるものなのか?など邪推してしまう。

大喜利

例えば2話では「料理のさしすせそ」で大喜利を始める流れになる。
するとメインキャラの一人がこんな事を言う

「さ 最強袋麺の
 し 塩ラーメンに
 す すりごま入れると
 せ 背中から毛が生えるほど美味しいけど
 そ そのままでも美味しい」

これのどこが面白いのだろうか。
ひたすら「心」を殺されるような1話1話の内容は「無」でしかない。
バーチャルさんは見ているのほうがよっぽど
1つのアニメとして成立しようとしている努力が垣間見えた。

この作品はそんな努力すら垣間見えない。
ただひたすら、素人が描いたようなコント台本を
知名度のないVTuberが頑張ってやっているだけだ。
各話でテーマを決めて色々やってはいるものの、
感覚的には地方大学の落研の学園祭でのコントを見ているような感じだ。

笑えるのは愛想笑いできる知り合いだけであり、
知り合いですらない人はクスリともしない。
最初から最後まで特に変化もなく、最後は和製英語ネタで終わりだ。
1話から最終話まで1度も表情筋が動かない作品だった。

総評:バーチャルさんの悪夢

全体的に見てかなりの内輪ノリな作品だ。
VTuberがYouTube上でミニアニメのようなものを手掛けていることも有るが、
完全にそれと同じであり、それ以上でもそれ以下でもない。
1話1話の脚本のクォリティもかなり悪く、
オチのない投げっぱなしな回も非常に多い。

もう少し知名度の有るVTuberならファンが楽しめるコンテンツとして
受け入れることもできるが、5人中4人は登録者が1万人~5万人であり、
1番有名な人でも30万という、なんとも微妙な知名度だ。
これでYouTube上で配信されるだけならともかく
地上波の電波を使って流すようなものではない。

ろくに自己紹介もせず、名前を呼び合うこともなく、
彼らのキャラクター性も定まらない中で、
高校生の昼休みレベルの日常会話を繰り広げている。

それぞれの3Dモデリングを持ち寄ってるせいでデザインの統一性もなく、
ただでさえ知名度のないVTuberがでてるのに、
ゲストとして更に無名なVTuberまで出てる始末で、
もう見る地獄のような作品だ。

5人のうちの誰かのファンならば楽しめるのかもしれない。
だが、キャラクターの出番や扱いにもかなりの差があり、
ファンでも物足りなさを感じる作品かもしれない。

キズナアイの例のアニメといい、バーチャルさんは見ているといい、
この作品といい、VTuber自体をアニメ化するのは色々と難しいのかもしれない。

個人的な感想:悪夢再び

バーチャルさんは見ているもかなり厳しい作品だったが、
あの作品と違い1話5分ほどしか無いのが唯一の救いだ。
これで30分枠のアニメだったら、私はいよいよもって
悟りを開くことができるかもしれない。

それほど見ている間「無」になれる作品であり、
瞑想が趣味な方はおともに最適な作品かもしれない。

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