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これぞ3文字作画アニメ「THE NEW GATE」レビュー

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THE NEW GATE ファンタジー
画像引用元:©風波しのぎ・アルファポリス/THE NEW GATE製作委員会
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評価 ☆☆☆☆☆(5点) 全12話

TVアニメ『THE NEW GATE』第2弾PV|2024年4月13日(土)放送開始

あらすじ オンラインゲーム「THE NEW GATE」多くのプレイヤーで賑わいを見せていた仮想空間は突如姿を変え、人々をゲームの世界に閉じ込め、苦しめていた。引用- Wikipedia

これぞ3文字作画アニメ

原作は小説家になろうで連載されていた作品。
監督は中津環、制作は横浜アニメーションラボ、クラウドハーツ

デスゲーム

この作品の世界観は非常にわかりやすい。
ソードアート・オンラインのようにゲームの中に閉じ込められて
デスゲームとかした世界だ、しかし、この作品の面白いところは
その世界で物語が描かれるわけではない。ある種のエピローグだ。

主人公はデスゲームとかしたゲームをクリアし、
多くのプレイヤーがログアウトする。
しかし、主人公だけは謎の光に包まれてログアウトできず、
500年後のゲームの世界に飛ばされるというところから物語が始まる。

ソードアート・オンラインを意識しているのはわかるものの、
それとはまた違った趣のある作品だ。
どちらかといえば「オーバーロード」を意識している部分もあるのだろう、
ソードアート・オンラインのような世界でオーバーロードのような
展開という参考にした作品は非常にわかりやすい作品だ。

なぜ500年後の異世界に飛ばされたのか、
意思を持ったNPCとふれあいながら彼は世界の謎に迫りつつ、
自分と同じく異世界に転送された「死んだ」プレイヤーと
再会したりする。

ストーリー自体は決して悪くはないものの、
そもそも異世界に転移する前のオンラインゲームが
なぜデスゲームと化してしまったのかなどの説明はない。
そのあたりの気になる部分はあるものの、
この作品は1話から終わっている。

作画崩壊

1話からもうとんでもなく作画が崩壊している。
特に主人公の顔はカットがかかるたびに変化し、
首の太さもシーンによってちょこちょこと変わりつつ、
顔のパーツのバランスも壊滅的だ。

そんな作画のクォリティだからこそ、露骨に作画枚数を減らしている。
例えばヒロインの一人が魔物に襲われるシーンが有る、
そんなシーンですら「暗転」でごまかす(苦笑)

本来はコミカライズや原作ではある部分の戦闘シーンですら
露骨にカットしている部分も多いようで、
そのせいで無駄にストーリーのテンポが早い。

500年後のゲームの世界は「栄華の落日」と呼ばれる日を境に
多くの住人が消失している事件がおきた世界だ。
ゲームと同じ世界、同じNPCがいる世界ではあるものの、
ゲームとは違ってNPCは自らの意思を持っている。

この世界は一体何なのかということを主人公の視点で
描いていきたいのはわかるのだが、怒涛のテンポと
崩壊した作画もあいまってストーリーが頭に入ってこない。

なにせシーンによってキャラの顔は代わり、
作画枚数を減らすためすのストーリーのカットのせいで
話の展開にも違和感が生まれている

1話からゲームの世界から同じような異世界に転移したかとおもえば、
ヒロインの一人の呪いを解除して、街に訪れて、
ギルドで冒険者登録をして、ギルドマスターとの模擬戦をして、
ユニークモンスターを倒して終わる。
これが1話の展開だ、あまりにも忙しい。

本来はギルドの模擬戦など描かれるはずの部分もカットしながら
怒涛の展開を描いており、戦闘シーンが描かれたかと思っても
1枚絵とエフェクトでごまかしまくりな1話だ。もう何も期待できない。

展開自体は、なろう系作品らしいチートな主人公の物語であり、
主人公がチートの限りを尽くして周囲が驚いていくという
ベタすぎる展開なのだが、そんな話すら
作画が悪いせいも合って頭に入ってこない。

ゲームとの違い

主人公が元々閉じ込められていたのはあくまでもゲームの世界だ。
しかし、転移してしまった世界ではゲームの世界のシステムは
残りつつも、NPCたちは生きている。
スキルや称号などゲームの世界の常識とは違う部分もあり、
それを学びつつ、かつてとの仲間と再会していく。

主人公やかつてのプレイヤーは「ハイヒューマン」と
呼ばれる伝説の種族扱いであり、主人公がゲーム時代から持っているアイテムは
全てまぼろしの伝説のアイテムばかりだ。
そんなチートなアイテムやスキル、
力で色々な問題を解決していく。

このあたりはなろうらしい展開ともいえる。
一応、レベルが804などのモンスターも出てくるのだが、
ゲームでのラスボスを倒した挙げ句、ステータス上限も解除されている
主人公が苦戦するわけでもない。

1話は怒涛の展開だったのだが、
その後の展開はかなり遅く、メインヒロインとも言える
主人公が作り上げたNPCとの再会まで
4話もかかるのはやや遅い部分はある。

作画監督

作画がもう少しマシならば見れる部分もあったのかもしれないが、
本当に壊滅的だ。
絶世の美女なはずのヒロインが絶世の美女に見えないほど作画は悪い。

主人公の目的は「元の世界に戻る」ことであり、
そのあたりの主軸はきちんとしている。
そんな目的のある主人公にゲームの「NPC」であり、
彼に付き従っていたキャラクターたちが思うところはあるものの、
彼の目的のために行動していく。

1クールでは明かされないところも多く、
主人公の「約束」とやらも謎であり、
なぜ彼が500年後のゲームの世界に転移したのか、
そもそも元々のゲームはなぜデスゲームになったのかなど、
基本的な部分が明かされないところが多い。

このあたりは1クール故に仕方ない部分もあるだろう、
徐々に明らかになる面白さもあることはわかる、
500年という長い年月ゆえの変化、死にゆくNPCもおり、
そんなNPCが意思を持ちプレイヤーである主人公と関わっていくという
面白さもあるのだが、そういうところよりも常に作画の悪さが目に付く。

wikipediaなどを見てもらえばわかりやすいが、
外注に作画を投げるアニメ制作会社は多いが、
この作品の場合は「作画監督」ですら外注に投げている。
作画監督の欄に1話以外「日本人」がいない(苦笑)

各話のスタッフロールも日本自陣の名前を探すほうが早いほど
中国系の名前であふれかえっている。いわゆる三文字作画とよばれるものだ、
中国の方の名前は三文字で表されることが多くこう呼ばれるが、
そう見えないように最近はわざわざ英語表記にしている作品も多い。

横浜アニメーションラボは同クールに放送していた
「ささやくように恋を唄う」が万策が尽きてしまったり、
夏アニメとして放送予定だった鬼人幻燈抄が延期したりしたが、
本作も本当にギリギリ万策が尽きなかったレベルなのだろう。

外注に投げる制作会社は多い、大半のアニメ制作会社がそうだ。
だが「作画監督」がきちんと修正を加えているからこそ、
キャラクターの顔に統一感が生まれる。

しかし、この作品の場合は作画監督が仕事をしていない。
顔のパーツのバランスはシーンによって代わるせいで
アニメオタクでなくとも作画の悪さが伝わるほどだ。

ぽっと出

主人公がかつてゲーム内で作成したサポートキャラは
複数いるようだが、1クールでは3人しかでてこないうえに、
一人は出会ってすぐに決闘して死んでしまう。
ぽっと出のキャラに対する掘り下げなどもろくになく、
1話の中で初登場し、退場してしまうため何の感情も生まれない。

戦士として死にたいという彼の思いはわかるのだが、
そんな思いをかけて戦うシーンの作画が本当に死んでいる。
1枚絵を動かしているふうに見せかけるための演出の数々、
エフェクトでごまかしてるだけの戦闘シーンが
一人のキャラクターが命をとしてまで戦いたかったものとの戦闘シーンだ。

ストーリー自体はそこまで悪くはなく、
主人公にとってはゲームでの出来事は昨日の出来事のようだが、
NPCたちにとっては500年という年月がある、
だからこその変化や積み重ねた思い、寿命という問題も在り、
そこを描きたいのはわかるが、アニメーションとしてそれを表現できていない。

序盤からひどかったが8話あたりから更に酷くなり、
可愛いはずのヒロインの顔も崩壊し、
アップでそんな作画をごまかそうとしているが、
一切ごまかせていない。

主人公の顔など特に崩れやすく、カットがかかるたびに
顔の形も顔のパーツのバランスも何もかも変わる。
作画監督は一体何をしているだろうかと思うほど統一感のない作画だ。

そもそもの「線」がおかしい。
明らかにはみ出してはいけない線がはみだしているのもそうだが、
ただキャラクターが立っているだけで違和感のある作画だ。
「骨格」さえおかしい、槍を手で渡すというシーンでさえ、
なぜかお辞儀をするように腰を曲げている。

作画崩壊ならぬ骨格崩壊まで起きている(苦笑)
そのせいで戦闘シーンでの止め絵でポージングですらおかしい。

デーモン

終盤になるとデーモンという存在が明らかになる。
いわゆる魔族や魔物のようなものだ。
そんな魔族が暗躍し、主人公は王女様とともに
とある迷宮に飛ばされてしまい…というストーリーが展開する。

戦闘シーンもかなり多く描かれているのだが、もう死んでいる。
アップまみれのカメラワーク、ろくに動かない敵、
骨格どうなってるんだ?というようなキャラクターのポージングと
作画も酷いが戦闘シーンの内容も意味不明だ。

いきなり飛ばされた迷宮で無限に再生する魔物に苦戦し、
主人公は何度も倒す中で、なぜか再生しなくなり倒せるようになる。
主人公は謎の「引き寄せられる力」にもとまどっているが、
それがなんなのかもわからない。

最終話にはモンスターの氾濫が起きてそれを対処して終わりなのだが、
最終話の作画は本当にヤバイ。
それまでなんとか保っていたヒロインの作画すら危うく、
何故か常に「目を細めて」笑っていたり、目をつぶっていたりと、
もう作画が限界だ。

最終話はゲームの中で死んだはずのかつての仲間が
異世界にきてることが発覚したり、PKの存在も明らかになったり、
「主人公」に関係するプレイヤーが何故か異世界に来ている。
そういった事実が明らかになりつつ、ストーリーは決して悪くないのだが、
作画が最初から最後まで死んでいる作品だった。

総評:原作者は訴訟しても許される

全体的に見てあまりにもひどすぎる作品だ。
SAOのような世界から抜け出したかと思ったら
500年後のゲームの世界で、そこにはNPCが意思を持って暮らし、
死んだはずのプレイヤーも来ている。

そういった設定自体は面白く、
なぜゲームの500年後の世界に転移したのか、
主人公に関連するプレイヤーがこの世界に訪れていたのはなぜか、
色々と気になる部分もあり、きちんと描けば面白いと
感じられそうな要素もある。

しかし、本来は作品が持ってるはずの面白さを
「作画」の悪さが台無しにしている。
もはや作画崩壊だ、最終話などヒロインの「眼」すら
ろくに描く力が残っておらず、いざ眼を開ければガタガタだ。

本来は原作やコミカライズではもう少し詳しく描いているであろう
部分でさえ、作画省略のためかカットされているのを
露骨に感じるほど無駄にテンポよく描かれているせいで、
物語を描くうえでの溜めも生まれていない。

外注に投げまくり、作画監督も外注に任せ、仕上げも外注に任せ、
それを「よし」とする制作会社が横浜アニメーションラボだ。
これでアニオリ作品なら問題ないとも言えるが、
原作を借り受けてるのにこの出来栄えはあんまりだ。

もし、原作者が営業妨害だと制作会社を訴えるなら
私は訴訟を費用をカンパする。それくらいひどすぎる作品だ。

横浜アニメーションラボは同時期の放送作品で
万策尽きているが、この作品も本当になんとかギリギリ
間に合ったのだろう、ただ、万策尽きたほうが
作画がもう少しマシだったかもしれない。

本当に原作が報われない。
原作からの問題点などもあるかもしれないが、それを語る以前の問題だ。
出版社としてはこんなアニメの出来でも宣伝になると思って
横浜アニメーションラボなどに制作を任せるのかもしれないが、
宣伝のせの字にもならないことをご理解いただきたい。

個人的感想:外注

外注が悪いというわけではなく、それを仕上げる部分が問題だ。
アニメ制作は1社で全て完結するほうが珍しい、
外注にばらまいてなんぼな部分もある。

そのばらまいた作画を作画監督がきちんと修正し、
問題なく仕上げるからこそ多くのアニメは外注に投げていても問題がない。
しかし、こういった制作会社が適当な仕事をするとこういう作品が生まれる。

同時期に2本手掛けることでスケジュール的にも限界だったのだろう、
昨今はアニメ制作会社が乱立し、アニメーターの奪い合いをしており、
それでも1クールに60本以上のアニメを制作しているからこそ、
こういった作品も生まれてしまう。

今のアニメ制作事情を感じてしまう作品だ。
別の制作会社の「出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした」も
作画はかなりひどかったが、この作品はその上を行っている。

1クールに1本ならまだネタになるかもしれないが、
2本だとネタにすらならず、ニコニコ動画なき今はシャレにすらならない。
2024年夏アニメではこういう作品が生まれないことを願いたいものだ。

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