評価 ★★★☆☆(50点) 全11話
あらすじ 凡な高校生の少年カナメは、親友のキョウダから『ダーウィンズゲーム』という謎のアプリの招待を受けたことから、超能力同士の殺し合いゲームに巻き込まれる。引用- Wikipedia
ヤンデレ系ヒロインはいかが?
原作は別冊少年チャンピオンで連載中の漫画作品。
監督は徳本善信、製作はNexus
さぁゲームの時間だ
引用元:ダーウィンズゲーム 1話より
©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会
1話早々に謎の「透明」な物体に学生らしきキャラクターが
追いかけられているところから始まる。
彼は逃げながらスマホの連絡先を見ながら「助け」を求め、
カッターを飛ばしながら透明な敵と戦いつつ、
「こんなのゲームじゃないか!」と叫び、殺される。
この作品はいわゆる「デスゲーム」な作品だ。
「基本無料」のそのゲームは招待制のクローズドなゲームであり、
参加することで彼らはそれぞれ「超能力」を得ることができる。
主人公は何も知らぬままに「ダーウィンズゲーム」に参加させられ、
超能力者同士の殺し合いに巻き込まれることになる。
この手のデスゲームとしては非常にベタな始まりと言える。
わかりやすく、デスゲームとしては王道な始まりは王道であるがゆえに
すんなりとこの作品の世界観に入り込みことができる。
主人公が得た超能力は何なのか?ダーウィンズゲームの目的は?
「パンダのキグルミ」に襲われながら緊迫感のある演出もあいまって
緊張感のあるシーンを作り上げており、
問答無用で警察をも惨殺する「パンダ」の怖さ。
余計なスロー演出も使わずに流れるようなアクションは心地よく、
主人公とダーウィンズゲームに参加してる友人とパンダの戦いは容赦がない。
互いを差し合い、血まみれになりながら、彼らは必死で戦う。
そんなアクションを描きながら自然とダーウィンズゲームを
主人公にも視聴者にも説明する。
久しぶりに「グロ」い表現で黒い影で隠されるアニメを見た気がする(笑)
運
引用元:ダーウィンズゲーム 1話より
©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会
ダーウィンズゲームは基本的に1体1の戦いだ。
ジキルと呼ばれる「超能力」は一人ひとり違い、決して平等ではない。
人の体温を見れるもの、透明になれるもの、カッターナイフを飛ばすもの。
人によってまるで違う超能力がバトルシーンを盛り上げる。
そんな中で主人公は自分の能力も知らずに「透明になれる」敵と戦う。
デスゲームで、能力バトルという作品なのに
主人公自身は1話の時点で能力を使わない。
必死に頭を使い、状況を打破しようとしながらも追い詰められ
「運」で勝利する。運だ(笑)
だからこそ彼は目の前の状況に困惑する。たまたま勝利し、
わけもわからないままに目の前で人が「死ぬ」光景を目撃する。
自分を招待した友人も死に、自分を守ってくれた友人も死ぬ。
シュカ
引用元:ダーウィンズゲーム 2話より
©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会
彼女は蠱惑的なヒロインだ。ダーウィンズゲームにノリノリで参加しており、
運で初心者狩りを倒した主人公に興味を持ち近づき、彼を殺そうとする。
笑顔でまるで「踊る」用に戦う姿は美しく、鎖を自由自在に操り、
主人公を追い詰める。
彼は追い詰められる中で思考する。追い詰められたがゆえの思考、
死を覚悟したからこその思考をスローモーションの演出をうまく使い描いており、
そんな中で彼の望みは力となって現れる。
「武器さえあれば」
いつの間にか手に拳銃が現れ、自らの能力を自覚する。
彼の能力はシンプルだ。シンプルが故に使い勝手がいい。
自分が知ってる物体を想像する能力だ。
機転が利く主人公には最適な能力であり、
「機転が利く」主人公をきっちりと描いた後に、彼にとって最適な能力が覚醒する。
そんな彼と戦い、彼に惚れるのが「シュカ」だ。
魅力的な主人公と蠱惑的なヒロイン。
1話できっちりと物語の「核」となる主人公とヒロインをキャラ立ちさせており、
だからこそ自然とこの作品の世界観に入り込み、
ストーリーが気になってくる。
宝探しゲーム
引用元:ダーウィンズゲーム 3話より
©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会
本当のソーシャルゲームのごとく「ダーウィンズゲーム」には
イベントが開催されることがある。
クリア目標が制定され、その目標に向かって参加者は殺し合う。
「ダーウィンズゲーム」で稼いだポイントは1ポイントあたり10万円に換金できる。
あるものは金のために、あるものは巻き込まれただけ、
あるものはダーウィンズゲームそのものを楽しんでいる。
参加者がそれぞれの思惑で、それぞれのシギルで戦う。
だからこそ一人ひとりのキャラクターのインパクトが強い。
そんな中で主人公は迷う。「人を殺す」ということに彼は迷い躊躇する。
彼は望んで参加したわけではない、だからこそ人を殺すということに悩む。
主人公に対してヒロインであるシュカは容赦なく敵を殺す。
この対比が主人公とヒロインを際立たせている。
ただ作品の都合上、説明台詞が序盤から非常に多く
「ダーウィンズゲーム」に関する説明、
イベントが始まるとイベントのルールの説明、
新しいキャラが現れるとそのキャラやキャラの能力に関する説明と
物凄くセリフ量が多い。
正直「敵が建てた作戦」まで敵が1~100まで説明してしまうのは
やや説明過多と感じてしまう。
この辺りは脚本とストーリー構成を原作者が手掛けていることもあるのだろう。
漫画という媒体とアニメという媒体の違いを理解していない。
仲間
引用元:ダーウィンズゲーム 4話より
©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会
話が進むと仲間も増えてくる。
意外にも仲間になりそうだったキャラクターがあっけなく死んでしまったり、
いきなり仲間になったりとやや唐突だ。
ただ仲間が増えるかsらこそ、容赦のない世界観の中で
主人公がより「ダーウィンズゲーム」というゲームに対する憎しみが増していく。
主人公の仲間が明確な目的を持ってダーウィンズゲームに挑んでおり、
中盤の段階でそんな彼らと仲間になり、チーム戦をきっちりと描くことで、
能力線の面白さが増していく。
仲間を助けるために主人公が自信のシギルではなく、
「知恵」で乗り切るのもこの作品らしい面白さだ。
終盤で主人公が憎むべき「主催者」も登場することで、
より、この作品の面白さが増していく。
特に9話の連携戦は作画の質もあいまって見応え抜群だ。
ただ、その一方でご都合主義も目立つ。
主人公は1話から運がすごく、たまたま敵のいるところに車が現れて、
たまたま敵がとどめを刺さないでおいてくれて、たまたま敵が話に乗ってくれた。
運という名のご都合主義が目立つ部分も多く、
この辺りが気になる人は引っかかってしまうかもしれない。
終盤で主人公も2ヶ月鍛えて急に強くなっており、
重火器など武器を色々使えるとは言え肉体派の空手家みたいなキャラと
ある程度、対等に戦えるようになってるのはやや違和感がある。
殺してでも…
引用元:ダーウィンズゲーム 11話より
©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会
「殺しじゃ解決できないことがある、俺は殺さなかったからこそ
ココまで生き残ってこれたんだ」
これは主人公の9話のセリフだ。
彼は不殺で相手を自分の手では殺さずに来たからこそ、
多くの仲間を得ることが出来た。だからこそ殺さないことが彼の主義でも合った。
しかし、主人公の友人が主人公に恨みを持つ敵対するクランに
誘拐され殺されてしまう。
絶望し、彼は「殺す」ことを決意する。
自分の甘さが故に、自分の甘さが許せず、自分の甘さを恨む。
人間を殺すということに人としての迷いが合った。
だからこそ彼は殺さない事で自分自身を保とうとしていた。
主人公は「覚悟」をきめて殺すことを決意する。
だからこそ彼はより決意をする。
「ダーウィンズゲームを終わらせる」ということ、
そのためなら例え誰でも殺すという決意だ。
原作がまだ続いており、1クールでは「俺たちの戦いはこれからだ」で
終わっており、あくまで「序章」までしか描かれていないものの、
続きが気になるところで終わっている。
総評:デスゲーの見せ方
引用元:ダーウィンズゲーム 11話より
©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会
全体的に見て地味ではあるものの悪くない作品だ。
やや主人公にとってご都合主義が目立つ部分はあるものの、
序盤できっちりと主人公とヒロインという物語の核を際立せており、
特にヒロインである「シュカ」は蠱惑的な魅力がある。
繰り返されるデスゲームの中で「不殺」な主人公だからこそ
仲間が増えていき、終盤ではそんな「不殺」だった主人公が
考え方を変え決意をし主人公として覚醒する。
ストーリーの流れとしては1クールできれいに描かれており、
わかりやすいストーリー展開だ。
ただ「デスゲーム」という都合上、システムやルールの説明台詞が長く、
「能力系バトル」という都合上、キャラが出るとキャラの能力の説明もある。
作品全体としてセリフ量が非常に多く、説明しなくても分かる部分までも
説明してしまってる部分はやや気になるところであり、
敵が自ら立てた作戦を「1~100」まで説明してるのは不要な部分だ。
作品としてやってることは「デスゲーム」+「能力系バトル」であり、
あまり新鮮さはなく、キビキビと動くアクションシーンのおかげで
作品の面白さが増している部分もあり、ベテランぞろいの声優さんの演技や
ヒロインを演じる「上田麗奈」や1期目のボス的な存在である王を演じる
「松岡禎丞」さんなど演技によってキャラクターの魅力が増してる部分も大きい。
デスゲーム系で1クールだとどうしても「俺たちの戦いはこれからだ」か
中途半端な展開で終わるしか無く、もったいない。
作品としては手堅い出来栄えになってるものの、グロ描写やセクシー描写もあるのに
地味な感じが否めないのももったいない所だ。
ここからストーリーが面白くなりそう、
より盛り上がりそうなところで終わってるのは残念なところであり、
いっそ2クールで「ダーウィンズゲーム」そのものが終わるまでを
描いてほしかったと感じるところだ。
個人的な感想:謎のキャラ CV 石田彰
引用元:ダーウィンズゲーム 話より
©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会
最終話の最後の最後で「石田彰」さん演ずる謎のキャラが
出るのは思わず笑ってしまった。
この手の俺たちの戦いはこれからだ的な作品で石田彰さん演ずる謎のキャラが
出てくるのは何作品目だろうか(笑)
個人的には嫌いじゃない作品だった。
シュカの魅力やレインの可愛さはこの作品における癒やしであり、
スイの掘り下げがやや足りなかったのは残念な部分ではあるが、
続きが気になる作品だ。
2期があるかどうかはわからないが原作が完結したら原作を一気読みしたい。
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