セクシー

「ダンベル何キロ持てる?」レビュー

セクシー

評価 ★★★★☆(73点) 全12話

あらすじ 食べることが大好きな皇桜女学院の女子高生・紗倉ひびきは友人の上原彩也香から最近太り気味であることを指摘される。引用- Wikipedia

これぞ見るプロテイン

原作はマンガワン、裏サンデーなどで連載中の漫画作品。
監督は山﨑みつえ、制作は動画工房

カロリー


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

1話そうそうに描かれるのは「カロリー」だ。
主人公が買い食いしてる食べ物のカロリーが生々しく表示される。
アニメでカロリー表示がされる作品も珍しく、
私が今まで見てきたアニメを思い返してもぱっと思い浮かばないほどだ。
しかし、この作品において「カロリー」は重要だ。

1話冒頭でヒロインの身長体重スリーサイズが名前とともに公開される。
いわゆるキャラ紹介だ。他のアニメでもこれくらいの情報は出ることが多いが、
この作品はさらに「体脂肪率」と「基礎代謝量」まで出る(笑)
大食いがゆえに少し太ってしまったヒロインが「ダイエット」を決意するところから
物語が始まる。

そして衝撃のOPだ、これに関してはYOUTUBEなどで聞いていただきたいが
まるでボディービルダーの大会で投げかけられるような言葉が
曲の合いの手で入りまくっている。
「腹筋6LDKかい!」「二頭がいいね!チョモランマ!」「大胸筋が歩いてる!」と
合いの手でここまで笑えるOPはなかなかない。

開始3分で「あ、このアニメ面白いな」と感じさせてくれる。

正しい筋トレ


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

本作はジムでの「筋トレ」のやり方を事細かく教えてくれる。
ベンチプレス、スクワットなどなど
解説シーンには「どこの筋肉に効くのか」というのを事細かく教えてくれる。

女性キャラクターを使って筋肉を見せることで、
それがセクシーさにもつながっており、ギャグにもなっている。
ただの解説なら飽きてしまうがエロを含めれば魅力的で
笑えるシーンになる(笑)

そんな説明の後には当然、トレーニングが始まる。
「トレーナー」である街雄は笑顔全開でヒロインたちの筋トレを指導する、
ヒロインは当然「汗だく」になりながら、息を荒げ、紅潮した顔を見せてくれる。
その表情と声がたまらない。

「筋トレ」というものがここまでセクシーなものなのかと実感させられ、
シンプルにエロく、そのあられもない姿が笑えてきてしまう。

魅力的なキャラクターたち


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

主人公でもある金髪黒ギャル、優等生な黒髪女子、
主人公の友人、彼女たちの学校の先生、ロシアから来た留学生と
一人ひとりが可愛らしく、一人ひとりが魅力的だ。

主人公は「モテたい」という意思で痩せるためにジムに通い、
優等生な黒髪女子は「筋肉」が好きだからこそジムに通い、
先生は単純に年齢による「体重増加」とコスプレをするためにジムに通う。

それぞれ「トレーニング」する理由があり、
それがそのキャラクターらしさにも繋がり
それぞれのキャラと立ち位置がしっかりしている。
だからこそ、そのキャラクターたちが織りなすギャグが面白くなる。

骨と筋肉


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

制作会社の動画工房は「女の子」を可愛く描く制作会社として有名だ。
細かい動きやさりげない仕草、髪の描写など
「可愛く」見せることに関しては郡を抜いている。
そんな動画工房が今作でこだわってるのは「骨」と「筋肉」の描写だ。

さりげない筋肉の筋、肩甲骨、鎖骨、そこから生まれる「服の皺」の
描写が本当に細かく、目の描写できっちりと感情を表現しつつ、
まつげや口の形でより女の子の可愛さを引き出している。
細かい部分まで描きこまれてるからこその可愛さと、
フェチズムを感じるこだわりから生まれる動画工房特有のキャラの魅力だ。

それは男性キャラクターの描写のも通じる。
爽やかイケメンなトレーナーが少し力を入れると服が破け、
嘘みたいなな筋肉が飛び出てくる(笑)
彼の筋骨隆々とした肉体はまさに「マッチョ」そのものであり、
彼の服が破けるたびに笑ってしまう。

童顔なイケメンな顔なのに、体はボディビルダーのようなマッチョ、
彼のキャラクターはこの作品には必要不可欠なものだ。
セクシーな女性キャラに対比するようなギャグのような男性キャラ、
このバランスがこの作品の面白さを支えている。

ダイエット


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

この作品の主人公の目的は「ダイエット」だ。
毎話のように彼女の体重が出ており、それがストーリーの進行にもつながっている。
一時的に増えた場合は「なぜ増えたのか」をきちんと解説し、
ダイエットに関する知識を自然と入れている。

食事制限や、筋肉と代謝の関係、リバウンド、
非情にわかり易く丁寧に「街雄」が説明してくれる。
それがうんちくっぽくなく、説明臭くもない。
あくまでもキャラクターが悩んでいるからこその助言であり、しつこくない。

説明描写が多いシーンではまるで子供向けの体操番組のような
「筋トレ講座」が差し込まれたり、説明中に「街雄」のポージングが
挟まれることで、説明描写が説明臭くならず、ギャグになっている。
ダイエットや筋トレに関する説明や豆知識の説明描写は多いのに、
それがしつこくないのがこの作品の面白さだ。

うまくダイエットや筋トレの説明をしながらも、それを面白くしようとしている。
耳で学び、目で笑う、そんな絶妙バランスで作品を楽しめるようになっている
説明が丁寧で面白くキャラが魅力的だからこそ見てるうちに
自分も「筋トレ」がしたくなってしまう。

主人公という名のツッコミ


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

この作品の主人公はちょっと大食いなギャルだ。
筋トレの知識やダイエットの知識はなく、ジムや友人たちの
筋トレやダイエットの知識に新鮮に驚いてくれる。
その驚きが時には「ツッコミ」にもなっている。

過剰なトレーニング方法や
彼女のツッコミは非常に軽快かつ的確であり、
ボケの多いこの作品において主人公の「ツッコミ」が際立つ。

演じている「ファイルーズあい」の演技と声も素晴らしく、
とてもこの作品が初主演、かつ初名前アリのキャラとは思えないほどだ。
声荒げるツッコミのセリフは演技力がなければわざとらしくなってしまうが、
自然かつ鋭いツッコミが彼女の演技のおかげで余計に際立っている。

他にも雨宮天、石上静香、東山奈央、堀江由衣と
しっかりと「演技力」と声の魅力のある声優さんを起用しており、
雨宮天さんの筋肉フェチな演技や東山奈央さんのロシア娘な演技など、
キャラクターをより魅力的かつ、面白くしている。

マンネリ


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

ただ、よくも悪くもこの作品はやってることは同じだ。
ひたすら筋トレをしている。
鍛える筋肉の場所やトレーニング方法、トレーニグする場所など
色々と話によって変わったり、運動会や水着回など季節ネタなどはあるものの、
根本の部分でやってることは「筋トレ」でしかない。

良い意味でも悪い意味でも作品にブレがない。
「街雄」というネタキャラのインパクトはたしかに強いものの、
中盤からはややパターン化してしまう、お約束といえなくもないが、
「1話30分」だからこそ、そのマンネリとパターン化がやや見え隠れしている。

マンネリを防ぐために新キャラが出てくることも多く、
序盤こそ1話30分をうまく使っていたが、
中盤以降は1話15分尺のほうが良かったのでは?と感じる場合も多い。

それでも、マンネリさせないように唐突に「劇画タッチ」になったり
追加される新キャラクターも魅力的であり、
この作品の「ポテンシャル」があるからこそ、完全なマンネリにはならない。

キャラが増えたことでJK4人による日常アニメのような雰囲気もあり、
彼女たちの通う学校が「ジム会費やトレーニング代などの筋トレ関連」には
補助金まで出ている事実が明らかになると、
より「きんとれ!」的なきらら漫画のような日常アニメっぽくなる。
唐突にアイドルになる話が出てきたりするのもその傾向が強い。

成長


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

この作品は1クールの作品だ、主人公がダイエットのために
ジムに通い、筋トレの知識も何もない彼女が1クール通して
「成長」してることを最終話で感じさせてくれる。
こんなにも全編ギャグな作品なのに「筋トレ」に関しては真面目だからこその
成長ともいえる。

ジムに通わなければ友達にならなかったかもしれない彼女と対決し、
互いの友情を確かめ合う。
「ちょっといい話」っぽい話で終わる感じが悪くなく、
最後の「オチ」も含めてこの作品を面白かったと感じさせる余韻を残す作品だ。

1クール、見てるうちに自分も筋トレしたくなる、
楽しく学べて、セクシーな筋トレアニメとして完成度の高い作品だった。

総評:大胸筋に感謝しろ!


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

全体的に見て「筋トレ」という本筋がブレず、
その本筋を面白おかしくしながらも真面目に筋トレを解説している作品だ。
真面目な解説の中でも「エロ」を混ぜることで説明臭さを消し、
ムキムキマッチョすぎるトレーナーの強烈なインパクトと、
可愛らしい女性キャラクターたちの魅力が詰まってる。

制作会社である「動画工房」らしい女性キャラクターの作画の魅力も素晴らしく、
「フェチズム」を強く感じる細やかな描写は素晴らしいエロチシズムを感じさせ、
それがあるからこそ筋トレの解説が面白い。
「筋肉」の描写を笑いとエロできっちりと描き分けている。

中盤以降になるとややパターン化とマンネリ化が見えてきてしまうのが残念だが、
それでもキャラクターが魅力的だからこそ、彼女たちの日常描写も微笑ましく、
そこに「街雄」というトレーナーのインパクトを混ぜることで、
お約束的な笑いを生まれている。

やや30分という尺を使い余してる話はあったものの、
完全なマンネリになる前に1クール終わった感じのある作品だ。
解説が丁寧でエロとともに頭に入ってくるため、思わず各話のCパートでの
おさらいのトレーニングで自分も一緒に筋トレしたくなる、
そんな魅力を秘めた作品だ。

個人的な感想:街雄


引用元:©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

やはり、この作品の象徴は街雄だろう。
彼はパターン化してる存在であり、全身に力を込めて服を破るというシーンが
何度もあるのだが、何回でもそれで笑ってしまう。
何度も見た光景なのにくやしいかな笑ってしまう(笑)

時折次元の壁を超えたり、神になったりする彼の存在感が素晴らしく、
そんな存在感に対して女性キャラクターがしっかりと可愛い。
特に筋肉フェチな奏流院 朱美は個人的にはかなりツボなキャラクターだった。

話題になった作品だけに2期はあるのだろうか?
やや終盤のマンネリ化が気になりはしたが、2期があるならば、
1期以上に面白くなることを期待したい作品だ。

「」は面白い?つまらない?

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