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シンプルすぎる総集編「名探偵コナン vs. 怪盗キッド」アニメレビュー

3.0
名探偵コナン vs. 怪盗キッド 映画
(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 2024
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評価 ★★★☆☆(45点) 全81分

<TVシリーズ特別編集版>『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』WEBCM30秒【2024年1月5日(金)公開】

あらすじ 江古田高校2年生の黒羽快斗はある日、世界的マジシャンだった父・黒羽盗一が実は世間をにぎわせていた「怪盗キッド」であったこと、そして父が謎の組織に殺害されたことを知る。引用- Wikipedia

本作品は名探偵コナンの総集編映画作品。
緋色の研究、灰原哀物語、そしてこの3作品と
名探偵コナンはここ最近、総集編映画をやる流れが生まれている。
トムス・エンタテインメント

怪盗と探偵

映画冒頭から新規カットから始まる。
怪盗キッドとコナン、探偵と怪盗というライバルが
対峙しているシーンからこの作品は始まる。

序盤からかなりサクサクとしたストーリーを展開している。
世間を賑わす怪盗、そんな怪盗キッドとコナンの出会いである
事件を描いている。

怪盗1412号、最初はそう呼ばれていた彼は謎が多い存在だ。
18年前に話題になった彼は、突如として姿を消したかとおもえば
また姿を表し日本で活躍している。

1412がKIDに見えることから怪盗キッドと呼ばれる彼が
平成のシャーロック・ホームズの前に現れる。
平成のアルセーヌ・ルパンと、平成のシャーロック・ホームズ。
因縁の相手だ。

そんな冒頭から総集編映画ではお約束になった自己紹介がある(笑)

「オレは黒羽快斗!幼馴染で同級生の中森青子は隣に住んでる、
いわゆる腐れ縁ってやつさ!」

怪盗なのに堂々と自己紹介をしてくれる矛盾はあるものの、
怪盗キッドのバックボーンをあまり知らない人も多いだろう、
彼は父の死の深層を求めるためにもビッグジュエルを探している。

コナン映画特有のわかりやすい紹介のおかげで、
怪盗キッドのことを知らない人でも自然に
物語を楽しめるようになっている。

まじっく快斗

序盤はどちらかと言えば名探偵コナンではなく
「まじっく快斗」だ(笑)
まじっく快斗の1話である「時計仕掛けのハート」を
序盤は丁寧に描きつつ、彼がどういう人物なのか、
プライベートは何をしているのかを描いている。

時計台に埋め込まれたダイヤ、そんなダイヤを
盗む予告をしたキッドではあるものの、
その時計台は幼馴染との思い出のものでもある。

怪盗キッドのライバルとして「工藤新一」も現れる。
まだコナンに、子供の体になる前の彼が
怪盗キッドのライバルとして現れることで、
必然的に盛り上がるも生まれる。

怪盗キッドを捕まえるために、堂々と拳銃をぶっ放す
工藤新一の異様さもさることながら、
そんな彼に対抗するために怪盗として逃げ果せる姿は
まさに名勝負だ。

あくまで総集編でありリメイクではないため、
作画自体はやや古さを感じるものの、
デジタルリマスターされているおかげか、そこまで古さを感じない。

このまじっく快斗の1話である「時計仕掛けのハート」に関しては
カットしている部分もかなり少なく、自然に
怪盗キッドという人物と、工藤新一との出会いを描いている。

コナン

中盤になると工藤新一からコナンの姿になった後の
エピソードが描かれる。
月下の奇術師といわれる彼らしい月を背にした
「空中浮遊」はキッドというキャラで有名なエピソードの1つだ。

序盤のエピソードもそうだが、このエピソードも
カットがほとんどなく、2つのエピソードをつなげている印象だ。

総集編というよりはシンプルにつなげただけではあるものの、
怪盗キッドという人物がどういう人物なのかというのを
80分ほどでまとめ上げられている作品だった。

総評:シンプルすぎる総集編

全体的に見てシンプルな総集編映画だ。
怪盗キッドのファーストエピソード、そしてコナンとの対決という
2つのエピソードをシンプルにつなげただけのものになっており、
ほとんどカットもなく自然にストーリーを楽しみつつ、
怪盗キッドがどういう人物なのかを知ることができる。

緋色の研究、灰原哀物語、過去の2つの総集編映画に比べると
慌ただしさのようなものもなく、シンプルに物語がまとまっており、
1つの映画としては見やすい作品になっている。

ただ、かなり物足りない作品だ。新規映像は冒頭と最後にはあるものの、
尺としてはかなり短く、面白みも薄い。
普段から名探偵コナンという作品を楽しんでいる方なら、
今更怪盗キッドのことなど復習しなくてもご存知のはずだ。

あえて映画館というスクリーンでこの作品を見たいか?と
言われると疑問なところであり、
前々作や前作の総集編のように長いコナンシリーズだからこその
振り返りと復習が必要なほど怪盗キッドのエピソードは多くはない。

そう考えると、この作品だからこその面白みも薄く、
やや物足りなさも強い。

劇場という大きなスクリーンで怪盗キッドを見たい!
そういう怪盗キッドガチ勢にはおすすめかもしれないが、
普通の人は配信サイトなどで怪盗キッドが出てくるエピソードを見れば
事たる部分もあり、やや残念な部分も大きい総集編映画だった

個人的な感想:作画

最近は鬼滅の刃が毎年のように総集編映画をやってたりするが、
鬼滅の刃に限って言えば作画が、もともとTVアニメのクォリティを
超えているため、スクリーンで見る価値が生まれている。

しかし、コナンの場合は普通の作画だ。
コナンにそんな超絶作画は求めていないものの、
総集編映画として作り上げてしまうと、
スクリーンという巨大な媒体に負けてしまうような気がしてしまう。

ここ最近、連続してやっているだけに、
来年以降もやるかもしれないが、
もう少しわざわざ映画館に足を運んできてくれた人が
見てよかったと思える総集編映画になることを期待したい。

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