評価 ★☆☆☆☆(14点) 全12話
あらすじ 晩酌を楽しんでいた男は、気づけば貴族の五男・リアムの肉体に乗り移っていた。引用- Wikipedia
ツッコミ所、無限大
原作は小説家になろうで連載されている小説作品。
監督は石倉賢一、制作はスタジオディーン、マーヴィージャック
謎の幼女
1話冒頭、謎の空間で「釘宮理恵」さんボイスの謎の女性に
主人公は狂っているとつきつけられ、
もっと魔法がほしいか?という問いに主人公はほしいと答える。
そうかと思えば主人公が目を覚ますとなぜか異世界転生している(苦笑)
1話冒頭のシーンとOP後の次のシーンのつながりがなく、
唐突になんの脈絡もなく異世界の貴族の五男として転生している。
それまでの記憶というものもなく、わけがわからない中で
主人公は状況を把握するものの、見ている側もさっぱりわからない。
もともとの貴族の五男の記憶や人格はどうなったのか、
主人公が転生したことで上書き保存されたのかどうなのか、
脈絡なく話が展開していくため、
困惑している主人公以上に見ている側も大混乱だ。
そういう状況のはずなのに魔法があることに歓喜し、魔法に夢中だ。
転生してしまった経緯やそれまでの人格、
元の世界に戻れるのかなど普通なら考えることを考えずに
魔法に夢中な主人公だ、確かに狂っている。
少し調べたのだが実は異世界転生ではなく
「同じ世界」の庶民が唐突に晩酌中に気を失ったら、
なぜか同じ世界の貴族の五男の体に憑依しているという状況らしい。
ますます意味不明だ(苦笑)
このあたりの説明が一切ないため話についていきづらい。
もともとの彼の体はどうなったのか、彼の過去などは
一切描かれず、そんなことはどうでもいい!といわんばかりに
話が進んでいく、物語に対する説得力を生むための説明や
ストーリーというのがこの作品にはほぼ無い。
師匠
主人公というか乗り移った五男の体は
魔法の才能があったらしく、魔導書を読むだけで
主人公は魔法が使えるようになり、父にもその実力を認められる。
そんな魔法の才能がある五男の体によって
魔法を使うことを楽しんでいると、ある日、森の中で
すごい魔法使いに出会い、より効率的な魔法の使いかたを教わる。
その効率的な魔法の使いかたは100万人に一人しかない才能らしく、
五男の体の才能の凄さのアピールが続く。
決して主人公がすごいわけではない、五男の体がすごいだけだ。
頭脳面では庶民の頭の良さがあるからこそなのかもしれないが、
もう体の才能なのか魂の才能なのかよくわからない。
そんな師匠に才能を認められ、マジックペディアというのを渡される。
簡単に言えばwikipediaである(笑)
そんなwikipediaには100冊分の魔法書が詰め込まれており、
一気に300を超える魔法を主人公は覚える。
一切努力なく貴族の五男の才能のある体で、
貴族の家にあった魔法書を読んで、師匠からもらった
wikipediaで魔法を一気に覚える。努力もクソもない。
すべて降ってわいてくる。
本来は魔法書をもって魔法を使うのが普通なのだが、
師匠からもらったwikipediaに魔法省の内容を追記することができ、
持ち歩く必要性すら無い。
主人公にとって都合の良い展開がベルトコンベアのように
流れ込んでくる展開には呆れ果てるしか無い。
塩ラーメン
主人公の父はアホであり、貴族としての地位を確立するために
領内に封印されていた魔物を討伐しようと1000人の兵士を率いたが
九割の兵士を失い魔物を再封印しただけで終わる。
貴族の五男ではあるものの没落間近だ。
そんな中で独立するために主人公はお金を稼ぐ手段を考え、
街にいくと「塩ラーメン」を食べる。
そこで彼は「即席麺」を思い立ち、魔法を組み合わせて作り上げる。
意味がわからない(苦笑)
ゴリゴリに現代的な一杯900円くらいな塩ラーメンの見た目もそうだが、
異世界転生ではなく、この世界の庶民だった主人公が
「即席麺」を思いつく流れは理解不能でしか無い。
これで異世界転生なら現代知識イキリとして飲み込めるが
そうではないからこそ意味不明だ。
いざ即席麺を売り込もうとすると長男に邪魔され、
別の街で売り込もうとする。
ちなみにマジックペディアにはアイテムボックスもある。
2話になるとギルドに登録し冒険者として
依頼を受けることになる。いつもの流れだ。
アスナ(CV戸松遥)な冒険者仲間も現れ、大活躍する。
依頼を受けたのは、お偉いさんが来る前に
特殊な魔物を一体倒すだけのはずなのだが、
2体目もおり、2体倒すと特別報酬として5倍の報酬をゲットする。
3倍くらいならまだわかるが、5倍という謎の計算方式も謎すぎる。
もうツッコミどころが無限大だ。
あまりにも突っ込みどころが多すぎて話が進めば進むほど
突っ込まないといけないところが増えてくる。
奴隷
あっさりと主人公は騎士の位もゲットし、
主人公がアイテムボックスの特訓をするために
たまたま池の水を全部吸い込むと、どこかに消えた師匠からの
手紙が埋まっており、同時に100kgの「砂金」まで送られる。
師匠の先読み能力の高さがもはや未来予知レベルだ(笑)
主人公がアイテムボックスの特訓をするのはわかるのだが、
どこの池でやるのかすらわからないのに、
砂金と手紙を仕込んでいる.
それどころか、砂金を100キロほど池の会った場所に放り込むと
地下室がひらき、最上級魔導書が師匠によって隠されている(笑)
あまりにもめんどくさすぎる隠し方だ。
冒険者としての活動も意味不明であり、
冒険者仲間のアスナが強くなるために使い魔契約を主人公と結ぶ。
実質奴隷契約だ、そのかわりに主人公の力の一部を
使うことができるというものらしいのだが、
その代償に奴隷のように言うことに逆らえなくなる。
主人公に対していつのまにか好意を抱いているのはわかるのだが、
力を手に入れるためとは言え奴隷契約に近い
使い魔契約をなんの迷いもなく結ぶ展開は意味不明だ。
アスナに関してはそれまで主人公と冒険をし
共に戦った仲間だからこそ理解できるのだが、
唐突にヒーラーのような仲間も増え、
そんなヒーラーですらあっさり使い魔契約を結ぶ。
もはや意味不明を通り越して理解不能だ。脈絡がなさすぎる
特に何もしていないのに王女を楽しませたというだけで
男爵の地位もゲットし魔導書ももらえる。
金も、権力も、女も、
どんどん主人公にとって都合の良いものが降ってくる。
ピクシーに名前をつけるとエルフに進化したりと、
どこぞのスライムみたいな展開もとってつけたようにある。
国造り
なんか流れで契約したドラゴンが特別な龍らしく、
その龍に言われるがままの場所に妖精を住まわせたら
約束の地という場所だったらしく、
王女までも主人公にひれ伏し、国造りをすることになる。
あまりにも唐突で脈絡のない展開にシンプルに話についていけない。
フェアリーもそうだが、狼が唐突に襲ってきて
そんな狼とも名付けし契約して女の子になる。
転生したらスライムだった件をやりたいのはわかるものの、
あまりにも雑な国造りだ。
その中でクソダサい鎧を手に入れたりするのだが、
本当にダサい(笑)
伝説の鎧的なもので、使いこなせば世界が取れるらしいのだが、
その代償にダサくなる。
婚約者が急にできたりと、中盤になっても
展開に一切の脈絡がない。
主人公が手に入れた土地に住む異種族がどんどんでてきて
なんやかんやあって主人公の仲間になり名付けをする。
転生したらスライムだった件みたいな展開がずっと続く。
せっかく使い魔契約した奴隷二人の出番も全く無くなる。
キャラクターすら使い捨て感覚だ。
作画のクォリティもももちろん低く、棒立ちで会話したり、
コピペしただけの兵士やモブキャラだったり、
主人公でさえコピペなこともある。
ちなみにタイトルに「暇だったから」とあるが、
彼が暇そうにしてるシーンは一切ない。
むしろ多忙な毎日だ。
王になった主人公を狙うものもおり、
たまに苦戦したりするもののサクサクと物語が進んでいく。
貨幣
唐突に貨幣を作ろう!という流れになる。
貨幣経済のなんたるかもわからず、
適当に主人公が魔法で作り出す(苦笑)
貨幣自体のクォリティが高いと、その貨幣の価値が上がり、
主人公の作り出した貨幣は高水準のもので、
貨幣経済がいきなり出来上がる。
魔法によって国を色々と豊かにしたり、
他の国を支援したりと色々なことをしながら、
ハンターハンターの念能力の修行のようなことをしたりするが、
特に面白みはない。
主人公のwikipediaも仲間でも使えるように変化させ、
仲間たちも大量の魔法を使えるようになる。
主人公が作った国にいれば誰でもwikipediaにアクセスでき、
魔法を使えるようになるというご都合主義も凄まじい。
主人公すごい!主人公素晴らしい!主人公かっこいい!
最初から最後までそんな称賛を聞かされる作品だった。
総評:wikipediaで魔法を覚えるなよ
全体的に見てシンプルにひどい作品だ。
作画のクォリティは低いクォリティで安定しており、
モブキャラや主人公を含めさまざまなキャラをコピペしていたりと
低予算っぽさ全開のアニメーションに特に見どころはない。
戦闘シーンもちょこちょことあるものの、クソダサい鎧を
身にまとい戦う姿は本当にダサい。
ストーリーの酷さはそれ以上だ。
そもそも主人公が貴族の5男に転生だか憑依だか上書き保存された
という状態も意味がわからず、もともとの5男の魂はどこへやらだ。
これで異世界転生ならばまだ納得できるが、
この世界の庶民の人格がなぜか5男に乗り移っている。
そのあとはトントン拍子に主人公にとって都合の良い展開が起こり、
才能のある体で魔法を覚え、道に落ちてた師匠に
魔法を教わり、wikipediaをもらい300以上の魔法をもらい、
喜んで奴隷になる二人の女性が現れ、龍になつかれ、
国造りを始める。
そのあとはほぼ、転生したらスライムだった件のマネごとの国造りであり、
名付けをして変化する魔物などまさにだ。
キャラクターの使い捨て具合も凄まじく、
序盤にできた奴隷二人もろくに登場せず活躍もしない。
脈絡がない展開もこの作品の特徴であり、
いきなり誰かが現れたり、何かが起きて物事が進んでいく。
最終話でさえぽっと出のキャラと決闘して、
同盟を結ぶ云々の話が湧いてでてきて、
5分と立たず決闘がおわり、1クール終わる。
主人公の過去や前世、どうして5男の体に乗り移ったのか
そのあたりのバックボーンは一切掘り下げないまま、
最期まで特に盛り上がりどころもなく終わる作品だ。
ツッコミどころを挙げると本当にキリがなく、
そのあたりを突っ込みまくる作品としては楽しめるかもしれない。
個人的な感想:同作者
この作品と同じ原作者の
「レベル1だけどユニークスキルで最強です」も
かなりひどい作品だったが、あの作品と比べると作画は多少良いのが
救い…かもしれない(苦笑)
おそらく2期の可能性は低いものの、
2期があったら、このツッコミどころがどこまで増殖するのか
ちょっと見てみたい気持ちも生まれる作品だった。